当記事は「シリーズ記事」になります。


    ピンクリボン運動(乳癌検診の啓発運動)の 真実!

    乳癌検診(マンモグラフィー検診)の真実!本記事
     【 マンモグラフィー検診で発見される乳癌の4分の1は 過剰診断:
       乳癌検診で多くの人が 不要な切除 を受けている- 福田医師 】


    マンモグラフィーの真実!
     【 マンモグラフィーは、検査後に「非浸潤性の癌が浸潤性に変わる」
       「成長しない癌が成長を始めた」というケース、数多くの 過剰診断 がある!】



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 この記事は、『銀座東京クリニック』院長の「福田一典」医師が公開されています「『漢方がん治療』を考える」から「547)がん検診の不都合な真実 その3:がん検診が がん患者をつくり出している」記事の次の「4項」をご紹介させて頂きます。


    マンモグラフィー検診で発見される乳がんの4分の1は過剰診断
    若い人の「乳がん検診」は有害
    乳がん検診で多くの人が「不要な切除」を受けている
    小さい がんは、増殖が遅いから小さい


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 欧米では「マンモグラフィー検診」の精度はあまりにも低いということが常識となっています。
 当記事にて「福田一典」医師は、その「マンモグラフィー」による「乳癌検診」の実態について非常に詳しく説明してくださっています。当記事時も「乳癌検診」について考えるきっかけとなって頂けたらと思います。

 「ピンクリボン運動(乳癌検診の啓発運動)の 真実!」記事に引き続き「マンモグラフィー検診」の精度のあまりの低さをよくご理解して頂くこと‥、そして、この日本では、なぜか、それが流布されることなく、今も通常療法の病院で「マンモグラフィー」による「乳癌検診」が(さも 本物のタチの悪い乳癌を「早期発見」「早期治療」できるかのように謳って)当たり前顔して継続されていることへの疑問‥、これらをよく知り、ここについて真剣に考えて頂ければと思います。

 あまりにも精度の低い「マンモグラフィー」による「乳癌検診」によって「ニセ癌IDLE)」を「乳癌」だと診断されて「不必要な手術」をされているケースが多いのです。
 しかも、その手術後に「抗がん剤治療」をやらされていたならば、この強力なる発癌性物質である「抗がん剤」という「発癌剤」によって「癌が誘導されてしまう本当に癌になってしまう)」わけで、このケースが多いというのは、これは「犯罪」としか言いようのないことです。

 この「マンモグラフィー検診」による「誤診」によって、健康な女性が(乳癌ではないのに)「不必要な治療」をさせられているケースが多いことを、みなさんもよく考えてみてください。
 そして、なぜ、日本ではまったく改善されていないのか‥、ここについてもよく考えてみてください。

 「ピンクリボン運動(乳癌検診の啓発運動)の 真実!」記事で取り上げましたように、通常療法の「乳癌の世界」には「乳癌ビジネス」というものが、やはり、あるのです。
 こうした実情を多角的に見つめ、ご自分なりに「乳癌検診」について熟考して頂けたらと思います。
 よろしくお願いします m(__)m

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 547)がん検診の不都合な真実 その3:がん検診が がん患者をつくり出している
 【「『漢方がん治療』を考える(福田一典 医師)」
より 】

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【図】
◆◆

 1万人の女性が1年に1回の「マンモグラフィー検診」を10年間受けた場合、乳がんによる死亡が防げる人数は40歳で1~16人、50歳で3~32人、60歳で5~49人と推定されている。
 しかし 10年間の間に1回以上の「偽陽性」の判定(乳がんでないのに「乳がんの疑い」の診断)を半数以上の人が受け、
 1000人前後は、乳がんではない(偽陽性)のに針生検(バイオプシー)を受ける。
「がん」という診断が確定すると「手術」などの治療を受けるが、この中には「放置」しても症状を起こすことも無く、死亡の原因になることもない「非常に増殖の遅い乳がん」が含まれている。
 この過剰診断過剰治療の数は年齢が高いほど多い。10年間「マンモグラフィー検診」を受けると100人から200人に1人が「無駄な治療」を受けることになる。
 乳がん死亡の減少は試験によって開きがあるが、厳密にランダム化された3件の臨床試験では、(マンモグラフィー検診は)「乳がん死を減らす効果が無い」という結果が出ている。
 さらに「マンモグラフィー検診」には、全死因死亡の数を減らす効果はない。()内は 95% 信頼区間(95% CI)。◆◆



マンモグラフィー検診で発見される乳がんの4分の1は過剰診断

 「がん検診」の有効性を評価するために「検診を受けた群」と「検診を受けなかった群」に無作為に分け、長期間にわたって追跡調査する研究が行なわれています。

 検診が有効であれば、

    検診群は「初期のがん」の発見が増え、「進行したがん」の発見数は減る。

 という結果になるはずです。

 もし、検診で見つかったがんがすべて「進行がん」になるのであれば、長期間追跡すれば「検診を受けなかった群」と「検診を受けた群」では「がんの発生数」は同じになるはずです。
ただし、検診群では「初期のがん」が多いという違いはあるはずです。

 45~69歳の約42000人を対象に「マンモグラフィーによる検診を受けた群」と「受けなかった群」に分けて、「ランダム化二重盲検試験」を行なった結果が報告されています。
 15年後の「乳がん発生数」は、検診群が 741例、非検診群が 626例 で、非検診群に比べて 検診群では 115例 多くの乳がんが見つかっています。
 単純に計算すると、検診群で見つかった がんの 約16%(741例中115例)が「過剰診断」ということになります。
 しかし「マンモグラフィーによる検診群」に分けられた人の中には、「マンモグラフィー」ではなく、臨床症状で見つかった人たちがいます。
 つまり、検診群でも、検診で見つかったのは 477例 で、264例 は 症状が出てから「乳がんの診断」がついています。
 したがって、検診のみで見つかった 477例中の 115例(24%)が「過剰診断」という計算が正しいということになります。

 つまり、

    45~69歳の女性を「マンモグラフィー」で検診すると、
     がんと診断された4人に1人が「過剰診断」の可能性がある。


 という結果です。〔BMJ. 2006 Mar 25; 332 (7543): 689-92.


 米国からの報告では、1983年以降、浸潤性乳がんの罹患率は増加しています。
 特に、低悪性度の性質を持った浸潤性乳がんの発生頻度が増えています。

 低悪性度の乳がんの診断数の増加は、検診による「過剰診断」が原因であることは充分に認識されていますが、その程度は過小に見積もられているという指摘があります。
 検診によって「過剰診断」されている症例は、前述のように 25% 程度ではなく、もっと多いという指摘があります。
 検診で発見された浸潤性乳がんのうち、30% くらいは、極めて「悪性度の低い(ultra-low risk)腫瘍」であることが、腫瘍組織の分子解析が示されています。



若い人の「乳がん検診」は有害

 「マンモグラフィーMammography)」とは「乳房専用のレントゲン検査」のことで、専用のX線装置で乳房を圧迫しながら撮影します。触っても判らない小さな乳がん、シコリをつくらない乳がん、乳がんの可能性のある石灰化を見つけることができ、乳がんの「早期診断」に使われています。

 『マンモグラフィによる「乳がん検診」を受けましょう』というような「乳がん検診キャンペーン」が行なわれていますが、それに対して「科学的エビデンスが無い」という反対意見が多くあります。
 特に 20~30代 の若い人への「乳がん検診」の有効性に「科学的根拠」は無く、「不必要な検査」につながるなど不利益が大きいことが指摘されています。

 「米国予防医学専門委員会(US Preventive Services Task ForceUSPSTF)」は 2009年11月に「ガイドライン」を改訂し、40~49歳の女性に対する「マンモグラフィー」による定期的な「乳癌検診」を、『推奨B有益性は中程度』から『推奨C推奨しない。実施には個々人に対し考慮が必要』に引き下げました。
 「マンモグラフィー検診」には「乳がん死亡率 15%減」というメリットがありますが、偽陽性による「過剰治療」などのデメリットを重視して「推奨しない」という評価になったのです。

 「米国予防医学専門委員会」は 50~74歳 の「マンモグラフィー検診」を推奨しています。
 検診によるメリットが最も大きいのは 60~69歳 の女性です。
 50歳未満は「有害性のデメリット」が大きいので「推奨しない」という結論です。

 出産能力がある年代の女性では、乳腺が発達しているため、「マンモグラフィー」で「正常な乳腺」と「乳がん」を見分けることが難しく、偽陽性偽陰性の率が高くなります。
 そのため、現在、40歳未満の女性には「マンモグラフィー」は推奨されていません。
 40代、50代と年を経るにしたがって乳腺は衰えて検査は行ないやすくなりますが、40~49歳の女性における「マンモグラフィーによる検診」には議論があります。日本では40歳以上の「マンモグラフィー」を推奨しています。

 また「米国予防医学専門委員会」の「ガイドライン」では、1年に1回のスクリーニングより2年に1回のスクリーニングのほうが有益性が高いと提言しています。
 毎年の検診と2年に1回のスクリーングの比較では、がん死亡に対する効果は同じでした。
 しかし「過剰診断」は2年に1回のほうが少ないことが示されたからです。
 日本では「がん検診の不利益や有害性」については、受診者に正確に伝える努力は「まだ足りない」という指摘があります。



乳がん検診で多くの人が「不要な切除」を受けている

 「マンモグラフィー乳房X線撮影法)」による「乳がん検診」の利益と有害性に関して多くの「ランダム化比較試験」が行なわれており、様々な評価が報告されています。
 多くの論文の中で最も信頼できると思われる「コクラン・コラボレーションThe Cochrane Collaboration)」による最新のレビューを紹介します。〔Cochrane Database Syst Rev. 2013 Jun 4;(6):CD001877.

 「コクラン・コラボレーション」というのは、治療や予防に関する医療技術を評価する「世界各国の研究者」が参加しているプロジェクトです。「無作為化比較試験」を中心に、世界中の臨床試験の結果を収集し、試験の質的評価を行ない、統計学的に統合して、その結果を医療関係者や医療政策決定者や消費者に届け、合理的な意思決定に供することを目的としています。


 「コクラン・コラボレーション」の最近の報告では『マンモグラフィーによる「乳がん検診」を受けたグループ』と『マンモグラフィー無実施のグループ』を比較した「ランダム化試験」の中から、バイアスのある試験(臨床試験の対象となった集団の抽出に偏りがある)を除外し、適格と評価された臨床試験に含まれる 39歳から74歳 の 約60万例 の女性を分析の対象としました。

 適切にランダム化された3件の試験では、13年目の「乳がん死亡率」の有意な低下を示しませんでした(相対リスク0.90、95%信頼区間:0.79~1.02)。
 4件の準ランダム化試験(ランダム化が充分でない)では「乳がん死亡率」の有意な低下を示し、相対リスクは 0.75(95%信頼区間0.67~0.83)でした。
 全7件の試験を統合した「乳がん死亡」の相対リスクは 0.81(95%信頼区間は 0.74~0.87)でした。
 適切にランダム化された試験では、10年後の乳がんを含むがん死亡率(相対リスク1.02、95%信頼区間0.95~1.10)、または、13年後の全死亡率(相対リスク0.99、95%信頼区間:0.95~1.03)に対して「乳がんスクリーニングの効果」を認めませんでした。

 この論文の著者らの結論は、

    マンモグラフィーによる「乳がんのスクリーニング」によって「乳がんの死亡率」が 15% 減少し、
     「過剰診断」と「過剰治療」が 30% 起こると推定される。


 というものでした。

 「マンモグラフィー」による「乳がんのスクリーニング」は「乳がん死亡率」を低下させる可能性があります。
 このレヴューでは「乳がん死亡率が 15% 減少する」と推定しています。
 しかし、適切にランダム化された3件の臨床試験の結果だけを対象にすると、13年目の乳がん死亡率、10年後の全がん死亡率、13年後の全死亡率は有意な低下は認められていません。

 「乳がんによる死亡」を1人減らすために、「スクリーニング」を受けていなければ、診断されなかった 10人 の健康女性が「不必要に治療されて」います。
 さらに、偽陽性所見(がんで無いのに、がんと間違われた)のため、200人を超える女性が何ヵ月も「不安」などの著しい「心理的ストレス」を経験するというデメリットがあるという結論です。

 「スクリーニング」に参加するかどうか決める前に「利益」と「有害性」の両方について充分な情報が確実に与えられるようにすべきだと提言しています。
 つまり「マンモグラフィー」による「乳がん検診」には「無視できない有害性」があることを知っておく必要がある、ということです。

 さらに、乳がん治療の大幅な進歩と乳がんに関する意識が高まったため、最近の「スクリーニングの絶対的効果」は以前よりも小さい可能性が高いと記載されています。進行した乳がんの発生数は「スクリーニング」によってほとんど減少しておらず、「過剰診断」が増えている、と言っています。

 最近は「乳がんの死亡率」が低下していますが、これは「検診」による「早期発見」による恩恵ではなく、「治療法の発達」の寄与が大きいという意見が優勢です。

 JAMAの2014年の論文では、

    年齢によって有益性は異なり、1万人の女性が1年に1回の「マンモグラフィー検診」を10年間受けたとして、
     避けられる(防げる)乳がん死は、40~49歳で 5人、50~59歳で 10人、60~69歳で 42人 である。


 と推定されています。〔JAMA. 2014 Apr 2;311(13):1327-35.

 乳がんを「早い段階(小さい段階)」で見つけるメリットはあります。
 早期に「小さい段階(早い段階)」で発見されれば、より少ない治療で済みます。
 腫瘍が小さく、転移がない状態であれば、「乳房温存手術」の適用率が高く、「補助化学療法(抗がん剤治療)」の必要性も低下します。
 検診で「小さい段階(早い段階)」で発見されれば、「乳房全摘」や「リンパ節廓清」や「補助化学療法(抗がん剤治療)」などの治療の必要性が減少します。

 しかし、米国のデータでは、検査を受けた人の 10% くらいが 偽陽性乳がんでないのに「乳がんの疑い」と判定される)の判定を受けています。
 1万人の女性が1年に1回の「マンモグラフィー検診」を10年間受けると、その10年間に一度は 偽陽性 の判定を受けるのが 4970人 から 6130人 と推定されています。
 つまり、10年間「スクリーニング」を受けると、約半分の人が少なくとも1回は 偽陽性 の判定で「再検査」を受け、そのうちの 700人 から 980人 が「不必要なバイオプシー針生検)」を受けています。
 1万人の女性が毎年1回の「マンモグラフィー検診」を10年間受けると、30人 から 194人が「過剰診断」で「不必要な治療」を受けると推定されています(トップの図下図)。

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 しかし、現時点では、どの がんを「放置」して良いのか、判断が困難です。
 強いて言えば、腫瘍が小さくて、病理検査で異型度のグレードが1か2で、ホルモン受容体(エストロゲン受容体やプロゲステロン受容体)が陽性のものは生物学的な悪性度が低く、「放置」しても良い可能性が高いと言えます。
 しかし、断定は困難です。

 「乳がん」と診断されれば、治療するしかありません。
 したがって「がん検診」を受ければ、一定の割合で「過剰診断」と「過剰治療」が起こるのは避けられないのです。



小さい がんは、増殖が遅いから小さい

 一般に「小さい がん」ほど、リンパ節や他臓器への転移が少なく、治療後の再発率が低く、予後が良好です。
 この事実に対して、医者や 研究者や がん患者を含めて、ほとんどの人は「がんがまだ小さい早い段階で発見して治療をしたから予後が良いのだ」と考えます。

 「がんが小さい」=「早期発見」だと考えています。
 「大きくなる前に発見して治療したから予後が良い」と考えます。

 しかし、もう一つの考え方があります。
 「小さな がん」の多くは「早く発見されたから小さい」のではなく、「生物学的に悪性度が低く、増殖が非常に遅いので、大きな がんにはならないので小さい」という考えです。
 「小さい がんは増大速度が遅いので、小さい段階で見つかるものが多い」という考えです。

 「がん検診」が行なわれていない時代は「進行性に増大する がん」しか見つかりませんでした。
 このような「進行性に増大する がん」の多くは、死に至るような がんです。
 そこで、大きくなる前に発見して「小さい段階」で治療すれば、がんの治療成績は向上するはずだ、という仮説のもとに始まったのが「がん検診」です。

 「早期発見」「早期治療」が有効なのは、がんの多くが進行性に増大し、悪化する場合です。
 この場合は「小さい段階」に発見して「手術」で切除することは有益だと言えます。
 しかし、もし、1cm くらいの がんのうち、増大して死に至るような がんに進行するのが半分だとすると、残り半分の治療は「無駄な治療」になります。

 「がん検診」というのは「多くの がんは進行性に増大して死に至る」という前提で始まった一つの大きな実験です。
 しかし、この実験は「前提が間違いだった可能性」が最近、指摘されるようになったのです。
 つまり「がんの多くは進行性に増大して死に至る」というのは「間違いのようだ」と、多くの研究者が気づき始めたのです。

 発見された「小さな がん」の多くは「早く発見されたから小さい」のではなく、「生物学的に悪性度が低く、増殖が非常に遅いので、大きな がんにはならない」ので「小さいのだ」という結論です。
 「小さな がん」を「手術」で切除して治療を行なえば、一般に予後は良好です。
 これは「早期に治療を受けた」からではなく、もともと「生物学的に大人しい がん」であったという考え方です。


 今月(2017年6月)の「New England Journal of Medicine」に、以下のような論文が報告されています。

    Are Small Breast Cancers Good because They Are Small or Small because They Are Good?
     (小さな「乳がん」は、小さいからタチが良いのか、タチが良いから小さいのか?
     〔N Engl J Med. 2017 Jun 8;376(23):2286-91.

 乳がんの生物学的な悪性度は「グレード分類」と「エストロゲン受容体(ER)」と「プロゲステロン受容体(PR)」の発現で大まかに評価できます。

 「グレード分類」は、がん細胞の「顔つきの悪さ」の程度です。核異型や核分裂像などで判断します。
 グレード1~3の「3段階」に分けます。
 グレード1は「低異型度」で、グレード3は「高異型度」で、グレード2は「その中間」です。

 「エストロゲン受容体(ER)」と「プロゲステロン受容体(PR)」の発現量が多い乳がんは分化度が高く(正常細胞に近い)、「ホルモン受容体」を発現していない乳がんは一般に分化度が低い(悪性度が高い)と考えられます。
 グレード1や2で「ホルモン受容体」の発現の多い乳がんは生物学的に悪性度が低い(予後が良好)と言え、グレード3で「ホルモン受容体」の発現が無い乳がんは悪性度が高い(予後不良)と言えます。

 この論文では、米国の「イェール大学(Yale University)」の研究チームは、サーべイランス疫学最終結果(Surveillance, Epidemiology, and End ResultsSEER)のデータベースから、2001~2013年に診断された「浸潤性乳がん」を対象にして、3つの生物学的因子( 悪性度[グレード]、エストロゲン受容体[ER]、プロゲステロン受容体[PR)に基づく「12の組み合わせ」を用いて、次の「3つの予後グループ」に分類しました。

(1)生物学的に faborable(タチが良い
 グレード1/ER陽性/PR陽性、グレード1/ER陽性/PR陰性、グレード 1/ER陰性/PR陽性、の「3群」で、13万1896例

(2)生物学的に unfaborable(タチが悪い
 グレード2/ER陰性/PR陰性、グレード3/ER陰性/PR陰性、グレード3/ER陽性/PR陰性、グレード3/ER陰性/PR陽性、の「4群」で、13万5388例

(3)他のすべての群は「中間的」と見なされた。31万8325例


 「faborable」というのは「好意的」という意味ですが、がん細胞の性質が大人しく、増殖が遅く、予後が良く、生存率が高いグループです。
 「unfaborable」は「好意的でない」という意味で、悪性度が高く、生存率が低く、予後が悪いグループです。
 このように分類して、腫瘍の大きさによって、タチの良い(予後良好な)乳がん(faborable)と、タチが悪い(予後が悪い)乳がん(unfaborable)と、その中間の乳がんの分布を比較しています。

 その結果、40歳以上の女性では、予後良好な「生物学的 favorable」な乳がんは、最大径が1cm 以下の腫瘍の 38.2% を占めましたが、5cm 以上の腫瘍では 9.0% と少数でした。
 これに対し、予後不良な「生物学的 unfavorable」な乳がんは、1cm 以下の腫瘍では 14.1% に過ぎず、5cm 以上の腫瘍の 35.8% を占めました。

 40歳未満の女性でも同様の傾向が見られましたが、「生物学的 favorable」例が占める割合は40歳以上の約半分であり、「生物学的 unfavorable」例の割合がより高い結果でした。
 つまり、若い人の乳がんは、予後不良な「タチの悪い(生物学的 unfavorable)」乳がんが多いという結果です。
 40歳以上の場合は、腫瘍が小さいほど予後良好な「タチの良い(生物学的 favorable)」乳がんが多く、腫瘍が大きくなるにしたがって、予後不良な「タチの悪い(生物学的 unfavorable)」乳がんの比率が増えています(下図)。

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【図】
◆◆ 腫瘍の大きさによる「生物学的性状」の違い小さい腫瘍は「予後良好なタチの良い(favorable)性質の腫瘍」が多く、大きい腫瘍は「予後不良なタチの悪い(unfavorable)性質の腫瘍」が多い。
 〔出典N Engl J Med. 2017 Jun 8;376(23):2286-91.◆◆



 増殖が早く予後の悪い がんでは「過剰診断」は稀ですが、増殖が遅く予後の良い がんでは「過剰診断」が多くなります。
 「過剰診断」は「生物学的 favorable」例が 53%、中間例が 44%、「生物学的 unfavorable」例が 3% という推定を出しています。

 生物学的に悪性度が低く(favorable)小さな乳がんは、患者の生存中に大きな腫瘍に進行する可能性は低く、大きな乳がんは すべての「小さな腫瘍」が進行したのではなく、一部の生物学的に不良な「小さな がん」から進行することが示唆されると考察しています。

 「マンモグラフィー」が始まってから「小さい腫瘍」の発見が増えていますが、「大きい がんの数は減っていない」という報告があります。
 がんを「小さい段階」で発見して「手術」で切除すれば「大きい がん」や「進行した がん」が減るはずですが、そのような効果は認められていません。
 「マンモグラフィー」で見つけている「小さい がん」は「放置しても増大しないもの」が多く含まれている、と考えるのが妥当かもしれません。

つまり「マンモグラフィー」は、危険な「本物の乳癌」を発見することにまったく貢献していないということです。いわゆる「マンモグラフィー」による「乳癌検診」は「科学的エビデンスが無い」ということです。
 この「マンモグラフィー」の見解は欧米では常識となっていますが、日本ではほとんど無視されており、日本の医師でこれを熟知しているのは「福田一典」医師のように欧米の先進国の研究報告論文をよく独学している一部の医師に限られている現状を決して忘れてはなりません。
 この、精度があまりにも低すぎる「マンモグラフィー」による「乳癌検診」がさも有効するかのように謳っている病院が今も数多くありますが、まずもって、そういう病院にはよくご注意されるよう、ご忠告したいと思います。
 毎年、全国で盛大に実施されている「ピンクリボン運動」を鵜呑みにして「マンモグラフィー」による「乳癌検診」を受け、それによる「過剰診断」により「不必要な治療」を受ける羽目になり、患者が不利益を被る通常療法の「乳癌ビジネス」に振り回されるようなことが無いように、どうぞ、よくよくご注意ください
ブログ管理人



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