「内海聡」医師の著書『医者いらずの食』の『Chapter7(第7章)「肉食がいい」「草食がいい」という愚考』をご紹介させて頂きます。

 食養の世界では、多くの先生が「肉食排除菜食推奨」の立場です。
 「内海聡」医師のご友人である医療ジャーナリストの「船瀬俊介」さんも「肉食排除菜食推奨」であり、特に、甲田療法の「生菜食療法」や「断食療法」を推奨してくれているのは私にも嬉しいところです♪

 最近では、この逆の動きがあり、糖質制限食(ケトン食)の普及に伴い、肉食推進派が増えています。
 これは、菜食よりも「肉食を中心とした食事」を推奨するものです。


 私は個人的に「生菜食」でやってきましたし、うちの家族も「生菜食断食」を含みます )」でいろいろと持病を救われてきましたので、どちらかと言えば、一般の方々に「玄米菜食を中心とした食事(生菜食」や「断食」を自分なりに適宜に組み合わせる )」を推奨しています。
 肉食に関しましては、私の場合は「肉食の利点と欠点をよく把握した上で、『自己責任』で適宜にすれば良い」という立場を取ります。

 ただし、これはあくまで「健常者(健康者)に限って」の話です。
 私は、癌患者の場合は「せめて癌が改善するまでは、肉製品乳製品は控えるか止める(避ける)べきである」という考えであり、癌患者がすべき肉食には『魚介食』を推奨しています。
 特に、体内に “癌の塊” が多数あり、癌が極めて悪性化して進行している癌患者においては、これは絶対です。
 なぜならば、肉製品のタンパク質や脂肪は「癌の増殖を促進する作用」があり、特に、牛乳乳製品はこの「癌の増殖を促進する作用」が強いため、癌患者が肉製品や牛乳乳製品を摂取すれば摂取するほど「癌が増大悪性化転移しやすい体内環境」がますます整ってしまうからです。ゆえに、私は癌患者に対して、肉製品や牛乳乳製品を推奨する気にはどうしてもなれないのです‥。
 逆に『魚介食』では「抗がん作用」「抗酸化作用」のある魚があるので、『魚介食』こそが癌治療に最適な肉食であると思います。
 癌治療における「肉食の是非」に関しましては、詳しくは「肉食・乳製品の真実」カテゴリの記事をよく参照してください。ここは癌の『食事療法』において非常に重要なところであり、癌を自然抑制するための基本事項です。

 食養者にはその人その人に固有の好みや考え方や信念がありますので、その食養者の好みや考え方や信念によって「肉食」か「菜食」に偏る視点が生まれやすいです。
 それはそれぞれ、その食養者なりに、科学的医学的生化学的栄養学的に真面目に見つめて答えを出しているのだと思います。
 「菜食推奨」の方では、動物愛護的な考え方がある場合も多いです。これは、私にも少しあります。


 しかし「内海聡」医師は、純粋に「人間の食」として見つめた時に、「肉食がいい」とか、「菜食がいい」とか、どちらかに決め付けて絶対視するのは、その時点で「おかしい」と仰られています。
 世界の民族には「肉食だけで無病息災に暮らす民族」もいれば「菜食だけで無病息災に暮らす民族」もいるので、「人間の食」を「肉食」か「菜食」かのどちらかに決め付けることはできない、というわけです。
 この考え方は『伝統食民族食)』を重視するという、至極当然なるものです。
 私も大いに賛成いたします♪

 私は個人的に「生菜食」をやってきましたから、「生菜食」から得られる利点や有効性への理解があるのならば、ご自分なりに「生菜食」をできる範囲内で採用して活かしてほしいと願っています m(__)m


 また、「内海聡」医師の考え方で大事なのは、人体とは食物から摂取した栄養素だけで維持されているのではないこと、また、いまだ人智に及ばない「未知の要素」による影響があることまで考えること、これです。
 この考え方は非常に重要であり、人間の科学医学生化学栄養学というのは、とにかく「発見されている事象(教科書に載っている内容)」だけで判断しようとするところがどうしてもあるのですが、まだ人間の科学医学生化学栄養学では発見されていない「未知の要素(未発見の要素)」など無数にあると見るべきなのです。

 「内海聡」医師は、食事栄養素 以外の「人間の生命を支えている未知の要素」として、「腸内細菌叢」の違いや「ソマチッド」「バイオフォトン生体光子)」「量子力学」を挙げています。
 私はさらに「氣」「プラーナ」や「潜在意識」「無意識」の働きなどを挙げたいと思います。
 (氣=プラーナみたいなものですが、氣やプラーナとは「生命素」と呼ばれることもあります
 こういう考え方って、科学医学生化学栄養学では説明がつかないだけで、案外と重要なのです。
 なぜならば、こういった「現代の科学医学生化学栄養学では理解されていない未知の要素」を積極的に取り入れて考えなければ、凡そ、説明のつかない「実地」が世界中に多数あるからです。

 最近、有名になってきた「不食」の事実などはこの典型例ですね。
 「不食」というのはインチキではなく、太古の昔から実在している単なる事実なのですが(昔は数が少なかったのですが、今は数がどんどん増えているそうです)、この「不食」の生命維持システムを現代の科学医学生化学栄養学だけで考えたって解かるわけがないのです。現代の科学医学生化学栄養学であろうと、まだ「不食」を解き明かせるまで進歩していません。

 「現代の科学医学生化学栄養学だって、まだ進歩しきったわけではない」という「謙虚な姿勢」が大事だと思います。現代の科学医学生化学栄養学が大きな進歩を遂げたように見えても、やはり、それは「以前の人類からすれば」のことであり、現代の科学医学生化学栄養学が解明できていない「未知の要素」など、まだまだ無数にあるはずです。この姿勢と意識認識が無いと『人間の学に捉われた盲(メクラ聾(ツンボ』に堕するのは必定です。まだ解き明かされていない「未知の要素」を見つめようとする感性が求められます。

上記の「」「」という表現はあくまで「見るべきものも見えない」「聞くべき声も聞こえない」という比喩であり、「盲目の方」や「耳が聞こえない方」を中傷する目的で言っているわけでは決してありませんので、どうぞ、ご了承ください m(_ _)m
 今も世間では「見るべきものも見えない」「聞くべき声も聞こえない」という人々で溢れ返っています。
 人間の学問だけに捉われてしまう人は「見るべきもの」「聞くべき声」が世にたくさんあることにすら気づけないのです。この方々は、大して自分で調べることもせず、何でもすぐに「オカルト」「トンデモ」「インチキ」扱いをして済ましてしまう嫌いがあります。しかし、世間で「オカルト」「トンデモ」「インチキ」と言われているものの中にこそ、私たちが見出すべき『真実』が潜在しているのです。人間の学問だけに捉われてしまうことは、自ら視野を狭めてしまうことでもあるのです。世の『真実』というものは、民間人に『真実』を知られては困る権力の工作によって「オカルト」「トンデモ」「インチキ」のレッテルを張られ、潰されてしまう傾向にあるものです。これこそが「人間社会の実態」であり、医学医療の世界でも甚だしいです。『真実』『本物』とは、残念ながら、世に出ることを許されず、潰されてしまう立場に置かれているのですね。『真実』『本物』が世に出てしまうと権力が金儲けできなくなるため、世に『真実』『本物』が出るのは権力にとって非常に不都合なのです。権力は『真実』『本物』が世に出そうになった時〔民間にバレそうになった時〕、何が何でも『真実』『本物』を必死に潰しにかかります。権力が自分たちの身の保全を図るには、それしかないからです。この「人間社会の体質」をよく理解されて、世間で当たり前に言われている常識〔という名の非常識〕には必ず一歩も百歩も引いて見つめ、ご自分でよく調べ尽くして考えてから判断する力〔心眼〕を養われてください。よろしくお願いします m(__)m
 ただ、当然ながら、本当の「オカルト」「トンデモ」「インチキ」には呑み込まれないように気をつけましょう! そんなものに流される必要はありません。一般的には判断がつき難いことが多いので、ご自分なりに調べ尽して見聞を広め、生きた知識知恵を積極的に身に付けていきましょう!



 「内海聡」医師が仰られている当記事の内容は「肉食」にも「菜食」にも偏っておらず、食の本筋を見つめている大変ためになる内容だと思います。ご自分の「食に対する考え方視点」に対して、何か参考になるはずです。
 ぜひ、ご覧になられてみてください。よろしくお願いします m(_ _)m

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医者いらずの食

内海聡(著) キラジェンヌ出版  2013年刊



 Chapter7 「肉食がいい」「草食がいい」という愚考


肉食が推奨される理由

 肉食や原始人食に健康の秘訣があるとする識者は結構多い。しかし現在の日本では、どちらかというと肉食排除で、たとえば医学被害の研究家で、友人でもある「船瀬俊介」氏などもそうである。
 一方、それは健康にはつながらないという説も多数ある。すなわち、肉は必要であるという説で、菜食やフルータリアンの否定につながるかもしれない説だ。
 ところで、私は二つの説の整合性をとれた人を、いまだかつて見たことがない。

 まず肉食が推奨される理由は、それが良質のアミノ酸であり、しかも必須アミノ酸を摂りやすいという点にある。アミノ酸スコアという言葉が使われるが、これについては自分で調べてほしい。
 確かに、肉や魚のほうが大豆などよりスコアは高く、栄養学的には間違ってないといえる。しかし、これについても反論する栄養学者は必ず存在するだろう。もっとも私にとってはどちらでもいいが……。
 拙著『医学不要論』にも書いたが、有名な話として、イヌイットの人たちは野菜はほとんど食さず、アザラシや白クマの肉を主食にして生きてきた。それでも長寿を保ち、ガンや心筋梗塞などにほとんどかからなかったという研究がある。
 これはこれで事実であり、イヌイットが原住地から西洋文明の中に引っ越して不健康になった証拠も数多いとされている。これもまた事実であり、これだけを見れば肉食が悪いという話につながらなくなってしまう。
 また、日本ではアイヌなども熊や鹿の肉を食べていたし、ネイティブアメリカンも鳥や獣の肉を食べていた。あるいは虫などを食する民族もいたようである。そして、55ページに示したネイティブアメリカンの族長の言葉のように、彼らは非常に長寿で健康な人々が多かったとされている。
 その一方で、フルータリアンやイモなどで長寿を保っていた人々が存在している。エベレストやチベットに多いと聞いたこともあるが、きちんとした統計をあまり見かけたことはない。それでも私は、別に嘘だとは思っていない。
 ただしこれは、肉食で長生きしている人たちを部分的に否定する話である。もちろんここでは、現在、肉や果実の中に含まれている化学物質や、野菜の農薬その他の問題などは論外として扱っている。

 ここで愚かな人間たちは、すぐ次のように考える。すなわち、「どっちが正しいのか」ということと、「どっちを自分は用いようかな」ということだ。
 このように考えてしまうことは、教育の誤りにその元凶があるが、とにかくこう考えても幸せが訪れることはあまりなさそうなことは、すでに書いたとおりだ。それをこの章では、もう少し掘り下げて書いてみる。


穀物の消化を得意とする日本人の身体特性

 よくいわれる話として「肉はスタミナの根源というのは真っ赤なウソだ」というものがある。確かにこれは一面的には正しいが、また偏狭的でもある。
 肉は体を酸性(酸毒化アシドーシス)にし、消化の過程で腸内で毒素を出すことなどに起因し、さまざまな健康障害を引き起こすとされる。成人病や難病やガン、アレルギーの類にいたるまで、食肉と牛乳が原因であるとされている。
 それならば、なぜイヌイットやネイティブアメリカンやアイヌたちは、健康でガンにもならず、強靭な肉体であったのかをきちんと説明できなければならない。生食であるとか魚のEPA(エイコサペンタエン酸)その他が入っていたなどで説明できるとするなら、勘違いもはなはだしい。
 彼らが日々体を使っていたというのも説明にならない。肉はスタミナの根源論が嘘であるという話は、現代のスポーツ選手などにも応用できる考え方だからだ。

 確かに、もともと日本では1868年の明治元年まで肉食は一般的ではなかった。そして、江戸時代の人々のほうが現代人よりスタミナ豊富であったことは、さまざまな著書で語られている(たとえば「飛脚」の話など参照記事)。
 このことは「細胞環境デザイン学」(60ページ参照)から考えても重要な要素を占めるといえる。今日にいたる日本文化の礎は、「まごはやさしい」に代表される食文化から培つちかわれたものであり、日本人は食生活の中で穀物の消化を得意とする身体特性(欧米人より腸が長いなど)を実際に持っている。
 このような日本人の体力の問題、日本人の食性の問題、古典的民族がなぜ強靭な肉体であったかなどを総合的に考えねばならない。


菜食主義、ローフード、ナチュラル・ハイジーン

 それでは、菜食主義(ベジタリアン)についてはどうだろうか。ここでは果実主義(フルータリアン)も同じように扱うが、フルータリアンの場合は完全に動物性食品を食べないわけではないようだ。なので、本当ならこれらも厳密に区分けする必要があるのかもしれないが、ページの都合上類似のものとして扱う。
 総じてよくいわれる話に、フルータリアンは長寿で健康というのがある。56ページにあげた『フィット・フォー・ライフ』はアメリカで普及しつつある「ローフード」本の代表格である。
 ローフードとは、加工されていない生の食材を用いた食品、あるいは食材を極力生で摂取する食生活のことである。ローフード主義者は必ずしもベジタリアンであるとは限らず、生であれば動物の肉やその他の動物性食品を食べる者もいる。
 基本的な目的は、加熱によって失われがちな酵素やビタミンやミネラルなどを効率よく摂取することとされる。ただし、酵素が破壊されないとされている摂氏48度以下ならば加熱してもかまわない。
 私に言わせれば、これは栄養学的な考え方だけであり、ローフードの利点はもう少し別のところにある。これについては56ページも参照していただきたい。日本の刺身が推奨される理由の一つも、ローフードにあるといえるかもしれない。
 また、ローフードは発酵食品を多用するといわれているが、これも私としてはよい考え方であると思われる。
 ただ、全体的にはローフードのベジタリアンである場合、栄養不足になりやすいとしてアメリカ国内でも注意が促されており、適切なサプリメント摂取を勧める動きもある。

 もう一つ、よく使われる言葉が「ナチュラル・ハイジーン」である。これは自然療法などに基づいた生命理論というような意味になるが、ローフードとナチュラル・ハイジーンは混同されることが多い。この二つがセットで使われやすいのは、ナチュラル・ハイジーンを推奨した結果がローフードだったという結論にいたるためである。
 私にいわせれば、このナチュラル・ハイジーンという言葉自体がバカバカしい言葉だが、やはり人類という種族は自分が正しいということを主張したくて仕方がないらしい。

 菜食主義は雑食や肉食主義(これも雑食の一種)に比べて栄養不足になりやすいと、よくいわれる。確かに理論上はそうであるかもしれないが、私は菜食主義者でとても健康な人を何人も知っている。このこともまた、栄養だけで説明できるだろうか。
 たとえば1個のトマトには、現在知られている範囲だけでも1万種類の植物性栄養物質が含まれている。これはビタミンやミネラルやアミノ酸ごとき存在、つまり栄養だけで説明できるものではない。
 ただし、これは草食であっても肉食であっても当てはまる。なぜかというと、仮にどこかに健康な食事法があるとしても、それと相反するような食事の仕方でも健康であることを説明できないからだ。これを説明しようとすると、どうしても栄養学や食養以外の分野にも話が及ぶ。
 もちろん、そのような意識がない人に話しても時間の無駄なのでここでは書かないが、「我々は食べたもので作られる」ことさえも真実ではないのではないか。そう考えられることが重要なのである。
 菜食主義者の割合は女性のほうが多いように推測するが、不健康で肌の色が悪いというわけでもない。むしろ今風にいう「美容」や「美意識」も高く、活動的な人も多い。はたして彼女らのあり方は栄養不足で説明がつくのだろうか。


一切の毒物を排した形でそれぞれの評価を行うべき

 肉食主義は特に栄養学的要素から推奨されているようだが、粗食や不食の説明がいまだになされていない。医学的研究などの反論についても乏しい面がある。
 たとえば、有名なのが「マクガバンレポート」と「チャイナスタディ」だ。
 マクガバンレポートを簡単に説明すると、人間がかかっている生活習慣病の大部分は高カロリー、高脂肪、高たんぱく、高砂糖、高精白の5高食品であると警告している。肉食は大腸ガンを5倍に増やすなど5000ページにも及び、その中では健康食として元禄時代以前の日本食を推奨している。
 チャイナスタディはアメリカと中国による共同研究で、「コリン・キャンベル」博士は「動物性たんぱく質こそが史上最悪の発がん物質だった」と結論づけている。たとえばカゼインを20%増やすだけでガン病巣は11倍に増殖する。動物たんぱくの発ガン率は植物たんぱくの8倍に相当するなどと結論づけている。
この「マクガバンレポート」と「チャイナスタディ」につきましては「「チャイナ・スタディ」が明かす、肉食の真実!【M報告、丹羽靱負博士、牛乳、他】」記事を参照してくださいブログ管理人
 ここでも、多くの古代民族が肉食でありながら、ガンが少なかったことをしっかり説明してもらわないと困ることになる。
 また、これは医学研究だが科学的見地も入っているので、その科学的見地に問題があるかどうかを考えねばならない。

 これらの研究では、肉に入っているさまざまな栄養素だけでなく、抗生物質、ホルモン剤などについて、どれくらい考慮がされているだろうか。実は、それらでさえも大きな問題ではない。アメリカ牛などに代表されて使われている肉骨粉などについて検討されているだろうか。
 肉骨粉が何か、皆さんはご存じだろうか。これは死んだ動物をミンチにして粉にしたもので、病死した牛や豚などの家畜、死んだ犬、サーカスで死んだ象、スカンク、ネズミ、ヘビなど、あらゆる死体が運ばれてきて処理される。
 そして、その肉骨粉を食べているのは牛であり、豚であり、鳥である。つまり、彼らは基本的に共食いをさせられているといってよい。アメリカ牛はこれを基本として商品化されている。
 さらにいえば、アメリカでは養鶏のごみでもある糞、要するに養鶏場の床にたまった大量の糞をかき集め、少量の大豆(遺伝子組み換え型)を混ぜ合わせて牛に食べさせている。これについても医学研究では評価されているのだろうか。
 つまり初歩的な問題として、肉食が一切の毒物を排した形できちんとした評価が行われているかである。菜食であれば、無農薬というわかりやすい評価の背景があることを忘れてはならない。
 現代では養殖の魚なども同じような構図で薬物まみれになっている。天然の魚であっても、日本では放射能に汚染されている。
 これらを一切排したうえで、それでも肉食で健康の人々、菜食で健康の人々、その双方を説明できるような理論や概念を示さなければ、人類の知恵とか科学とはいえない。私もそれについては完全な根拠などを示せないが、いくつか仮説として示せるものはある。私が大金持ちであれば、これを証明できるのかもしれないが……。


「人間の遺伝子には草食系と肉食系が存在する」という仮説

 仮説の一つは、よくいわれている考え方の「身土不二」であろう。これは、このケースでも部分的には当てはまる。
 イヌイットやネイティブアメリカンは熱帯に住むのではないから、当然フルーツなどは摂りにくいし、肉食にならざるを得ない。それに比して動物の狩猟がしにくい地域も存在するし、動物の狩猟は古代の民族にとって危険も大きいので、森などでフルーツが採れるならそれに勝る食物はない。
 これらを生命倫理の中で感謝しながら食べていれば、それぞれを満たす栄養学が存在するため、双方とも長生きで健康であるという理屈は当然成立しうるだろう。
 これを見てもどちらの理論が正しいということではなく、土地柄や季節や住んでいる人々に合わせて考えることは大事なのかもしれない。

 ほかにももう少し細かい仮説を立てることはできる。それらのやや科学的に見える仮説が、結局、身土不二を支持しているのかもしれないし、日本で肉食や菜食を採用している人の健康の結果を支持しているのかもしれない。
 その一つは、当然ながら遺伝子や体質的な問題である。人類がみな雑食的な遺伝子や体質しか持っていないというのは、非常に偏狭であるとは思えないだろうか。
 これは性格にも関係していると思われるし、どこの遺伝子に違いなどあるのだといわれても、正直、私にはわからない。ただこの考え方で研究を進めていけば、ポリシー上の問題ではなく、菜食で栄養不足になる人とならない人の違いも説明できるようになるだろう。動物愛護精神がそれほどなくても、肉を食べるだけで非常に体調が悪くなる人の説明もできるかもしれない。
 要するに、人間の遺伝子の中に草食系と肉食系が存在するということである。しかし、そのような科学的研究に少なくとも私はお目にかかったことはない。


ソマチッド、バイオフォトン、量子力学

 もう少しわかりやすい話で考えてみよう。たとえば、「腸内細菌叢」の違いがあげられると思う。
 これは、あらゆる人がすべて違うものを持っており、たとえ親子であろうと完全に同一ではあり得ない。この腸内細菌叢の違いは、その人が肉食で健康を保ちやすいのか、菜食で健康を保ちやすいのかを決める一因子である可能性は十分に考えられる。
 そのほかに着目してみたいのが「ソマチッド」である。これは20世紀中頃にフランスで確認された未知の生命体で、地球上のすべての生命やあらゆる場に存在し、私たちの生命活動に大きな影響を与えることが近年確認されつつある。
 医学的には千島学説などにつながる存在だが、このソマチッドは医学レベルでなく、さまざまな分野で研究が進んでいる。これを非科学的だなどという人はまだまだ多いが、要するに何も知らないからに過ぎない。
 このソマチッドはそれぞれの生物に存在する。食べられても消化されても存在し、我々人類の中にももちろん生存している。
 このソマチッドという微小レベルの物質から食材を見てみると、肉食であれ菜食であれ、その利点と欠点が見えてくるのは当然のことである。

 そして、最先端の医学や生物学では「バイオフォトン生体光子)」についても研究が進んでいるようだ。これは、我々の人体やあらゆる生命体は非常に微弱な光を発しており、それがエネルギーとして存在しているという研究である。これは非科学でもなんでもなく、最先端の研究に過ぎない。
 このフォトンは人体だけでなく、ほかの生物にも存在し、私たち人類の立場からいえば、食べ物にもさまざまな光が存在する。噛み砕いて説明すると、光が豊富であったり、波長が近いものを食べると、自分の体の光も強くなり、いわゆる健康状態に戻る。これは一般人のイメージするところの、まさに「気」や「オーラ」のようではないのか。
 このフォトンがなんであるか、光らせている根源的物質がなんなのかは不明だが、もしかしたらソマチッドと関係があるのかもしれないし、あるいはないのかもしれない。

 これと関連するものに「量子力学」がある。量子力学は相対性理論の先を行く物理学理論だが、これは一部が医学にも応用されているようだ。原子や電子が、粒子としての性質と波としての性質を持ち、逆もまた然りというところからその概念は出発している。
 それでは、これを食に当てはめるとどうなるであろうか? 食というのは生命をもらうことであるが、そこにバイオフォトンがあるのと同様に、量子や波があるとは考えられないだろうか?
 もちろん、それらの専門家は「ある」と表現している。というより、ソマチッドやバイオフォトンや量子に共通点があると思われないだろうか? 私は大いにあると思っている。

 やや食の話から離れてしまったが、無知な私が知っている現行科学より進んだ考え方によってさえ、いくつもの因子を考えることができる。つまりベジタリアンで健康な人がいることも、肉食主義の古代民族が強い体を持っていたのも、栄養だけでなくこれらの因子の影響を受けているかもしれないのだ。
 それらのすべてを説明することができないまま、肉食を推奨する、菜食を推奨するというのは、真の医学、真の科学からいっても滑稽以外のなにものでもない。
 皆さんは医学や科学になど頼る必要はないのである。前章でも述べたが、結局、この結論に行き当たるからだ。つまりそれは、「あなたの体の声を素直に聞き入れる」 ということである。
 脳の声ではなく、体の声である点が重要なのである。



           医者いらずの食


           医学不要論 〔本文中に登場

           フィット・フォー・ライフ ~ 健康長寿には「不滅の原則」があった!
                     〔本文中に登場


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内海聡 医師