この記事は、京都大学名誉教授で『からすま和田クリニック』院長の「和田洋巳」医学博士の「京都からすま和田クリニック 和田洋巳の相談室」ブログからのご紹介です。
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「和田洋巳」医学博士の「京都からすま和田クリニック 和田洋巳の相談室」ブログの中の、牛乳・乳製品に関する記事を「11記事」まとめました。すべて「牛乳・乳製品の有害性」及び「牛乳・乳製品はよく癌を育てる」という内容の記事です。
「和田洋巳」医学博士には、このように分かりやすくお話し頂き、心から感謝いたします m(__)m
当記事の中で「和田洋巳」医学博士が仰られている内容をまとめますと、次のことになります。
● 牛乳・乳製品には「インスリン様成長因子(IGF)」が大量に含まれており、
「インスリン様成長因子(IGF)」は細胞増殖を促すタンパク質である「mTORC1」を活性化する。
この「mTORC1」は細胞増殖を促すため、「癌の増殖」を刺激して活性化する。
● 牛乳・乳製品に大量に含まれている「インスリン様成長因子(IGF)」が「mTORC1」を活性化し、
「mTORC1」が「癌の増殖」を刺激して活性化することで「癌の増殖」が促進する。
だから、牛乳・乳製品は本当によく癌を育ててしまう。
このことを「和田洋巳」医学博士は簡潔に分かりやすくお話ししてくださっています。
「和田洋巳」医学博士が実際に担当された癌患者さんの症例も含まれていますので、とても参考になります。
「和田洋巳」医学博士が担当される癌患者さんは乳製品を熱心に摂っている方が多く、「和田洋巳」医学博士は「牛乳・乳製品は止めなさい」と指導するのだそうです。すると、癌患者さんの癌の進行が落ち着くそうです。
もちろん、これは他の治療の要素も組み合わさってのことでしょうけれど、牛乳・乳製品の摂取を止めることは、癌の進行を食い止めるための重要な手段の一つであるのは間違いないです。
牛乳・乳製品が「癌の増殖」を活性化して促進する機序につきましては、当記事よりも、『銀座東京クリニック』院長の「福田一典」医師が解説されています次の記事のほうが詳しいので、ぜひ参照されてみてください。
● 肉製品、牛乳・乳製品は、ロイシン・インスリン・インスリン様成長因子(IGF)による
「mTORC1」の活性化により、癌の増殖を刺激して促進する食品! - 福田一典 医師
牛乳・乳製品ほど強くはありませんが、肉製品にも「mTORC1」を活性化して「癌の増殖」を刺激して促進させる作用がありますので、摂取を止めるか、適宜にとどめるなどし、充分に気をつけられてください。
私は、癌患者さんには「癌の増殖」に関与する肉製品の摂取を止め、「癌の増殖」に関与しない魚介食を推奨しています。当然、癌を一番よく育てる牛乳・乳製品の摂取は、絶対に止めたほうが賢明であるのは言わずもがなです。癌患者さんは、牛乳、及び、ヨーグルト・チーズなどの乳製品の摂取は必ずご法度にしておいたほうが賢明です。
上記の「福田一典」医師の記事の中でも、このことに関していろいろとお話しさせて頂いていますので、どうぞ、参照されてみてください m(__)m
このことは「癌の自然抑制」において本当に重要なことであり、決して甘く見てはならない大事です。
こういう「単純なところ」から手入れしていかなければ、癌の進行を抑制する基本にすら立てません。
どうぞ、肉製品や牛乳・乳製品の摂取につきましては、摂取すべきかどうかをご自分なりに真剣によく考えられてみてください m(__)m
(※ 私ならば、肉製品、牛乳・乳製品は絶対に絶対に摂りません。これは当たり前です。これだけ科学的・医学的に「癌の増殖を促進する機序」が正式に解明されているのですから、癌の増殖・悪性化・転移・進行に加担する肉製品や牛乳・乳製品を摂取するなどということは、私にはとても考えられないことです。もし私の身内ならば、目の前に科学的根拠の資料を見せてよく説明し、怒鳴ってでも止めさせます。それは「癌を治してほしい」からです。
もう一度言いますが、癌を治したいはずなのに、癌の増殖・悪性化・転移・進行に加担する肉製品や牛乳・乳製品を摂るのは「癌を治す意思が薄弱すぎるのでは‥」としか私には感じられません。ココは癌治療において基本に位置するほど重要なところですから、著名なる医学博士・医師の先生方の資料をよくよくご覧になって頂いて、肉製品や牛乳・乳製品の摂取に関しましては充分に熟慮されて頂きたいと願います。
『肉製品や牛乳・乳製品は「癌の増殖」を刺激して促進する』という科学的・医学的機序〔科学的根拠〕を知ったあとは、癌患者として肉製品や牛乳・乳製品を摂取すべきかどうかにつきましては、癌患者さん当人の理解と判断と意思に委ねられることですが、凡そ、正常な判断力の持ち主であれば、癌を改善して治したいはずなのに「癌を悪化させる食事を摂る」というのはあり得ない行為だと思います‥。
私からすれば、「和田洋巳」医学博士の言葉を借りれば『自明の理(自ら理解して当然のこと)かと思います』に尽きます。肉製品や牛乳・乳製品が「癌の増殖」を刺激して促進する作用が科学的・医学的に正式に解かっているのですから、癌患者であるならば、肉製品や牛乳・乳製品を慎むのが賢明な判断だと言わざるを得ません‥。癌を少しでも改善して治したいのであれば、癌を少しでも自然抑制したいのであれば、このことくらい自ら理解を示して然るべきはずです‥。
特に、牛乳・乳製品は「癌の増殖」を刺激して促進する作用が強いので、癌患者であるならば必ずご法度にすべき食品であるのは言わずもがなです。
肉製品や牛乳・乳製品は日本の伝統食〔民族食〕には含まれていません。日本の伝統食〔民族食〕に含まれているのは魚介食です。自分が血を受けた民族の伝統食〔民族食〕を食べることが重要であるのは、もはや世界的に医学的な「食の常識」になっています。日本人の持つ「消化酵素(分解酵素)」や「腸内細菌」は、肉製品や牛乳・乳製品の食事には合わず、魚介食に合います。日本人の身体に適正する食事を選択することを考えることも、とても重要なことなのです。
癌患者であるならば、癌を本当に治したいのであるならば、科学的・医学的に「癌の増殖を促進する機序」が正式に解明されている肉製品や牛乳・乳製品の食事を食卓から退け、癌細胞は育てずに正常細胞を育てる魚介食〔日本人の身体に適正する肉食〕を選択するのが『自明の理』と言えるのではないでしょうか。せめて、癌が改善するまではそうするのが賢明と言えるはずだと思います。ただ、肉製品や牛乳・乳製品の食事は癌の再発を促進するそうです。発癌は食事が深く絡んでいますので、こういう点に充分に気をつけながら、賢い食事を選択されてください。
アミノ酸の摂取を気にするならば『エビオス』〔参照記事〕を活用するのも良い手段です。『エビオス』は安価で安全なサプリメントであり、甲田療法でも採用されていましたから、こういった優れたサプリメントを活かす工夫をされてみてください)
また、世間には今も、医学博士・医師・管理栄養士・治療家でありながら、癌患者に対して肉製品や牛乳・乳製品を安易に勧めている先生がいまだに多すぎます。特に、癌患者に対して牛乳・乳製品を勧めるなどという愚行は本当に大問題です。『世の専門家、専門家に成り得ず』とはこのことです。
医学博士であろうと、医師であろうと、管理栄養士であろうと、治療家であろうと、自分が触れてこなかったことに関してはまず無知になっています。「先生と名が付けば、何でも知っている」と思い込むのは大変危険です。肩書だけで人を判断するのは絶対に避けましょう! もし、そういう先生に出くわしたら、その先生が「肩書だけの先生」に堕していないかどうかを、ご自分で真剣に確認しましょう!
世の『因果律』の仕組みによって、すべて『自己責任』を背負うようになっているのが「人間の定め」ですから、成功も、失敗も、すべて『自己判断』に委ねられます。『自己判断』と『自己責任』の認識は非常に重要な要素ですので、どうそ、常に意識下に置かれて頂きたいと思います。
私からすれば、癌患者が背負う「肉製品や牛乳・乳製品のリスク」を何も説明せずして、癌患者に対して肉製品や牛乳・乳製品を勧めるというのは、通常療法の「抗がん剤のリスク」を何も説明せずして、癌患者に対して抗がん剤を勧める医師と同じ行為に映ります。
◆ 肉製品、牛乳・乳製品 〔特に牛乳・乳製品〕
⇒「癌の増殖」を刺激して活性化し、癌の増殖・悪性化・転移・進行に加担する ⇒ ⇒ ⇒ 増癌剤
◆ 通常療法の抗がん剤
⇒ 強い毒性で身体機能を破壊し、免疫機能を破壊して、
強い酸化力により身体を酸化させ、癌の増殖・悪性化・転移・進行に加担する ⇒ ⇒ ⇒ 増癌剤
( 参照記事:癌は治せる病気【抗がん剤は強力な「酸化剤」であり、細胞を酸化し、ミトコンドリアを死滅させ、癌が増殖・拡大・悪性化・転移する温床をつくり上げる『増癌剤』である】)
特に、牛乳・乳製品は「癌の増殖」を刺激して活性化する作用が強いので、これを、通常療法の抗がん剤のように『増癌剤』と呼んでも差し支えないと思います。やはり、癌の増殖に加担するようなものはダメです‥。
過食・甘いもの(ブドウ糖)・牛乳や乳製品は「癌の増殖因子」を活性化する元凶です。
まずもって、特に、牛乳、ヨーグルト・チーズなどの乳製品は『増癌剤』であるとご理解ください m(__)m
(※ ブドウ糖は『癌の最大の餌』であり、癌をよく育てますから、癌患者さんは「甘いもの」の摂取にも充分に気をつけられてください。ここは「ブドウ糖は「癌の最大のエサ」」カテゴリを参照してください)
それに何らかのリスクや欠点があるのなら、必ず、患者に対してそのことを告げる(伝える)のが「医療のプロがすべき仕事」ではないかと思います。医療従事者の先生方には、この『信念』を持って頂きたいです。
特に「牛乳・乳製品のリスク」は非常に危険です。癌患者さんは牛乳・乳製品の摂取を甘く考えることなく、必ずご注意されてください。牛乳・乳製品の摂取の有無によって、癌の進行度が変わります。
「和田洋巳」医学博士も、「福田一典」医師も、はっきりと「牛乳・乳製品は癌を増殖させます」と訴えてくれています。癌患者さんは、牛乳・乳製品の摂取は、肉製品とともに充分に気をつけられてください m(__)m
次の記事も参照されてみてください。
●「チャイナ・スタディ」が明かす、肉食の真実!【M報告、丹羽靱負博士、牛乳、他】
● 丹羽靱負(耕三)医学博士が語る、肉製品・乳製品の真実!
【肉製品・乳製品の栄養はすべて、癌細胞の栄養になっている】
● 牛乳・乳製品は癌を生み育てるので、癌患者さんは絶対にご法度にしたほうが賢明です
【ジェイン・プラント教授の乳癌履歴・佐藤章夫教授の乳製品への見解】
● 乳製品を食べてはいけません(癌、糖尿病患者は絶対にダメです)
【乳製品食べる男性、前立腺がんの発症率が1.6倍に:毎日新聞】
● 乳製品は危険です! ~ ガンの原因であることをデータで示す ~
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第2回 がん細胞の特徴
【「京都からすま和田クリニック 和田洋巳のがん治療相談室」(京都大学名誉教授:和田洋巳 医学博士)より 】
前回(第1回 天寿を全うするために)、患者さんの一例をご紹介させて頂きました。
今回は「がん細胞は、なぜ増殖していってしまうのか?」、そんな『がん細胞の性質』に迫ります。
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今回、一番重要なことは、
● がんは、特別な状況に置かれた細胞が、勝手に生き延びようとするために、ある性格を獲得したもの
だということです。
細胞ががん化すると、一般的には PET検査で陽性を示します。
その PET検査陽性とは、がん細胞がエネルギーとして「ブドウ糖」の取り込みを大量に行なっている状態です。
この状態は、1930年頃に研究していた「オットー・ワールブルク」の名前が付けられて「ワールブルク効果」と言います。これを利用したがん治療が2004年くらいから盛んになってきておりますが、薬としてはまだ出てきていません。
「ワールブルク効果」によって、がん細胞の中には大量の「水素イオン(プロトン:H+)」と「乳酸」が生成されます。
この状態は「乳酸発酵」している状態と同様で、がん細胞は「乳酸」や「水素イオン」により pH が下がってきます。
これを細胞外に放り出さないと、がん細胞は自分たちも生きることができないので、いくつもポンプが出ています。
一番大きなポンプが「ナトリウムイオン(Na+)」と「プロトン(水素イオン:H+)」の交換器(ナトリウムイオン・プロトン ポンプ:参照)で、これを止めると、抗がん剤が効く可能性や、がんがおとなしくなる、または、免疫細胞が働きやすくなる等の報告があります。これが、がん細胞の一つの特徴です。
もう一つの特徴、これが『梅エキス』を使う理由ですが、がん細胞は分裂していく時に「脂肪酸をほとんど自前で合成する」という報告があります。
がん細胞の「脂肪酸合成酵素」は非常に活性が高く、この「脂肪酸合成酵素」の働きを止めることができれば、何らかの形で効くだろう(抗がん効果があるだろう)と考えられます。
次回は、この「がん細胞の活性化」に関係が深い牛乳などの乳製品についてのお話です。
第3回 がん細胞 ~ 牛乳の功罪
【「京都からすま和田クリニック 和田洋巳のがん治療相談室」(京都大学名誉教授:和田洋巳 医学博士)より 】
今回は、前回(第2回 がん細胞の特徴)に引き続き、がん細胞の特徴についてです。
日常生活で、非常に頻繁に目にする乳製品。
牛乳・チーズ・ヨーグルトなど(の乳製品)が実は「がん細胞を活性化させてしまう」のだということを、皆様にぜひ知って頂きたいと思います。
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がん化した細胞で活性化された遺伝子の中の1つに『IGF 受容体(Insulin-like growth factors:インスリン様成長因子)』があり、これは細胞増殖を活性化し、自己増殖的な刺激を与えます。
一般的に『IGF(インスリン様成長因子)』は、成長ホルモンが分泌されると肝臓で生成され、それがいろいろな細胞を元気にし、増殖させます。スポーツやエステの分野では『IGF(インスリン様成長因子)』は必要と言われますが、がんの時には、がん細胞を増殖させてしまいます。
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この『IGF(インスリン様成長因子)』を大量に含むのが「牛乳」です。
『乳がんと牛乳 ~ がん細胞はなぜ消えたのか』という本がありますが、乳がんになった女性の学者が、医者が信用できずに自分で乳がんについて調べてみると「アジアの女性には乳がんが少なく、欧米の女性に多い」ことが分かりました。
そこで「アジアの女性の食事がいいのだろう」と調べた結果、「牛乳が悪いのではないか」ということに思い当たり、牛乳を止めたところ、がんがおとなしくなってきたというものです。
(この女性学者は、イギリスの科学者「ジェイン・プラント」教授です。詳しくは「牛乳・乳製品は癌を生み育てるので、癌患者さんは絶対にご法度にしたほうが賢明です【ジェイン・プラント教授の乳癌履歴・佐藤章夫教授の乳製品への見解】」記事を参照してください:ブログ管理人)
ちなみに、うちに来院される女性のがん患者さんは、かなり大量に乳製品を摂っています。
「(牛乳・乳製品は)止めなさい」と言うと「エーッ」という顔をされることが多いですが、牛乳は本当によくがんを育ててくれます。
第4回 乳製品と甘いもの
【「京都からすま和田クリニック 和田洋巳のがん治療相談室」(京都大学名誉教授:和田洋巳 医学博士)より 】
今回は、乳製品が大好きで糖尿病でもある患者さんの実例をご紹介したいと思います。
前回ブログ記事(第3回 がん細胞 ~ 牛乳の功罪)を参照しながら読んで頂ければと思います。
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この患者さんは当時77歳で、もともと糖尿は境界型でしたが、牛乳が大好きで甘いものを毎日摂っているという、典型的な『IGF-1(インスリン様成長因子-1)』を活発にするような食事をしている方です。
4年前の乳がんが最初で、手術、放射線、ホルモン剤を使われました。
翌年に子宮体がんで、動脈注入の化学療法をしたあと、手術を受けられました。
その後、写真を撮ると今度は胸に影ができていて、計3つのがんを3年間、毎年、治療されました。
この頃に私のところに来院されて「再発しない方法はありませんか?」と言うので「まず、乳製品や甘いものを止めなさい」と伝えました。その結果、この後2年間は再発や新たながんは出ていません。
典型的な食生活をしてきたことで、77歳にして、毎年、がんを起こしてきたような気がします。
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胸水も溜まっていましたが、身体を温めたり、いろんなことに取り組んだことで治ってきて、今は非常にお元気です。
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結局のところ、『IGF-1(インスリン様成長因子-1)』というものは、上図のように『細胞分裂の増殖を促進させる物質』で、それが『がん遺伝子を誘導して、がん化につながる』と言われています。
これは糖尿病の経路からも影響がありますので、糖尿病の治療も重要です。
次回は『IGF-1(インスリン様成長因子-1)』を止める「もう一つの方法」について実例をもとに説明していきます。
第5回 IGF-1(インスリン様成長因子)を止める
【「京都からすま和田クリニック 和田洋巳のがん治療相談室」(京都大学名誉教授:和田洋巳 医学博士)より 】
前回(第4回 乳製品と甘いもの)は、乳製品と甘いものと『IGF-1(インスリン様成長因子-1)』の関係について実例をもとにお話ししました。今回は、その『IGF-1(インスリン様成長因子-1)』を止める「もう一つの方法」の紹介になります。
まずは、こちらの症例を見てください。
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リンパ節に多数転移している肺がんで手術を受けられて「あなたは再発します」と受診の度に担当医に言われて、僕のところに来ました。確かに N3 症例は、10人のうち9人が3年後には亡くなるような状態です。
彼は糖尿病も患っており、かなり酒飲みです。
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一所懸命、いろんなことをやってくれているのですが、好中球が増加、N/L比が上がってきて、HbA1c が上がる。
こういう時は、大体、お酒を飲んでいて、酒を止めるとリンパ球が増えて好中球が減っていき、N/L比が下がり、HbA1c も下がってくる。
これで、術後3年半、お元気なので、大体コントロールできていますが、どうしても酒に手が出るので、まだまだ難しいかなと思います。
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彼には『IGF-1(インスリン様成長因子-1)』を止める「もう一つの方法」であり、糖尿病に対して日本ではほとんど使われない「ビグアナイド系のメトフォルミン」を使いました。
この「メトフォルミン」は良い状態をつくることができますが、糖尿病の先生は「メトフォルミン」を使うのを嫌がります。
「なぜか?」と言うと、1錠10円、安すぎるのです。
1日に3錠から6錠飲んでも、1ヵ月1800円、そんな治療なので‥。
しかし、この薬は世界中で最も処方されています。
糖尿病の方や食後高血糖も併発されている方に「ビグアナイド」を使いますと、結構、がんは落ち着きます。
ぜひ、知っておいて頂きたく思います。
次回は「乱れた生活習慣が、なぜ、がんを招くのか」について、少し難しいお話をしたいと思います。
(この続きは「第6回 がんを招く生活」記事をご覧ください:ブログ管理人)
なぜ、がんは発生し、成長し、そして、増殖するのか? ~ 第5回
【「京都からすま和田クリニック 和田洋巳のがん治療相談室」(京都大学名誉教授:和田洋巳 医学博士)より 】
前回(なぜ、がんは発生し、成長し、そして、増殖するのか? ~ 第4回)までで、がん細胞の糖分の使い方(ワールブルク効果)、そして(がん細胞内に)溜まった「酸(乳酸)」を吐き出す仕組み(ナトリウムイオン・プロトン ポンプ:参照)についてご説明しました。
これらの性質・仕組みによって、がんは生存し増殖を進めていくわけですが、がんの増殖について「もう一つ重要なもの」があります。それは『IGF-1(インスリン様成長因子-1)』というものですが、これは「Insulin-like growth factors」と言い、血糖が上がった時に同時に上がってくる成長因子です。
ブドウ糖は『IGF-1(インスリン様成長因子-1)』を大量に産生しますが、『IGF-1(インスリン様成長因子-1)』はミルク(牛乳)の中にも大量に含まれています。
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『IGF-1(インスリン様成長因子-1)』は過食をすると発現すると考えられています。
「Insulin-like growth factors」を調べてみますと、「インスリン」とは20%くらいが同じタンパクなのですが、培養細胞に加えると「インスリン」を加えた時と同じように分裂を引き起こします。そして『これは「成長ホルモン」の一種で、筋肉・骨・肝臓・腎臓・神経・皮膚、及び、肺の細胞を増殖させる』と書いてあります。
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米国では牛に「合成の成長ホルモン」を注射して、ミルク(牛乳)の産生を増やしています。
ですから、アメリカでは、これを理由にミルク(牛乳)を嫌う人もいます。
もう少し詳しく見てみますと、ショウジョウバエを対象とした研究結果ではありますが、『IGF(インスリン様成長因子)』の対立遺伝子をノックアウトすると寿命が延びています。
それから、『IGF(インスリン様成長因子)』は前立腺がん・乳がんの細胞を刺激します。
『IGF(インスリン様成長因子)』は乳汁中に存在し、特に「牛成長ホルモン」を与えられた時に顕著で、アメリカの乳牛は60%ほどが「牛成長ホルモン」を投与されています。
ちなみに、確かめたわけではないですが、乳を出さなくなって廃牛にした肉は非常に安いので、安く売っている肉自体にも入っている可能性は高いです。
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この人は「ジェイン・プラント」というイギリスの地球科学者で、自分が乳がんになり、何回も再発、リンパ節転移を繰り返します。自分で調べて「(医者に)言われていることを全部守っているのに、何で再発するのだろう?」と疑問に思いました。
彼女はさらに調べ、「アジア女性に乳がんが比較的少ない」ことを知りました。
そのことから「自分はミルク(牛乳)を飲むことで再発しているのでは?」と思い、ミルク(牛乳)を止めると再発が止まりました。そこで、彼女は『乳がんと牛乳 ~ がん細胞はなぜ消えたのか』という本を書きました。
(ここは「牛乳・乳製品は癌を生み育てるので、癌患者さんは絶対にご法度にしたほうが賢明です【ジェイン・プラント教授の乳癌履歴・佐藤章夫教授の乳製品への見解】」記事を参照してください:ブログ管理人)
我々のところに来院されるがん患者さんでも、よくお話を伺うと、非常に積極的に乳製品を摂っておられます。
ちなみに、私のところに来ると「それ(牛乳・乳製品)は止めなさい」と伝えています。
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その理由は『IGF(インスリン様成長因子)』が大量に入りますと、『IGF の受容体』というのがあり、それが次々に刺激を引き起こして「mTOR」という「細胞増殖を促すタンパク質」が刺激されることで次の細胞分裂に向かっていきます。
(この「mTOR」につきましては「肉製品、牛乳・乳製品は、ロイシン・インスリン・インスリン様成長因子(IGF)による「mTORC1」の活性化により、癌の増殖を刺激して促進する食品! - 福田一典 医師」記事に詳しいです:ブログ管理人)
これを制御しているのが「AMPK(AMP活性化プロテインキナーゼ:参照記事)」で、これに対しての治療の方法などは、次回以降述べていきます。
![20140114164311[1]](http://livedoor.blogimg.jp/peace_spiral-cancer_diet/imgs/a/2/a22d255b.png)
現在では、上記のようなことから『IGF(インスリン様成長因子)は細胞分裂の早期のところを促進するような物質である』ということが明確に分かっております。
すなわち、『IGF(インスリン様成長因子)を多量に取り入れると(摂取すると)、癌細胞の増殖につながる可能性が高い』というわけです。
なぜ、がんは発生し、成長し、そして、増殖するのか? ~ 第6回
【「京都からすま和田クリニック 和田洋巳のがん治療相談室」(京都大学名誉教授:和田洋巳 医学博士)より 】
前回(なぜ、がんは発生し、成長し、そして、増殖するのか? ~ 第5回)、『IGF(インスリン様成長因子)を多量に取り入れると、がん細胞の増殖につながる可能性が高い』ということについて説明をさせて頂きました。
今回は、その『IGF(インスリン様成長因子)』ががん細胞と関わるという証拠を紹介しながら掘り下げていきたいと思います。
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これは『内分泌レビュー』という雑誌の『IGF とがん細胞の増殖と転移』というレビューです。
この中に『IGF-1(インスリン様成長因子-1)のレセプター(受容体)と IGF-1(インスリン様成長因子-1)は、人において胎児発生時から個体発生期に決定的な役割を果たす』とあります。
これが無いと「受胎しても体をつくれない」ということになります。
しかしながら、一旦できてきたら『ある状態では、悪性腫瘍に非常に強く発現し、刺激すると、悪性腫瘍がどんどん進んで行く』というようなことも書いてあります。
![20140120150028[1]](http://livedoor.blogimg.jp/peace_spiral-cancer_diet/imgs/d/b/db244650.png)
結局のところ、『IGF(インスリン様成長因子)』が強く発現していると、DNA障害性物質、例えば、抗がん剤や放射線に対して非常に強い抵抗力を示してきます。
![20140120150027[1]](http://livedoor.blogimg.jp/peace_spiral-cancer_diet/imgs/e/a/ea156a94.png)
さらに、薬剤の耐性遺伝子、薬剤を外に放り出すような遺伝子群が発現し、がん細胞が治療に非常に強い抵抗性を果たすようになります。「乳製品を摂りながら治療を受けても効かない」というのは、こういうところにも理由があります。
![20140120150026[1]](http://livedoor.blogimg.jp/peace_spiral-cancer_diet/imgs/5/a/5acd8981.png)
そこで、この論文では、ある細胞をネズミに植え付けると、ネズミの肝臓にポチポチと見えるように、がんができます。
ところが、このマウスに『IGF の受容体』を抑える抗体を注射しますと、同じ細胞を植え付けても、がんがほとんど出てこなくなります。という具合に、『IGF(インスリン様成長因子)』の働きを止めてあげることで、がんの転移がかなり抑制されるようです。
このようなことから、『IGF(インスリン様成長因子)』ががん細胞の増殖と転移において重要な役割を果たしていることが分かります。
そんな『IGF(インスリン様成長因子)』の働きを止めるのに一つ、良い薬剤がありますが、この話は次回ご紹介させて頂こうと思います。
なぜ、がんは発生し、成長し、そして、増殖するのか? ~ 第7回
【「京都からすま和田クリニック 和田洋巳のがん治療相談室」(京都大学名誉教授:和田洋巳 医学博士)より 】
前回(なぜ、がんは発生し、成長し、そして、増殖するのか? ~ 第6回)、『IGF(インスリン様成長因子)』の働きを止めるのに一つ、良い薬剤があります、とご紹介しましたが、今回はそのお話をさせて頂きます。
「メトフォルミン」というものですが、一般的には糖尿病の方によく使われます。
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この「メトフォルミン」は「ビグアナイド」という「フレンチライラック(ガレガソウ:参照1・参照2)」から取り出した薬物で、もともとはヨーロッパで夜間多尿の人が「ガレガソウ」を煎じて飲むと治るという言い伝えがあったものです。
だから、糖尿病の治療薬になります。
![20140127131820[1]](http://livedoor.blogimg.jp/peace_spiral-cancer_diet/imgs/7/b/7bc78157.png)
これは「インスリン」を無理やり分泌させるものではないので、比較的、膵臓に対しての負担はありません。
それで標的遺伝子を探していくと、先ほど申しました「mTORC1」というものになります。
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ちなみに、糖尿病の方で、がんの発生頻度のグラフを書いてみますと、「メトフォルミン」という「ビグアナイド」を摂っている人たちと、摂らない人たちでは、どうも摂っている人たちのほうが発がん率が少なく、33%くらいがんが出難いということが言われています。
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違う研究でも、「メトフォルミン」群ではがんが出難いけれど、摂ってない人たちは(がんが)早く出るという結果でした。
ですが、日本人の先生はこの薬を好みません。
非常に古い薬で「乳酸血症」の副作用が出るため、あまり使われないということもあるのですが、非常に安い良い薬です。
1錠10円ですから、1日3錠飲んで、1日30円の治療です。
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ここまで7回をまとめてみますと、まず、がんは非常に「糖分(ブドウ糖)」を好みます。
そして、ミルク(牛乳)は『IGF-1(インスリン様成長因子-1)』を持っているので『がんを促進する』ことから、糖尿病のような慢性炎症は「がんの予備軍」だということが分かります。
次回は、がんの特徴である「脂肪酸合成」についてご説明したいと思います。
(この続きは「なぜ、がんは発生し、成長し、そして、増殖するのか? ~ 第8回」記事をご覧ください:ブログ管理人)
医食同源 あぶらの話 6
【「京都からすま和田クリニック 和田洋巳のがん治療相談室」(京都大学名誉教授:和田洋巳 医学博士)より 】
今回からは、少し話を変えまして「牛乳」になります。
「牛乳は体に良い」というのは、もはや通説のように論じられていますが、特に『癌や慢性疾患においては悪い側面もある』ということを、皆様には知っておいて頂きたいと思います。
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上記は、その一例になりますが、例えば「ラクトフェリン」は「ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV-1)」の感染を増強するという報告もあります。
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ちなみに、牛乳には多くの「脂肪酸」が含まれていますが、その組成は上記のように「非必須脂肪酸」がほとんどです。
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「飽和脂肪酸」が多い乳脂肪は、肉類の脂肪などと同様にアテローム性動脈硬化の一因ともなりますし、同時に『癌の発生とも因果関係がある』と言えますので、特に『癌や心臓病など慢性疾患のリスクを減らすためにも、あまり大量の摂取は好ましくない』と言えます。
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もちろん、牛乳には良いところもあって、牧草を食べて育つ牛の乳には『オメガ3系の脂肪酸』も含まれていますので、そのような牛乳(酪農牛乳)は摂取しても良いかもしれません。
ですが、現実的には上記にも書いてありますように「エゴマ油」や「アマニ油」、「果物サラダ」などを摂ることで補うことをお勧めしたいと思っています。
次回は、このような「牛乳」と非常に関係が深い「乳がん」のお話です。
医食同源 あぶらの話 7
【「京都からすま和田クリニック 和田洋巳のがん治療相談室」(京都大学名誉教授:和田洋巳 医学博士)より 】
今回は「牛乳のがんとの関係」についてお話します。
「牛乳はどうも体に悪いことも多いようだ‥」ということは、前回(医食同源 あぶらの話 6)の記事からお分かり頂けたのではないかと思います。
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「乳がん」と「牛乳」については、「ジェイン・プラント」の上記の著書が非常に参考になります。
(ここは「牛乳・乳製品は癌を生み育てるので、癌患者さんは絶対にご法度にしたほうが賢明です【ジェイン・プラント教授の乳癌履歴・佐藤章夫教授の乳製品への見解】」記事を参照してください:ブログ管理人)
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こちらは有名なデータですが、牛乳を含む(「ヨーグルト」や「チーズ」などもそうですね )乳製品の消費量が多い国では、乳がん発生率が高いとされています。
これは乳がんだけでなく、同じ卵巣がんや前立腺がんなども同様で、女性特有、あるいは、男性特有のがんとの関係性が非常に高いと考えられています。
では、なぜ、そのようなことが起きるのでしょうか?
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実は、乳製品には乳由来の成長因子である『IGF-1(インスリン様成長因子-1)』というものが含まれており、牛乳は人の母乳に比べ、5~10倍多く含まれています。
ちなみに「インスリン」はよく糖尿病との関連で名前を聞く物質ですが、実は「成長ホルモン」とも変わらないくらい強い成長作用を持っています。
みなさんに考えてみてほしいのは、本来、このような成長因子が必要なのは成長期の子供であって、成長期を過ぎた大人はあまり必要としないことは自明の理だということです。
次回は、みなさん聞いたことがあるかもしれませんが、「トランス脂肪酸」というものについてご説明していきます。
(この続きは「医食同源 あぶらの話 8」記事をご覧ください:ブログ管理人)
こころとからだ ~ がんは自分がつくったもの 5
【「京都からすま和田クリニック 和田洋巳のがん治療相談室」(京都大学名誉教授:和田洋巳 医学博士)より 】
前回(こころとからだ ~ がんは自分がつくったもの 4)は、治療に対して精一杯向き合うことができるためにも『心の持ち方』が大事であることをお伝えしました。今回は、少し症例を紹介したいと思います。
『がんと食事が大いに関係がある』ことは、ブログを読んで頂いている読者の皆様はよくご理解頂いていることと思いますが、それをよく示すこととして「糖尿病とがんの関係」があります。
以下の患者さんは大腸癌を患って来院されましたが、以前より糖尿病も患っていました。
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過食・甘いもの・乳製品などは、取り過ぎた結果として「mTOR axis」と呼ばれる「癌の増殖因子」を活性化させてしまうことが分かっています。
(ブドウ糖は『癌の最大の餌』であり、癌をよく育て、癌の増殖・進行に加担します。精白穀物〔白米・白パンなど〕・精白糖〔白砂糖など〕はもろにブドウ糖の摂取になりますから注意が必要です。特に「甘いもの」には精白糖〔白砂糖など〕が大量に使用されていますから、癌患者さんは「甘いもの」の摂取にも充分に気をつけられてください。ここは「ブドウ糖は「癌の最大のエサ」」カテゴリを参照してください。癌患者さんの食事は、基本的に「糖質制限食(ケトン食)」を心がけましょう!
また、過食をすれば『癌に与えてしまう栄養が増加する』のは言わずもがなですから、過食も癌の増殖・進行に加担します。無理のない範囲で健全な少食を心がけていきましょう!:ブログ管理人)
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非常に興味深いこととして、糖尿病の治療薬として用いられる「メトフォルミン」という薬は、この「mTOR」の阻害薬として使われています。
「メトフォルミン」は、糖尿病罹患者にとってリスクとなる高血糖の状態を引き起こす「糖新生」を抑制するために、肝臓において「AMPK(AMP活性化プロテインキナーゼ:参照記事)」を活性化させる働きを持っていますが、それは同時に、癌細胞における「AMPK」の活性化にも働きます。この(AMPK の)活性化は「癌細胞の増殖因子」である「mTOR」の働きを抑えることにつながり、癌細胞の増殖を抑えることにもつながるのです。
(この「mTOR」につきましては「肉製品、牛乳・乳製品は、ロイシン・インスリン・インスリン様成長因子(IGF)による「mTORC1」の活性化により、癌の増殖を刺激して促進する食品! - 福田一典 医師」記事に詳しいです:ブログ管理人)
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実際に、この患者さんは糖尿病の治療薬を「メトフォルミン」に変え、食事指導をすることで糖尿病が改善されていき、それに伴って、癌細胞もだんだんと小さくなっていきました。
治療開始から約1年半が経ちますが、非常に元気に日常生活を送っています。
このように改善されていったのは、この患者さんが現状に悲観することなく、自分の意思を持って治療を続けていったことに尽きます。
次回は、また別の症例を紹介したいと思います。
(この続きは「こころとからだ ~ がんは自分がつくったもの 6」記事をご覧ください:ブログ管理人)
がんに負けないからだをつくる 3
【「京都からすま和田クリニック 和田洋巳のがん治療相談室」(京都大学名誉教授:和田洋巳 医学博士)より 】
前回(がんに負けないからだをつくる 2)は、「ケリー・ターナー」博士(Dr. Kelly Turner)の著書『がんが自然に治る生き方 - 余命宣告から「劇的な寛解」に至った人たちが実践している9つのこと』の中で、彼女がまとめた『がんを劇的に寛解した事例に通じる9つの要素』が「がんに負けない身体」をつくる上で、私が実践してきた治療に通ずる部分が多くあるということをお話しました。
がんが自然に治る生き方 - 余命宣告から「劇的な寛解」に至った人たちが実践している9つのこと

ケリー・ターナー博士
(「ケリー・ターナー」博士がまとめた「9つの要素」とは、博士が日本を含む世界10ヵ国〔アメリカ・中国・日本・ニュージーランド・タイ・インド・英国・ザンビア・ジンバブエ・ブラジル〕で、自身の癌を自然療法によって完解させた元癌患者にインタビューを行ない、そこで、その元癌患者の方々が共通して行なっていた『9つの実践事項』を見出し、まとめたもので、次の「9つ」になります。
● 抜本的に食事を変える ● 治療法は自分で決める ● 直感に従う ● ハーブとサプリメントの力を借りる
● 抑圧された感情を解き放つ ● より前向きに生きる ● 周囲の人の支えを受け入れる
● 自分の魂と深くつながる ●「どうしても生きたい理由」を持つ
最初にあります『抜本的に食事を変える』というのは「食事改善」のことであり、「食事療法」「栄養療法」のことですが、これはもう「当たり前のこと(癌治療の真の常識)」だと思ってください。癌を本当に改善して治している元癌患者さんは必ず「食事療法」「栄養療法」「食事改善」をしています。これもなく癌を治したいと言われても、本当に難しいですよ!
癌治療は必ず「食事療法」「栄養療法」「食事改善」を母体・基軸・土台に置き、他に「実際に癌に有効している自然療法」を複合的に併用して、いろいろと組み合わせて行ないましょう! 癌治療は『食事療法 プラスアルファ』で行なってください!
食事療法を行わないと、体内に癌を生み出している原因であり、癌を進行させる原因である『癌体質』を何も改善できないのです。『癌体質』を改善しないと「癌を治す道筋」を歩めません。元癌患者さんが癌を完解させることができたのは、食事療法によって癌を自然抑制しながら『癌体質』を改善する土台を築き、その上で、食事療法では不足している側面を、他の「実際に癌に有効している自然療法」を複合的に併用して、いろいろと組み合わせて行なうことで『癌体質』をしっかりと改善して返上したからです。『癌体質』を改善するか否かによって、癌が改善するか、癌が治るかが決まるのです。
『癌体質』を改善する上で、また、癌を自然抑制する上で、非常に重要となる要素が「食事療法」「栄養療法」「食事改善」です。癌患者さんは必ず、ご自分で納得できる「食事療法」「栄養療法」「食事改善」を行なってください!
『癌体質』に関しましては「癌の正体は「癌体質」」カテゴリの記事を参照してください。
「ケリー・ターナー」博士が見出した「9つの要素」につきましては「癌を自然治癒させるには【樹木希林さんの事例:癌に対する感謝:癌の自然治癒を体験した人々に共通する「9つ」の実践事項:『善玉癌細胞』と『悪玉癌細胞』について】」記事を参照してください:ブログ管理人 )
下図の患者さんは、肺腺がん・がん性胸膜炎の患者さんで、乳製品をよく摂取し、タバコの喫煙量もとても多い方でした。
右下の図(下側の図)にあるように、癌細胞は全身転移を認めており、骨転移も多発していました。
![20150922182519[1]](http://livedoor.blogimg.jp/peace_spiral-cancer_diet/imgs/c/2/c2594767.png)
![20150922182518[1]](http://livedoor.blogimg.jp/peace_spiral-cancer_diet/imgs/5/5/558fdebc.png)
この患者さんは、食事改善はもちろんのこと、『温熱療法』に加え、週に2~3回のペースで『ビタミンCの点滴』を25gするようになりました。
その結果として、約1年半後には、右図(下側の図)のように、多発していた転移はすべて消失しました。
![20150922182517[1]](http://livedoor.blogimg.jp/peace_spiral-cancer_diet/imgs/6/a/6a4012ba.png)
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下図は血液・尿のプロファイルですが、白血球・好中球の数値も低下し、N/L比(好中球-リンパ球比)も低下してきているところから、『体内環境が、癌細胞が成長・増殖し難い状況に改善された』ことが分かります。
![20150922182514[1]](http://livedoor.blogimg.jp/peace_spiral-cancer_diet/imgs/e/1/e166abbd.png)
このように、『食事を含めた生活習慣の改善は、とても大きな効果を発揮する』ということが分かるかと思います。
薬物などで強制的に特定の機能や性質を変化させたり、抑制させたりするのでは、薬がなくなれば元に戻ってしまいますが、『生活習慣を改善した場合は、生活をしているだけで癌が成長しなくなるようにさせることが可能になる』ということです。
よくあるのは、癌を叩くことで一時的に改善されたように見えて、その後、すぐに再発し、さらに悪い状態になるという悪循環です。この悪循環にならないためにも、『癌を生み出す生活から、癌が生まれ難い生活を身に付ける』ことが重要なのは自明の理かと思います。
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とても「シンプルな話」だと思いますが、思いの外、医師ですらも気づける人が少ないのも事実です。
私はできる限り、患者さんが自分の身体と向き合い、自分や家族のためになる治療を選択できるようにサポートしていきたいと思っています。
次回は、これらの話の科学的な根拠をもとに、症例をさらに紹介していきたいと思います。
(この続きは「がんに負けないからだをつくる 4」記事をご覧ください:ブログ管理人)
【「牛乳の有害性」について書かれている図書 】
乳がんと牛乳 - がん細胞はなぜ消えたのか
葬られた「第二のマクガバン報告」(上巻)
なぜ「牛乳」は体に悪いのか - 医学界の権威が明かす、牛乳の健康被害
牛乳を信じるな!
牛乳の飲みすぎに注意しましょう!- 牛乳神話完全崩壊〈2004年版〉