当記事は『三宅薬品』を経営される「三宅和豊」さんの「薬屋のおやじのボヤキ」ブログからのご紹介です。

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三宅薬品 三宅和豊


 当記事は、一般の食事に『生菜食』を組み合わせた場合の考察、そして『青汁(生野菜ジュース)』を実行する上での注意事項について、三宅和豊さんがお話されています。最初は『生菜食』についてお話しされ、『青汁(生野菜ジュース)』につきましては記事の中盤からお話しされています。

 いずれも、非常にためになりますので、ぜひ、ご参考にされてみてください。
 よろしくお願います m(__)m

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 完全『生菜食』ではなく、一部『生菜食』とした場合の効果は如何に!
 【「薬屋のおやじのボヤキ」より 】


 2014.1.13 に「生菜食の是非について考える」と題して記事にしました。
 そこでは、部分的に『生菜食』を取り入れた場合の効果の有無についてはまったく触れることができませんでした。
 よって、本稿において、それを説明したいと思います。

 しかし、これをどう評価して良いのやら、実はあまり自信がありません。
 現在、小生が持ち合わせている乏しい知識から推測するしかありませんので、その点ご容赦ください。


 まずは「類人猿の食性」からアプローチを試みます。

 ヒトは チンパンジーや ゴリラと非常に近い種ですから、「ヒト本来の食性」は 類人猿 と同じと考えて良いのですが、
 チンパンジーは非常に興味ある「肉食行動」を取ります。

 彼らは時折、オスたちが集団で狩猟し、捕らえた獲物を分捕り合って食べます。
 群によって頻度は異なるようですが、年間十数回にもなることがあるようです。

 これは、彼らが社会生活する中で積もり積もったストレスを解消するために行なうようでして、
 腹が減ったから狩猟しようというものでは決してないです。

 また、食糧不足のときよりも、食糧が豊富なときのほうが頻発するとのことですから、代替食糧ではありません。
 そして、近縁のゴリラは狩猟をしませんから、動物性タンパク質の補給目的でもありません。

 チンパンジーの主食は「果物」で、それが充分に手に入れば、木の葉は食べないのですが、
 「果物」が欠乏すると、木の葉もどれだけか食べるようです。
 それが、狩猟して動物の肉や内臓などを食べるときには、必ず、木の葉も食べます。
 これは、大変、特徴的なことです。

 一方、ヒトの場合、欧米人は肉が主食と言っていいくらい肉をたくさん食べますが、
 肉を食べるときは「生野菜」も随分な量を摂るのが一般的です。
 その肉は、日本人が好むものとは違って「生肉に近いもの」です。
 チンパンジーの肉食時と同じ食文化です。

 日本人も肉をもりもり食べる場合は、よく焼けた肉であっても「生野菜」を欲します。
 その一例が「焼いたカルビをサラダ菜で包んで食べる」という食文化です。

 これは30年以上前に韓国を訪れたときに聞いた話ですが、
 日本人の旅行者か駐在員がカルビ料理にサラダ菜を求め、これが日本人の間でまず広まり、
 「これは食べやすい」との評判が立ち、韓国人の間にも広まったとのことです。
 小生も、そうして食べたのですが、これなら、どれだけでも食べられ、もう一皿追加して食べたいと思ったほどです。

 このように、生肉か、よく焼けた肉かは別にして、肉に「生野菜」という取り合わせは、
 チンパンジーにしろ、肉食人種にしろ、菜食人種にしろ、必須のものと考えて良いでしょう。

 煮たり茹でたりした野菜(温野菜)ではなく、「生野菜」でないと肉に合わない。
 これを「体が欲する」ということですから、「生野菜」に何か大きな効果があると考えるしかないです。


 『肉には毒があり、それを打ち消してくれるのは「生野菜の毒」で、毒が毒を消す』とも言えます。
 これは、チンパンジーの場合は一面当たっていましょう。

 なぜならば、彼らは本来は肉食をしない「草食性のゴリラ」と同様に「純粋な植食性 ()」ですから、
 肉は毒になりますし、また、彼らが暮らす熱帯の「樹木の葉」には、どれもみな、大なり小なり、毒があるからです。

チンパンジーも、ゴリラも、蟻〔アリ〕を好んで口にします〔食べます〕が、これは「食」というよりも「薬」〔関節の消炎剤として摂っていると思われますし、量的にもたかがしれていますから、「昆虫食」とは考えないことにします

 でも、人が食べる「生野菜」は品種改良されていて、毒らしい毒は含まれていませんから、
 「これは、ちょっと、どうか?」ということになります。

 しかし、小生は、ここに何か隠されているような気がするのですが、
 ただ単にそう思うだけで、何ら科学的根拠はありません。


 次に、漢方の『陰陽論』から説明を試みましょう。

 大半の肉は、塩とともに「体を温める食品(陽性食品)」の横綱と言えます。
 文明社会においては、肉の味付けに必須の塩ですから、調理した肉を食べれば、体はグーンと「陽性」に傾きます。

 いたって健康な人は「陽性傾向(陽性体質の傾向)」にありますから、
 “肉に塩” という 陽に陽では「極陽」になってしまい、体に熱がこもってしまいます。
 それでは具合が悪いですから、肉を食べるときには、体を冷やしてくれる「生野菜」を自然と欲することになるのです。

 このように、肉に「生野菜」の取り合わせは、漢方の『陰陽論』で上手く説明できます。


 先日に書いた「生菜食の是非について考える」記事の中で、故・甲田光雄氏の長年の臨床経験から、
 年がら年中、毎日、煮たり茹でたりした食品(陽性食品)ばかり摂っていると(体の「陽性力」が減退するため)、
 体質はどんどん「陰性」に傾いてしまい、これは良くないことを述べました。
 このことからも、誰もが、大半が「陰性食品」である「生野菜」を意識して摂る必要がありましょう。

 かと言って、年がら年中、毎日のように「生野菜」を摂る必要があるというものではないと思われます。
 真冬には、外気によって体の芯まで冷えていることが多いですから、
 そうした場合の食事は、野菜であっても 陽の陽(煮たり茹でたりし、かつ、熱いもの)が求められ、
 鍋料理や汁物が適しています。
 そして、春になり暖かくなってから「生野菜のサラダ」などを頂くことにすればいいでしょう。

 また、真夏には「陰性傾向(陰性体質の傾向)」にある人でも、体に熱がこもりがちになりますから、
 夏野菜を生(なま)でパクパク食べて、体を冷やさねばなりません。

 こうしたことは、意識しなくても「体が自然と欲する」ことですが、漢方の『陰陽調和の理論』からも言えることです。


 さて、これより表題に掲げました「一部『生菜食』とした場合の効果」について、
 今現在、小生が思っている最大の効能を述べさせて頂きます。

 限度を超えない範囲であれば、体は動かせば動かすほどに筋肉が鍛えられ、体はよく動くようになります。
 同様に、頭も使えば使うほど、頭の働きが良くなります。

 これと一緒で、胃や腸も限度を超えない範囲で鍛えてやれば、丈夫になりましょう。
 ただし、過食飽食は、胃腸にとっては限度を超えたものとなりますから、これはダメです。

 胃や腸を鍛える最高の方法は、食事の質であり、何よりも、胃壁や腸壁を刺激してあげることです。
 煮たり茹でたりした野菜(温野菜)は柔らかくなっており、刺激することは期待できませんが、
 「生野菜」は磨り潰したものであっても、小さいながら、硬い組織片がそのまま残っており、
 これが胃壁や腸壁を擦り、突き刺しもします。

 突き刺しの一例が「山芋のとろろ」です。
 とろろが口の回りに付いたりすると痒みが生じたりしますが、
 これは「シュウ酸カルシウム」の針状結晶が皮膚に突き刺さることによるもので、
 これは同様に、胃壁腸壁にも突き刺さり、刺激することになりましょう。

 よって、「生野菜」を毎日食べれば、胃壁や腸壁が刺激され、
 それがために、胃腸の蠕動運動が盛んになろうというものです。
 これによって、胃腸は鍛えられて、だんだん元気になり、本来の役割を果たすようになってくれることでしょう。

 このことは、胃潰瘍の方、重い胃下垂の方などが、「生野菜」を生理的に受け付けないことからも推し量られます。
 胃が酷く荒れていたり、胃が極単に弱ければ「生野菜」の刺激に耐えられませんから、
 吐き戻したり、停滞させる(膨満感が生ずる)しかなくなるのです。

 なお、極度の「冷え症」の方が「生野菜」を受け付けないのは、
 これ以上、低体温になっては「生命維持に支障が生ずる」として、胃腸が受入れを拒否するからでしょう。

 以上のことは、故・甲田光雄氏の著書『冷え症は生野菜で治る』及び『断食療法の科学』に書かれていることの要点を、
 小生なりに解釈して述べさせて頂いたものです。
 ただし、とろろに関する説明の部分は、小生の私見です。


         冷え症は生野菜で治る

         断食療法の科学


 「生野菜」の効能については、この他に、
 『植物酵素や ビタミンフィトケミカルなどが熱で壊されることがない』といったことが、
 強調して挙げられることが多いのですが、小生は、これについては否定的に捉えています。

 植物酵素については 2013.12.15 の「酵素は誇大広告! でも、発酵生成物は体に良い!」記事で詳述しましたし、
 「ビタミンフィトケミカルが熱で壊されるとしても、大したことはない」と考えられるからです。

 その他の効能として、「生野菜」は多食できないから過食にならない点が挙げられます。
 これは確かなことですが、往々にして「生野菜」は体に良いからと言って、
 通常の食事にオンして食べてしまい、その効果が発揮されるのは稀なものとなりましょう。

 いずれにしましても、「生野菜」が体に良いことは経験的に確かなことですから、大いに勧められることになります。
 でも、長く続けてきた今までの食事に胃腸はそれなりに慣れ親しんでいますから、急激な変化には着いていけません。

 いきなり量多く『生菜食』を始めると、胃腸を壊す恐れがあります。
 甲田氏によれば『どんな場合も、少しずつ食事内容を変えていって、胃腸を慣らしてやらねばならない』とのことです。


 『生菜食』を始めるにあたって、最も失敗するケースは、手作りの『青汁』とのこと。

 「生野菜」をあまり食べていなかった人が『青汁』が体に良いからと言って、
 ミキサーやジューサーで大量につくって、そのまま飲むと、
 胃が丈夫だと思っている人でも、胃を荒らすことが多いようです。
 最大の原因は『生(なま)の「葉緑素」が胃壁を過剰に刺激する』からだそうです。

 よって、手作りする『青汁』は、青葉が主体であれば3倍量ぐらいになるように水で薄め、
 かつ、ほんの少しの量から飲むようにせねばならないし、
 胃腸が『青汁』に慣れても、水で3倍量ぐらいに薄める必要があるこのことです。

 できれば、安全策を取って、『青汁』を始める前に、
 大根や人参などの「根菜のおろし」で(胃腸の)慣らし運転をすると良い、とのことです。

 なお、『青汁』が飲み難い場合は、最初のうちは、布で(胃壁腸壁への刺激が強すぎる)粗い部分を濾し取ったり、
 塩を適量加える(陰性である『青汁』に、陽性である『塩』を加えて「中庸」にする)と飲みやすくなり、
 胃腸への負担(「もたれ」など )も少なくなるようです。

 また、刻んだ「生野菜」をいきなりバリバリと食べ始めると、胃腸を壊す方がけっこう多いようです。
 これも、胃壁や腸壁への刺激過剰によるものです。

 そして、順々に「生野菜」の量を多く摂るようにしていくのですが、
 必ず、それに見合う分の「他の食材」、特に「動物性食品」や「油物」を思い切って減らしていく、
 という食事へ切り替えていかないことには『生菜食』の効能が充分には発揮されないことをよく承知しておいて頂きたい、
 とのことです。


 ここからは小生の見解ですが、『青汁』にしろ、刻んだ「生野菜」にしろ、
 冷蔵庫でかなり冷やされたものをすぐに胃に入れがちですから、胃腸を極端に冷やしてしまいます。

 「胃腸を冷やすことほど、健康に悪いものはない」と言えますから、
 『青汁』なら常温にしてから ゆっくり飲む必要がありますし、
 サラダや一夜漬けなどは、よく噛んで口の中で温めてから胃に送り込んであげる必要がありましょう。

 また「生野菜」を食べる時刻というのも重要です。
 朝食時に摂られる方が多いように思いますが、これは避けたいです。
 朝は体温が低く、胃の温度も低いです。その胃をさらに冷やしますから、胃への負担が大きすぎます。

 なお、胃にやさしい食事であっても、食後すぐに活動を強いられる朝ですから、
 胃への血流が細ってしまい、胃が充分に活動することができません。
 できれば、甲田氏も言っておられるように『朝食は抜くべし』となります。

 こうしたことから、「生野菜」は、胃の温度が上がってきていて、かつ、食後にたっぷり休憩が取れ、
 胃が充分に活動できる昼食なり夕食時に摂るべきものでしょう。


 最後に、肉ばっかり食べて「生野菜」をチットモ食べない方へ、一言、申し上げます。

 ヒトの親戚であるチンパンジーを少しは見習ってください。
 野生動物の「食」というものは、実に「理にかなったもの」となっていますからね。

 充分な説明ができないまま長々と書き綴ってしまい、読者の皆様には申し訳ありませんでした。
 なお、本稿は未定稿です。
 新たな知見が得られれば‥、いつになるか分かりませんが‥、追記したいと思っています。

 また、チンパンジーの主食は「果物」ですから、
 これが「ヒトに、どのような効果を及ぼすか」について記事を起こしたいと考えています。


【追記】2014.2.23
 これについては「果物は 体に良いのか? 人の健康を害するのか?」と題して記事にしましたので、ご覧ください。