この記事は、「福田一典」医師の『銀座東京クリニック』の「ビタミンDの抗がん作用」記事のご紹介です。

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 次の記事は「福田一典」医師が公開されている「『漢方がん治療』を考える」から「263)ビタミンDの抗がん作用」記事をご紹介させて頂きました記事です。

  『ビタミンD』の 抗がん作用 ① - 福田一典 医師【『日光浴』は「抗がん作用」のある『ビタミンD』を
    皮膚でつくることができる「抗がん治療」となるので、活用すべし!】


 当記事は、上の記事を『銀座東京クリニック』サイト用の記事として再編集&加筆された記事だと思われます。
 そのため、当記事には「上の記事と同一の部分」がありますが、上の記事には無い良質な内容があります。
 上の記事をすでにご一読して頂いた方も、ぜひ、当記事をご覧になられてみてください。
 上の記事をまだご覧になられていない方は、上の記事には「当記事には無い私の【補足説明】があります」ので、ぜひ、上の記事をご一読されてみてください。よろしくお願いします m(__)m


 当記事では、「福田一典」医師が『ビタミンD』の「抗がん作用」についてお話しされています。
 『ビタミンD』は、科学的医学的に「抗がん作用」が正式に認められています。
 上の記事と当記事をご覧になって頂ければ、『ビタミンD』が如何に重要であるかをご理解して頂けるはずです。

 『ビタミンD』は「日光の紫外線」によって皮膚でつくることができる他、食品ではキノコや魚から摂取することができます。しかし、食品から摂取する『ビタミンD』よりも、皮膚で産生される『ビタミンD』のほうが大きいと言われています。

 当記事には、このようにあります。

    欧米の報告では、体内の『ビタミンD』の 90% 程度は皮膚で紫外線を浴びて生成、
     10% が食事から摂取と言われています。


 『ビタミンD』を得る比率は、皮膚で紫外線を浴びて生成される割合が90%を占めており(日光浴』を介して得る『ビタミンD』が90%にも及ぶ )、食事から摂取する割合はたった10%に過ぎない。
 この研究報告の内容を見れば、私がなぜ上の記事の中で『日光浴』を「抗がん治療」として非常に重視していたのかがお分かり頂けるのではないかと思います。


 癌患者さんは『日光浴』により『ビタミンD』を多く産生して「抗がん作用」の恩恵を得るべきです。
 これは、癌の再発予防においても重要ですし、体内に癌がある癌患者さんならば尚更に重要です。
 『日光浴』に「抗がん作用」があるということは、『日光浴』が「抗がん治療」になるということです。
 『日光浴』は「抗がん作用」を持つ『ビタミンD』を多く産生し、重要な「抗がん治療」の一助となります。
 癌患者さんは「抗がん治療」の一つとして『日光浴』を積極的に取り入れられてください m(__)m

 ただ、日焼けするような強い紫外線を長く浴びると、皮膚癌や悪性黒色腫の原因となります。
 皮膚のメラニン色素が増えて肌色が黒くなると、皮膚の紫外線の吸収を低下させ、皮膚における『ビタミンD』の産生が低下すると指摘されています。
 肌が黒くなるまで日焼けしてしまうと「皮膚のシミ」や「癌の発生」を高めるだけでなく、ビタミンDの産生を低下させ、かえってマイナスになってしまう可能性があることにご注意されてください。

 また、近年は「オゾン層の破壊」によって紫外線が増大しているため、「今の日光は危険だ!」と言われています(参考記事)。日本では「まだ大丈夫だ」とする意見がありますが、日本の日光でも日中(昼間以降の午後)の日光は避けたほうが良いとする意見もあります。
 私は個人的にこの双方の意見を併せ見て、『日光浴』をする時は『日の出から午前中までの日光』を浴びるように推奨しています。日本では『日の出から午前中までの日光』ならば安全でしょう。

 『日光浴』は以上の点などにご注意して頂き、上の記事や当記事をご一読して頂いて、ご自分なりに『日光浴』を「抗がん治療」の一つとして “ 適宜に(やり過ぎて逆効果にならないように)” 活用されてみてください m(__)m


 『日光浴』は一切無料です。ご自分の意識一つで実行できます。
 こういう無料でできる「抗がん治療」を決して甘く見てはなりません!
 どうぞ、『日光浴』をご自身の癌治療に「抗がん治療」として積極的に活かす努力をされてください m(__)m

 『日光浴』により『ビタミンD』の「抗がん作用」を得て、ご自身の癌治療に活かしていきましょう!
 よろしくお願いします m(__)m

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 ビタミンDの抗がん作用
 【「銀座東京クリニック(福田一典 医師)」
より 】


『ビタミンD受容体は、ほぼ、すべての組織細胞に存在する

 ビタミンDは「骨代謝」や「血中のカルシウム調節」に重要な役割を果たしています。
 骨や歯の発育や維持に重要な役割を担っており、ビタミンDが欠乏すると骨の形成異常が起こり、小児期に発症するものを「くる病」、成人期以降に発症するものを「骨軟化症」と呼んでいますが、これらは骨の石灰化が上手くいかず、骨が軟らかくなる病気です。

 ビタミンDは「くる病」を治す栄養因子として20世紀初めに発見されました。
 ビタミンDは「細胞核内の受容体」に結合して遺伝子発現を調節します。
 食事中のカルシウムは小腸から吸収され、骨に貯蔵され、余分なものは腎臓から排泄され、副甲状腺ホルモン(骨において破骨細胞を活性化し、骨芽細胞を抑制して骨吸収を促進する)によって、カルシウムとリンが骨から血中に供給されます。
 したがって、「カルシウム代謝の調節」に関するビタミンDの標的組織は、小腸腎臓副甲状腺の4つになります。
 これらの組織において、ビタミンDは「骨」や「カルシウムの代謝」に関連する遺伝子の発現を制御することによって「骨形成」や「血液のカルシウム濃度の調節」を行なっています。

 しかし、ビタミンDの働きは「骨とカルシウムの調節」だけではなく、「種々の細胞の増殖や分化やアポトーシス(細胞死)の制御」や「免疫調節作用」など、多くの生体内機能に関わっていることが明らかになっています
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骨形成」や「カルシウム代謝の調節」以外のビタミンDの役割の存在は、カルシウムやリンの代謝とは関係のない組織や臓器の細胞に『ビタミンD受容体』が見つかったことから明らかになりました。
 すなわち『ビタミンD受容体』は小腸腎臓副甲状腺の他に、皮膚筋肉肝臓免疫系細胞など、ほぼ、すべての組織での発現が観察されています。
 そして、多くのがん細胞において『ビタミンD受容体』が発現しており、ビタミンDが「がん細胞の増殖」を抑制し、「分化を誘導する作用」を持つことが多くの研究で証明され、がんの治療におけるビタミンDの有用性に注目が集まっています。 



『ビタミンD』は、肝臓と腎臓で代謝されて活性型になる

 ビタミンDは、ビタミンD2エルゴカルシフェロール)と ビタミンD3コレカルシフェロール)の総称です。

 ビタミンD2は、植物に含まれるエルゴステロールプロビタミンD2)から生成されます。
 ビタミンD2はキノコなどの植物性食品に含まれ、特に、白キクラゲや干し椎茸に多く含まれています。

 ビタミンD3は、動物の体内でコレステロールから生成されます。
 ビタミンD3は、魚に多く含まれています。

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 日光に当たれば、体内で充分な量のビタミンD3が生成されます。
 すなわち、日光に含まれる UV-B帯域波長280~315nm)の紫外線が皮膚に当たると、表皮内で 7-デヒドロコレステロールプロビタミンD3)からプレビタミンD3を経て、ビタミンD3(コレカルシフェロール)が生成されます。
 7-デヒドロコレステロールはコレステロールから体内で生成されるので、紫外線を含んだ日光に当たることで、ビタミンDは体内でつくられるビタミンということになります。

 体内で生成されたビタミンD3と、食物から摂取したビタミンD2 及び D3は、肝臓で25位が水酸化されて 25 (OH) ビタミンDカルシジオールCalcidiol)に変換され、さらに、腎臓などで 1α位が水酸化されて活性型の 1,25 (OH) 2-ビタミンDカルシトリオールCalcitriol)になります。

 25 (OH) ビタミンDは体内での「ビタミンDの貯蔵型」であり、長期間、安定に血液中を循環しています。
 したがって、血中 25 (OH) ビタミンDの濃度が「ビタミンDの体内貯蔵量の指標」として用いられます(下図)。  

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【図】
◆◆ 自然界のビタミンDは、植物で紫外線の働きで生成されるエルゴステロール(ergosterolプロビタミンD2)と、動物の皮膚で紫外線の働きで生成される 7-デヒドロコレステロール(7-dehydrocholesterolプロビタミンD3)から合成される。ビタミンD3は肝臓で25位が水酸化されて 25-ヒドロキシ・ビタミンD3(Calcidiol)になり、さらに、腎臓で 1α位が水酸化されて 1α,25-ジヒドロキシ・ビタミンD3(Calcitriol)となって活性化される。◆◆




ビタミンD』は、多様な生理活性作用を持つ

 元来、ビタミン(vitamin)というのは「生命に必要なアミン」の意味で、微量で生体の正常な発育や物質代謝を調節し、生体機能不可欠な有機化合物で、普通は動物体内では生合成されないもので、食物などから摂取する必要があります。
 しかし、ビタミンDは例外で、体内で合成できます。つまり、ビタミンDは体内で生成されることから、ビタミンというよりホルモンに近いと言えます。
 ただ、ホルモンは生体内で生成されるものに限定されるので、ビタミンDは体内で産生されるだけでなく、食品からの摂取量も多いので、ビタミンに分類されています。

 欧米の報告では、体内のビタミンDの 90% 程度は皮膚で紫外線を浴びて生成(7-デヒドロコレステロールから プレビタミンD3を経て ビタミンD3)、10% が食事から摂取と言われています

上述のように、ビタミンDを得る比率は、皮膚で紫外線を浴びることにより生成される割合が90%もあり、食事で摂取する割合は10%に過ぎません。このことから、『日光浴』によって得られるビタミンDが如何に重要であるかがお分かり頂けると思います。『日光浴』を決して甘く見てはなりません。当記事で解説されているビタミンDの「抗がん作用」の価値がお分かりになるのであれば、ビタミンDを最も多く得ることができる『日光浴』が非常に重要な「抗がん療法」となり得ることが直ちにご理解できるはずです。『日光浴』も、重要な「抗がん療法」の一つとして取り入れていくべきです。ご自分なりに『日光浴』を積極的に行なっていきましょう!ブログ管理人


 ビタミンDの主な働きは「カルシウム代謝の調節」です。
 ビタミンDは、小腸からのカルシウムの吸収を高め、腎臓からの尿への排出を抑制し、骨からの血中へのカルシウムの放出を高めることによって、血中のカルシウム濃度を高める作用があります。

 しかし、ビタミンDには「カルシウム代謝」や「骨形成」における役割だけでなく、「細胞の増殖や分化や死(アポトーシス)」「生体防御機構」「炎症」「免疫」「発がん」など、多岐にわたる生体機能の調節に関与していることが明らかになっています
 例えば、ビタミンDの不足は「くる病」や「骨軟化症」だけでなく、「自己免疫疾患」「呼吸器感染症」「糖尿病」「高血圧」「循環器疾患」「神経筋肉系疾患」「がんの発生」と深く関連していることが明らかになっています。

 ビタミンD受容体は、生体防御や免疫に関わる細胞(単球マクロファージ抗原提示細胞活性化T細胞など)で発現しています。これは、ビタミンDが「生体防御」や「免疫」に重要な働きを持つことを意味します。

 がんとの関連においては、ビタミンDの多い状態(日光食事サプリメントなど)は多くの「がんの発生」を予防することが多くの疫学研究で明らかになっており、がん細胞の「増殖抑制」や「細胞死アポトーシス)」や「分化の誘導作用」によって、がん治療にも有用であることが明らかになっています。


 ビタミンDの作用は、その前駆体物質と活性体、ビタミンDの代謝に関与する酵素、核内受容体、遺伝子のビタミンD応答配列、核内でヘテロダイマーを形成するレチノイドX受容体RXRWnt/βカテニンシグナル伝達系などが関与する複雑なシステムを形成しています。

 ビタミンDの作用メカニズムは、核内受容体を介するメカニズム(遺伝子発現が関与)と、細胞膜に結合した受容体を介するメカニズム(遺伝子発現は非関与)の2種類に大別されます。

 核内受容体を介するメカニズムは、60以上の遺伝子の発現を制御することによって発揮されます。
 例えば、ビタミンDによって活性化された核内の『ビタミンD受容体』は CYP24A1, Osteocalcin, p21Waf1/Cip1, the growth arrest and DNA-damage-inducible gene, GADD45 などの遺伝子の発現を誘導し、副甲状腺ホルモン(パラサイロイドホルモン)の発現を抑制します。

 細胞膜に結合した『ビタミンD受容体』にビタミンDが結合すると「フォスフォリパーゼC」や「プロテインカイネースC(PKC)」「フォスファチジルイノシトール-3-キナーゼ(PI3K)」などの増殖シグナル伝達系が活性化されます。
 この活性化は、ビタミンD依存性の遺伝子発現とクロストークすることによって、がん細胞の「増殖抑制」や「分化誘導」や「細胞死(アポトーシス)誘導」の作用を増強します。

 さらに、がん細胞で活性化している増殖シグナル伝達系である Wnt/βカテニン・シグナル伝達系に対して、ビタミンDと『ビタミンD受容体』は βカテニンの転写活性を抑制します(下図参照)。

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【図】
◆◆ 食事やサプリメントで摂取されるビタミンD、並びに、皮膚への紫外線(HV-B)照射で生成されるビタミンDは、肝臓で 25 (OH) ビタミンDに変換され、腎臓で活性型ビタミンDである 1,25 (OH) ビタミンDになる。
 活性型ビタミンDは、細胞膜の『ビタミンD受容体』への結合によるシグナル伝達系の活性化と、核内受容体への結合による遺伝子発現の調節のメカニズムによって「骨形成」や「カルシウム代謝」「炎症」「免疫」「発がん」「細胞の増殖分化アポトーシス」など、様々な生理機能の調節に関与する。◆◆



 『Wnt/βカテニン・シグナル伝達系は、がん細胞の増殖や生存を促進する』ので、ビタミンD /『ビタミンD受容体』による βカテニンの転写活性の抑制は(がん細胞の)「増殖抑制」になります

 
Wntシグナルは種を超えて広く保存されたシグナル伝達経路で、遺伝子発現細胞増殖細胞運動細胞極性などを調節することで「発生」や「幹細胞の維持」「発がん」などに深く関与することが知られています。
 特に、βカテニンを介する Wnt/βカテニン・シグナル伝達系は多くのがん細胞で異常を起こしており、がん治療の重要なターゲットになっています。ビタミンD /『ビタミンD受容体』が βカテニンの働き(転写活性など)を阻害して「抗がん作用」を示すことが明らかになっています。

 このような複数の機序で、ビタミンDは多様な「生理活性」や「抗がん作用」を発揮しています。
 活性型のビタミンD(1,25 (OH) 2-ビタミンD)は、医薬品として使用されています。
 一方、通常のビタミンDは、サプリメントとして市販されています。

 活性型ビタミンDは「血清カルシウム濃度」を高めるので、使用には注意が必要です。
 一方、サプリメントのビタミンDは、肝臓で 25 (OH) ビタミンDに変換されたあと、必要に応じて腎臓で代謝されて活性型になり、その活性化は、副甲状腺ホルモンやカルシウム濃度によって厳密にコントロールされているため、安全性が高いと言えます(血中カルシウム濃度が上がると、副甲状腺ホルモンの分泌が低下して、腎臓での 1,25 (OH) 2-ビタミンDの合成が低下する)。



『ビタミンD受容体の構造と機能

 『ビタミンD受容体(VDR)』は、核内受容体スーパーファミリーの一員です。
 ヒトの『ビタミンD受容体(VDR)』は、427個のアミノ酸からなる分子量50kDa のタンパク質です。
 『ビタミンD受容体(VDR)』に活性型ビタミンDが結合すると、9-cisレチノイン酸が結合したレチノイドX受容体RXRとヘテロダイマー(ヘテロ二量体)を形成し、ビタミンD標的遺伝子のプロモーター上流に存在する特異的エンハンサー配列であるビタミンD応答配列vitamin D response elementVDREに結合します。

 リガンドが結合して核内受容体の構造が変化するとコアクチベーター転写共役活性化因子が結合できるようになり、転写を促進できるようになります。
 ビタミンD応答配列(VDRE)のコンセンサス配列は、AGGTCA の基本配列が2つ直列に並び、モチーフ間が3bp 離れたものであると考えられており、この配列の 5′上流側にレチノイドX受容体(RXR)が、3′下流側に『ビタミンD受容体(VDR)』が結合します(下図)。

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【図】
◆◆ 活性型ビタミンD3(1α,25 (OH) 2-ビタミンD3Calcitriol)と結合した『ビタミンD受容体(VDR)』は 9-シス-レチノイン酸に結合したレチノイドX受容体(RXR)とヘテロ二量体を形成して、ビタミンD標的遺伝子の上流にあるビタミンD応答配列に結合する。このヘテロ二量体に転写共役活性化因子(コアクチベーター)などの多くのタンパク質が結合して転写活性が亢進する。◆◆



 『ビタミンD受容体』の活性化による「増殖抑制」には、細胞周期の G0/G1停止 とアポトーシス(細胞死)が関与するとの報告が多く、「細胞分化」も「増殖抑制」に伴って誘導されると考えられています。
 ビタミンDは、細胞周期をストップさせる『がん抑制遺伝子』の「p21」と「p27」タンパク質の発現を誘導します。この2つのタンパク質は、細胞周期の G0/G1停止を引き起こす「サイクリン依存性キナーゼ阻害因子」です。
 細胞周期は サイクリン(cyclin)/ サイクリン依存性キナーゼ(cyclin dependent kinaseCdk)や p21Cip1p27Kip1p57Kip2 などの「サイクリン依存性キナーゼの阻害因子」などにより厳密に制御されています。
 p21Cip1遺伝子のプロモーター上流にビタミンD応答配列が存在し、『ビタミンD受容体』による直接的な遺伝子制御で、p21Cip1遺伝子が発現誘導されることが明らかになっています。



『ビタミンD』は、がんを予防する

 ビタミンDの「抗がん作用」は、多くの疫学研究や基礎研究(「培養がん細胞」や「動物移植腫瘍」や「動物発がん実験」など )で証明されています。例えば、「血中のビタミンD濃度」と「がん発生率」の逆相関(「血中ビタミンD濃度」が低いと「がんの発生率」が高い )が複数の疫学研究で示されています。
 また、ビタミンDの摂取量が多い人は「がんの発生率」が低い、ビタミンDの体内産生量が増える夏は「がんの進行度」が冬よりも低いことが指摘されています。

 『ビタミンD受容体』など、ビタミンDのシグナル伝達に関与する遺伝子の多型性(polymorphism)が「がんの発生率」に影響することが知られています。
 「培養がん細胞」や「動物移植腫瘍」などの実験で、ビタミンDを高用量で投与すると、がん細胞の「増殖抑制」や「分化誘導」や「細胞死(アポトーシス)誘導」の作用が多く報告されています。
つまり、ビタミンDの「抗がん作用」は多くの研究により報告されているということですブログ管理人

 1941年に、北アメリカで、緯度が高いところ()に住む人は、南の人よりも「がんの発生率」が高いことが報告されています。これは、日光による「ビタミンDの産生量」が発がんに影響する可能性を示した最初の報告です。
ビタミンDの産生が少ない状況(緯度の高いところに住んでいる、日光に当たらない生活習慣など)が、がんの発生や増殖を促進する』ことは多くの研究で示されています。


 「血清のビタミンDレベル」と「発がん率」や「がんの死亡率」との関連は、メラノーマ(悪性黒色腫乳がん前立腺がん結腸直腸がん卵巣がん腎臓がん食道がん胃がん非ホジキンリンパ腫など、多くの悪性腫瘍で示されています。

 血中の 25 (OH) ビタミンD濃度は「食品からのビタミンDの摂取量」と「体内で産生されたビタミンD」の総量を反映しています。したがって、体内のビタミンDの量を評価する時には、この 25 (OH) ビタミンD の血中濃度が指標になります。

 25 (OH) ビタミンDの血中濃度と「がんの発生率」の関係を調査した疫学的研究では、大腸がんや乳がんなどで、血中の 25 (OH) ビタミンD の濃度が高いほど「がんの発生率」が低下することが報告されています。
 例えば、日本の国立がんセンターのがん予防検診研究センターの研究では、日本人約38000人を対象に、あらかじめ血中 25 (OH) ビタミンD濃度を4段階のレベルにわけ、その後、11.5年間に大腸がんになった患者フループと、ならなかった対照者グループにおいて、血中 25 (OH) ビタミンD濃度と「大腸がんの発生率」との関係を調べています。
 その結果、25 (OH) ビタミンDが最低(22.9ng/ml 未満)のグループはそれ以上(22.9ng/ml 以上)の3つのグループに比べ、「直腸がんのリスク」が男性で4.6倍、女性で2.7倍高いという結果が得られています(Br J Cancer, 97:446-451, 2007)。

 25 (OH) ビタミンDの血中濃度が20ng/ml の上昇につき、「直腸がんの発生リスク」は59%減少し、「結腸がんのリスク」は22%減少という報告もあります。


 前述のように、活性型の 1,25 (OH) ビタミンDは、細胞の増殖や『分化』や死(アポトーシス)に関する複数の遺伝子の働きを調節する作用があり、がん細胞の増殖や転移を抑制し、アポトーシスという細胞死を誘導する作用が確かめられています。
 このようなビタミンDの作用が「がん予防効果」に関与していると推測されています。

 米国の「マサチューセッツ総合病院」で早期(ステージ IA~IIB)の肺がんの手術を受けた456人の解析では、5年間の「無再発生存率」が、夏に手術を受けた患者グループでは53%に対して、冬に手術を受けた患者グループでは40%でした。
 さらに、夏に手術を受け食事からのビタミンD摂取の多い患者の5年間の「無再発生存率」が56%に対して、冬に手術を受け食事からのビタミンD摂取の少ない人のそれは23%でした(Cancer Epidemiol Biomarkers Prev. 14:2303-2309, 2005)。

 大腸がんでも、夏や秋に手術を受けた患者は、冬に手術を受けた患者よりも「生存率」が高いという報告があります。
 日照時間の長い夏や秋は体内のビタミンDの量が高くなることが知られていますので、ビタミンDに「がんの再発を予防する効果」もあるのではないかと期待されています。実際に、血中の 25 (OH) ビタミンDの濃度が高いほど「再発率」や「死亡率」が低いことが肺がんや大腸がんや乳がんで報告されています。
 例えば、304人の大腸がん患者を追跡した研究では、25 (OH) ビタミンDの血中濃度が高い上位25%の人は、血中濃度が低い下位25%の人に比べて、大腸がんによる「死亡率」が約半分であったと報告されています(J Clin Oncol 26:2984-2991, 2008)。

 しかし、これらの研究では、ビタミンDに直接的な「再発予防効果」があるという証拠にはなりません。ビタミンDの豊富な食事(魚やキノコ)や、屋外での運動などの「がん予防」に有効な生活習慣の指標にすぎない可能性もあるからです。
 そこで、ビタミンDをサプリメントで補う臨床試験で確かめる必要があります。



『ビタミンD』のサプリメントは「再発予防」に効果が期待できる

 ビタミンDのサプリメントによる「がん予防効果」については研究によって結果が異なりますが、これは服用量との関連もあるようです。

 カルシウム(1日1000mg)とビタミンD(1日400IU)のサプリメントを閉経後の女性に投与して、平均7年間追跡した臨床試験が米国で行なわれています。
 ビタミンDは、1IU(国際単位) が 0.025μg、すなわち、400国際単位=10μg です。

 この研究はカルシウムとビタミンDのサプリメントが閉経後女性の骨折を予防できるかどうかを調べる目的で行なわれましたが、ついでに「大腸がんや乳がんの発生率」についても解析されています。
 その結果、カルシウムとビタミンDをサプリメントで投与しても、「大腸がんや乳がんの発生率」を下げる効果は認められませんでした(N Engl J Med, 354: 684-696, 2006, J Natl Cancer Inst,100:1581–1591,2008)。
 しかし、この研究に対しては、1日400IU(10μg)のビタミンD投与量が少なすぎるという批判もあります。つまり、400IU10μgのビタミンDは骨粗しょう症の予防には有効でも、「がんの予防」には足りないという意見です。


 血中 25 (OH) ビタミンD濃度と「大腸がんの発生率」に関する5つの疫学研究をメタ解析した報告によると、大腸がんの予防効果を期待できるビタミンDの摂取量として、1日1000~2000IU(25~50μg)が推奨されています(Am J Prev Med, 32:210-216, 2007)。
 この論文によると、血中 25 (OH) ビタミンDが最高(37ng/ml)のグループは、最低(6ng/ml)のグループに比べ、「大腸がんのリスク」は約50%低いことが示されています。
 また、血中 25 (OH) ビタミンD濃度が12ng/ml以下の人は、それを33ng/ml以上に高めることによって、「大腸がんのリスク」をほぼ半分に減らせることを示しています。
 つまり、血中 25 (OH) ビタミンDの濃度が低い人は、ビタミンDを毎日1000~2000IU(25~50μg)摂取するか、日焼けしない程度に積極的に日光に当たることで、血中 25 (OH) ビタミンD濃度を高めれば「大腸がんのリスク」を半減できる可能性があります。

 同様の結果は他にも報告されています。例えば、ビタミンD(1100IU/日)とカルシウム(1400~1500mg/日)をサプリメントで投与したランダム化二重盲験試験では「がんの発生」自体を半分以下に減少させる効果が認められています(Am J Clin Nutr. 85:1586-1591, 2007)。

 この論文は、米国の閉経後女性をプラセボ摂取グループ、カルシウム(1400~1500mg/日)摂取グループ、カルシウム(1400~1500mg/日)とビタミンD(1100IU/日)摂取グループの3つのグループに分けて、4年間追跡調査し、追跡2年目から3年間、大腸がんを含む何らかの「がんの発生率」を比較しています。
 その結果、プラセボ摂取グループに比べて、「がんの発生リスク」は、カルシウム摂取グループで41%、カルシウムとビタミンD摂取グループで77%も低下することが報告されています。


 日本人は、食事から平均で7~8μg 程度のビタミンDを摂取しています。
 この摂取量は健康維持が目的では必要量を充たしていますが、「がんの発生」や「再発の予防」を期待するには不十分です。

 複数の研究結果を総合すると、1日25~50μg(1000~2000IU)のビタミンDの摂取であれば、「がんの発生」や「再発予防」に効果が期待できそうです。
 ただし、成人の場合の摂取量の上限(健康障害を起こすことのない最大摂取量)は50μg(2000IU)となっていますので、これ以上の摂取は推奨できません。

 ビタミンDを過剰に摂取すると、血清中のカルシウム濃度が高くなり、腎臓などへのカルシウムの沈着や、吐き気や食欲不振や便秘などの副作用が起こることがあります。
 また、フィンランドで行なわれた研究では、喫煙者では、ビタミンDの血中濃度が高い上位25%は「膵臓がんの発生率」が3倍になるという報告がありますので、喫煙者は、ビタミンDのサプリメントは逆効果かもしれません。

 ただし、1日1000~2000IU(25~50μg)の摂取量が推奨されるのは「がんの発生」や「治療後の再発リスク」の低い場合の「予防の目的」の場合です。
 「進行がんの治療」や「再発リスク」の高い場合は、もっと高用量の摂取が行なわれています。
 米国では、1カプセルが「5000IU」や「10000IU」といった、極めて高用量のビタミンD3のサプリメントが販売されています。

 前述のように、活性型ビタミンDは「血清カルシウム濃度」を高めるので使用には注意が必要ですが、一方、サプリメントのビタミンDは、肝臓で 25 (OH) ビタミンDに変換されたあと、必要に応じて腎臓で代謝されて活性型になり、その活性化は、副甲状腺ホルモンやカルシウム濃度によって厳密にコントロールされているため、安全性が高いと言えます(血中カルシウム濃度が上がると、副甲状腺ホルモンの分泌が低下して、腎臓での 1,25 (OH) 2-ビタミンDの合成が低下する)。



『ビタミンD』の「抗がん作用」を強化する方法

 上述の多くの報告をまとめると、がんの「再発予防」には 1日1000~2000IU(25~50μg)、「再発リスク」の高い場合や「進行がん」の場合は 1日2000~4000IU(50~100μgが妥当かもしれません。
 特に、大腸がん乳がん前立腺がん肺がん膵臓がん血液系腫瘍などでは、ビタミンDを積極的に摂取することは有効だと言えます。

 また、がん細胞の分化誘導には「レチノイド」や「ベザフィブラート」などの PPARリガンドを一緒に投与すると効果を高めることができます。ヒストンのアセチル化を促進する「ケトン食」や「アセチル-L-カルニチン」や「L-カルニチン」の併用も有効です。

 また『ビタミンD受容体』遺伝子の発現を亢進させる方法として、ステロイドホルモンの「デキサメサゾン」の有効性が報告されています。以下のような報告があります。


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Dexamethasone Enhances 1α,25-Dihydroxyvitamin D3 Effects by Increasing Vitamin D Receptor Transcription.
 (デキサメサゾンは ビタミンD受容体遺伝子の転写を亢進することによって 1α,25-ジヒドロキシD3の作用を増強する
 〔J Biol Chem. 286(42):36228–36237.2011年

【要旨】

 ビタミンDの活性型であるカルシトリオール(Calcitriol)と グルココルチコイドの「デキサメサゾン」を併用すると、扁平上皮がん細胞に対するカルシトリオールの抗腫瘍効果が増強されることが知られている。

 この研究では、「デキサメサゾン」による前処置は、細胞の増殖を抑制し、『ビタミンD受容体(VDR)』の発現と『ビタミンD受容体(VDR)』を介する遺伝子発現を亢進することによって、カルシトリオールの作用を増強することを明らかにした。

 「アクチノマイシンD」を投与すると『ビタミンD受容体(VDR)』遺伝子の mRNA合成が阻害されたので、「デキサメサゾン」は『ビタミンD受容体(VDR)』遺伝子の発現を転写レベルと制御していることが示唆された。
 「デキサメサゾン」は『ビタミンD受容体(VDR)』遺伝子の転写を時間依存性、及び、用量依存性に亢進した。
 これは「デキサメサゾン」が『ビタミンD受容体(VDR)』遺伝子の発現を直接制御していることを意味している。

 グルココルチコイドの阻害剤である RU486 は「デキサメサゾン」で誘導される『ビタミンD受容体(VDR)』遺伝子発現を阻害した。さらに、グルココルチコイド受容体の発現を阻害すると「デキサメサゾン」による『ビタミンD受容体(VDR)』の発現が阻害された。
 これは「デキオサメサゾン」がグルココルチコイド受容体に依存した作用機序で『ビタミンD受容体(VDR)』の発現を増やすことを示している。

 『ビタミンD受容体(VDR)』遺伝子の転写開始部位から 5.2kb 上流にグルココルチコイド応答配列が2箇所存在するので、この領域のグルココルチコイド応答性を「ルシフェラーゼ・リポーターアッセイ法」で検討した。100ナノモルの「デキサメサゾン」で処理で、この遺伝子領域はグルココルチコイドに応答して「ルシフェラーゼ」の転写を促進した。

 このグルココルチコイド応答配列を含む遺伝子領域を欠失させると「デキサメサゾン」による「ルシフェラーゼ」遺伝子発現は消失した。「クロマチン免疫共沈法」での検討で、「デキサメサゾン」投与によって、このグルココルチコイド応答配列にグルココルチコイド受容体がリクルートされる(その部位に集まってくる)ことが示された。

 以上の結果から、「デキサメサゾン」はグルココルチコイド受容体を介して『ビタミンD受容体』遺伝子の発現を亢進することによって『ビタミンD受容体』の量を増やし、ビタミンDの作用を増強すると結論できる。


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 この報告では、活性型ビタミンD3のカルシトリオールを使用しています。

 カルシトリオールは「高カルシウム血症」を引き起こすので、がん治療に使いづらい欠点がありますが、グルココルチコイドは小腸からのカルシウムの吸収を抑制し、尿中の排泄を促進する作用があるので、カルシウムが高くなるリスクを減らすことができるということです。

 グルココルチコイドには「免疫抑制」という副作用がありますが、同時に「抗がん作用」もあります。
 進行がんでは、症状の緩和に「デキサメサゾン」が使用されることも多いので、このような状況で、活性型ビタミンDのカルシトリオールか、サプリメントのビタミンD3を摂取することは「抗がん作用」が期待できるかもしれません。
 少なくとも、末期がんなどで「デキサメサゾン」などのグルココルチコイドを服用している時に、ビタミンD3のサプリメントは摂取する理論的根拠があると言えそうです。

 また、ビタミンD自体が『ビタミンD受容体』の発現を促進する可能性が報告されています。
 『ビタミンD受容体』遺伝子には、ビタミンD応答配列が存在するからです。


 さて、『分化』というのは、より成熟した方向に細胞が変化することです。
 がん細胞の病理組織分類で「分化度」というのがあります。
 『分化』の程度によって、高分化中分化低分化未分化と分けます。
 一般的に「分化度」の高いがん細胞ほど増殖が遅く、転移が少なく「おとなしいがん」と言えます。
 (参照1参照2参照3参照4

 低分化や未分化のがん細胞は、より悪性度が高いがん細胞です。
 『分化』を誘導するというのは、がん細胞を「おとなしくする(おとなしくさせる)」方法です。

 「ヒストンのアセチル化」や『ビタミンD受容体』や「レチノイドX受容体」や「ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)」などの核内受容体の活性化を利用すれば、がん細胞の『分化』を誘導して「おとなしくできる(おとなしくさせることができる)」可能性が高いと言えます。

 このような『分化誘導療法』に「がん細胞の代謝異常(低酸素誘導因子の活性化、解糖系亢進、酸化的リン酸化の抑制)」の正常化を併用する治療は、がんとの共存を目指す方法として試してみる価値はあると思います。

vitd-4[1]

【図】
◆◆ ビタミンDは 複数のメカニズムで「がん細胞の増殖」を抑制し、細胞の『分化』や「死(アポトーシス)」を誘導する。
  ビタミンDは 核内の『ビタミンD受容体(VDR)』に結合し、9-シス-レチノイン酸が結合したレチノイドX受容体(RXR)とヘテロ二量体を形成して、標的遺伝子のビタミンD応答配列に結合して遺伝子発現を亢進する。ビタミンDの標的遺伝子には「細胞周期を停止させるタンパク質」や『分化』や「アポトーシス(細胞死)」を誘導する遺伝子が含まれている。
  一方、細胞膜に結合している『ビタミンD受容体(VDR)』にビタミンDが結合すると「フォスフォリパーゼC」や「プロテインカイネースC(PKC)」「フォスファチジルイノシトール-3-キナーゼ(PI3K)」などの増殖シグナル伝達系が活性化される。この活性化は、ビタミンD依存性の遺伝子発現とクロストークすることによって、がん細胞の「増殖抑制」や「分化誘導」や「細胞死(アポトーシス)誘導」の作用を増強する。
  さらに、がん細胞で活性化している増殖シグナル伝達系である Wnt/βカテニン・シグナル伝達系に対して、ビタミンDとビタミンD受容体は βカテニンの転写活性を抑制する。『Wnt/βカテニン・シグナル伝達系は、がん細胞の増殖や生存を促進する』ので、ビタミンD /『ビタミンD受容体(VDR)』による βカテニンの転写活性の抑制は(がん細胞の)「増殖抑制」になる。このような複数の機序で、ビタミンDは「抗がん作用」を発揮する。◆◆


Vitd-PureEncap[1]

ビタミンD3のサプリメント1カプセル 1000IU / 120カプセル(6500円
米国Pure Encapsulations 社

購入ご希望の方は『銀座東京クリニック』にお問い合わせくださいinfo@f-gtc.or.jp

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