「堀泰典」医師(医学博士歯学博士薬学博士)の「安保徹」医学博士との共著『最後は「免疫力」があなたを救う!』からのご紹介です。ご参考にされてください m(__)m


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堀泰典 医師(医学博士歯学博士薬学博士



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最後は「免疫力」があなたを救う!

安保徹堀泰典(共著) 扶桑社  2013年刊



 第2章 現代医学が注目しなかった健康法

現代医学が注目しなかった「胸腺」―― 鍛えることで免疫力がUPする!

医師が教えない胸腺の働き

 「胸をマッサージするだけで免疫がUPする」と言ったら、驚かれるでしょうか。荒唐無稽のように思われるかもしれませんが、「胸腺」は免疫を司る重要な器官なのです。

 まず、「胸腺の位置」を把握しておきましょう。
 胸腺は胸骨に覆われ、心臓の上部にかぶさった状態にあります。
 左の図(下図)を見てください。“みぞおち” のちょっと上の部分といったほうがわかりやすいでしょうか。

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胸腺の位置



 胸腺は新生児のころは8~15gですが、4~5歳でほぼ完成し、その後は徐々に成長し、思春期に最大(30~40g)に達します。そして、20代からは少しずつ退縮していき、最終的にはその面影を残す程度まで小さくなっていきます。
 そのため、「胸腺の大きさや働きが寿命を決定している」ともいわれているのです。
 それは、言い換えれば、病気に対する抵抗力も胸腺と関係しているのです。

 『病気と胸腺が相関関係にある』、こんなこと、ドクターから聞いたことがありますか? おそらく、ないと思います。
 ほとんどのドクターは胸腺の役割は大人になると退化して、ほとんど働きがないと大学で教わり、そのまま疑問を抱かない方が多いと思うのです。

 そこで、私が代わりに「胸腺の働き」をやさしく説明します。

 胸腺と病気は大きく関係しています。
 人間の免疫力は20歳前後がピークで、そのときは、がんや感染症にかかる人も少ないのです。
 じつは、その頃、胸腺は大きさのピークは過ぎたとはいうものの、免疫系の働きはまさに成熟期を迎えているからです。
 しかし、20代に入ってから胸腺が退縮しはじめると、同時に免疫力も低下し、がんや感染症は増加傾向になります。
 これは、単なる偶然の一致でしょうか。いや、違います。
 胸腺は免疫に大切な役割を果たしていて、その退縮とともに、がんや感染症などの病気が増えていくのです。

 では、そもそも、なぜ胸腺が免疫にとって大事な器官になったのか。それは人類の進化の過程にまで遡ります。
 人類はサルから進化したという説と、魚が陸に上がって進化したという説の、2つがあります。
 主流は陸に上がって進化したという説です。

 魚は「エラ呼吸」で酸素を取り込んでいます。
 人間は鼻や口から酸素を取り込みますが、そこからウイルスや細菌が入ってきても大丈夫なように、のどに「免疫システム」が備わっています。同様に、魚も「エラ呼吸」で細菌などが入ってきたら、命の危険にさらされます。
 ですから、魚のエラには「リンパ球」という免疫細胞の一種が備わり、体を守っているのです。
 そして、おもしろいことに、人間の胸腺はエラから進化したものだと考えられています。

 魚のエラは自分の体を守るための「免疫システム」の役割を果たし、魚が陸に上がって進化を遂げる際、エラは胸腺になったというわけです。こう考えると、胸腺が免疫と深い関係にあることは疑いようのない事実になります。



胸腺は「がんの殺し屋」T細胞の製造工場

 次に「胸腺の免疫パワー」について見ていきましょう。

 人間にはすぐれた免疫機能が備わっています。
 免疫機能とは「リンパ球」や「マクロファージ」などの免疫細胞の働きによる、体の防御システムのことです。

 でも、ここではそのすべての働きを理解してくださいなどと申しません。
 「白血球」の一種で免疫能を担当する「リンパ球」に絞ってお話しします。

 「リンパ球」は体内に細菌やウイルスなどの異物が侵入すると、それを感知して抗体をつくり防御します。
 しかも、その異物のデータを記憶し、体内で新しく生まれた「リンパ球」にも引き継ぐので、将来、同じ異物が侵入してきても、簡単に抑えることができるのです。

 ちなみに、「リンパ球」は大きく分けて「T細胞」「B細胞」「NK細胞」に分けられます。
 そのうちの「T細胞」とは骨髄で産生された「リンパ球」の前駆細胞が胸腺での選択を経て分化成熟したもので、末梢血中の「リンパ球」の70~80%を占めています。名前の『』は「胸腺」を意味する「Thymus」に由来する大事な器官です。

 「T細胞」は胸腺で教育されて有能な3つの細胞に分かれます。
 それが「ヘルパーT細胞」「サプレッサーT細胞」「キラーT細胞」です。

 「ヘルパーT細胞」は、いわば “免疫の司令官” の役割を果たします。
 異物が侵入したり、がん細胞が発生したりしたら、「攻撃せよ!」と指令を出します。
 すると、「キラーT細胞」は病原体に侵された細胞やがん細胞を攻撃するのです。まさに「殺し屋」だといえます。
 病原体がほぼ全滅した後も、「ヘルパーT細胞」が指令を出し続けると、今度は自分の細胞まで攻撃してしまうので、「サプレッサーT細胞」が「ヘルパーT細胞」に “終了報告” をして一連の任務は終わります。

 ところで、がん細胞は90日~100日で1回分裂する場合が多いのです。
 100日で1回分裂するとして、1個のがん細胞が発生して約100日で1回分裂して2個になり、約200日後には2個が4個になり…… を繰り返して成長していくと、約1年で8個、約3年で1024個、約9年で30回の分裂を経て約10億個になり、約1cm 四方のサイコロ大の初期がんになります。
 その3年後には 約10cm 四方となり、全身にも転移し、がんがつくり出す大量の悪液質(トキソホルモン)で命を奪われてしまうのです。その時期は、がんの種類に関わらず、おおむね、10cm × 10cm × 10cm の 1kg になった場合に人生が終わると考えられています。
 余命3か月というのは、あと1回分裂すれば 1kg に達するであろうと思われるときに言われる場合が多いようです。

 一日にがん細胞はいくつもできていますが、「アポトーシス細胞の自殺死滅)」や「キラーT細胞」により破壊されているため、がんとして発症しません。
 しかし、胸腺の働きの低下により、「キラーT細胞」が減少したり、活動が鈍ったりしてくると、がんのリスクが高まってしまうのです。がんや感染症をいかに防ぐかは、「キラーT細胞」にかかっているといっても過言ではありません。

 胸腺は加齢とともに退縮すると考えられていますが、じつは何歳になっても「リンパ球」の教育機関としての働きを維持しており、「T細胞」を育てることができるのです。
 そのために最も大切なことは、胸腺に「血液」や「リンパ液」をより多く送ることです。
 そのための大きな妨げとなるのが、不満取り越し苦労憎しみ悲しみなどのストレスです。
 こうしたストレスがかかると、胸腺周辺の「血液」や「リンパ液」の流れが停滞し、胸腺の働きも落ちてしまいます。
 ですから、ストレスを溜めてはいけません。

 ストレスを軽減すると同時に、やってほしいのは「胸腺の機能の復活」です。
 本当のことをいうと、胸腺周辺の「血液」や「リンパ液」の流れは、簡単によくなります。
 胸腺周辺をもみほぐす『胸腺もみ胸腺マッサージ)』で、その働きはぐんぐんよくなってくるのです。
 そうすれば、「T細胞」などの活動が活発になり、がんや感染症のリスクも軽減します。

癌細胞を殺す「T細胞」は「胸腺」で製造されますから、「T細胞」を活性化するためには「胸腺の機能」を活性化する必要があります。その「胸腺の機能」を活性化するためには「胸腺」に「血液」や「リンパ液」をより多く送ることです。つまり、「胸腺」に「血液」や「リンパ液」をより多く送るために、胸を “もみもみ” してマッサージし、「胸腺」に流れ入る「血液」や「リンパ液」の量を増やすわけです。そうすると「T細胞」が活性化して免疫が向上するので、『抗がん力』が高まるということです。
 胸を “もみもみ” してマッサージ  胸腺に流れ入る血液リンパ液の量が増加  胸腺が活性化  T細胞の製造が活性化  T細胞が活性化して免疫が向上 抗がん力』が高まる、という「免疫を向上させる流れ」があるわけです。
 この一連の流れを『胸腺もみ胸腺マッサージ)』と称しているわけですが、これは、なかなか良いと思います。一切無料でできちゃいますからね!
ブログ管理人

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「胸腺」の他にもある、免疫を担当する主な組織




免疫力が上がる胸腺もみ

 『胸腺もみ胸腺マッサージ)』は、何も難しいことではありません。
 簡単にいえば、「胸腺周辺を両手でもみほぐす」だけで OK です。

 左の図(下図)を参考に、一日「3~5分」行ってください。
 たったこれだけで「胸腺の働きを活性化し、免疫力のUPに役立つ」のです。

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魚のエラから進化した胸腺は免疫のカギを握る安保教授より

 海から陸へと、生存の舞台を移したことは画期的でした。
 人間の胸腺は、魚の時代にはエラだったと考えられてます。
 魚類にも原始的な胸腺はありますが、完成されたものではありません。
 水中でエラ呼吸をしている魚にとって、エラは外部と内部の接点で、異物が侵入する重要ポイントでしたから、「白血球」をここに集中させて監視しているのです。

 海から上陸して「肺呼吸」に変わると、活動域と活動量の広がりとともに肺は大きな体積を必要とするようになりました。
 そして、エラは胸腺として再構築され、場所も現在の位置におさまったと考えられています。

 水中と大気中では、抗原の量も種類も違います。処理すべき抗原は激増しました。
 胸腺の中で分化し成熟する「T細胞」はそれに対応するかたちで出現したのです。
 「T細胞」はさまざまな役割を果たし、がん細胞も撃退してくれます。
 ただ、その胸腺は加齢とともに小さくなり、働きも弱くなるのです。

 しかし、堀先生がおっしゃるように、胸腺をマッサージすれば、その活性も復活するかもしれません。
 すべての臓器は、刺激と血流によって働きが維持されるからです。
 今後は、マッサージ前後の「T細胞」の活性を調べるなど、科学的に解明していけば、この考え方も通説になる可能性があると思います。