この記事は「日経サイエンス」からのご紹介です。
 「日経サイエンス」でも、ビタミンDの「抗がん作用」に関する記事が報じられています。

 ビタミンDは「免疫調節作用」「免疫 防御作用」など、免疫系にも深く関与しており、他にも多くの生体内機能に関わっています。当記事も、ビタミンDの価値を知るための一助にされてください。

 『ビタミンD』の「抗がん作用」に関しましては、次の記事を参照されてください。

  『ビタミンD』の 抗がん作用 ① - 福田一典 医師【『日光浴』は「抗がん作用」のある『ビタミンD』を
    皮膚でつくることができる「抗がん治療」となるので、活用すべし!】


  『ビタミンD』の 抗がん作用 ② - 福田一典 医師【『ビタミンD』の「抗がん作用」は
    多くの研究によって報告されている! 『日光浴』を「抗がん治療」として活かして! 】



 癌患者さんは『日光浴』を「抗がん治療」の一つとして有効活用していきましょう!
 よろしくお願いします m(__)m

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 ビタミンDの多彩な効用 がんや感染症にも
  L. E. タベラ=メンドーサ J. H. ホワイトともに「マギル大学
 
【「日経サイエンス」
より 】 〔2008年 1月号

200801_068[1]


 この25年で、ビタミンD研究は大きく変わった。
 その効用が「骨の形成」だけにとどまらないことがわかってきたのだ。
 ビタミンDが強力な「抗がん作用」を持つこと、また「免疫応答の重要な調節因子」として働いていることを示す証拠が数多く見つかっている。

 同時に、ビタミンDがその優れた効果を最大限に発揮できるのは、血中に相当量が存在する場合であることもわかってきた。そして、たいていの人の血中濃度はそれよりも低い。
 ビタミンDの不足と疾患を関連づけた疫学データもあり、多くの人が陥っているビタミンD欠乏症が深刻な病気につながっている可能性を示している。

 活性型ビタミンDによる調節を受ける遺伝子は少なくとも1000種類はあると考えられており、「体内カルシウムの調節」に関与する遺伝子はその代表格だ。
 言うまでもなく、カルシウムの流れはビタミンDのよく知られた機能である「骨形成」にきわめて重要だ。
 しかし、この20年で「免疫反応」に重要な役割を果たす様々な遺伝子など、ビタミンDの影響を受ける遺伝子群が他にもたくさん見つかっている。

 1980年代以降、ビタミンDに「がんを予防する効果」があることを示す証拠が数多く見つかっている。
 多くの疫学研究でも、『日光』を浴びる時間が長いほど、一部の「がんの発生率」が明らかに低くなっていくことがわかってきた。

 実験動物や培養細胞を使って、こうした関連性を裏づけるとともに「発がんを抑えるメカニズム」の解明が行なわれている。
 例えば、頭頚部がんのモデルマウスに、活性型ビタミンDの 1,25Dによく似た合成化合物の EB1089 を投与すると、腫瘍の増殖が80%も抑えられた。同様の結果が、乳がんや前立腺がんの動物モデルでも得られている。

 2004年に「マギル大学」の私たちの研究室は、ビタミンDの「抗がん作用」を調べていたところ、偶然に 1,25Dが中心的な役割を果たす、まったく異なる「生理学的防御作用」を発見した。様々な細菌やウイルス、真菌に対する「天然の抗生物質」をつくる2つの遺伝子のスイッチをビタミンDがオンにしていたのだ。
 実験では、免疫細胞にビタミンDを加えると、結核菌をはじめとする様々な細菌に対する「防御作用」が生じた。
 これは注目に値する。つまり、結核に『日光浴療法』がなぜ効果があるのか、その長年にわたる謎が初めて解けたのだ。

 ビタミンDが「骨形成」以外にも多様な役割を演じていることが明らかとなってきたことで、多くの病気の発生状況に説明がつくようになった。
 ビタミンD濃度の低さが「がん」や「自己免疫疾患」、さらには「インフルエンザなどの感染症」と強く相関することや、「疾患発生率」に季節変動があることなどだ。
 一般に、これまで確認されたビタミンDを必要とする数多くの生理反応は、血中濃度がある値以上になって初めて働き始める。この濃度は、様々な集団での典型的な濃度よりも高い。つまり、温帯の人々のビタミンD濃度は、健康な生活を送るための濃度に遥かに及ばないのだ。特に冬季が問題だ。



【著者】

 Luz E. Tavera-Mendoza John H. White

 2人は「マギル大学」のホワイト(John H. White)の研究室で、ヒト細胞におけるビタミンDの作用を分子レベルで研究している。共同研究者とともに、ビタミンDが「がんの予防」に貢献していることを明らかにし、ビタミンDが侵入微生物に対する「免疫反応」に関与する特定の遺伝子群を調節していることを発見した。

 タベラ=メンドーサ(Luz E. Tavera-Mendoza)は現在、「ハーバード大学」医学部のポスドク研究員として、ビタミンDと乳がんの関係について研究を行なっている。ビタミンDが健康に有益な作用を持つことを自分たちの研究で確認してからは、『太陽光』が弱くて適量のビタミンDが皮膚で合成されない季節にサプリメントを使用している。「ビタミンDの冬」の数ヵ月間にホワイト(John H. White)は4000IU の、タベラ=メンドーサ(Luz E. Tavera-Mendoza)は1000IU のビタミンD3を毎日摂っている。


【原題名】

 Cell Defenses and the Sunshine VitaminSCIENTIFIC AMERICAN November 2007