この記事は「
糖質制限食の危険性を訴える」ものですが、この記事の中には『ケトン体』や『短鎖脂肪酸という “ブドウ糖の代替エネルギー源” に関する知識がまったく欠如していますので、数名の医師が解説されているものの、記事の内容としては薄っぺらさを感じます。

 糖質制限食は正しくやれば、この記事にありますような危険性はないものです。
 癌細胞の唯一の餌は「ブドウ糖」です。ですから、食事の糖質(ブドウ糖)を制限して減らせば、その分、癌細胞に「ブドウ糖」という餌を与えて育ててしまう可能性が減るわけですから、糖質制限が癌を自然抑制するのは明らかなので、糖質制限食が癌治療として有効するのは言わずもがなであることが分かります。

 では、なぜ私がこの記事をご紹介させて頂くのかと言いますと、こういう理由からです。

 今、糖質制限食を推奨される医学博士医師医療関係者治療家等が様々出てきています。
 私は基本的には、糖質制限食には非常に賛成です。私は基本的に、糖質制限食の応援者支持者です。

 私自身、この8~9年間、日常食の9割を「生菜食」で暮らし、私の父母もこの「生菜食」を日常食の半分ぐらい取り入れました。「生菜食」の実行後、私の身体にありました不快な症状(花粉症やアレルギーや陰性体質など)はたった1年間ですべて消失しました。父母は「生菜食」に加え、父は「週末一日断食」を、母は「半日断食」を併用しましたが、長年、病院に通ってもまったく改善しなかった持病が、父母共にそれぞれ大きく改善していきました。この内容は、当ブログサイトでいろいろとお話しさせて頂いた通りです。

 私や私の父母に現われたこの効果は、実は「糖質制限効果」の意味もあるのです。
 当然、「生菜食」から得られるビタミンミネラル酵素などの栄養を大量に摂取するという恩恵が大きいのですが、「生菜食」というのは基本的に糖質制限になっていますので、余計な糖質(ブドウ糖)を食事から遠ざけて排除し、逆に、ビタミンミネラル酵素などの栄養を大量に摂取することによって身体の各機能(代謝機能や免疫機能など)の改善賦活が得られ、身体の体質が根本から生まれ変わったようにガランと変わり、正されていきます。
これは経験しないと残念ながら理解できないことですから、私は当ブログサイトにてありのままお話しさせて頂くことしかできません

 これは、甲田療法の「生菜食療法」から得られる「食力」の妙利です。
 甲田療法の「生菜食療法」の基本は「生玄米粉食」と「生菜食」を中心とし、副食として「豆腐」「胡麻」「自然海水塩」などを摂取する食事療法ですが、この食事療法は「ブドウ糖」を適宜に摂取しながら『短鎖脂肪酸』という優れた “ブドウ糖の代替エネルギー源” を多く摂取できるものです。

 糖質制限食を実行されている人の中には「糖質(ブドウ糖)さえ摂らなければ、それで良い!」と思われている方もおられます。ましてや、中には「人間の身体にブドウ糖は必要ない!」とさえ思われている方もいるそうですが、正確には『人間の身体には、ブドウ糖が絶対に必要である!』というのが正しい答えです。

 この記事の中でも少し触れられていますが、実は、人間の身体の中で「ブドウ糖」しかエネルギー源にすることができない存在がいます。それは「赤血球」です。
 赤血球は成熟する際、核ミトコンドリア小胞体リボゾームなどを細胞外に放出します。
 成熟した赤血球はミトコンドリアを持たないため、エネルギーを解糖系だけで産生しているのです。
 つまり、赤血球の唯一のエネルギー源は「ブドウ糖」だけである、ということになります。
 しかも、この赤血球は人体の凡そ「3分の1」もの数を占めていますので(体内の赤血球の総数は凡そ20兆個であり、これは「全身の細胞数 約60兆個」の「1/3」に相当します)、当然ながら、この大量に存在する赤血球に与える「ブドウ糖」が大量に必要であるのは言わずもがなです(赤血球を養うための「ブドウ糖」が大量に必要なのは言うまでもありません)。
 さらに、これは癌細胞と同じく、解糖系のエネルギー産生は非常に効率が悪いために、より多くの「ブドウ糖」が消費される必要があります。
 赤血球は数が多い、その赤血球が唯一消費できるエネルギー源は「ブドウ糖」のみであり、その上、大量消費する必要がありますので、赤血球に与えるべき「ブドウ糖」の量はかなり多く必要であることが分かります。
 もうお分かりのように、「人間の身体にブドウ糖は必要ない!」とか「糖質(ブドウ糖)さえ摂らなければ、それで良い!」というのは完全な間違いなのです。

 甲田療法の「生菜食療法生玄米粉食生菜食 を中心とした食事)」からは適宜に「ブドウ糖」が得られ、その「ブドウ糖」が赤血球を養ってくれます。そして同時に『短鎖脂肪酸』という優れた “ブドウ糖の代替エネルギー源” を多く摂取でき、この『短鎖脂肪酸は赤血球以外の「全身の細胞(脳細胞を含む)」を養います。
 癌細胞に回してしまう余計な「ブドウ糖」を摂取することなく、赤血球に与える必要分の「ブドウ糖」はほどよく摂取して、身体に異常を発生させないでしょう。
 だからこそ、甲田療法の「生菜食療法」は、実際に多くの癌患者を救っていた症例が残っているのだと思います。

 以上の理由により、私は癌治療の食事療法として『短鎖脂肪酸食』を推奨しています。
 納得のいかれる方は、ご自分のできる範囲で実践されてみてください m(__)m


 甲田療法の「生菜食療法」という食事療法は、糖質制限食の内容が含まれています。
 ただ、肉食を取り入れていないため、中にはついて行けない方もおられるでしょう。
 ですから、適宜に魚介食を取り入れて頂ければ良いと思います。
 『肉製品(獣肉食乳製品は「癌の促進剤」となるという癌研究報告があり、これを支持する医学博士や医師が世界中におりますから、私は癌患者さんの食事には肉製品(獣肉食乳製品は避けたほうが良いと思います。
 ここにつきましては「肉食・乳製品の真実」カテゴリにあります記事などを参照して頂いて、ご自分で納得のいく肉食を取り入れて頂きたいと思います。


 また、植物食を中心に糖質制限食をされている方は、植物食だけではアミノ酸の摂取が不足します。
 植物性タンパク質には、動物性タンパク質が含んでいる20種類(そのうち8種類が必須アミノ酸)のアミノ酸が欠如していますが、この植物性タンパク質に欠如しているアミノ酸は『エビオス』で摂取できます。
 甲田療法で『エビオス』が採用されていた理由は『エビオス』の整腸作用の役割もありますが、甲田療法は獣肉食を一切含まない食事療法であったため、植物性タンパク質に欠如しているアミノ酸を補う意味があったのです。
 値段はそんなに高くないですから、『エビオス』の活用を私はお勧めします。
 私の母は、甲田光雄先生の一番弟子である「森美智代」先生と同じく『エビオス』を一日20錠摂取しています。

 エビオス


 糖質制限で獣肉食を避ける場合には、魚介食や『エビオス』によって、その安全性を確保されてください。


 私がいろいろとご紹介させて頂いていますのは、とにかく、当ブログサイトに来てくださる方々に、食養をご自分で考えて実行できるようになって頂くための羅針盤を得て頂くためです。
 当ブログサイトは、そのための情報提供サイトです。
 どのサイトから得る知識や情報もみな同じですが、どうか、必ずご自分でよく考え、熟慮してから、ご自分の納得のいく手段を選ばれてください m(__)m

 当然、そこには必ず『自己責任』による『自己判断』が要求され、存在します。
 ただ、このようなことは本来、当たり前なことであり、私もずっと『自己責任』による『自己判断』を下しながら食養を見つめ、自分なりの食養道をたんたんと歩んできました。

 ご自分の癌治療に三大療法(抗がん剤放射線手術)を取り入れるのも『自己責任』ですし、食養、食事療法、栄養療法、糖質制限食、その他の様々な自然療法を取り入れるのもすべて『自己責任』です。
 『自己責任』に依らず、『自己責任』を必要としないものなど、この人間界には何もないのです。
 結婚も、家庭も、出産も、子育ても・・、仕事も、人間関係も、人生全般のすべてが『自己責任』です。
 すべてに『自己判断』を下さねばなりません。

 癌治療も同じことです。ご自分が選択する癌治療はすべて『自己責任』と『自己判断』に依ります。
 もし、癌患者さんがご自分の癌治療に三大療法(抗がん剤放射線手術)を選択した結果、それが原因して死に至っても、医者を責めては絶対になりません。
 三大療法(抗がん剤放射線手術)を癌患者さんがご自分で承諾して受けた時点で、その責任はその癌患者さん当人にあるのです。責任転機をしては絶対になりません。

 私も祖父とその弟の叔父を三大療法(抗がん剤放射線手術)が原因して失いましたが、それがもし悪いというのならば、祖父と叔父、そして、周りの私たち家族が不勉強で幼稚であったこと、これが一番悪いのです。私も流石に、今でも多少の怒り的な感情はまだ残存していますが、それでも、患者側の不勉強と幼稚さが問題であると感じています。患者側の不勉強と幼稚さ、ここを早急に何とかせねばなりません・・。

 現代の「医療の闇」は、これは深いわけがあって自然発生しています。
 現象して世に現われるべきであるからこそ、日本社会に(人間社会に)現実として現われているのです。
 そのことも加味して、癌患者としてのご自分の意識をグレードアップさせてください。
 よろしくお願いします m(__)m



 私がこの記事でよくご覧になられて頂きたいのは、主食の「穀物食」を排除し、安易に「獣肉食に走った」人たちが病んでいく姿です。何と、この中には医師もいます。
 例え医師であろうと、一般の医師はこのようなことは何も知らないのです(興味すらないのでしょう・・)。
 人類が長年、継続してきた「炭水化物」という「穀物食」の主食を簡単に排除し、獣肉食にばかり頼っているだけで本当に良いのか・・、これをもう一度、よくよく熟慮されてみてください。

 私は「炭水化物」という「穀物食」を、人間の食として、人類の得た最高食として非常に重視しています。
 ですから、「穀物食」の中で糖質(ブドウ糖)の摂取量を一番制限できる「生玄米粉食」を推奨しています。

 生玄米の生デンプン(ベータ・デンプン)は『難消化性デンプンレジスタントスターチ)』と言って「消化酵素が働き難く、消化され難いデンプン」です。ですから、生玄米粉を食べても、まったく「ブドウ糖」の摂取にはならない、というわけではありません。生デンプン(ベータ・デンプン)も幾分かは消化酵素によって「ブドウ糖」まで分解(消化)され、「ブドウ糖」の摂取にはなっています。

 しかし、生玄米粉の「血糖値の上昇率」、いわゆる「GI値(グリセミック指数)」は非常に低いです。
 白パンのGI値が100とすると、白米ご飯が70、玄米ご飯が60、生玄米粉は20くらいだそうです。
 つまり、生玄米粉のGI値は、普通食の「5分の1」程度ということでしょう。

 GI値が高い食品は「ブドウ糖」が一気に血流に流入するため、血液の中に「ブドウ糖」が一気に溢れ返ることとなり、それがため「ブドウ糖」が癌細胞にまで届いてしまうのです。
 しかし、GI値が低い食品は「ブドウ糖」がゆっくりと血流に流入するため、「ブドウ糖」は癌細胞にまでは届かないのです。なぜならば、「ブドウ糖」がゆっくりと血流に流入すれば、それは「ブドウ糖」が少しずつ血流に流入することを意味しますから、「ブドウ糖」は癌細胞に届くよりも前に(上述しました「赤血球」の事情があるため)先に「赤血球」に利用されてしまうからです。赤血球は人体の「3分の1」を占めているほど数が非常に多いのですから、これでは「ブドウ糖」は癌細胞まで届くことができません。


 ここは大事なので、もう一度、まとめます。

 生玄米粉はGI値が非常に低く、この生玄米粉から得られる適宜な「ブドウ糖」はゆっくりと血流に流入するため癌細胞にまで届かずに、血液の中に存在している(人体の「3分の1」を占めているほど数が非常に多い)赤血球に先に利用されます。このようにして、赤血球をちょうどよく養います。

 そして「ブドウ糖」にまで分解(消化)されなかった生デンプン(ベータ・デンプン)は、腸内細菌によって発酵分解されて『短鎖脂肪酸』という優れた “ブドウ糖の代替エネルギー源” が産出されますので、この『短鎖脂肪酸』を腸内で多く摂取できます。こうして腸内細菌を介して得た『短鎖脂肪酸』は、赤血球以外の(脳細胞を含む)全身の細胞を養います。

 これは、「生菜食」から得られる「ブドウ糖」も同じです。
 「生菜食」で使用する「生野菜」のGI値は、基本的にみな非常に低いです。
 ニンジンのGI値は80と高いようですが、ニンジンは一日100~200gくらいの摂取で良いので、ご自分で調整されてみてください。ここは「食品のGI値一覧 野菜」記事を参照されてみてください。

 私は個人的に「炭水化物」という「穀物食」を非常に重視します。
 その「穀物食」の中でも糖質(ブドウ糖)の摂取量を一番制限でき(一番減らして抑えることができ)、赤血球も養え、『短鎖脂肪酸』も多く得られる・・、そのような食事として、私は「生玄米粉食」を推奨しています。

 ましてや、玄米には代謝機能を改善する栄養がバランスよく含まれています。
 それに、玄米は「生きた食品」ですから完全に「生命食」となり、「生命エネルギー」の摂取もできます。
 「生命エネルギー」という栄養はまだ栄養学で解き明かせませんが、必ず存在している重要な要素です。

 甲田療法の「生菜食療法生玄米粉食生菜食 を中心とした食事)」は過去、実際に数多くの癌患者を救っている食事療法です。これに得心のいかれる癌患者さんは、ご自分のできる範囲で取り入れてご活用されてみてください。
 よろしくお願いします m(__)m

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 専門家が警告 大ブームの「食事は炭水化物抜き」が一番危ない
 糖質制限ダイエットで「寝たきり」が続出中!

 【「現代ビジネス」
より 】 (「週刊現代」2014年2月15日号より

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いくつになっても、体型は維持したいものだが……〔PHOTO〕gettyimages



 「即効性がある」とブームが続く糖質制限ダイエット。
 だが今、その安全性に警鐘が鳴らされ始めた。
 その時、体の中で何が起こるのか。手遅れになる前に知っておきたい、超人気ダイエットの真実。


体重と一緒に筋力も落ちる

 「3年前に受けた人間ドックで『糖尿病予備軍』と診断されました。
  定年後は家にこもることが多くなって、体重も70kg から85kg まで増えた。
  階段の上り下りなど、ちょっと動くだけできついし、息もすぐに切れる。このままではまずいと思い、
  45歳の息子が『1ヵ月で4kg も痩せた』と喜んでいたダイエットを始めました。」



 こう語るのは渡辺吉孝さん(70歳仮名)だ。
 取り組んだのは、今話題の「糖質制限ダイエット」。

 書店には関連書籍がズラリと並び、メディアにも頻繁に取り上げられている。
 やり方はシンプルで、ご飯やパン、芋、果物などの炭水化物に含まれる糖質の摂取量を
 一日130g以下に抑えるというもの。
 炭水化物を極力減らせば、おかずはなんでも、好きなだけ食べていい。

 もともとは糖尿病や重度の肥満患者に対する食事療法として考案されたものだが、
 いまや「手軽に痩せられるダイエット法」として、老若男女を問わず人気を集めている。
 人気の秘密は、糖質さえ制限していれば、あとは肉でもアルコールでも摂取OKという取り組みやすさと、
 目に見えて現れる効果にある。

 炭水化物の糖分は体内で中性脂肪に変わり、人間のエネルギー源となる。
 炭水化物を絶つことで中性脂肪を減らして痩せる、いたって単純なメカニズムのダイエット法だ。

 冒頭の渡辺さんも、ご飯や麺類などの主食をいっさい抜き、肉をメインとするおかずで腹を満たす食事を続けた。
 その結果、1年半で9kg のダイエットに成功したのだが、同時に大問題を抱え込んだ。渡辺さんが続ける。


 「初めは調子が良かったんです。1ヵ月でお腹回りがスッキリしてきて、体重が5kg 減りました。
  効果覿面だったことが嬉しくて、それから1年半、みっちり糖質制限をした結果、
  体重を85kg から76kg まで落とすことができました。

  当然、体重が落ちれば身のこなしも軽くなるだろうと思っていました。
  ところが、次第に筋力が落ち、階段の上り下りが以前にまして苦しくなってしまったんです。
  そんなある日、庭の手入れをしていてトンと尻もちをついたら、それだけで尾てい骨が折れた。
  入院して検査をしたら、
  『骨密度が65%しかない。骨粗鬆症です。尾てい骨の圧迫骨折もそれが原因です』と診断されました。」



 3年前に人間ドックで測った骨密度は75%。
 ダイエットを経て、たった1年半で10%も落ちたことになる。

 このまま長期入院すると寝たきりになるという主治医の判断で、渡辺さんは自宅療養に切り替えたが、
 いまだに足腰の筋力が戻らず、歩くことができないままだ。

 今、このような糖質制限ダイエットによるトラブルが、あちこちで起き始めている。
 専門家の間でも、糖質制限ダイエットは危険だと警鐘を鳴らす声は大きくなる一方だ。

 糖質制限は、なぜ危険なのか。
 糖尿病の世界的権威で、「関西電力病院」院長の「清野裕」医師が解説する。


 「人間には一日170gの糖が必要とされています。
  そのうちの120~130gは脳で消費され、
  30gは全身に酸素などを運ぶ赤血球のエネルギー源として消費されます。
  糖質は、生命を維持するために欠かせない栄養素なのです。

  糖質を制限してしまうと、代わりにタンパク質を構成しているアミノ酸を、
  肝臓が糖に作り変えるというシステムが働き始めます。
  タンパク質を糖に変えられるなら、肉を食べれば問題ないのではないかと思う方もいるでしょう。
  しかし、人体の維持に必要なエネルギーをタンパク質や脂質でまかなおうと思ったら、
  毎日大量の肉を食べなければなりません。 数kg もの肉を毎日食べ続けることは現実的に不可能です。
  糖エネルギーが不足すると、それを補うために、体は自分の筋肉を分解してアミノ酸に変えていきます。
  結果、筋肉量がどんどん減っていってしまうのです。」




認痴症まで一直線

 渡辺さんの筋力が落ちた原因は、まさにこれだ。
 渡辺さんの場合は特に、3食とも主食を完全に抜くというハードな糖質制限を行っていたため、
 筋肉もどんどん失われていったのだ。
 なぜ、このような危険な食事制限がまかり通ってしまうのか。


 「実は糖質制限ダイエットには、はっきりした科学的根拠やガイドラインがないのです。
  だから、評判ばかりが独り歩きして、過剰なやり方が横行する。
  若い人や糖尿病患者が、医師の指導のもとで一定期間やるのはいいでしょう。
  しかし、65歳以上の高齢者は安易に手を出すべきではない。
  寝たきりになる危険性が非常に高いからです。
  実際、私の病院でも糖質制限で筋力が低下したと来院する高齢患者が増えています。」
前出「清野裕」医師


 糖質制限ダイエットが引き起こす問題は、筋肉量の低下だけではない。
 実は骨にも甚大な影響を及ぼす。


 「渡辺さんのケースも、糖質制限が原因でしょう。
  また、要注意なのは女性。
  骨粗鬆症は圧倒的に女性に多く、60歳代で2人に1人、70歳以上で10人に7人が悩んでいます。
  ダイエットは女性のほうが熱心だからでしょうか。
  糖質制限を始めて骨粗鬆症を加速させてしまったという中高年女性の患者が、すでに何人か駆け込んできています。
  筋力が低下したり、骨粗鬆症になってしまった高齢者は、ほんのちょっとの病気や怪我で入院すると、
  あっという間に寝たきりになってしまいます。」
愛し野内科クリニック院長」で糖尿病専門医の「岡本卓」医師


 忍び寄る「寝たきり」の恐怖 —。
 自分の足で立つことができなくなった日から、一体どのような暮らしが始まるのだろうか。

 一度失った体力を元に戻すのは容易ではない。
 多くの場合、みるみる足腰が衰え、家族やヘルパーの手を借りなければ日常生活が送れなくなる。
 食事、入浴など身の回りの世話はもちろん、いずれトイレも自力でできなくなってしまう。
 妻や子供におむつを取り替えてもらうのが、もっともつらいと明かす人も多い。

 思うようにならない毎日にあなたは絶望し、もう誰とも話したくないと思い始める。
 そこまできたら、認知症までまっしぐら。
 やがて判断能力がなくなり、家族の顔も忘れ、孤独のうちに一生を終える —。

 ダイエットが引き金となり、このような悲惨な終末を迎えることになってはたまったものではない。
 だが、これだけでは終わらない。糖質制限は、他にも寝たきりに繋がる病気を誘発すると言われている。
 厚生労働省の国民生活基礎調査によると、65歳以上の高齢者が寝たきりになる直接の原因は、
 1位が脳卒中、2位が認知症、3位が衰弱老衰で、4位が骨折となっている。



血液もドロドロになる

 実は、寝たきりの原因1位の脳卒中も、糖質制限ダイエットと深い関わりがあるということが、
 最新の医療調査で明らかになった。実例を見てみよう。

 荻原貞雄さん(69歳仮名)は、現在、半身不随で療養型病院に入院している。
 そこに至った原因が糖質制限によるものだったのではないかと語るのは、
 荻原さんと長年の付き合いがあるかかりつけ医だ。


 「荻原さんは中肉中背で、特に肥満が気になるわけではありませんでした。
  一日5km のジョギングが日課で、運動も十分やっていた。
  そのままの生活を続けていても健康に問題はなかったでしょう。

  ところが、2008年、ブームに乗って糖質制限ダイエットを始めたのです。
  荻原さんは半年で6kg も痩せ、かなり細い体つきになっていました。
  本人もその変化に非常に満足そうでした。」



 
だが、ダイエット開始から4年目の夏、荻原さんは突然病魔に倒れた。脳卒中だった。


 「頸動脈の血管エコー検査をしたところ、ひどい高脂血症が判明。
  血管の壁が1.8㎜ の厚さになっている部分もあった。
  重度の動脈硬化が引き起こした脳卒中だったのです。」



 
荻原さんの身に、一体何が起こったのか。かかりつけ医が続ける。


 「一般的に、糖質制限をするとカロリーを補うために脂質やタンパク質を大量に摂るようになります。
  すると、血管に悪玉コレステロールが溜まっていく。
  その結果、血管が傷んだり老化が進んだりして、脳梗塞や心筋梗塞を起こす可能性がどんどん高まっていくんです。

  特に肉類が大好物だった荻原さんにとって、
  炭水化物さえ抜けば、あとは何を飲み食いしてもいいという謳い文句は非常に魅力的だったのでしょう。
  トンカツや焼き肉、ステーキなど、がっつりした肉料理ばかり食べていたため、
  コレステロールが溜まりに溜まってしまったのです。

  病院に担ぎ込まれた時点で半身は完全にマヒ。
  まさか気軽に始めたダイエットで半身マヒになるとは、思いもよらなかったでしょう。
  今となっては話すことも不自由で、後遺症を克服するメドは立っていません。」



 
筋力低下、骨粗鬆症、動脈硬化が引き起こす脳卒中 — さまざまな病気との関係が指摘される糖質制限。


 「今、このダイエットを実践している人は幅広い年代に広がっています。
  今後さらに時間がたてば、間違いなく寝たきりになる人が続出すると予測されます。」

 



見た目と健康、どっちが大事?


 寝たきりどころか、最悪の場合、死に至ると警鐘を鳴らすのは、
 自身が糖質制限ダイエットを実践し、その結果危険な状態に陥った経験を持つ、
 「Rサイエンスクリニック広尾」院長の「日比野佐和子」医師(44歳)だ。


 「ご飯からお菓子まで、炭水化物は一切とらず、
  その代わり好きなものを好きなだけ食べているうちに、瞬く間に15kg 痩せました。
  『効果が目に見えて出る。だから、嬉しくてどんどん続けてしまう』
  実は、これが糖質制限の怖いところなのですが、
  当時は私も、これほど楽なダイエットはないと思っていました。

  しかし、続けているうちに常に体がしんどく、眠気が抜けない状態が続くようになりました。
  そして、36歳のある朝、目覚めると右半身がピクリとも動かなかったのです。
  救急車を呼ぼうと立ち上がろうとしても、右手と右足の感覚が一切ない。
  これは大変なことになってしまったと覚悟しましたが、幸い10分くらいで動けるようになり、
  自力で病院に行きました。MRI を撮った結果、微小な脳梗塞があることが分かりました。
  脳梗塞の前の段階、一過性脳虚血発作の症状でした。

  今ならこのダイエットが腎臓や肝臓、血管など、
  さまざまな部位に障害を引き起こす可能性があると分かっていますが、当時は気づきませんでした。
  30代半ばだった私でさえ、そのような状態になったのですから、年齢が上がるほどリスクも上がる。
  高齢者であれば死に至ることも十分あり得るでしょう。」



 命の危険すら指摘され始めた糖質制限ダイエット。
 だが、「痩せる」という効果があることは否めない。
 「身体にやさしい糖質制限」という都合のいいダイエット法はないのか。
 食物学学術博士の「佐藤秀美」氏が解説する。


 「高齢でも、体型がどうしても気になる、という人はたくさんいると思います。
  そういった人は、甘い菓子などの炭水化物の間食を辞めるだけで、大きな効果が得られるはずです。
  高齢者にとって、タンパク質は何よりも重要で貴重な栄養素。
  糖質制限のやりすぎで、不足する糖を補うためにタンパク質を消費することは、絶対に避けるべきなのです。」



 筋肉だけでなく、臓器や皮膚や骨、血液に至るまで、人体のすべての細胞はタンパク質でできている。
 そして、細胞は1年後にはすべて新しい細胞に生まれ変わる。


 「高齢者は消化吸収能力が落ちているため、男子高校生より体重1kg につき必要な1日のタンパク質の量が多い。
  そうでないと、体が維持できないからです。
  そんな高齢者が糖質制限をすれば、内臓組織の原料となるタンパク質が不足し、体はどんどん老化します。
  だから原則的に、糖質を減らしてはいけない。
  やるとしても、おやつなどの間食を抜くだけにする。
  高齢になったら、糖質とタンパク質、両方のバランスをよく考えて食事をすることが望ましいのです。

  大事なのは、ダイエットは何のためにするのか、ということ。
  見た目だけが少し良くなったとしても、肝心の健康を損なったのでは何の意味もありません。
  ぜひ、このことを念頭に置き、自分の身を守っていただきたいと思います。」
佐藤秀美」氏


 特に高齢世代は、ブームだからといって「糖質制限」に飛びつくと、
 寝たきりのリスクが劇的に高まることを忘れてはならない。