この記事は、『銀座東京クリニック』院長の「福田一典」医師が公開されています「『漢方がん治療』を考える」から「312)牛乳・乳製品はがんを「抑制する」のか「促進する」のか?」記事のご紹介です。

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 当記事では、「福田一典」医師が「牛乳乳製品は、果たして癌患者に適した食品なのか?」について、科学的医学的に徹底的に解明されています。
 主に牛乳乳製品についてお話しされていますが、肉製品についても触れられています。

 肉製品、牛乳乳製品は、「ロイシン」「インスリン」「インスリン様成長因子IGF)」による「mTORC1」の活性化により、癌の増殖を刺激して促進する食品であることが科学的医学的に解かっています。
 特に、牛乳乳製品に含まれる「牛乳タンパク質」はゲロゲロ最悪で、研究論文では「牛乳タンパク質」における『癌の増殖を促進する作用』は「精製糖質(精白糖質)」を遥かに上回るデータが出ています。
はっきり言って「精製糖質(精白糖質)を上回ったらヤバいでしょうに‥」という感想しか出ません…

 「肉タンパク質」の『癌の増殖を促進する作用』は「牛乳タンパク質」ほど強くはなく、その作用は弱いようですが、やはり、癌の増殖を刺激して促進させる作用はあるようです。

 私は当ブログでは一貫して、癌患者さんは肉製品乳製品は避けたほうが良いとお伝えしてきました。
 「福田一典」医師は、癌患者における「肉製品乳製品の有害性」を分かりやすく解説してくださっています。
 世間には、癌患者に対して「肉製品乳製品の食事」を勧めている先生方もおられますが、果たして、その先生方が本当に正しいのかどうかを、常にご自分で調べつくしてからご確認されてください。
 当記事がその一助になって頂ければと思います。

 癌患者のみなさんは「癌患者に対する肉製品乳製品の食事」が本当に正しいものなのかどうかを、当記事をご覧になられながら、もう一度、よく考え直してみてください。
 特に、癌患者でありながら、肉製品、牛乳乳製品を多食されている癌患者さんは真剣に考えたほうが良いです! すでに、ここまで科学的医学的に解明されているわけですから、癌患者への「肉製品乳製品の食事」はよくよく考慮すべきだと思います。よろしくお願いします m(__)m

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 312)牛乳・乳製品はがんを「抑制する」のか「促進する」のか?
 【「『漢方がん治療』を考える(福田一典 医師)」
より 】

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【図】
◆◆mTORC1mammalian target of rapamycin complex-1哺乳類ラパマイシン標的蛋白質複合体-1)」は成長因子(インスリンインスリン様成長因子など)やブドウ糖やアミノ酸( 特に「ロイシン)によって活性化される。活性化された「mTORC1」はシグナル伝達の下流に存在する様々な「キナーゼタンパク質リン酸化酵素)」などを介してタンパク質合成や細胞分裂を促進し、その結果、がん細胞の増殖を促進する。
 したがって、「グリセミック負荷ブドウ糖負荷)」の高い「高糖質食」や、牛乳乳製品( 特に「牛乳タンパク質」)や肉類は、「mTORC1」を介するシグナル伝達系を刺激して、がんの発生や進展を促進する。
 がん細胞は「グルコーストランスポーター」や「アミノ酸トランスポーター(参照1参照2)」や様々な成長因子の受容体の発現量が増えていて、このような食品による増殖促進作用を受けやすい。これらの食品を減らし、さらに「mTORC1」の活性を抑制する方法を併用すると、がん細胞の増殖を抑えることができる。
 「AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)」を活性化すると「mTORC1」の活性化を抑えることができる。「AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)」の活性化や「mTORC1」の抑制に役立つ成分として、糖尿病治療薬のメトホルミンの他、ベルベリンアルクチゲニンジインドリルメタンレスベラトロールクルクミンカフェインエピガロカテキンガレート(EGCG)などの天然成分が知られている。
上記の「グリセミック負荷ブドウ糖負荷)」の知識は「糖質制限食(ケトン食)」において非常に大切な知識です。ここは「糖質は可能な限り減らす! - 福田一典 医師」記事を参照してください。
 また、上記の最後の部分にある『AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)を活性化すると「mTORC1」の活性化を抑えることができる』につきましては、『銀座東京クリニック』サイトの「AMP活性化プロテインキナーゼ、mTORC1、FOXO3Aをターゲットにしたがん治療」記事を参照されてください
ブログ管理人◆◆



牛乳や乳製品は大腸がんの発生を予防する

 がんの発生における牛乳や乳製品の影響は、がんの種類によって異なります。「牛乳や乳製品が大腸がんの発生を予防する」という報告は多数あります。一方、「牛乳や乳製品が前立腺がんの発生や進展を促進する」ことはほぼ確実になっています。

 大腸がんに対する「牛乳や乳製品の影響」に関しては、以下の論文に最新の結果がまとめられています。

   Dairy products and colorectal cancer riska systematic review and meta-analysis of cohort studies.
    (乳製品と結腸直腸がんのリスクコホート研究のシステマティックレヴューとメタ解析
    〔Ann Oncol 23(1)37-45, 2012

 この論文では、2010年5月までに発表された19件の前向きコホート研究のメタ解析の結果を報告しており、牛乳を1日200g飲むと大腸がんの発生リスクが0.91(95%信頼区間0.85~0.94)に、全乳製品として1日400gの摂取でリスクが0.83(95%信頼区間0.78~0.88)に低下し、発生予防効果は男女ともに見られた、という結果になっています。ただし、チーズでは予防効果が認められていません。この論文の結論は「牛乳、及び、全乳製品の摂取量は、結腸直腸がんの発生リスクの低減に関連している」となっています。

 大腸がんの発生を促進する食品として、赤身の肉と加工肉とアルコール(男性の場合)が挙げられています。「牛乳や乳製品は大腸がんの発生を予防する」効果が指摘されており、そのメカニズムとして、牛乳中のカルシウムが、大腸発がんを促進する2次胆汁酸(胆汁酸が腸内細菌で代謝されたもの)やイオン化した脂肪酸と結合することによって、大腸粘膜上皮細胞の発がんや細胞増殖作用を防ぐためと考えられています。

 動物実験や人間での臨床試験で「カルシウムが大腸粘膜細胞の増殖活性を低下させる」ことが示されており、「カルシウムの摂取が大腸がんの予防効果がある」ことはある程度コンセンサスが得られています。
 「牛乳の大腸がん予防効果」も、カルシウムによるものと考えられています。カルシウム以外にも、乳製品中の「ラクトフェリン」や発酵乳製品中の「乳酸菌」「ビタミンD」「酪酸短鎖脂肪酸」の一つ )」などががん予防効果に関与している可能性も示唆されています。
 しかし、脂肪が多いと胆汁酸の分泌を増やすので2次胆汁酸も増え、また「チーズやクリームのようないくつかの乳製品は大腸がんの発生を促進する」可能性が指摘されています。したがって「低脂肪や無脂肪の牛乳なら、大腸がんに関しては予防効果が期待できるかもしれない」というレベルの効果だと言えます。また、この作用機序は大腸だけに当てはまるもので、他の部位のがんの予防効果にはならないと言えます。


乳製品は乳がんを予防する可能性がある

 疫学研究からは「乳製品が乳がんの発生を予防する」という結果が報告されています。
 以下のような論文があります。

   Dairy consumption and risk of breast cancera meta-analysis of prospective cohort studies.
    (乳製品の摂取と乳がんリスク前向きコホート研究のメタ解析
    〔Breast Cancer Res Treat. 127(1)23-31. 2011

 この論文では、2011年1月までに発表された18件の前向きコホート研究の結果をメタ解析で検討しています。
 対象人数は100万人以上で、24000人あまりの乳がん発生を統計的に解析しています。

 乳製品全体の摂取量で比較して、摂取量の多い人は少ない人に比べて乳がん発生の相対リスクが0.85(95%信頼区間0.76~0.95)に低下することが報告されています。ただし、牛乳だけの摂取量に関しては、統計的に有意な差は認められていません。乳製品でも「低脂肪の製品のほうが高脂肪の製品に比べて予防効果が高い」傾向が認められています。また「閉経前の女性のほうが閉経後の女性より乳製品による予防効果が高い」という結果が得られています。この論文の結論は「全乳製品の摂取量が多いほど、乳がん発生のリスクが低下する(ただし、牛乳だけではこのような関係は認めない)」ということです。

 牛乳には女性ホルモンの「エストロゲン」が含まれている可能性があるのですが、その量は極めて少ないので、人間の体内産生量からは無視できると考えられています。
 乳製品がなぜ乳がんを予防するのかは不明です。乳がんを予防する何らかの成分が存在するのか、あるいは、腸内細菌などに作用して腸内環境を良くする可能性も指摘されています。
 大腸がんと乳がんの他に、膀胱がんに対しても「乳製品が予防効果を示す」可能性が報告されています。


牛乳や乳製品は前立腺がんの発生や進展を促進する

 大腸がんや乳がんとは対照的に「前立腺がんの発生や増殖に対しては、牛乳や乳製品が促進する方向で作用する」ことが多くの研究で示されています。前立腺がんの他には、卵巣がんでも「牛乳や乳製品が発生率を高める」結果が得られています。

 47781人を対象にした米国の『the Health Profesional Follow-up Study』では「1日2回以上、牛乳を飲む人は、進行性の前立腺がんを発症するリスクが1.6倍になる」ことが報告されています(Cancer Res. 58(22)5117-22. 1998)。
 同じく、米国の2万人以上の医師を対象に11年間追跡調査した『the Physicians Health Study』では「1日2.5回以上の乳製品の摂取は、1日1回以下の摂取に比べて、前立腺がんの発生率が1.34倍になる」という結果が得られています(Am J Clin Nutr. 74(4)549-54. 2001)。
 この論文では「カルシウムの摂取量が多いほど、前立腺がんの発生率が高い」ということから、『牛乳や乳製品によるカルシウムの摂取が「ビタミンD」の体内産生量を低下させることが発がん促進効果と関連している』と推測しています。
 ビタミンD」自体にがん予防効果があるので、『カルシウムの摂取が多いと「ビタミンD」の血中濃度が低下するので、前立腺がんの発生が増える』というメカニズムを提唱しています(ただし、この『牛乳による前立腺がん発生促進のカルシウム-ビタミンD仮説』は、その後の研究によって根拠が乏しいという意見が多くなっています)。

 さらに、40ヵ国の「前立腺がんの発生率と牛乳や乳製品の消費量の関係」を検討した研究では、「牛乳乳製品の消費量と前立腺がんの発生との間に強い正の相関がある」という結果が得られています(Int J Cancer. 98(2)262-7. 2002)。
 「一人当たりの牛乳乳製品の消費量と前立腺がんの発生率、及び、死亡数が正の相関を示している」ことが、いろんな研究で示されています。日本では、第二次大戦後に前立腺がんの死亡数が25倍に増えており、その間に、牛乳の摂取量は20倍、肉は9倍、卵は7倍に増えており、このような食事の内容の変化が前立腺がんの増加と関連していると考えられています。

 197人の前立腺がん患者を対象にしたイタリアの『ケース・コントロール研究』では「乳製品の摂取が多い上位20%は摂取量が少ない下位20%に比べて、前立腺がんの発生リスクが2倍以上に高くなる」ことが報告されています(Prostate. 70(10)1054-65. 2010)。

 「牛乳が前立腺がんの進展を促進する」可能性を示唆する報告もあります。
 1986年から2006年に診断された3918人の前立腺がんの男性を対象にして、2008年まで追跡調査した結果が報告されています。追跡期間中に298例で転移が見つかり、229例が前立腺がんによって死亡しています。診断後の牛乳や乳製品の摂取量と死亡との間に関連は認められていません。しかし「牛乳を多く摂取する上位20%は摂取量の少ない下位20%に比べて、がんの進行が2.15倍になる」ことが示されています。しかし「低脂肪の牛乳の場合は、むしろ多く摂取するほうが、がんの進行リスクが0.62に低下する」結果が得られています(Cancer Epidemiol Biomarkers Prev. 21(3)428-36. 2012)。

 14万人余りを平均8.7年間追跡したヨーロッパで行なわれた『前向きコホート研究』では「1日当たりの牛乳タンパク質の摂取量が35g増えると、前立腺がんの発症率が32%増える」という報告もあります(Br J Cancer. 98(9)1574-81. 2008)。
 この研究では、牛乳からのカルシウムの摂取と前立腺がんの発生との間には正の相関がありましたが、他の食品からのカルシウムの摂取量とは関連が無かったため、カルシウムが前立腺がんの発生を促進する可能性は否定的になっています。最近の考えでは、牛乳中のタンパク質の関与が指摘されています。

 アラスカ原住民の「イヌイットエスキモー)」の人々には「前立腺がんがほとんど見られない」と言われており、その理由として、「イヌイット」の人たちは魚油の「ドコサヘキサエン酸DHA)」や「エイコサペンタエン酸EPA)」が多いからとか、穀物(糖質)をほとんど食べないからと言われていますが、「乳製品をまったく摂取しないからだ」という意見もあります(実際は「これらのすべての相乗効果」と考えるほうが合理的です)。


牛乳乳製品には、成長を促進する何かがある

 牛乳は、良質のタンパク質とビタミンやミネラルなど栄養素が豊富です。子牛を育てるために必要な栄養素だけでなく、成長を促進する成分や生体防御に関与する成分なども含まれています。したがって、子供の成長や健康増進に最も役立つ食品であることは間違いありません。

 しかし、がんの研究領域の立場からは、「成長に役立つ」という牛乳の効果が、がん細胞の増殖を促進する可能性が懸念されます。疫学的研究では前述のように、牛乳や乳製品にはある種のがんに対してがん予防効果があり、特に、低脂肪のミルクはがんを促進するというはっきりしたデータは得られていません。
 しかし、ミルク(牛乳や人間の母乳など)というのは、生まれて間もない時期に与えられる食事であり、その中に成長を促進する成分や因子が含まれているという点に注意しておく必要があります。
 例えば、ミルクを飲むと「インスリン様成長因子-1Insulin-like Growth Factor-1IGF-1)」の産生量が増えることが多数の臨床試験で確認されています。成長ホルモンは「インスリン様成長因子-1IGF-1)」の作用によって体の成長や発育を促進します。牛乳を多く飲むと体格が良くなることはよく知られていますが、その作用機序として、牛乳タンパク質が「インスリン」や「インスリン様成長因子-1IGF-1)」の分泌を高めるからです。以下のような論文があります。

   Milk consumption and circulating insulin-like growth factor-I levela systematic literature review.
    (牛乳の摂取と血中インスリン様成長因子-I濃度システマティックレヴュー
    〔Int J Food Sci Nutr. 7330-40. 2009

 この論文では『前立腺がんの発生率と血中の「インスリン様成長因子-1IGF-1)」の濃度、あるいは、牛乳の摂取量が正の相関を示す』という研究結果があることから、牛乳の摂取量が多い人では「インスリン様成長因子-1IGF-1)」の濃度が高いかどうかを確かめるために研究が行なわれています。
 牛乳の摂取と「インスリン様成長因子-1IGF-1)」の血中濃度に関する臨床試験で、2009年3月までに報告された英文の学術雑誌を検索し、15件の『横断研究cross-sectional studies)』と、8件の『ランダム化比較対照試験』を選び出し、総合的に検討しています。

 この論文の結論は『牛乳を多く摂取している人は「インスリン様成長因子-1IGF-1)」の血中濃度が高い。したがって、牛乳の摂取は血中の「インスリン様成長因子-1IGF-1)」の濃度を高める可能性がある』ということです。
 インスリン様成長因子-1IGF-1)」はがんの発生や進展を促進することが知られています。「インスリン様成長因子-1IGF-1)」はがん細胞の増殖を促進し、「インスリン様成長因子-1IGF-1)」の血中濃度が高い人は、がんの予後が悪いというデータもありますので、「がん患者にとっては、牛乳の摂取は良くない」と言えるかもしれません。

 人間の場合、成長過程に必要な成長因子やホルモンは、がん年齢(中年以降)になると、がんを促進する方向で作用します。例えば、男性ホルモンも女性ホルモンも、それぞれ前立腺がんや乳がんの発生を促進し、様々な成長因子や増殖因子はがん細胞の発育を促進します。したがって「乳幼児の時に有用な食品を、がん年齢(中年以降)の人々が摂取して問題ないのか?」という懸念があります。

 また「人類が農耕を始めてから、がんが増えている」という一部の意見によると、農耕が始まってから増えた食品が「穀物」と「乳製品」ということになっており、「穀物(糖質)と乳製品の摂り過ぎが、がん患者を増やしている」可能性を指摘する意見もあります。
 特に、糖質による「グリセミック負荷ブドウ糖負荷)」と「牛乳」や「乳製品」の組合せ(シリアルと牛乳、パン食と牛乳、ピザ、チーズバーガーなど)が発がんを促進する、という意見があります。
 牛乳に含まれるタンパク質には細胞の成長を促進するアミノ酸(ロイシン」など )が豊富であることが、がんの促進との観点から研究されています。


牛乳のアミノ酸組成は、がん細胞の増殖促進作用が高い

 がん細胞では増殖活性が高いので、栄養素の必要量も高いのは当然です。
 「がん細胞では、グルコース(ブドウ糖)やアミノ酸の取込みが亢進している」ことはよく知られています。

 グルコースやアミノ酸は、それぞれの「トランスポーター(Transporter輸送体)」を使って細胞膜を通過します。グルコースもアミノ酸も水溶性なので、細胞膜をそのままでは通過できないためです。
 がん細胞では、グルコースを取込む「グルコース輸送担体(グルコース・トランスポーター)」の発現量が増え、大量のグルコースを取り込んで、エネルギー産生と物質合成の材料に使っています。
 さらに、がん細胞では、多くの必須アミノ酸の取込みを担う「中性アミノ酸トランスポーター(参照1参照2)」の「LAT1(L-type amino acid transporter)」の発現が高まっています。「LAT1」は、ロイシンイソロイシンバリンフェニルアラニンチロシントリプトファンメチオニンヒスチジンなど大型側鎖を持つ中性アミノ酸を輸送し、多くのがん細胞で「LAT1」の発現が亢進しています。

 「LAT1」の発現はがん特異性が高いので、「LAT1」で選択的に取込まれる化合物にアイソトープを標識すると、がん組織を検出でき、その特異性と感度は PET検査より高いと言われています。また「LAT1 の発現量が多いがん細胞は増殖速度が早く、予後が悪い」という研究結果も報告されています。

 がん細胞に多く取込まれるアミノ酸のうち、「ロイシン」ががん細胞の増殖促進に重要な役割を担っていることが知られています。「ロイシン」は必須アミノ酸の一つで、イソロイシンバリンとともに、その分子構造から「分岐鎖アミノ酸類(Branched Chain Amino AcidBCAA)」に分類され、1日の必要量が必須アミノ酸9種中では最大のアミノ酸です。

 ロイシン」には「インスリン」分泌促進作用があり、筋肉の成長修復強化を助ける効果があります。そのため、スポーツ選手によく利用されているアミノ酸です。しかし、インスリンは、がん細胞の増殖を促進します
 一般に「インスリン」は血糖の上昇に応じて分泌され、糖質以外は「インスリン」分泌を高めない、と言われていますが、ロイシン」などいくつかのアミノ酸には「インスリン」の分泌を刺激し、さらに、がん細胞の増殖に重要な「mTORC1」の活性を高める作用がありますmTORC1」については後述 )。

 ブドウ糖以外が「インスリン」の分泌を高める機序としては、「インクレチン」と呼ばれる消化管ホルモンの関与が考えられています。食物が消化管に入ってきたことを感知してホルモンを分泌する細胞が消化管に存在します。「インクレチン」は、腸に食物が入ってきたり吸収されるのを感知して腸から分泌され、いろんな臓器に指令を出します。膵臓に働きかけて「インスリン」の分泌を促したり、脳に作用して食欲を抑えたり、胃に作用して胃から腸への食物の排出を抑制したりすることによって、血糖を下げる効果を示します。以下のような論文があります。


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   The insulinogenic effect of whey protein is partially mediated
     by a direct effect of amino acids and GIP on β-cells.

    (乳清タンパク質のインスリン分泌促進作用は、アミノ酸とグルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチドの
     β細胞に対する直接作用によって部分的に達成される

    〔Nutr Metab (Lond). 2012 May 30;9(1)48. doi10.1186/1743-7075-9-48.


【要旨の抜粋】

 「ホエイプロテイン(whey protein乳清タンパク質)」は、食後の血中「インスリン」濃度を高める。この作用は、アミノ酸の「ロイシンイソロイシンバリンリジンスレオニンと「インクレチン」の一種の「グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(glucose-dependent insulinotropic polypeptideGIP)」の血中濃度の上昇と密接に関連している。「ホエイプロテイン(乳清タンパク質)」の「インスリン」分泌刺激作用に対するこれらの因子の作用を、マウスの膵臓の「ランゲルハンス島」を使って検討した。

 健常人のボランティアに、糖質の含量が同じで、精白した小麦パン(white wheat breadコントロール)と「ホエイプロテイン(乳清タンパク質)」を摂取させた後に血液を採取し、培養している「ランゲルハンス島」の培養液に血清を添加して、「インスリン」分泌に対する作用を比較した。

 食後の血中のアミノ酸、及び「グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(glucose-dependent insulinotropic polypeptideGIP)」「グルカゴン様ペプチド-1(Glucagon-like peptide-1GLP-1)」の濃度は、精白した小麦パン(コントロール)を摂取後に比べて、「ホエイプロテイン(乳清タンパク質)」を摂取した後のほうが高かった。培養した「ランゲルハンス島」からの「インスリン」分泌を刺激する作用は、精白した小麦パン(コントロール)に比べて「ホエイプロテイン(乳清タンパク質)」を摂取した後では、摂取15分後の血清で87%の増加、摂取30分後の血清で139%の増加を認めた。
 「ロイシンイソロイシンバリンリジンスレオニンを組み合わせて添加すると、「インスリン」分泌は270%の増加を認めた。この増加は「グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)」を加えることによって558%の増加になった。
 この「ホエイプロテイン(乳清タンパク質)」による「インスリン」分泌促進は「グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)」受容体の阻害剤によって低下した。

 以上の結果から、牛乳の「ホエイプロテン(乳清タンパク質)」は、摂取後のアミノ酸や「インクレチングルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド〔GIP〕や グルカゴン様ペプチド-1〔GLP-1)」の血中濃度を高め、膵臓の「ランゲルハンス島」の β細胞を直接刺激して「インスリン」の分泌を促進する作用が示された。


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 牛乳に含まれるタンパク質(牛乳タンパク質)の多くは「ホエイプロテイン(乳清タンパク質)」と「カゼイン」です。
 牛乳タンパク質の割合は、「ホエイプロテイン(乳清タンパク質)」が約20%、「カゼイン」が約80%です。
 これらのタンパク質は「インスリン」や「インスリン様成長因子IGF)」の産生を刺激するようなアミノ酸組成になっていることが示唆されています。その理由は、牛乳には、子牛の成長を促進する必要があるからです。

 肉のタンパク質(肉タンパク質)にも、これらのアミノ酸が含まれていますが、その組成は牛乳タンパク質に比べると、「インスリン」や「インスリン様成長因子IGF)」の産生を刺激する作用は弱いことが報告されています。

 牛乳タンパク質のうち、「ホエイプロテン(乳清タンパク質)」は「インスリン」の分泌刺激が強く、「カゼイン」は「インスリン様成長因子IGF)」の分泌刺激が強いようです(下表)。

 「カゼイン」は牛乳タンパク質の約80%を占め、チーズに多く含まれています。
 「カゼイン」ががんの増殖を促進することが指摘されていますが、「インスリン様成長因子IGF)」の産生と関係しているかもしれません。「チーズはがんには良くない」可能性が示唆されます。

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上図の「IGF-1」は「Insulin-like Growth Factor-1」で「インスリン様成長因子-1」です。
 上図の「ロイシン」「インスリン」「インスリン様成長因子IGF)」の3つは、癌の増殖を刺激し、促進させる作用が強いので、癌の食事療法の選択の上で特に注意せねばなりません。この3つが多い食品を摂れば、当然、癌の増殖が促進されます。上図では、《》が多いほど、その含量や分泌量が多いことを示しており、↑↑↑↑↑ になります。

 牛乳タンパク質の約80%も占めている「カゼイン」が癌患者にとって『癌の促進剤増癌剤)』となることを伝えてくれたのは、世界的に著名である「チャイナ・スタディ」を著された「T・コリン・キャンベル」博士です。

               

        チャイナ・スタディ左3冊 日本語訳 上下巻  右1冊 原本英語ペーパーバック版

 「チャイナ・スタディ」とは長期間にわたって行なわれた中国での大規模疫学調査「チャイナ・プロジェクト」の分析結果を明らかにしたものですが、この中で「コリン・キャンベル」博士はこのように言われています。

   絶えず「癌の発生・増殖を強力に促進させるもの」の存在が分かったのである。それは「カゼイン」だった。
    これは牛乳のタンパク質の87%を構成しているもので、癌の形成、増殖のどの過程でも作用していたのである。
    また、大量に摂取しても、癌の形成増殖を促進しないタイプのタンパク質も発見した。
    それは、小麦や大豆などの植物性のもの〔植物性タンパク質〕だった。


   動物性食品は、癌の最大の要因である。
    この食習慣を止めれば、癌ばかりか、心臓病脳梗塞糖尿病骨粗鬆症関節リュウマチ、ほか、
    様々な自己免疫疾患アルツハイマー病白内障加齢黄斑変性など、あらゆる病気を予防し、
    回復させることができる。


   動物性タンパク質は、腫瘍の成長を促進させることが証明されている。
    「カゼイン牛乳の主要タンパク)」が多い食事は、細胞により多くの発癌物質を摂り込ませてしまう。


   動物性タンパク質は「癌の促進剤」である。
   動物性食品からの栄養は「腫瘍の成長」を増加させ、植物性食品は「腫瘍の成長」を減少させる。
   動物性タンパク質を最も多く摂っている子どもが、肝臓癌になる率が最も高い。

 「コリン・キャンベル」博士は「チャイナ・スタディ」の中で、以上のことを科学的医学的に詳しく説明しています。
 牛乳タンパク質の「カゼイン」や 動物性タンパク質が『癌の促進剤増癌剤)』となることをこんこんと説かれ、「癌患者がこんなもん(肉製品乳製品)摂ってたら、あかんでぇ~! このデータ見れば分かるやろォ~!」と口が酸っぱくなるほど叫ばれているのです。
 逆に、小麦や大豆などの植物性タンパク質は大量に摂取しても癌の形成増殖を促進することはなく、植物性食品は癌の成長を減少させる、と言われています。また「福田一典」医師も「糖質は可能な限り減らす! - 福田一典 医師」記事にて、玄米玄麦雑穀などの全粒穀物〔未精製穀物未精白穀物〕が癌の発生や再発予防に有効であることは多くの研究で示されている、とお話しされています。全粒穀物〔未精製穀物未精白穀物〕や菜食の食事が癌治療に有効することは、もはや、欧米の先進国が共通して示している見解です。

 ちなみに「コリン・キャンベル」博士は「コーネル大学栄養生化学部」の名誉教授であり、コーネル大学オックスフォード大学中国予防医学研究所による大規模な共同研究である「チャイナ・プロジェクト」の総指揮を任された世界的権威です。
 「コリン・キャンベル」博士はこの研究結果があまりにも衝撃的だったため、博士ご自身がご家族とともに完全な菜食主義者になってしまったほどです。肉製品乳製品が健康を害する最悪な食品であるのが科学的に解明され、もう怖くて食べられなくなってしまったそうです‥。
 「チャイナ・スタディ」の内容と「コリン・キャンベル」博士につきましては、次の記事を参照されてください。

   「チャイナ・スタディ」が明かす、肉食の真実!【M報告、丹羽靱負博士、牛乳、他】

 私はもともと肉食三昧で育った口でしたが、途中から食養に目覚め、食養の中でも最高峰の「生菜食」に転向した影響から、今では肉製品乳製品はもうほとんど食べなくなりました。しかし、私自身がもともと肉食三昧で育ったので、家族団らんで「すき焼き」を食べたりする喜びは私も知っていますので、肉製品乳製品の食事を非難することは一切ありませんし、肉食(獣肉食)を悪とまで言う気もありません‥。
 しかしながら、当記事で「福田一典」医師が伝えられている内容や「チャイナ・スタディ」の「コリン・キャンベル」博士が伝えられている内容は、今や著名な医学博士や医師が共通して訴えるようになってきていますから、特に癌患者さんはこれらの科学的医学的に解明されている癌研究報告の内容を甘く見ず、ご自身の癌治療に活かされるべきです。つまり「ご自分の癌が改善するまでは、食事から肉製品乳製品を排除すべきです! そのほうが癌を改善する上で有益となるはずですよ!」ということです。癌患者のみなさんは、これらの著名な癌研究報告が伝えている内容をご覧になって、そう思わないのでしょうか‥。これらの癌研究報告に対して正常に判断すれば、「肉製品乳製品が癌の増殖を促進させてしまう食品であるならば、癌が改善するまでは食事から肉製品乳製品を排除したほうが良いだろう!」という答えが自ずと出るはずだと、私は思います。

 また、私は霊学を重視している一人なのですが、霊学では昔から共通して「地球の人類が進化した暁には、まず肉食の習慣を止めて菜食少食となり、やがて、人類は不食になって行く」と説かれているのですが、これが今、世界規模で現象化している感があります。現に、今や世界規模で菜食主義者が増えており、不食者も増えつつあります。この日本においても、肉食の習慣を止める人、菜食を重視する人が増え、また、少食断食というワードが一般化しており、さらに不食も一般的によく知られるようになりました。
 不食というのは古くはインドの古典である『ヨーガ・スートラ』に登場しているほどで、不食者の実在は人類史では古くから知られています。「ヒマラヤ」には昔から多くの聖者がいて、その中には不食者もおり、これは著名な学者が実際に行って確認しているそうです。
 今、世界規模で、肉食の習慣を止める人、菜食主義者になる人、少食断食を実行する人、さらに不食になる人が増えている〔これは、日本においても同様です〕という人類の潮流が生まれている中にあって、肉食の習慣を継続すること、肉食の習慣を深めることは、この地球の人類の進化途上の流れとまず逆行するような気がして、私は「あまり、お薦めはできないよなァ~」という気持ちが正直あります。ましてや、私や私の家族が「生菜食」に救われた経緯があることも重なって、私はその気持ちを年々強く持つようになってきました。
 肉食問題は環境破壊や環境汚染、そして、動物の生命の問題など、いろいろと言われていますが、この肉食問題に関しては、あとは「当人の感性(精神性)と縁(えにし)の問題である」と私は思っています。肉食を止めてから心身の健康を手に入れる人もいますし、肉食を止めてから心身に問題が発生する人もいて、事実、この両方のパターンが存在しますから、これはもう、科学医学生化学栄養学の基準常識を超えたところにある、当人の感性〔精神性思考性意識性〕、及び、当人が持つ縁〔えにし〕の問題であろうと感得せざるを得ないのです。ましてや、不食者に至っては、現代の科学医学生化学栄養学の常識ではまだ解明できない点ばかりであり、人智を超えたところまで配慮して考えねばならないことを痛感させてくれることです。肉食に関しましても、人間の科学医学生化学栄養学の常識だけで判断してしまうと思わぬ落とし穴があることを、どうか、忘れないで頂きたいと思います。

 上記の研究論文は「精白した小麦パン(精製穀物精白穀物)」と「ホエイプロテイン(乳清タンパク質)」における双方の「インスリン」の分泌程度を比較検討したものです。
 「精白した小麦パン(精製穀物精白穀物)」はもろに「ブドウ糖」の摂取となり、癌を育てます〔ブドウ糖は癌の最大の餌となります参照カテゴリ〕。それだけでなく、血糖値を急上昇させて「インスリン」を大量に分泌させ、この「インスリン」には『癌の増殖を促進する作用』がありますので、「精白した小麦パン」のような精製穀物〔精白穀物白米白パンなど〕の摂取は「ブドウ糖」&「インスリン」のダブルパンチで癌を育ててしまうことが分かります。
 では、「ホエイプロテイン(乳清タンパク質)」ならば「ブドウ糖」の摂取にはならないので良いかと言えばそうではなく、「ホエイプロテイン(乳清タンパク質)」は「精白した小麦パン(精製穀物精白穀物)」よりも「インスリン」を異常なほど大量に分泌させてしまうため、「ブドウ糖」を摂取していなくても「インスリン」によって癌を増殖させてしまう可能性があるわけです。
 この研究論文は、牛乳タンパク質は精製穀物〔精白穀物〕よりも「インスリン」を大量に分泌させ、さらに「ロイシン」などのアミノ酸と組み合わせると「インスリン」の分泌が異常なほど高まる‥、つまり、牛乳タンパク質を含んでいる牛乳乳製品は、精製穀物〔精白穀物〕よりも「インスリン」を大量に分泌させ、その「インスリン」の『癌の増殖を促進する作用』により癌の増殖が進行してしまう‥、ゆえに、牛乳乳製品は精製穀物〔精白穀物〕よりも癌を増殖させる可能性がある食品である、と伝えているわけです。

 以上のことから言えることは、「牛乳」はおろか、上記で「福田一典」医師が指摘していた「チーズ」も癌を増殖させる最悪食品であり、腸内を整えて腸内の善玉細菌を育てるので身体に良いとされている発酵食品「ヨーグルト」は癌を増殖させる最悪発酵食品であることが分かります。「ヨーグルト」という発酵食品は、腸内細菌を育てるのと同時に、癌をも育ててしまう発酵食品ですから、癌患者さんは必ず要注意されてください。「福田一典」医師も「ヨーグルト」は「インスリン」の分泌を高める〔「ヨーグルト」は「牛乳」と同様に「インスリン」の分泌を高め、癌の増殖を刺激する作用が強い 〕と下記されています。

 また、肉製品は牛乳乳製品ほどではないにしろ、牛乳乳製品に次いで癌を増殖させる最悪食品ですから、肉製品についても、牛乳乳製品とともに必ず要注意されてください。
 世の中には、末期癌患者さんで「獣肉」を食べた直後に様態が急変され、短期間のうちにそのまま亡くなられる癌患者さんが実際におられます。この症例は、癌患者が「獣肉」を食べることの危険性を伝える事例であり、癌患者が「獣肉」の食事を甘く見ることの恐ろしさを教示しているものでもあります。ここは、次の記事を参照されてください。

    癌患者が獣肉食を甘く見るのは、ご自分の生命を軽く見るのと同意です
     【獣肉を食べた直後から様態が激変して亡くなられる癌患者さんの症例から、獣肉食の答えを探る・・・】


 肉製品というのは主に「獣肉(四足動物)」のことを指しており、鶏肉を含む場合もあるでしょう。「丹羽耕三」医学博士は『肉製品乳製品は癌を育てるが、魚介食は癌を育てずに正常細胞を育てる参照記事』とお話しされていますので、癌患者さんが肉食をする場合は「魚介食」が良いです。ここは「癌治療に有効な「魚の食事」」カテゴリを参照してみてください。

 当ブログサイトでは『肉製品乳製品は癌の増殖を促進させる最悪食品であり、癌の促進剤である』と何度も繰り返しお話しさせて頂いています。「福田一典」医師の他にも、京都大学名誉教授の「和田洋巳」医学博士(参照記事)、「丹羽耕三」医学博士(参照記事)など、著名で名立たる先生方がこの『肉製品乳製品は癌の増殖を促進させる促進剤となる』ことを共通して指摘されています。癌患者さんは、ここは絶対に甘く見ないほうが良いです。詳しくは「肉食・乳製品の真実」カテゴリを参照してください。

 これらの内容はすでに著名な学者たちにより科学的医学的に正式に解明されているものであり、癌の食事療法を考える上で絶対に無視してはならないことです。この見解を支持する医学博士医師は多いですから、癌における肉製品乳製品の食事は甘く考えないほうが良いのではないかと思いますブログ管理人



 タンパク質も摂り過ぎるとがんを促進しますが、その種類も重要です。
 ロイシンイソロイシンバリンの「分岐鎖アミノ酸」の豊富な牛乳や乳製品は、がん細胞の増殖を刺激する作用が強いと言えます。あるいは、牛乳タンパク質は「インスリン」や「インスリン様成長因子IGF)」の分泌を刺激する活性を高めるような組成になっているというのが正しいかもしれません。

 牛乳のタンパク質のアミノ酸組成は「ロイシンバリンイソロイシンといった「分岐鎖アミノ酸」が多く、「mTORC1」を活性化する作用が最も高いタンパク質と言われています。
 牛乳の主なタンパク質である「乳清タンパク質(ホエイプロテインwhey protein)」には「ロイシン」が14%、「カゼイン」には「ロイシン」が10%含まれています。
 「ホエイプロテイン(乳清タンパク質)」は、運動選手が筋肉を付けるためにサプリメントとしてエビデンスがあります。
 牛乳タンパク質は体力増強には好都合ですが、がんがある場合は、がん細胞の増殖を促進する可能性が高いので、摂り過ぎには注意が必要です

 シグナルの大きさは、量ではなく速度(濃度の差)と言われています。「ロイシン」を多く摂取しても、吸収がゆっくりであれば「インスリン」分泌を促進する作用は高くありません。量が少なくても、急速に上昇すれば、「インスリン」を分泌する反応が高まります。牛乳中の「ホエイプロテン(乳清タンパク質)」は「ロイシン」の含有量が多く、消化管内で簡単に加水分解されて、摂取後の血中「ロイシン」濃度は急速に上昇するので、「インスリン」の分泌を刺激し、「mTORC1」を活性化します。ヨーグルトも牛乳と同様に「インスリン」を高め、「mTORC1」を活性化します

 このような理由で、肉や魚のタンパク質(肉タンパク質)に比べて、牛乳のタンパク質(牛乳タンパク質)はがん細胞の増殖を刺激する作用が強いと言えます。


「ロイシン」の「mTORC1」活性化作用

 「mTORmammalian target of rapamycin哺乳類ラパマイシン標的タンパク質)」は「ラパマイシン」の標的分子として同定された「セリン・スレオニンキナーゼ」で、細胞の分裂や生存などの調節に中心的な役割を果たすと考えられています。
 はじめ、酵母における「ラパマイシン」の標的タンパク質が見出されて「TORtarget of rapamycin)」と命名され、後に哺乳類の「ホモログ」が見出されて「mTORmammalian target of rapamycin)」と命名されました。

 「mTOR」には「mTOR複合体1mammalian target of rapamycin complex 1mTORC1)」と「mTOR複合体2mammalian target of rapamycin complex 2mTOR2)」の2種類があります。
 「mTORC1」は、成長因子や、糖やアミノ酸などを含む栄養素のセンサーとして機能します。
 「mTORC2」は、細胞骨格やシグナル伝達の制御をしています。

 「インスリン」や「インスリン様成長因子IGF)」や「ロイシン」が刺激するのは「mTORC1」のほうです。
 「mTORC1」は、糖やアミノ酸などの栄養素の状況、エネルギー状態、成長因子(増殖因子)などによる情報を統合し、エネルギー産生や細胞分裂や生存などを調節しています。
 すなわち、細胞内の栄養やエネルギー環境の変動によって活性が制御され、シグナル伝達の下流に存在する様々な「キナーゼタンパク質リン酸化酵素)」などを介して、タンパク質の合成やエネルギー産生、細胞増殖など様々な細胞内の反応に関与しています。

 「mTORC1」を活性化するシグナル伝達経路の代表は、「インスリン」や「インスリン様成長因子IGF)」などの成長因子の受容体から惹起される「PI3K-AKT シグナル伝達系」です。
 すなわち、細胞が増殖因子などで刺激を受けると「PI3キナーゼPhosphoinositide 3-kinasePI3K)」という「リン酸化酵素」が活性化され、これが「Akt」という「セリン・スレオニンリン酸化酵素」をリン酸化して活性化します。活性化した「Akt」は、細胞内のシグナル伝達に関与する様々なタンパク質の活性を調節することによって細胞の増殖や生存()の調節を行ないます。
 この「Akt」のターゲットの一つが「mTORC1」です。「Akt」によってリン酸化(活性化)された「mTORC1」は、タンパク質や脂質の合成や、細胞分裂や細胞死(アポトーシス)や「血管新生」やエネルギー産生などに作用して、がん細胞の増殖を促進します。

 この経路を「PI3K / Akt / mTORC1 経路」と言い、「がん細胞や肉腫細胞の増殖を促進するメカニズム」として極めて重要であることが知られています。
 すなわち、「PI3K / Akt / mTORC1 経路」の阻害はがん細胞や肉腫細胞の増殖を抑制し、細胞死(アポトーシス)を誘導することができるため、がん治療のターゲットとして注目されています。
 「PI3K / Akt / mTORC1 経路」の阻害は、抗がん剤や放射線治療の効き目を高める効果も報告されています。
 「mTORC1」阻害剤は免疫抑制という欠点を持ちますが、がん細胞や肉腫細胞の多くにおいて「mTORC1」が活性化されているため、抗がん剤として有効性が高く、すでにいくつかの「mTORC1」阻害剤が開発され、抗がん剤として使用されています。

 「mTORC1」を活性化する別のルートがアミノ酸の「ロイシン」です。
 ロイシン」には「インスリン」の分泌を促進する作用が知られており、筋肉を増やす効果があります。そのため、スポーツ選手が筋肉を増やすためのサプリメントとしても利用されています。
 さらに最近の研究で、ロイシン」が直接「mTORC1」を活性化する機序が報告されています
 つまり、アミノ酸の供給が増えれば、細胞が成長し分裂を刺激するということです。タンパク質の摂り過ぎががんを促進するという理由とも関連しています。

 牛乳に含まれるタンパク質には「ロイシン」が多く、牛乳のタンパク質(牛乳タンパク質)は肉のタンパク質(肉タンパク質)に比べて「mTORC1」を活性化する作用が強い、という研究報告があります。以下のような論文があります。

   The impact of cow's milk-mediated mTORC1-signaling in the initiation and progression of prostate cancer.
    (前立腺がんの発生と進行における牛乳による「mTORC1 シグナル伝達」の影響
    〔Nutr Metab (Lond). 2012974.

 前立腺がんは男性ホルモン受容体を介するシグナル伝達と「PI3K / Akt / mTORC1 シグナル伝達系」を介して増殖が促進され、進行した前立腺がんのほぼ100%で「mTORC1」の活性が高くなっています。

 一方で、牛乳や乳製品の摂取が前立腺がんの発生や進行を促進することが知られています。
 この論文では、牛乳が「mTORC1」を活性化して前立腺がんの発生や進展を促進することを解説しています。
 特に、牛乳タンパク質に多く含まれる「ロイシン」は「PI3K / Akt 系」を介して「mTORC1」を活性化するだけでなく、直接的に「mTORC1」の活性を高める作用もあるということです。

 牛乳が「mTORC1」を活性化することは、乳幼児期の成長を早める目的では有用ですが、青年期以降も飲み続けると、牛乳による「mTORC1」の活性化は発がん促進につながると言えます。牛乳の飲み過ぎが前立腺がんや思春期のニキビを増加させるのは「mTORC1」の活性化が関与しているという論文があります。

 培養細胞を使った実験では「牛乳のタンパク質を試験管内でアミノ酸まで消化して添加すると、増殖速度が30%増加した」という研究もあります。「牛乳タンパク質のアミノ酸組成は細胞の増殖を促進する作用がある」ということです。
 このような増殖促進作用は「肉では弱い」と言われています。

 細胞は栄養が充分にある状態を感知すると、タンパク質の合成や細胞分裂を起こそうとします。
 「mTORC1」は細胞内の栄養素の供給状況やエネルギー量を総合的に判断するセンサーです。したがって、必須アミノ酸で最も必要量の多い「分岐鎖アミノ酸」の「ロイシン」に「mTORC1」を直接活性化する作用があることは合理的と言えます。

結局、癌細胞の増殖が刺激されて促進するのは「mTORC1」が活性化することによるものであり、この「mTORC1」を刺激して活性化するのが「ロイシン」「インスリン」「インスリン様成長因子IGF)」の3つなわけです。ゆえに、「ロイシン」を多く含み、「インスリン」や「インスリン様成長因子IGF)」の分泌を促進する牛乳乳製品は、癌の増殖を刺激して促進する食品であるということです。肉製品も、牛乳乳製品に次いで癌の増殖を刺激して促進する食品です。
 この見解の上に立てば、癌患者が肉製品や牛乳乳製品を摂取することは「癌の増殖に加担する行為」であることがお分かりになられるはずですから、癌の食事療法として肉製品や牛乳乳製品を選択することは「賢明な食事療法」とはとても言えないということが理解できるはずなのです。
 癌の食事療法に肉製品や牛乳乳製品を取り入れるというのは、まるで『癌よ育て♪ 後援会』に加入するようなものです。それは「福田一典」医師が懇切丁寧にまとめ上げてくださった当記事をご覧になって頂けば、充分にお分かり頂けるはずです。私からすれば、癌患者が肉製品〔主に獣肉)や牛乳乳製品を貪る行為は「癌を自らより一層育ててしまう」狂気の沙汰にしか映りません。癌患者でありながら、肉製品〔主に獣肉〕や牛乳乳製品を摂取し続けている癌患者さんは、肉製品〔主に獣肉〕や牛乳乳製品が癌患者が摂るべき食品であるのかをよく考えられてみてください。

 上述しましたように『肉製品乳製品は癌を育てるが、魚介食は癌を育てずに正常細胞を育てる参照記事』ので、癌患者さんは肉製品〔主に獣肉〕や牛乳乳製品よりも魚介食を選択したほうが良いでしょう。魚介食から得られる油は良質ですし、魚のタンパク質も良質で奇麗な血液をつくるのに役立ちます。日本人が伝統的に食べてきたのは、肉製品〔主に獣肉〕や牛乳乳製品ではなく、魚介食です。ですから、日本人の消化酵素や腸内細菌は、肉製品〔主に獣肉〕や牛乳乳製品よりも魚介食に適合しています。日本民族の伝統食に含まれていない肉製品〔主に獣肉〕や牛乳乳製品など、無理して食べる必要はまったくありません。『伝統食を食べることが重要である』という見解は、世界では医学的常識になっています
ブログ管理人


ブドウ糖負荷(グリセミック負荷)」+「乳製品」は、がんを促進する

 「グリセミック負荷ブドウ糖負荷)」とがんの関連については「310話」で解説しています。
 (参照記事糖質は可能な限り減らす! - 福田一典 医師

 「ブドウ糖負荷グリセミック負荷)」が高い食事は「インスリン」分泌を高め、その結果、「PI3K / Akt / mTORC1 シグナル伝達経路」を活性化します。
 しかし、アミノ酸が不足していると「インスリン」は「mTORC1」を充分に活性化できません。つまり、「インスリン」とアミノ酸(ロイシン)の両方のシグナル(「ブドウ糖とアミノ酸が充分にある」というシグナル )が無いと、「mTORC1」は充分に活性化できないのです。

 したがって、がんの予防や治療の観点からは、ブドウ糖負荷グリセミック負荷)」+「牛乳タンパク質」の組合せは、がんを促進する可能性が高いと言えます
 このような食事としては「コーンフレークとミルク」「パンとミルク」「ピザ」「チーズバーガー」などが代表です。

 「精製度の高い穀物(精製穀物精白穀物)」と「乳製品」の組合せは、農耕が始まるまで無かった食事パターンです。
 「新石器時代に農耕が始まってから、がんが増えた」という考え方も「mTORC1」の活性化という観点からは、多少は根拠があるかもしれません。

上記の『新石器時代に農耕が始まってから、がんが増えた』というのは、これではあまりにも説明不足です。この表記では、まるで癌が「農耕が始まってから(約1万年前)」どんどん増えてしまったかのように思われる方もおられるかもしれません。しかし実際の人類史を見れば、癌は「農耕が始まってから(約1万年前)」という、そんな大昔から増えていた疾患ではなく、つい近代に入ってから本格的に増え始めた疾患であることが分かります。

 この「約1万年前に、人類が農耕を始めてから癌が増えた」には『人類が約1万年前に農耕を始め、糖質を主食にするようになってから癌が増えた』という内訳が含まれており、これが「人類は糖質を主食にしたために、癌になるようになった」という誤解を生んだのですが、人類が本当に癌になるようになったのは、実際は「つい最近の出来事」なのです。
 まず、アメリカは「開拓時代のアメリカには、癌はほとんどなかった」と打ち明けており、上述の「チャイナ・スタディ」も「第二次世界大戦以前の人類には、癌はほとんどなかった」と報告しています。これは日本も同様で「昔の日本に癌はほとんどなく、昔の日本では、癌は奇病と呼ばれるほど稀な病気だった」わけです。

 また、次の記事を参照して頂きたいのですが、

   癌は人為的な現代病【癌は過去の人類史にはほとんどなく、現代に新たに生み出されてしまった疾患】
   癌は先進国に現われた「現代病」である(4)【英マンチェスター大学、 A. Rosalie David 教授による見解】

 イギリスの「マンチェスター大学」生物医学エジプト学 KNH センターの「A. Rosalie David」「Michael R. Zimmerman」の両教授は「エジプトの数百体のミイラを調査した結果、たった1体からしか癌が発見されなかった」と報告しています。癌と診断された1体のミイラは2200~2400年ほど前の一般人で直腸癌だったそうです。この結果から「古代において、癌は稀な疾患だった。これは、癌の要因が現代の工業化社会にしか存在しないことを証明している。癌は汚染や食事などの環境因子によって引き起こされる現代病で、人間によって人為的につくり出された可能性が高い」とする研究結果を発表しました。
 この「工業化社会」というのは現代の「先進国社会」のことですから、以上を考慮すれば『癌はつい最近になってから増えた現代病である』と見なすべきなのは言うまでもありません。ですから「約1万年前に、人類が農耕が始めてから癌が増えた」、つまり『人類が糖質を主食にし始めてから癌が増えた』とする見解は、やはり、間違いであると理解すべきなのです。

 もし、糖質が本当に癌の原因になるのであれば、昔だって権力者や金持ちは〔全体からすれば少なかったでしょうけれども〕結構たくさんいたわけですし、〔現代の先進国ほどではないにせよ〕贅沢な食事〔糖質の過剰摂取ができる食事〕を食べることができる人々もそこそこ大勢いたのですから、もし、本当に「糖質が癌の原因である」ならば、癌は昔から人類にたくさん発生し、その痕跡を多く残しているはずですが、しかし実際の人類史を見れば、そうではないことが分かるわけです。
 当然、糖質の過剰摂取により疾患を起こす人々は昔からいました。ところが、その割には昔の人類には癌がほとんど存在していなかったのです。ここから見出されることは『癌は、糖質が主原因で起こる疾患ではない』ということです。

 以上をまとめますと、人類に癌が本格的に増え始めたのは「農耕が始まってから(約1万年前)」などという大昔ではなく、人類史では「つい最近の出来事」、先進国で工業化が進んだ「ここ数十年間」の話だと思われます。
 これは、日本の歩みを見ればよく分かりますね。日本が工業化を押し進め、先進国の仲間入りを果たしてから、癌が爆発的に激増化しているのです。日本人は昔から糖質をしっかり摂取していた民族でしたが、昔の日本には癌は稀であり、ほとんど存在していなかったのです。この事実を見れば、癌は「糖質の云々カンヌン」だけの問題ではないことがお分かりになるはずです。
 人類に癌が本格的に増え始めたのは「たった数十年前から」のことであり、人類史においては「つい最近の出来事」である、というのが真相なのです。癌は明らかに工業化を果たした現代の先進国に現われた現代病であり、糖質以外の問題が深く絡んでいる疾患であると見たほうが賢明だと思います。
 おそらく、糖質の過剰摂取は「癌の発生を増長する要素の一つ」には挙げられるけれど、『癌の原因は、糖質の過剰摂取だけではない』とする見解が正しいのではないかと思います。癌の原因について「糖質の云々カンヌン」しか見ないようでは、癌の本質を知ったうちには入らないように思います。
 癌は「身体の酸化酸化体質)」が主原因ですけれども、「身体を酸化させる原因」は糖質の過剰摂取だけではないのです。もっと、すべての可能性〔癌化要因〕にバランスよく目〔心眼〕を向けなければ、癌の本質にはたどり着けないでしょう。

 そもそも、現実として「糖質を過剰摂取していない人々(または、動物)に、なぜ癌が発生する症例があるのか?」について説明できない限り、「糖質の過剰摂取が癌の原因だ!」とする見解は、一極部視点に陥った「思い込み」に過ぎないと言わざるを得ません。
 もう一度言いますが、現に「糖質の過剰摂取とは無関係のところで癌が発生している」のですよ‥。この実地に現われている現実を無視し、これに対して何の説明もせずして「糖質の過剰摂取が癌の原因だ!」と言われても、それは正確な見解を示したことにはならないのです。糖質をしっかり摂取していても、癌にならない民族はたくさんいます。「糖質の云々カンヌン」だけで癌を見てはなりません。

 世間では今、糖質を責める方々が増えましたが、この人たちは「飢え(飢餓)」を知らないのです。「飢え(飢餓)」の中に身を置けば、そんな「ふざけた考え方」など一気に吹っ飛ぶものです。人類における「糖質の奥の役割」を知らず、糖質を簡単に責める人たちは問題だと思います。精製糖質〔精白糖質精製糖〔精白糖人工甘味料などの「不健全不自然な糖質」に関しては私も危険だと思いますが、今まで人類を養ってくれた「天然の糖質」自体を責めるのは間違っています。糖質だけに癌の原因を押し付けて、糖質以外の癌化要因を無視する〔軽んじる〕のは賢明とは言えません
ブログ管理人

 牛乳というのは、単にエネルギーと栄養素を補給するだけでなく、「体や細胞に働きかけて増殖を促進する」何らかの特徴があるはずです。
 牛乳の中には様々なホルモンや成長因子が含まれているのも、その一つです。そして、牛乳に特徴的なタンパク質(「乳清タンパク質」や「カゼイン)は「mTORC1」系を活性化するようなアミノ酸組成を持っているようです。
 上述のように、肉のタンパク質(肉タンパク質)や植物性タンパク質に比べて、牛乳タンパク質が最も「インスリン」や「インスリン様成長因子-1IGF-1)」の血中濃度を高めることが明らかになっています。
 インスリン」と「インスリン様成長因子-1IGF-1)」は「PI3K / Akt」を介して「mTORC1」を活性化します
 アミノ酸の「ロイシン」は「mTORC1」を直接活性化します

上述の如く、癌細胞の増殖が刺激され促進してしまうのは「mTORC1」が活性化されるからです。この「mTORC1」を刺激して活性化するのが「ロイシン」「インスリン」「インスリン様成長因子IGF)」の3つです。
 ここから何が言えるのかと言うと、「ロイシン」「インスリン」「インスリン様成長因子IGF)」の3つが癌の増殖を刺激して促進させる「mTORC1」の活性化を陰で仕掛けていた『重要人物重要物質)』であると同時に、この「お三方」こそが『癌の増殖三人衆』だった!と言えるわけなのです。癌患者さんはこの「お三方」には本当に要注意です。
 この「お三方」がもろに揃っている牛乳乳製品は特に要注意であり、次いで注意が必要なのが肉製品〔主に獣肉〕なので、癌患者さんは肉製品や牛乳乳製品は避けたほうが賢明と言えるでしょう
ブログ管理人

 すべての哺乳類のミルクには、タンパク質1g当たり、0.1gの「ロイシン」が含まれています。
 しかし、ミルク中のタンパク質含量には差があり、ミルク中のタンパク質含量(したがって「ロイシン」の量)の多い動物は新生時期の成長が早いと言われています。

 「ロイシン」の含量は、ラットのミルクが11g/L、猫のミルクは8.9g/L、牛乳が3.3g/L、ヒトのミルクには0.9g/Lです。一方、新生時期に生まれた時の体重が2倍になるまでの期間は、ラットが4日、猫は10日、牛は40日、ヒトは180日です。
 子牛が生まれてから最初の1年間の体重の増加は1日当たり0.7~0.8kg、人間の場合は1日に0.02kg で牛の40分の1程度だそうです(Nutr Metab (Lond). 2012974.)。
 ヒトのミルク(母乳)は牛乳に比べると「ロイシン」による「mTORC1」の活性化率は低いと言われています。実際、人間の場合、母乳よりも牛乳をベースにしたミルクのほうが、哺乳後の血中の「ロイシン」「インスリン」「インスリン様成長因子-1IGF-1)」の濃度が高いと言われています。人間の場合、脳の発育に時間がかかるので、体の成長を抑えるようにミルクの「mTORC1」活性化作用が弱まっているのかもしれません。

 「肉のタンパク質(肉タンパク質)には、このような増殖を刺激するような作用は弱い」のですが、「赤身の肉」は別の機序(酸化ストレス」を高める )でがんを促進するので、推奨できません。
 タンパク質源としてがんの予防と治療の観点から適しているのは、大豆ナッツ類(クルミなど魚介類鶏肉(脂の少ない部分)ということになります。野菜にもある程度(100g当たり、1~数g)のタンパク質が含まれています。

上記の中に『赤身の肉は別の機序(酸化ストレス」を高める )でがんを促進するので、推奨できません』というところがありますが、ここにつきまして「福田一典」医師は「「酸化ストレス」の軽減は 癌の進行を抑制する!」記事にて、次のようにお話しされています。

  「赤身の肉」や「動物性脂肪の多い食事」ががんの発生を促進する一番の原因は、
    これらの食品が体内で活性酸素やフリーラジカルを発生させる原因になるからです。
    野菜や果物ががんを予防するのは、活性酸素やフリーラジカルを消去する「抗酸化物質」を多く含むからです。
    穀物も、精白したものよりも「未精白の全粒穀物(玄米など)」ががん予防に推奨されている一つの原因は、
    精白で除去される胚芽や糠の中に抗酸化作用のある成分が多く含まれているからです。
    野菜や果物や豆類や全粒穀物のように、植物が含む「抗酸化成分」をまとめて摂取することは、
    がんや老化の予防に効果があることは、多くの研究が支持しています。


 癌は「身体の酸化酸化体質)」によって起こる症状で、「癌は、酸化していない細胞や組織には転移することができない」のです。このことからも、「酸化ストレス」を高めて「身体の酸化酸化体質)」を深めてしまう肉製品〔主に獣肉〕の食事は避けるべきだと思います。「酸化ストレス」をより高めてしまうことは、癌の増殖悪性化転移を不要に増大させ、癌をより進行させてしまうことを意味します。
 癌を改善する上では少しでも「酸化ストレス」を軽減せねばなりませんから、「抗酸化成分」が多く含まれている全粒穀物豆類野菜を積極的に摂取すべきでしょう。果物は糖分が多く、「ブドウ糖は癌の最大の餌であり、糖分が癌を育ててしまう」わけですから、果物の摂取は適宜にとどめ、大量に摂取することは控えるべきだと思います。

 また、肉製品や牛乳乳製品は「酸化している食品酸化食品)」です。このような「酸化食品」を摂取すると「身体の酸化酸化体質)」がなおさら深まります。
 ここにつきましては「肉製品・乳製品は「酸化食品」ゆえ、身体を酸化する「酸化食」である 」カテゴリの中の次の記事を参照してください。

    獣肉を食べると 著しい『酸化物質』ができる!
     肉食は「身体の酸化」を促進させることになる『酸化食品』であり、
     身体をさらに酸化させてしまう『酸化食』である!


 この視点から見ても、「身体の酸化酸化体質)」を少しでも改善せねばならない癌患者が肉製品や牛乳乳製品を摂取するのは避けるべきであると考えられます。

 上記では『肉のタンパク質(肉タンパク質)には、このような増殖を刺激するような作用は弱いのですが‥』と書かれてありますが、いくら増殖促進作用が弱いと言っても、その増殖促進作用自体は確かに「あることはある」のですから、少しでも癌を自然抑制しようとする立場から見れば、肉製品も牛乳乳製品とともに避けるべき食品だと私は思います。これは当たり前な話ですが、癌の増殖を自然抑制する上で、そのほうがより癌治療に有益となるのが目に見えているからです。癌の増殖に加担するような食品など一切摂らないのが著効を得るのに確実であり、それが一番賢明な判断だと言えるからです。
 上述しましたように、日本人であるみなさんにとっては、肉製品や牛乳乳製品は民族食ではないのですから、日本人ならば肉製品や牛乳乳製品など一切摂らなくても、昔の日本人と同様に何も問題ありません。いいえ、問題ないどころか、むしろ、癌患者さんにとっては好都合です。それはもう、当記事をここまでお読み頂けたなら、充分にお分かり頂けるはずです。
 日本人がすべき肉食は、腸内細菌学酵素栄養学の視点から見て、昔の日本人と同様に「魚介食」で充分であることは明らかです。私たち日本人の先祖のみなさんが選択してきた「食歴」を考慮する視点を決して忘れないでください
ブログ管理人


やはり、「牛乳乳製品は、がんには良くない」と考えるべき

 『「インスリン」と「インスリン様成長因子-1IGF-1)」は、大腸がんと乳がんの発がんを促進する 』ことが報告されています。したがって、疫学研究で『「インスリン」や「インスリン様成長因子-1IGF-1)」の分泌を高める牛乳や乳製品が、大腸がんや乳がんを予防する 』というデータが出ている点は解釈が困難です。

 他のファクターの関与が示唆されますが、総合的、及び、理論的には、牛乳や乳製品は、がんには良くないと考えておくほうが妥当と思います。
 少量であれば問題はありませんが、がんが存在する状況や再発リスクの高い状況では、牛乳や乳製品(チーズなど)は減らすほうが良いと思います。

 哺乳類のミルクというのは、もともと「乳幼児の成長を早めるため」の合理的目的に「インスリン」の産生や「mTORC1」を活性化する作用があると言えます。
 インスリン」分泌の刺激と「mTORC1」経路の活性化は、がんの予防や治療の観点からは マイナス と言えます

 糖尿病の治療では、「インスリン」の感受性を高める薬(したがって「インスリン」の分泌を低下させる)と「インスリン」の分泌量を高める薬があります。がんの領域からは、「インスリン」の分泌を増やして血糖を下げる治療に関しては「がんを促進するリスク」が懸念されます。
 しかし、この点に関しては、糖尿病の専門家はあまり重視していません。
 『「インスリン」の分泌を高める治療ががんを促進する 』という臨床データがまだないためです。
 しかし『「インスリン」感受性を高める「メトホルミン」には、確実な「がん予防効果」が証明されている 』ことから、「インスリン」の分泌を刺激する治療は、やはり「発がん促進のリスクを高める」ように思います。
 米国のある疫学研究では「糖尿病と診断された人よりも、糖尿病の前段階(プレ糖尿病)の人のほうが発がんリスクが高い」という報告があります。プレ糖尿病期は「インスリン」の分泌を増やして血糖を上げないようにしている時期で、血糖値は正常なので糖尿病ではないのですが、「インスリン」値が高いので、がんを促進することになります。

 「牛乳は糖尿病やメタボリック症候群の予防に有効」という疫学データがあります。
 そのメカニズムとしては『牛乳が「インクレチン」の分泌を促進して「インスリン」の分泌を刺激するので、糖尿病の予防になる』というものです。「糖尿病の予防」は「がんの予防」につながるはずですが、「インスリン」の分泌を高めて糖尿病を予防する場合は逆の効果になる可能性が高いと言えます。前述のように、糖尿病でも『前糖尿病期(プレ糖尿病期)と言われる時(インスリン」分泌を高めて代償している時 )のほうが発がん促進作用が強い』ことが報告されているからです。
 したがって『牛乳の「インスリン」や「インスリン様成長因子IGF)」の分泌刺激作用はがんを促進する』という作用を重視する必要があると思います。乳幼児の発育促進に効果が高い食品を成人期に多く摂取するのは、やはり、不自然と言えます。

 がん治療における「ケトン食」の場合、タンパク源としては「赤身の肉」と「牛乳」及び「乳製品」を減らすことが重要です。乳製品を減らすため、カルシウムの不足にならないように、他の食品やサプリメントでカルシウムの補給にも注意が必要です(野菜や大豆を充分に摂取すれば、カルシウム不足にならない」という意見もあります )。

 「ロイシン」やイソロイシンは「ケト原性アミノ酸」で、体内で最終的に『脂肪酸』や『ケトン体』に転換され得るアミノ酸です。したがって、糖質を制限しておけば、「ロイシン」は肝臓で『ケトン体』産生に使われます。
 しかし「アミノ酸トランスポーター(LAT1)」の発現が亢進しているがん細胞にも積極的に取込まれるため、がん細胞内での「mTORC1」の活性を抑制する手段が必要です。このためには、「AMPK」を活性化する「メトホルミン」、牛蒡子の「アルクチゲニン」、黄連や黄柏に含まれる「ベルベリン」が有効です。さらに「mTORC1」を阻害する作用がある天然成分(ジインドリルメタンレスベラトロールエピガロカテキンガレートクルクミンカフェイン)や、これらを利用した漢方薬などの併用が有効と考えられます。

 「栄養をたくさん摂ると、その栄養ががん細胞に行って、かえって、がん細胞の増殖を促進する」ということが言われています。これははっきりした根拠も証拠もないのですが、ブドウ糖やタンパク質を多く摂取して栄養状態が良くなると「ロイシン」や「インスリン様成長因子IGF)」の作用で「mTORC1」が活性化される(つまり、「mTORC1」が活性化されれば、癌の増殖が刺激されて促進されるという観点からは、この考えもあり得ることのように思います。

 体力や免疫力や治癒力を高めるためには栄養摂取が重要ですが、このような栄養摂取を増やす時には、血糖や「インスリン」や「インスリン様成長因子IGF)」をできるだけ高めないことが大切です。
 牛乳や乳製品を過剰に摂取しないこと、さらに「mTORC1」の活性を抑えるために、ポリフェノールやレスベラトロールやジインドリルメタンなどのサプリメントや、これらを多く含む野菜や豆類を多く摂取し、「AMPK」を積極的に活性化するために経口糖尿病薬の「メトホルミン」や「アルクチゲニン(牛蒡子に含まれる)」や「ベルベリン黄連や黄柏に含まれる)」を摂取することは有効かもしれません。




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