当記事は「命を育む医療」ブログ様からのご紹介です。次の記事の続きになります。

    肉食中心の糖質制限は 総死亡率・癌死亡率 が増加する!
     菜食中心の糖質制限は 総死亡率・癌死亡率 は減少するか増加しない!
     【 コホート試験が物語る、糖質制限の実地 】


 「肉食と糖尿病の関係」についての内容ですが、「コホート試験」による研究結論は『肉製品の摂取量が多いほど「糖尿病の発症リスク」が増加する』となっています。
 肉製品は「糖尿病の発症リスク」をも増加させます。気をつけましょう!

.





 肉を食べることの意味 (2)エビデンス篇
 ② 肉を食べると糖尿病になりやすいか?

 【「命を育む医療」
より 】


 非常に多くの人々を対象にして行なわれる「コホート試験」はほとんどの場合、
 単一のリスク因子と疾患の関係を調べるためだけに行なわれるのではありません。
 調査してデータ化した様々な生活習慣や食生活の要因と各種疾患との関係がスーパーコンピューターで解析されます。
 その中で肉食との関連が強いことが分かってきたのは「2型糖尿病」でした。


Red meat consumption and risk of type 2 diabetes:
   3 cohorts of US adults and an updated meta-analysis
 1)
    (3つのコホートの詳細については「ここ」を参照

 この非常に信頼性の高い2つの研究で、肉食と「糖尿病」との関係についても解析されています。

6160a006-s[1]


 HPFS から38073人、第一次 NHS から79570人、
 第二次の NHS から87504人の参加者について経過観察を行ないました。

 その結果は、

80c0b7a4[1]


 全体として「赤肉」を多く食べると「糖尿病」のリスクが上がっていました。
 1日の「赤肉」摂取量が85g 増えるごとに、
 「非加工赤肉」では15%、「加工赤肉(ハムソーセージベーコン)」では30%もの「リスク」上昇が見られました。

266b612c[1]


 「赤肉」を食べる代わりに他の食品 ナッツ、低脂肪畜産物、全粒穀物、家禽類、魚介類 を食べると、
 すべてのパターンで有意な「糖尿病発症リスク」低下が見られました。
 特に「加工赤肉」をこれらの食物で置き換えた場合には20~35%の大幅な低下が見られています。

4fac5579[1]
a02f948e[1]


 HPFS と NHS 以外の従来行なわれた主要な研究について集計してメタ分析しても、同様の結果が見られています。
 100g の「非加工赤肉」で20%程度、50g の「加工赤肉」では50%!もの「糖尿病発症リスク」増加が見られます。

 この結果を見る限り、やはり「加工赤肉」は危なそうです。
 便利だからと言って、毎日、ハムやソーセージ、ベーコンなどを食べる習慣は止めたほうが無難のように思えます。

 市販のハムやソーセージが心配な点は他にもあります。
 昔から行なわれていた方法で肉を加工すると、通常は原料よりも重さが減ります。
 100g が75~85g になるそうです。
 しかし、市販のハムソーセージでは、原材料の肉と重さが変わらないか、かえって増えるそうです。


2.Vegetarian diets and incidence of diabetes
   in the Adventist Health Study-2
 2)
    (「コホート」の詳細については「ここ」を参照

9f2c10ec[1]


 「セブンス・デイ・アドベンチスト」を対象とした研究でも「糖尿病」に対する解析が行なわれています。
 試験開始時に「糖尿病」がなく、かつ充分な情報が得られた41387人を2年経過観察しています。
 この期間は HPFS や NHS と比べてずっと短く、有意差を得るのは困難のように思われます。

5d01a9c8[1]


 ところが、「非ベジタリアン」に比べて各種「ベジタリアン」は20%~60%もの「リスク」低下を認めました。
 もっとも優れていたのは「ビーガン」であり、
 「総死亡率」や「心血管疾患死亡率」でダントツの結果を示した「ペスコ・ベジタリアン」が、
 ここでは唯一、有意差が出ていません。

9018797f[1]
ベジタリアンの分類については「この記事」を参照


 いずれにせよ、たった2年の観察期間にも関わらず、これだけ明白な差が出ているのを見ると、
 「糖尿病」に対する「赤肉」摂取の害はかなり大きなものと感じさせられます



3.Red meat consumption is associated with the risk of type 2 diabetes
   in men but not in women:
   a Japan Public Health Center-based Prospective Study.
 3)

 これは日本の「国立がん研究センター」がん予防検診研究センターが、
 日本に住む日本人総計14万人を20年あまりの長期にわたって観察する「多目的コホート研究JPHC)」の
 数多くある結果のうちの一つです。

 「多目的コホート研究」の概要とこれまでの成果についてはネット上で公開されており、自由に閲覧することができます。
 この研究の概要については「ここ」で見ることができます。

48855faa[1]


 男性では1日に83g の「赤肉」を摂取すると「糖尿病発症」のリスクが4割ほど増加しています。
 「加工肉」については増加する傾向はあるものの、有意差はついていません。
 女性では、どちらもまったく「リスク」の増加は見られません。

 HPFS や NHS の研究では「加工肉」摂取量最大の5分位は50g 摂取しているのに対し、
 こちらは最大の4分位でも15g の摂取量なので、加工肉で差がつき難かったのでしょう。

f8dea287[1]


 代表的な「加工肉」の重さはこんな感じなので、どれでも合計3つ以上食べると良くないのかも知れません。


c5809abd[1]



【注】
1) Red meat consumption and risk of type 2 diabetes: 3 cohorts of US adults and an updated meta-analysis Pan.A. etal Am J Clin Nutr 2011;94:1088~96

2) Vegetarian diets and incidence of diabetes in the Adventist Health Study-2 S. Tonstad et.al. Nutr Metab Cardiovasc Dis. 2013 April ; 23(4): 292–299. doi:10.1016/j.numecd.2011.07.004.
3) Br J Nutr. 2013 Nov;110(10):1910-8. doi: 10.1017/S0007114513001128. Epub 2013 May 7.
Red meat consumption is associated with the risk of type 2 diabetes in men but not in women: a Japan Public Health Center-based Prospective Study.(抄録のみ)