当記事は「植民地化する日本、帝国化する世界」の中の『第4章 過酷な世界を どのように生きるべきなのか』をご紹介させて頂きます。この本で語られている内容は、今、まさに、日本人全員が早急に気づくべき「世界の実態」「日本の実態」が語られています。




 この著書は、著名な「ベンジャミン・フルフォード」さんと、新鋭の「響堂雪乃(きょうどう ゆきの)」さんとの共著です。お二人とも「人間社会の深奥部」について造詣が深い人物ですので、今、私たち民衆が知るべき「社会の実態」、そして、日本人が早急に理解すべき「日本への侵略の実態」が対談形式でわかりやすくまとめられており、非常に参考になります。
 私たち日本人は、この内容をしっかりと認識し理解していかないと、この先、本当に過酷な状況に陥っていくことになるでしょう。一見、平和かに見える「幻想社会」の中で、気づいたときにはすべてを搾取され、過酷な状況へと陥れらていくのです。

 以下、目次を挙げます。


    第1章 諸国家は「帝国」の領土に併合された
     1 もはや革命もできない
     2 議会をカネで買う「政治の投資理論」
     3 金融緩和という売国
     4 自分のカネで奴隷化する日本人
     5 資本が政府を管理する
     6 中国は世界最大の市場主義国家になった
     7 誰が天安門事件を仕組んだのか?
     8 多国籍資本に狙われたロシアの今
     9 アメリカの公共事業だった9・11
     10 武力でなく金融で侵略する


    第2章 福島原発事故の裏側で何が起きているのか?
     11 人工地震論 VS 砲艦外交論
     12 それでも陰謀は否定できない
     13 東京・名古屋・大坂は「租界」になる
     14 首都圏は放射能に汚染されているのか?
     15 「危険」か「安全」かを巡る激論
     16 国家破綻は外資の利潤機会である


    第3章 家畜的人民統治という聖書的支配観
     17 アメリカ議会に君臨する投資銀行
     18 バラク・オバマは「ウォール街の投資物件」
     19 経済は搾取によって縮小した
     20 円が間違いなく大暴落する理由
     21 ラテンアメリカの悲劇に見る日本の未来
     22 「オカルト経済学」によって滅びる
     23 ナチス党政治と自民党政治の相似
     24 すでに選挙システムは乗っ取られた
     25 公然化した植民地政府の存在
     26 被征服民族はヒトと見なされない
     27 自由貿易がもたらす地獄社会
     28 TPPに秘められた「殺意」とは
     29 かくして反米主義者は潰される
     30 日銀が主導した金融テロリズム


    第4章 過酷な世界をどのように生きるべきなのか
     31 スマホが知性劣化をもたらす
     32 紛争地帯よりも人が死ぬ国になった
     33 バラエティ番組という精神兵器
     34 新聞購読とはカネを払って洗脳されること
     35 報道自由度は先進国中最悪である
     36 正常な人間ほど排除される理由
     37 「辛い現実」より「心地よい幻想」を見たい
     38 SHEEPLE=SHEEP+PEOPLE
     39 言葉だけが意識を拡張する
     40 崩壊社会に生きる読者へのメッセージ



 第1章 から 第3章 までは、他の本でも指摘されている内容なのですが、この本を読んでいて、私が特に注目したのは、ここでご紹介させて頂く 第4章 です。
 なぜ、私が注目したのかと言いますと、今の日本人の「意識の実態」がありのままに語られているからです。
 この内容は、若造として周りの大人たちを見るに、私にはまったく否定できません。
 否定どころか、頷くことしかできないです‥。
 ぜひ、この内容に触れて頂いて、ご自分の姿と照らし合わせ、よく考えてみて頂きたいです。


 かつて「アルベルト・アインシュタイン」は、このように言いました。

   権威権力に対する盲信こそが、真実の最大の敵なのです。

 多くの日本人が今そこにある「日本の危機」に対して無知であり、メディアが流すものを何でもかんでも鵜呑みにして盲信しています。いわゆる、今の日本人はメディアによって「白痴化」された権力の「家畜」にすぎない実態があるのです。今の日本人は『真実』から一番遠く、権力に金を貢ぐための「何も考えない働きバチ」に陥っているのですね‥。ここに、みなさん、気づかれていますか?

 今の日本人は、なぜその政策がとられているのか、その実態を把握できていません。
 国が取る政策には、必ず「権力が糸引く裏事情」があるのです。

 例えば「ゆとり教育」なるものがありましたが、これは子供のことを考えて打ち出された政策ではないのです。
 「ゆとり教育」とは、教育時間を短縮することで子供に「ゆとり」を持たせよう、という偽善の裏に、学校以外で教育に関する出費を増大させて「教育市場」を広げようとする動機に基づいた策だったのです。つまり「ゆとり」と称して教育時間を短縮すれば、学校教育だけでは子供の学力が足りなくなるため、学校以外の教育で出費させる方向に誘導して「教育市場」をさらに開拓しようとする魂胆があったわけです。
 このように、国の未来を左右する子供の教育にさえ「市場拡大」の魔の工作が孕んでいるのです。
 これは「医療」もそうですし、「福祉」もそうですし、他のどの業界でもそうです。

 日本という国は「経済」のためならば何でもするような魔境へと堕しています。
 ここには「多国籍企業」による、日本への侵略があるからです。
 日本人は、ここにまだ気づいていない人たちが非常に多いのです。
 日本はなぜ、こんなに売国奴が多いのか‥、本当に恐ろしいことです。


 今、私たち日本人は、一体、何を知っていて、何を知らないのか‥、ここについてよくよく思案していかなければなりません。日本人の一人ひとりがよく考えていくことが大事です。
 これらの「日本の危機」を理解している日本人は、まだまだ一部にすぎません。
 もっと多くの日本人が今ある「日本の危機」に対して開眼し、覚醒することが重要です。
 ご自分が覚醒することを小さなことだなんて決して思わないでください。
 ここでご紹介させて頂く『第4章 過酷な世界を どのように生きるべきなのか』を通し、日本の大人のみなさんに何か感じ取って頂けるものがあることを期待し、当記事を当ブログサイトに置かせて頂きたいと思います m(__)m


 ベンジャミン・フルフォードさんはかなり有名な方ですからご存知の方も多いでしょうけれど、響堂雪乃さんは「独りファシズム」というブログでご活躍されている新鋭の人物で、まだご存知ない方が多いかもしれません。
 響堂雪乃さんについては、実は、私も今年知りまして、今、響堂雪乃さんの著書を買いあさって読んでいます。
 書き味に癖があるのですが、その強烈なる「深く鋭い洞察力」に敬服しています。

 響堂雪乃さんの著書の中では、特に次をお勧めします。
 著書の中でも非常に読みやすいものです。






 当記事の中の「響堂雪乃さんの言葉」に実感が持てる方は、ぜひ、学ばれてみてください。
 日本人の一人ひとりが早く覚醒できるように願っています m(__)m

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植民地化する日本、帝国化する世界

響堂雪乃 / ベンジャミン・フルフォード(共著) 出版 2016年刊



 第4章 過酷な世界を どのように生きるべきなのか

 31 スマホが知性劣化をもたらす

 フルフォード
 僕は「革命を起こすしかない」という結論に至っている。
 実際に革命運動に参加しているんです。

 響堂
 ベンジャミンさんは現状を認識されているからこそ、「革命を起こす」という意思を持たれるわけでしょう。
 しかし日本人の99%は、今何が起こっているか全く理解していないし、支配されているという自覚すらないですからね。

 フルフォード
 確かに。だけれども、いわゆる頭を使っている人たちの過半数をとれば、それで勝負がつく。
 一般人も、言っちゃ悪いけど、NHKで大本営発表が変わったら、みんなポロッと変わるから。

 響堂
 いや、絶対変わらないですね。 断言できます。

 フルフォード
 大本営発表が変わったら、鬼畜米英からギブ・ミー・チョコレート、一夜にして変わった。
 同じように、上が変わったら、今度は「テレビの流すストーリー」が変わる。
 みんな、それを「ああ、そうですか」と鵜呑みにするだけですから。

 響堂
 ちなみに、今日ここに来るまで、地下鉄と山手線を乗り継いだんですけど、乗客のほぼ全員がスマホをさわっていました。
 性別も年齢も関係なく、みなディスプレイを覗いているわけで、本を開いている者など1人もいなかったのです。
 しかし、このように爆発的に情報端末が普及しても、それに比例して知的レベルが上がったかというと、そうでなく、真逆に下がっているんですよ。いわゆる「モリヌークス問題」です。
 つまり、どれほど有意な情報に触れても、それを意味化する認知的枠組みを持たないから、脳の中で他の知識と結びつけて結晶化できない、すなわち、情報がドンドン揮発して意識に何も残らないわけです。
 このように、どれほどベンジャミンさんが啓蒙的な情報を発信されても、彼らは受け取った知識を記憶に留めることも、自分自身に連関して考えることも全くできないわけですよ。
 だから、むしろ僕はスマホの普及を「エポック(新紀元)の文盲政策」だと捉えているんです。

 フルフォード
 僕が味方にしたのは、NSA(アメリカ国家安全保障局)です。
 あの人たちはたたかれているけど、僕はあの人たちは良心的なことをしていると思っています。
 確かに何でもかんでも盗聴、盗撮しているのは、ちょっと行儀悪いけれども。
 彼らは僕の英語の有料ブログとか、英語でネットで書いていることを全部削除する能力を持っているけれども、やらないんです。 要は、ネットで自由な情報が出ているということは、そういう人たちが「ユダヤマフィア」を敵に回しているということです。
 アメリカの正規軍も気づき始めています。
 アメリカの正規軍を理解するのに、1967年の「リバティ号事件」があるんですけれども、ご存知ですか。

 響堂
 知りません。

 フルフォード
 1967年にイスラエルの中近東戦争があった。 そのとき、リバティというアメリカの戦艦、いわゆる情報収集戦艦がいきなりイスラエルの飛行機と船から攻撃され始めたんです。
 近くの空母艦隊に援助を頼んだら、「ジョンソン大統領」がその長官に電話して、「絶対にあの船を助けるな。あの船は海の底に沈没させたい」と言った。
 結局、ソ連の艦隊が来たために攻撃が中止されたけど、乗組員の3分の1くらいは死んだ。
 生き残りの人たちは「これについてしゃべったら死刑ですからね」と言われた。
 結局、何だったかというと、「エジプトが沈めた」というストーリーにして、それで「エジプトを侵略する口実」をつくろうとしていたんです。
 今、アメリカ正規軍の一部の人たちとCIAの良心的な人たちと、後、アジアの結社、チンパンコンパンとか、ドラゴンファミリーという昔のアジア王族のグループとか、いろんな人たちが、このマフィアを潰すキャンペーンに参加しているんです。
 ということなので、確かに今までその人たちの描いた脚本どおりに進んでいたんだけれども、大きなレベルで今、潰しが来ているんです。 市場混乱などはそのあらわれだと僕は見ているんです。



 32 紛争地帯よりも人が死ぬ国になった

 響堂
 今の日本は事実上の内戦状態ですね。

 フルフォード
 日本の場合、さっき言ったように、「リチャード・アーミテージ」たちが失脚していて、変わったと思うんです。

 響堂
 民衆レベルで内戦状態だと思うんです。
 だって、日本の自殺者は毎年平均で「10万人」超えているでしょう。

 フルフォード
 政府が発表している数はもっと少なくないですか。
 あの発表はウソなの?

 響堂
 政府の広報で言えば「3万人」平均ですけど、WHO(世界保健機関)の算定基準では、大体「10万人」で推移しているらしいですね。
 でも、これは相当に厳格な基準だから、行方不明者とか合わせると、実際には「15万人」くらい自殺しているという説もある。

 フルフォード
 日本もいろいろ起きているけど、でも、本当にそれだけ死んでいるんだったら、知り合いでいるはずじゃないですか。

 響堂
 東京よりも経済的な地盤が弱い地方の自殺者が多いのですよ。
 ちなみに、自殺者「10万人」説をどう証明できるかというと、警察報告による不審死が毎年「15万件」なんですよ。
 この半分が自殺と見られているから、政府発表の数と合わせれば、ぴったり「10万人」に整合するんです。
 自殺といっても病苦などは極僅かで、ほとんどが経済的原因ですよ。
 僕らにとっての戦争というのは「外国資本の傀儡化した政府との戦争」なんです。
 (傀儡かいらいくぐつ他者の手先となって思いのままに利用されている人物や組織の比喩
 目に見えないから、正規の戦争よりも悪質ですよ。
 毎年「10万人」が死ぬということは、アフガンなど戦争の当事国よりもっと悲惨な状態なわけですから。

 フルフォード
 それが本当だったら、ひどい話だな。

 響堂
 本当ですよ。 調べてみればわかります。
 警察が出している不審死体の数と、国が公開している自殺者数を合わせたら「10万人」を楽に超えます。
 WHO(世界保健機関)の試算とぴったり合いますからね。

 フルフォード
 この人たちが「人口削減キャンペーン」をやっていたんですね。
 そのために、不妊剤をばら撒いたり、餓死を演出したり、疫病をばら撒いている。

 響堂
 それもあるでしょうが、やっぱり一番は経済だと思います。
 すでに年収200万円以下の労働者は「1000万人」以上でしょう。
 さらに、安倍政権になって「100万人」増えている。
 年収200万円というけども、その半分以上が国保や年金、所得税や住民税、さらに消費税や復興税で持っていかれるから、実際は1年を90万円以下で暮らさなくちゃいけない。
 購買力平価で見れば、今や派遣の生活レベルは東南アジア以下ですよ。
 彼らは途上国のスラムよりもっと酷い環境で暮らしていると言ってもいい。

 フルフォード
 本当にギリギリのところまで来てますね。
 僕も、老人がスーパーでキャベツの葉っぱを拾ったりする姿も見るしね。



 33 バラエティ番組という精神兵器

 響堂
 「メディアによる意識操作」について、どう思われますか?
 アメリカの要人がこれを「低強度戦争」の中心手段だと公言していますよね。
 どういうことかと言うと、彼らはイラク侵攻みたいに、ミサイルを発射したり、機関銃をぶっ放したりはしない。
 その代わりに、お笑いやバラエティで日本人を白痴化させ、一挙にアメリカにカネが流れる仕組みをつくるというわけです。
 小泉政権以降、長時間枠のお笑い番組がすごく増えていますが、そのような「馬鹿コンテンツ」が「低強度戦争」の中心兵器だというわけですね。
 ちなみに、ナンシー・スノーによると、対外プロパガンダは国務省のBBG(放送管理委員会)で企画されるそうです。

 フルフォード
 確かに小泉の選挙のときに、日本の報道番組は結構クソ真面目で中立でしたね。
 選挙のときに、すごく規制があるんですよ。
 そのために、そういう規制がないバラエティ番組を使って、女性刺客とかいろんなことを利用して世論操作したんですね。
 確かそれで、みんな、うまいぐあいに騙された。

 響堂
 アンドレ・ボーフルという戦略家をご存知でしょうか?
 彼の理論によると「相手国民の知性解体」が最も有効な戦略手段だと。
 これは近代広告の祖であるベルネイの宣伝理論と通底していますよね。
 いずれにしろ、支配人種の構想に基づいて、国民の知性がすさまじく劣化しているわけですから、本当に恐ろしいことですよ。
 僕はこれを「脱人格化」と言っているのですが、つまり、社会とか民族とか、生命とか人権とか、そういった高度な事物を、今の日本人は全く抽象できないのです。
 かつて「大宅壮一」がテレビによる衆愚化を「一億総白痴化」と評しましたが、現況はそんな生易しいものではない。
 「一億総家畜化」ですよ。

 フルフォード
 「サイオプス」と呼ばれるアメリカ軍のプロパガンダ・マニュアルもあるんです。
 実際にアメリカ軍のプロパガンダ手法で、まず「新聞」「雑誌」をつくるんです。「テレビ番組」とか。
 そこまでやって、相手の世論を操作する。
 要するに「相手が戦わないように仕向けるのが一番手っ取り早い」という考えですから。

 響堂
 確かイラクの新聞社もフセイン時代のものは全部解体され、米軍のもとで新たに御用新聞として再編されましたよね。
 いつの時代も、侵略者は真っ先にメディアを制圧し、相手国民の耳目を塞ぎ、その意識を操作するということです。
 日本の新聞社なんて、戦時中あれだけ大本営発表に邁進したのに、経営者は誰一人戦犯として裁かれなかったし、解体されることも、社号が変更されることもなかった。 つまり、新聞社は「米軍直轄の宣伝機関」として再編されたということです。
 僕が聞いた話では、「太平洋軍」が全国紙はもちろん、地方紙に至るまで、全てをチェックしているそうです。
 繰り返しますが、戦後70年が経過した今でも、GHQが敷いた検閲コードが発動されているわけですよ。
 ちなみに、アメリカは自国民に対するプロパガンダは禁止されているけど、外国に対してはオーケーなんですよね。

 フルフォード
 自国民に対してもやっている。
 乱射事件があるじゃないですか。 あれは、ほとんど全部演出されているんです。
 誰も死なないで役者だけを使ったものもあれば、本当に人を殺している場合もある。
 (参照記事ボストン爆破負傷者たちは「役者」だった! ステージブラッド「演出用血液」も使われていた!
 これは何が目的かというと、アメリカ人の銃を取り上げたいんです。
 銃規制をかけるためだけど、全然予定どおりにいってない。
 人のことは言えないけど、今、アメリカ人の 68.8% は肥満体で、それに伴う いろんな病気が出てきている。
 それの治療で、製薬会社は非常に儲かっている。 それも仕向けられているんです。



 34 新聞購読とはカネを払って洗脳されること

 響堂
 僕は「A日新聞系の広告代理店」で編集長に就任したとき、「読者のレベルに合わせて低劣なものをつくれ」と言われたんですよ。
 新聞の読者なんて馬鹿ばかり、特に高齢者や女性は低知能者ばかりだから、そういう連中のレベルに合わせて編集しろというわけです。
 しかたないから命令どおり極力簡単な言葉で記事を書いたのですが、それでも、まだセグメント(低知能者である読者)には難しいというわけです。
 で、今度は社長が自分の女房を会社に連れてきて、「今日からコイツに書かせろ」とかいうわけですよ。
 しかたがないから、そのオバサンを取材に行かせて記事を書かせたら、これがまた小学3年生の作文みたいな文章で、僕の仕事はそれをかろうじて読める程度の記事に編集するという低劣なものだったわけですね。
 これまで何度か仕事を変わりましたが、あれほどアタマを使わない仕事を経験したことはありません。
 1年も続けていると、IQが 30% くらい後退するような印象です。
 そして、それがクオリティペーパーだとか、オピニオンリーダーだとかを自称する全国紙の実態なわけですね。


 フルフォード
 僕も、とにかくわかりやすく書けと言われましたよ。

 響堂
 僕がつくっていたのはオリコミの補完媒体なのですが、本体の記事を書いている連中も同じです。
 調査報道なんてほとんどなく、記者クラブを経由して上がってくる官庁作文や経済団体のパブリシティをコピペするだけ。
 その隙間を通信社の配信や、どうでもいいスポーツ情報で埋めるだけの作業です。
 だから、読売も、朝日も、毎日も、全部同じわけですね。
 「社会の木鐸(しゃかいのぼくたく社会の人々を目覚めさせ、教え導く人)」や「権力の監視」なんていうのも題目で、今や三大紙の主筆は公然と与党幹部と飲食を繰り返しているし、一昨年の読売新聞本社の落成には安倍晋三が招聘(しょうへい礼を尽くして人を招くこと)されていました。
 新聞協会に至っては軽減税率の適用を求め、自民党に献金する始末だし、そもそも、広告媒体である新聞が、自身のクライアント(依頼人顧客取引先)である経団連に不都合なことを書けるわけないじゃないですか。
 しかし、購読者はこの自明性が全く理解できないのです。
 今や新聞と公権力は不可分一体であり、だからこそ、彼らはTPP批准(ひじゅん全権委員が署名して内容の確定した条約を、条約締結権を持つ国家機関が確認し、これに同意を与えること)を慶事のごとく書き立て、放射能は安全だと絶叫し、自民党の要望に従い捏造した支持率を一面に掲載するというわけです。
 いずれにしろ、新聞事業の本質とは「支配装置」であると同時に「言語機能を破壊して民衆の知性を低位に保つこと」にあるわけです。
 言わば、購読者は「カネを払って自分を洗脳している」わけですから、全く「オメデタイ」としか言いようがありません。

 フルフォード
 そのとおりですね。



 35 報道自由度は先進国中最悪である

 響堂
 ところで、ベンジャミンさんは「フォーブス」の太平洋支局長だったわけですが、「これを報道するな」とか、「あれには触れるな」とか、圧力や干渉が凄かったんじゃないですか?
 ドイツの元新聞記者であるウド・ウルフコッテが「買収されたジャーナリスト」という本の中で、世界中のマスコミが企業に買収され、本当のことを報道できないと暴露していますよね。

 フルフォード
 僕が「フォーブス」にいたとき、僕はそれまで、日本が悪い、日本がおかしい、日本のマスコミには自由がないけど、アングロサクソンのマスコミには自由があると信じていたんです。
 「フォーブス」に入って、僕が一番びっくりしたのは、シティバンクがヤクザの五菱会のマネーロンダリングをしていたために、日本から追い出されたことです。 この情報源は日本の財務省です。
 スクープとしてすごく大きいじゃないですか。 シティバンクがヤクザのマネーロンダリングで日本から追い出された。
 なのに、「フォーブス」は記事を書かしてくれない。 情報源は財務省で、噂とかじゃないのに。
 もう1つは、ゼネラル・エレクトリックの金融部門で大きなスキャンダルがあった。 それも書かしてもらえなかった。
 具体的な例も話すと、あるとき、僕は「フォーブス」から、あるウイルス対策ソフト会社について取材してほしいと言われた。 僕は社長に会った。
 彼は、自分たちの「I LOVE YOU」ウイルス対策が他社より迅速で、いかに自分たちが優れているかを話した。
 その後、フィリピンにウイルス対策の本部があるから、取材に行ってくださいと言われ、僕はフィリピンのスラム街の「I LOVE YOU」ウイルスをつくった人のところまで行った。
 そしたら、スラム街なのに、新品のジープがあって、要は、そのウイルス対策ソフト会社からおカネをもらってウイルスをつくったんだということがわかったわけです。
 そうしたら、いきなり編集部から連絡があって、「最近、あなたの信頼がない、あなたの事実確認が足りてないから、この記事をボツにします」と言われた。
 しかし、その後「フォーブス」の宣伝担当が僕に電話して、「実は、そのウイルス対策ソフト会社が5000万ドル分の広告を買ったために、あなたの記事がボツになりました」ということをこっそり教えてくれた。 それで、僕は怒った。
 僕は正義感が強くてマスコミの自由を信じている。
 この露骨な買収事件を自分の雑誌がやっているのを見て腹が立ちました。
 だけれども、ここで働いている人たちが毎月振り込まれる多額の給料と、「フォーブス」アジア太平洋支局長という看板と、その社会的なステータスを全部捨てて失業者になるかというと、やっぱりできない。
 僕の昔からの家族ぐるみの友人に、カナダで一番大きい新聞の「トロント・グローブ・アンド・メール」の編集長がいます。
 ちょうどリビアで交戦があったときに、彼と会って「アメリカ政府の発表によると、リビアではアルカイダが味方とされているのに、イラクではアルカイダは敵とされている。この矛盾はどうするんですか」と聞いたら、いきなり「9・11は19人のテロリストがやったものです」と言った。
 その発言から、「自分の社会的ステータス、編集長の座とか、自分の家族の支払いとか、全部を捨てることになるので、僕はマスコミの自由を追求しません。上から言われた通りにします」という彼の心情が伝わってきて、ああと思った。
 僕みたいな正義感の強い人たちや、何とかメシが食える自信がある人たちは、独立するか、とっくに追い出されているんです。 あとは、ソ連時代のプラウダ以下のプロパガンディストしか残っていない。 日本も同じでしょう。

 響堂
 同じでしょうね。 日本は今、「報道の自由度ランキング」が 60位 まで落ちています。
 (この記事を作成している現在2017年の日本の「報道の自由度ランキング」は 72位 ですブログ管理人
 一番大きな原因が3・11、それ以降、ものすごく検閲がかかりましたから。
 一般的なジャーナリズムだけじゃなくて、僕の周辺でも、ブロガーの周りでも、国策捜査とか、かなりやっているんですね。

 フルフォード
 僕も国策捜査で、1つの本を書けるくらい、いろいろ大変な目に遭った。
 女性刺客とか、暗殺未遂とか。



 36 正常な人間ほど排除される理由

 響堂
 個人的なことをお伺いしたいんですけど、ベンジャミンさんはこれまでいろんな本を書かれている。
 世界支配の構造だとか権力構造を本にされて、多くの真実を暴いてこられましたね。
 その間に、親戚の方とかお友達から「キチガイ扱い」されなかったですか?

 フルフォード
 一部ありますよ。 僕のお兄さんは「ロックフェラー」にスカウトされた人ですからね。
 僕が「フォーブス」時代に会っていた政治家、官僚、マスコミの人々にも、「最近、フルフォードさんはドラッグやって頭がおかしくなっている」とか言われてますよ。
 「陰謀論者」というレッテルは1967年にCIAが開発したんです。「キワモノ扱い」とか、いっぱいありました。
 裁判もあって、ブラックリストに載った。「あいつは気違いだ」とか、ものすごくいろいろありました。

 響堂
 認知的閉鎖、あるいは、認知的不協和というらしいですね。 認知バイアスというのも似たような概念です。
 ヒトは自分の観念や理解を超えたことに出くわすと、思考が麻痺しちゃうんですよ。
 ある種のシャッター反応と言ってもいい。

 フルフォード
 僕はこういう工作を避けるために、その場にいる一般の人たちが理解する以外のことは言わないんです。
 あまりぶっ飛んだ話はしないんです。
 一般の人たちの世界観の中のぎりぎりのところ、ここまでだったら頭が閉鎖しないという境界線がわかっているから。
 例えば「ハザールマフィア」と言うとあれだから、「資本家」とか「利権」とか、そういう言葉を使うと、みんな理解するんですね。 あとは、なるべく自分の言うことは責任を持って伝えるようにしているんです。

 響堂
 大体こういう話をすると、人間関係は壊れますからね。
 実を言うと、僕なども「頭がおかしくなって変な本を書いている」という噂が立ち、学生時代の仲間からは共同絶交を食らっています。
 どれほど筋道を立てて論理的に話しても、どのような傍証(ぼうしょう間接的な証拠。直接の証拠とはならないが、その証明を補強するのに役立つ証拠)を挙げても、「そんなこと、絶対に信じないぞ!」みたいに逆上して、全く溝が埋まらないわけです。
 だから、僕は、とっくにコミュニケーションをあきらめているというか、放棄しちゃっているんですよ。
 ブログに「独りファシズム」というタイトルをつけたのも、「こんなことを書くと孤絶するだろう。しかし、その覚悟で書いてやろう」という意思表明でもあったわけです。
 僕の主張は「3・11で国家は壊滅状態だ」「民衆は外資の奴隷だ」「現実はシミュレーションの産物だ」といった具合ですから、一般の人々からすれば、まさに「狂人のディスクール(ディスクール言葉による表現言説)」でしょう。
 しかし、これほど「イカレタ社会」では、むしろ「孤絶することが正常の証」だとも言えるのです。

 フルフォード
 確かに「フォーブス」時代に知り合っていた人たちは僕のことを「変人扱い」するようになったんですけれども、本当の友達がまだいるんですよ。 でも、確かに一部、友達に僕と会わないように働きかけた人もいたんです。
 一番びっくりしたのは、若い美女が講演会に来て、色目を使うんです。「ハニートラップ」ですね。
 僕がひっかかってつき合いだしたら、結局、北朝鮮の「エージェント」だったんです。
 後で、その人は寝返って、いろいろしゃべってくれたんだけど、結局、目的は、僕の全ての個人のつき合いとか人間関係を壊して、最後に僕のことを捨てて、ひとりぼっちで自殺に追い込もうとしたのです。
 倒産と友達のいない状況をつくる工作のために、その人が派遣されたというのがわかったんです。

 響堂
 さっき言ったように、ヒトというのは「自分の理解を超えた現実」を突きつけられると、すさまじい「生理的不快」が生じるんです。 カーッと頭にきて、そこでどうするかというと、認知心理科学でいう「人身攻撃」に出るんです。
 「人身攻撃」というのは、不快の元である異説者を「異常者」として片づけることです。
 つまり、相手の人格そのものを否定し、自分の整合的世界観を保とうとする、ひいては、自身の自我を保とうとする行為のことです。
 おそらく、ベンジャミンさんも、そのような辛いことを経験してこられたのではないかな。



 37 「辛い現実」より「心地よい幻想」を見たい

 フルフォード
 僕が「9・11ではWTC第7ビルが飛行機に突っ込まれなかったにもかかわらず、崩壊したのですよ」と言うと、それについて議論しないで、「あいつは気違いだ」となる。
 あとは、デマ情報を流して「こいつは間違ったことを言っているじゃないか、信用ならない」と評判を落とすんです。
 もし自分が間違ったことを書いたとしたら、例えば 100 の事実があって、そのうち 1つ だけ間違ったとしても、それだけを取り上げる。「ほら、こんなウソを書いている人だから信用ならない」とか。
 よくあるのは、関係ない話とくっつける。 一番有名な例は、デイビッド・アイクという人です。
 米連銀とか中央銀行の民営化で、それを所有しているのは「ロックフェラー」と「ロスチャイルド」とか、そこまでは全部立証できる。 証拠は山ほどある。
 しかし、その上に爬虫類系宇宙人がいると言って「変な話」と「本当の話」をくっつけさせて、両方信じなくさせる。
 アラブの「スーフィー」という神秘主義の人たちのある物語があるです。
 ある人が「バカの国」という国に行ったんです。
 そこでスイカを見つけると、畑で働いていた人たちが「あっ、怪獣だ」と言って逃げたんです。
 彼は「何てバカだ。これは、ただのスイカです」と言って、スイカを切って食べさせたんだけど「あの怪獣にあんなことをしたら、僕たちはどうなるか」と、みんなは食べなかった。
 みんなは石と棒を投げて、その人は怪我をして、その国から逃げる羽目になった。
 何年か後に、別の人が同じようにスイカが怪獣でないことを話し、その後、国の人々と一緒に逃げた。
 彼はスイカが怪獣でないことを知っていたけれど、あえて国の人々に共感を示したのです。
 そうするうちに信頼を得て、少しずつ「スイカは怪獣じゃなくて果物だ」ということが人々に浸透するようになった。
 そのうち、実際にそれを栽培するまで持っていった。
 この教訓は何かと言うと、いきなり、その人たちの世界観に違反する情報を与えすぎると、脳みそが閉じるから、本当に少しずつ理解させるんです。
 僕がよく使う性的な例えで言えば、まず「手を握る」から始める。
 いきなり、ローソクと縄は出さない。 逃げられちゃうから。

 響堂
 「人を見て法を説け」という釈迦の言葉があるんですけど、「相手の覚醒レベルに応じて話の内容を変えなさい」という感じなんですかね。

 フルフォード
 そこから少しずつ広げるということですね。

 響堂
 ベンジャミンさんの本もそうだし、僕の本もそうなんですけど、こういう類の本というのは、読み手の世界観を覆すわけでしょう。 それまで信じていた社会とか政治とか国家とかの観念を無化しちゃう。
 言わば、人生を懸けて築いた知的枠組みを解体し、ゼロから再構築するよう示唆するものです。
 だから、心理的抵抗も凄く強い。
 「ある年齢を過ぎて現実世界を知れば発狂する」という、モーフィアスの言葉どおりなんですよ。
 実際、アマゾンで拙著のレビューとか見ると「オレは絶対こんなことを事実と認めない!」なんて絶叫するような言葉が書き込まれていたりする。
 もっとも、僕の仮説は、財政問題1つ取っても、会計簿など客観的なデータに裏付けられていたりしますから、反証がほとんど不可能なんです。 つまり、否定しようにも否定しようがない、だから余計に恐ろしいのだと思います。

 フルフォード
 新しい概念が出ると、最初はバカにする。 次は猛反対する。 最後に、それを信じる。
 要は、今、世界の民族意識変化が起きている最中なんです。
 どういう変化かというと、金融というのは人類の未来を決めるプロセスの一環で、それを悪い人たちが乗っ取った。
 だから、それを取り返すという大きな流れが起きている最中です。
 それがいろんな意味で少しずつ目に見える形になっているんです。

 響堂
 僕はそう思わないですね。
 何度でも言いますが、むしろ、世界はグローバリゼーションという暴力的画一主義のもとで、資本専制が年々強化されているのです。
 例えば、昨年、フランスでテロが勃発しましたが、その後のヨーロッパ社会では9・11直後のアメリカと同じ政策が取られている。 つまり、テロ抑止名目で監視や検閲がドンドン強化され、人権原理が後退しているんです。
 この流れにおいて「欧州版愛国者法」が制定されることはほぼ間違いないでしょう。
 反抗する思潮も生まれているのかもしれませんが、このような「地球的ファシズム」と渡り合うには、どうしても、ある程度の学術訓練が必要なんです。
 しかし、ネットの普及により言語機能が退化し、言語機能の退化が思考機能の退化をもたらしている。
 これは日本だけでなく、各国共通の現象であることを考えると、もはや、絶望的状況だと言わざるを得ない。

 フルフォード
 女の奴隷を開放するために、エチオピアに行って奴隷を買ったアメリカ人の富豪が「あなたを自由にします」と言うと、奴隷は「やめてください」と言ったそうです。 自分はどうやって生きていくかわからない。 飼い主がいないと生きていられない、という話を聞いたことがあります。

 響堂
 「プラトン洞窟の比喩」そのままですね。
 生まれながらの奴隷を地下牢から救出して、地上の現実世界を見せてやっても、奴隷たちは「こんな世界は嫌だ! 昔みたいに牢で鎖に繋がれ、影絵の幻想芝居を見ているほうが楽しいんだ!」と言って地下に帰るという寓話です。
 本を読まない人々にとっては、新聞やテレビの提供するパラダイムが一番居心地いいんですよ。
 だから、自分一人の頭脳作業がめちゃくちゃキツイ。
 そんな思いをするくらいなら、バラエティ的世界にどっぷり浸かるほうがいいや、ということです。
 それについては、ロバート・ノージックの「体験機械」という思考実験があります。
 かいつまんで言うと、体験機械(理想社会をプログラムしたシミュレーション・システム)に脳を接続して一生を終えるのか、それとも、苦しいことや辛いことがたくさんある現実世界で人間として逞しく(たくましく)生きるのか、という問いかけであるわけですね。
 ちなみに、ノージックの講義を受けた学生の全員が後者を選択したそうですが、今時代の日本人は前者を選択するのでしょうね。 と言うか、すでに社会はそのような様相を呈しているじゃないですか。

 フルフォード
 例えば、PCゲームを76時間連続でやって死んじゃう人が出ているじゃないですか。
 現実逃避したくても、現実から逃げられないんですよ。
 同じく、仮想金融とかウソのニュースとかも結局はウソだから、そのうちバレる。
 永遠にウソをつき続けることはできないんです。
 しかも、その仕組み自体が今、狂っているんです。まさに、パラダイム・シフトの大きな革命の最中なんです。

 響堂
 他の国については明言できませんが、日本は破滅するまでこのままだと思いますよ。



 38 SHEEPLE = SHEEP + PEOPLE

 響堂
 さっきの話にちょっと戻りますが、今、全員がスマホを持っていて、全員がウェブにアクセスできますよね。

 フルフォード
 どこにいるか、何をしゃべっているか、全部キャッチできる。

 響堂
 でも、逆に知性はドンドン劣化している。
 暇つぶしに文庫本や親書を読んでいた時代のほうが、よっぽど文化的に成熟していたんですよ。

 フルフォード
 今度、携帯の人工頭脳機能が増えるんです。 携帯がしゃべるんです。
 みんなが携帯に言われたとおりにする。 新しい機種が出ると、どんどんそうなっちゃうんですね。
 だから、「トップダウン企業経営などで、組織の上層部が意思決定をし、その実行を下部組織に指示する管理方式木構造の上位から下位に向かって段階的に処理する手法)」でしか変わらないというのが僕の結論です。
 一番こういう理論がよくわかるのは「アングラ」の人なんです。
 最初から外にいるから、あの人たちの世界観は、それが常識だとなっているんです。
 自分たちもマフィアだから、マフィアに支配されている世界観がわかる。
 僕は昔、山口組の幹部に会って、世界を支配している8人くらいでどこかの部屋で、石油とドルを山分けするという話を聞かされました。 ヤクザ的な世界観では当たり前だけど、僕にとっては「えっ、何、それ?」という話で、まさかと思って調べたら、本当にそうだったんですね。

 響堂
 「ファントム・ファブリック」という言葉があります。
 社会科学ではそのまま「幻影の公衆」と訳されていますが、まさしく、今の日本人は皆そういう感じですよね。
 どんな重大な事実を突きつけられても、口をポカーンと開けて、その意味化や観念化が全くできない。

 フルフォード
 もう1つおもしろい言葉がある。「noosphere(ノウアスフィア)」、直訳すると「脳の大気」という意味です。
 みなさんの考えがあって、それを誘導する少数がいるんです。 それが変わると、全部が変わるんです。
 例えば、羊で言うと、みんな1つの方向に動いている。
 先頭は芝生を食べている。 みんな、ついてくる。
 でも、一部の羊たちが「あっちのほうが、もっと芝生が多い」と言って、そっちに行った。
 すると、一部の羊がそっちに行く。 そしたら、ある時、突然、群れ全体の方向が変わる。
 そういう社会現象が今起きているんです。

 響堂
 でも、やっぱり、羊は羊ですよ。 羊以上のものにはなれない。

 フルフォード
 だけど、上のほう、羊飼いというか、そっちのレベルで変化が起きている。

 響堂
 「シープルSHEEPLE SHEEP PEOPLE)」という言葉があります。
 まさに、そのとおりですね。

 フルフォード
 日本語でも「社畜」という言葉がある。 まさに、そうなんです。
 その「家畜」を解放する。

 響堂
 解放するも何も、今の日本人は自分たちが「家畜」であるという自覚すらないですからね。
 これだけスマホが普及して、ちょっと検索すれば、何が起こっているのかリアルタイムで知ることができる。
 しかし、それが何を意味するのか、なぜそうなったのか、そして、どうなるのか、という思考の射程が全く広がらない。
 これは認知的枠組みとなる基礎的な教養を持たないことにもよるのですが、基本的にネットで得られるのは揮発する「情報」であって、長期記憶となり脳内に新たな体系をつくる「知識」ではない。
 だから、スマホに触れるほど知性が劣化し、家畜化が進行する。 そんな感じです。
 言い換えるとこれは「馴化じゅんか)」であって、要は、そういうふうに仕向けられているんです。

 フルフォード
 まだ希望があるというのは、自分たちに直接関係するものには敏感です。
 例えば、消費税が上がって、それによって前より買えるものが減りましたとか、ガソリンが安くなるとか高くなるとか、そのレベルになると、みんな結構考えるから。

 響堂
 考えても長時間持続して考えられないんですよ。
 例えば、消費税が 10% になって痛いなと思っても、それで止まってしまう。
 過去に徴収された 270兆円 の消費税はどこへ消えたのか?とか、考えようとも調べようともしない。
 それで、次の瞬間にはバラエティ番組を見て笑ったり、プロ野球ニュースを見てゴロゴロしているわけです。
 今や、日本人が連帯して抵抗運動を起こすことは、3歳児がヘビメタバンドを結成するより難しいでしょうね。
 つまり、本質として我々は原子化され、結合することが叶わない存在なのです。
 これは、まさにネグリの言う「マルチチュードグローバル資本の支配地域に与する民衆)」そのものの形相です。

 フルフォード
 そこまで行かないにしても、ある水準を超えると、スイッチが切れるのは確かですね。

 響堂
 いや、ダメでしょう。 なぜか、わかりますか? なぜ、不可能なのか?
 思考する言葉を持たないからです。
 そして、それはGHQの占領統治政策として「語彙が漸減された」ことによるんですよ。
 おそらく、重要な日本語の4割くらいが削られている。
 ちなみに、僕が書いている本は、すごく難しいと言われるんです。 メチャメチャ難しいと。
 でも、違うんですよ。 例えば、昭和初期の新聞と比べたら全く平易です。
 それだけ戦後の70年にわたり、「語彙の漸減プログラム」が執拗に実行されてきたんです。

 フルフォード
 アメリカでも同じ現象が起きている。



 39 言葉だけが意識を拡張する

 響堂
 人間の意識というのは「語彙の範囲」でしか考えられないでしょう。
 「語彙がなくなる」ということは「思考の範囲が狭まる」ということなんです。
 オーウェルの「1984年」でも、「語彙の漸減が思考の漸減だとわからないのか?」というセリフがありますよね。



 フルフォード
 みんな、バカになろうとしている。
 大学でも、ナンセンスな学問がはやらされたり。

 響堂
 僕は自身の執筆方針を「言語論的展開」と言っているんです。
 「言語論的展開」というのは、語彙をどんどん増やしていって、語彙の拡大によって意識の拡張を図りましょう、意識の拡張によって自分が生きている世界を理解しましょう、というポリシーなんです。 もっとも、たいてい鬱陶しがられますが。

 フルフォード
 僕は具体的な事例を知っているんです。
 僕の知り合いの女性は、毎日新聞の記者だったんです。 結構かわいい子で、「今日、パンツは何色?」とか、上司にそういうことを言われたりしていて、何かイヤだなと思ったけど、何がイヤだかよくわからなかった。
 でも「セクハラ」という外来語が来て、これがイヤだったんだと思った。
 「セクハラ」という新しい概念が入ってきて、それはやっちゃいけないということで、初めてこれがイヤだったんだと認識できる。
 僕の場合、日本語を習うとき、英語にない概念がある。
 「懐かしい」とか、「わび」とか「さび」とか、そういう新しい語彙によって、新しい概念が初めて頭に入る。
 例えば「プライバシー」という外来語があるけど、前はその概念がなかった。「プライバシー」という考え自体が。
 そういう意味では、僕はそれでいいと思うんです。
 ただ、あまり難しく一遍にやると、拒絶反応を起こすからね。

 響堂
 フランスでは、外来語をそのまま使用することが、法律で禁じられていますよね。
 そんなことを野放しにすると、自国の文化や言語がとんでもないことになるからです。
 例えば、構造改革あたりから、グローバル・スタンダードという言葉が輸入されましたが、これなどは多国籍資本による支配や、労働者搾取の正当化言説に援用されてきたわけです。 だから、たかだか言葉と侮ってはならない。
 気がつけば、言葉によって国家も個人も後戻りができないところまで追い詰められる、そんなことが現実世界で起こっているんです。
 実を言うと、僕の処女作である「独りファシズム」という本は、やたら難しいという批判を食らって、全然売れなかったんです。



 そこで、次に出したシリーズがシリーズが「略奪者のロジック」という箴言集なんですね。



 つまり、長文は読まれないから、一節の言葉と一文の解説のシンプルな対置によって説明しようとした。
 しかし、これでもまだ難しいと言われたんです。
 それで、今、何をやっているかというと、辞書形式で本を書いているんです。
 つまり、文章も文節もダメだから、単語という形態素にまで分解して、それで読んでもらおうという試みです。
 今時、ここまでやらないと、本なんて読まれないんですよ。


 フルフォード
 僕も、ジャーナリズムの先輩に言われたのは、同じ意味の「難しい単語」と「簡単な単語」があれば、簡単なほうを選べということでした。 友達をしゃべっているように書く。 1行に1アイデア、あまり長くつなげない。
 あと言われたのは、ただ言うんじゃなくて具体例を出す。
 例えば、彼は優しい人だと言わずに、雨の中に走り出して子猫を助けたとか。
 彼女は強いと言うんじゃなくて、片腕で車を持ち上げたとか、そういう具体例で。 そのほうが人は理解しやすい。
 具体例があることと、しゃべり言葉を使うこと、そういうふうに教えられた。
 とは言え、ちゃんとやれば、難しいアイデアもわかりやすく伝えることができる。
 そのようにするのがいいと思うんです。

 響堂
 結局「語彙の漸減プログラム」も「バラエティ番組の長時間化」も、全部目的は一緒なんですね。
 とにかく、民衆の意識を解体して、つまり、国民を前後不覚にして、一気に改革を推進して、個人財産を奪っちまえ、ということなんです。
 だから「食べて応援!」なんていうスローガンがばら撒かれても、それがどれほど狂っているかもわからない。

 フルフォード
 「コモンコア・スタンダード」といって、学校において子供のうちから、みんな、どんどんバカにさせる。
 計画的なんですよ。

 響堂
 いわゆる「衆愚主義」ですね。
 蒙昧(もうまい)主義、モボクラシー、反知識主義、アンチ・インテレクチュアル、みんな同じです。
 この国では、行政と報道と教育が一体でそれに邁進しているから、もう誰もこの思潮に逆らえない。
 つまり、馬鹿に染まるしかない。
 でなければ、異分子として社会現場から排除される。
 実証的、あるいは、計量的に何かを語ろうとすれば、「理屈っぽい野郎」と叩かれる。
 つまり「衆愚主義」と「全体主義」はシャム双生児なんですよ。

 フルフォード
 要は、家畜どもは考えないほうがいい。
 昔、ヘンリー・キッシンジャーが、将来的に一般人が我々に刃向かうのは、羊が農家に刃向かうのと同じくらい不可能になります、と言ったことがある。 そのために、一般教養のレベルをどんどん下げているのは確かです。

 響堂
 安倍政権は大学から人文学科を廃止しようとしていますよね。
 一部の高偏差値大学だけ残して、その他の大学から哲学だとか思想だとかを全部抹消しちゃう。
 オマエたちは難しいことなんて考えず、資本のためだけに生きて、馬鹿のまま死ねばいい、という露骨な宣言ですよ。
 非常にわかりやすい。
 もっとも、このような事態となっても、最高学府から抵抗運動が生じるわけでもなく、所詮、その程度の民度だったということです。
 これは、下部構造が上部構造を決定する、つまり、馬鹿国民が馬鹿政府を持ち、それに乗じて外国人が支配するという、ある種の「形式性」ですよ。

 フルフォード
 「ロスチャイルド」の人間に言われたのは、「MBA(経営学修士)」というのは “バカを育てるため” につくられた成功事例で、要するに「何も考えない働きバチ」をつくるための学問だというんです。
 「どうやってモノを売るか」ということ以外は考えないようにする。



 40 崩壊社会に生きる読者へのメッセージ

 フルフォード
 僕は、自分の目に見えることを中心に考えて、行動する。
 例えば、自分に直接影響するものは、何かあったらそれと戦うけれども、まず自分の周りがしっかりしないうちに他のことを考える余裕はないと言っているんです。
 まず、毎月ちゃんとメシが食えるか、家賃を払えるか、友達関係がちゃんとしているかとか、みんな、それをきちんと考えれば、あっという間に世界はよくなるんです。
 だから、自分の身近なことを中心に考える。
 ネットの映像とか陰謀論の本ばかりを見るのではなく、自分のアタマで考えて行動してほしい。
 例えば、この前、サラリーマンが公園ですごく辛そうな様子で上司に電話していた。
 それを見た僕は、彼が電話を切ってから「あなたは絶対その会社をやめたほうがいいよ」と言った。
 明らかに過労死しそうで、ものすごく不幸せに見えるから、人生を変えないとあなたは死にますよ、と伝えました。
 あと、絶望的に考える人たちは、自分の私生活に問題がある人が結構いるんです。
 自分がうまくいってないから、そういう絶望が全世界にあると思いがちなんです。
 僕は、基本的には、闇権力の連中は許さない、早くやっつけようという方針です。
 悪いやつがいれば捕まえるんだ、そういう発想です。

 響堂
 僕は「絶望を直視しないと希望に到達できない」というポリシーなんです。
 この世界は想像を絶するような悪魔や暴力に満ち溢れているわけで、そういうものを措定(そてい事物の存在を肯定したり、その内容を明瞭に示すこと)しておかなければ、どれほど頑張ったところで、仕事も人間関係も必ず挫折するでしょう。
 だから、そのためには世界を知らなくてはいけない。
 しかし、それは他者との連帯ではなく、「孤独の作業」だけが可能とするのです。
 新聞テレビという教父や、集団思考の枠組みから離れるということは、それまで築いた社会関係を清算する覚悟すら必要です。
 ハンナ・アーレントはこれを「創造的孤独」という言葉で表現していましたが、何者かになろうとするのであれば、他人から何を言われようが、1人で黙々と本を読んだり、芸術的な技術を蓄積したり、そうやって思索や研鑽を重ね、自身の核心を涵養(かんよう水が自然に染み込むように、無理を しないでゆっくりと養い育てること)するような、そんな静謐(せいひつ静かで落ち着いていること)の期間が必要なんです。
 「文化はサロンで育たない」というのは、そういう意味です。 言い換えると、孤絶を恐れてはいけない。
 元気がないというのは、ある種の「アポリアどん詰まり)」状態なわけでしょう。
 でも、それこそが「哲学の出発点」であり、猥雑(わいざつごたごたと入り乱れていること)でパワフルな人間に生まれ変わるチャンスなんですよ。

 フルフォード
 僕も、若い頃、野宿歴が1年あるんです。
 まず衣食住と友達、家族関係があれば、どうにでもなるということです。


 ( 本書は2016年1月に行われた対談を元に構成されたものです




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響堂雪乃

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ベンジャミン・フルフォード