この記事は、「江部康二」医師の「ドクター江部の糖尿病徒然日記」ブログからのご紹介です。
 日本における「糖質制限食」の第一人者である「江部康二」医師が、癌における「糖質制限食」と「ケトン食」の有効性をお話しされています。

 アメリカでは2011年に、癌に対する「糖質制限食(ケトン食)」の研究が本格的に開始されています。
 外国の先進国では、癌における「糖質制限食(ケトン食)」の認識が確実に深まっています。

 癌細胞の唯一の餌は「ブドウ糖」であるのは医学的な事実です。
 癌細胞は「ブドウ糖」しかエネルギー源に利用できないので、癌患者さんが「ブドウ糖」を健常者(健康者)並みに無制限に摂取すれば、癌細胞に取り込まれる「ブドウ糖」量が増えるのは明白ですから、それだけ、癌をどんどん育てて進行させることになります。
 逆に、癌患者さんが「ブドウ糖」の摂取に制限をかけて抑制すれば、癌に取り込まれて利用される「ブドウ糖」量が減りますから、その分、癌の成長進行を自然抑制できるのです。
ここは「ブドウ糖は「癌の最大のエサ」(ブドウ糖は癌を増大・進行させる)」カテゴリを参照してください

 この癌の性質上、「糖質制限食(ケトン食)」が癌治療において重要であるのは、もはや言わずもがなです。
 癌患者さんは、ご自分の納得のいく「糖質制限食(ケトン食)」を必ず実行されたほうが良いです。




 がんと食事療法。がんと糖質制限食。がんと玄米菜食。
 【「ドクター江部の糖尿病徒然日記」
より 】


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かやねずみ さん14/08/21

 がん患者は右往左往

 江部先生も、玄米菜食をされたことがおありなのですね!
 6年前にガンを患った私。
 しょうがなく、抗がん剤もやりました。
 紹介してもらった先生に逆らえなかったから・・・(今は近藤誠先生を支持しますが)。

 そのあと、ネットでガン患者の相談を受けている医師の団体に入会。
 そこでは、玄米菜食を推奨していたので、私も動物タンパク質は魚と卵にしてました。

 3年前から、73才の主人が「糖質制限食」を始めたので、それに合わせて、食事は肉野菜になりました。
 主人も医者ですが、後輩で糖尿病学会の重鎮が、
 「食事の60%は炭水化物にするのがバランスが良いのです」と自信たっぷりに言うので、
 それまでほとんどご飯は食べてなかったのに、食べ始めて、エライ目に遭ったのです。
 私は、それまでと一変した食事内容に不安を覚えています。

 銀座の漢方ガン治療の医師は、
 「糖分がガンのエサ」「糖分を摂らないことが必要」とブログや著書で述べられています。
 元ガン患者としては「どないしたらええねん!」という気になります。



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 お早うございます。
 「かやねずみ」さん から、癌と食事療法について、コメント質問を頂きました。

 まず、玄米菜食が癌の治療予防に有効か否かは、よく分かりません。
 いわゆる、エビデンスが無いのです。

 一方、「欧米の食事のガイドライン」は、
 必ず『未精製穀物全粒穀物玄米玄麦雑穀)』を摂取するように推奨しています。
 つまり、白米より玄米、白いパンより全粒粉のパンのほうが健康に好ましいということは、エビデンスレベルと思います。

 「日本の食事療法に関するガイドライン」は、
 厚生労働省日本糖尿病学会などでは『未精製穀物全粒穀物玄米玄麦雑穀』を推奨していないのは、
 欧米に比べると不思議なことです。

 しかしながら、長年の玄米菜食実践者が癌を患うことがあるのも、間違いのない事実です。
 癌発生率が「白米と普通食」の人より少ないのか同等なのかまでは分かりません。


 それから癌細胞が、基本「ブドウ糖しかエネルギー源にできない」のは事実です。
 この事実に基づき、米国で【 肺癌に対するケトン食療法 with「放射線・化学療法」】という臨床試験が、
 2011年8月から開始されました。
 非小細胞肺癌4期の患者さんにターゲットをしぼった研究です。
 〔 Ketogenic Diet With Chemoradiation for Lung Cancer(KETOLUNG)(*)

 アイオワ大学が主スポンサーで、NIH(米国 国立衛生研究所)も共同研究者という本格的なものです。
 いよいよ、癌に対する「糖質制限食(ケトン食)」の治療効果が証明されるかもしれません。

 ケトン食は、総摂取カロリーの75~80%が脂質という、究極の「スーパー糖質制限食」です。
 2010年版 COCHRANE LIBRARLY(コクラン ライブラリー)と、
 2011年版 NICE(英国政府ガイドライン)の難治性小児てんかん治療に、
 ケトン食が採用されたのは記憶に新しいところです。
 小児のてんかんだけでなく、成人の癌にも大いに効果が期待されるということでしょう。

 ケトン体は、人体における「最も効率の良いエネルギー源」であり、
 動物実験では「癌細胞抑制作用」が確認されています。

 そして、癌細胞は「ブドウ糖」しかエネルギー源にできません。
 正常細胞のように「ケトン体」や「脂肪酸」をエネルギー源にすることができないのです。
ケトン体」とは、身体が飢餓状態となり「ブドウ糖」に枯渇して飢えた時に、肝細胞のミトコンドリアが臨時につくり出す『短鎖脂肪酸』です。これは “ブドウ糖の代替エネルギー源” であり、「ブドウ糖」よりも優れたエネルギー源です。
 ここは「「ケトン体」とは、体内のブドウ糖が枯渇した時に、肝細胞のミトコンドリアで作られる『短鎖脂肪酸』のこと!【「ケトン体」とは、体が作り出した『短鎖脂肪酸』です!】」記事を参照してください
ブログ管理人

 同様に、アイオワ大学と NIH(米国 国立衛生研究所)の共同研究で、
 【 膵ガンに対するケトン食療法 with「放射線・化学療法」】
 ( http://www.clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT01419483 )
 〔 Ketogenic Diet With Concurrent Chemoradiation for Pancreatic Cancer
 も開始されています。研究成果の発表が楽しみです。


 また、ニューヨーク・メモリアル・スローン・ケタリング癌センター(http://www.mskcc.org/)は、
 全米屈指の超有名な癌センターです。
 日本における国立癌センターのイメージと同格、あるいは、それ以上のレベルの癌センターです。
 U.S.News & World Report ベスト・ホスピタル癌部門において、常に上位2位以内に選ばれている実績があります。

 そのセンター長兼 CEO Craig.Thompson 博士の講演が You Tube で見れます。



How Do People Get Cancer | Cancer Awareness | Memorial Sloan Kettering



 CEO 曰く、

   今時の人間は食べ過ぎで、太っている人間の体内では細胞の変異が起きやすい。

 そうです。
 そして、

   私たちは、モデル生物において、優れたエビデンスを得ています。

 続いて、

   脂質を過剰摂取させても、癌発生率はまったく増えません。
    炭水化物を過剰摂取させると、癌発生率が劇的に増えます。
    タンパク質はその中間です。

   なので、炭水化物ベースの食事について大きな議論をすることになるでしょう・・・。


 全米12位を誇る癌センターの CEO が、糖質制限食を推奨していることは嬉しい限りです。

 さらに、2012年12月放送の米国の CBS ニュースで、
 転移性癌で余命3ヵ月と宣告された人が「ケトン食(脂質80%の超厳格糖質制限食)」で癌が消失して、
 その後、1年以上経過して、再発の兆候はないそうです。
 さらに、長期の経過観察が必要なのはもちろんですが、末期の転移癌が消えただけでも奇跡的で素晴らしいことです。

 以前は動画が見れたのですが、残念ながら、今は動画を見ることができなくなっています。
 テレビのニュースですので、エビデンスレベルとは言えませんが、一例とは言え、興味深い事実ですね。
 このように「糖質制限食(ケトン食)」と癌に関しては、今後も、どんどん研究が進んでいくと思います。


  (*)
  A Phase I Trial of a Ketogenic Diet With Concurrent Chemoradiation for Non-small Cell Lung Cancer
  (
http://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT01419587 
  Sponsor: University of Iowa
  Collaborators:
  National Institutes of Health (NIH)
  Holden Comprehensive Cancer Center
  Nutricia North America
  Information provided by: University of Iowa




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江部康二 医師