この記事は、『銀座東京クリニック』院長の「福田一典」医師の「酸化ストレスの軽減を目指したがん治療」記事のご紹介です。癌と「酸化ストレス」の関係について、非常に分かりやすく解説されています。

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 この記事は、主に次の内容について解説されています。

   「活性酸素」とは何か?
   「フリーラジカル」とは何か?
   酸化ストレス」とは何か?
   「活性酸素」「フリーラジカル」「酸化ストレス」が癌の悪性化を促進し、癌を進行させる
    三大療法(抗がん剤放射線手術)は「酸化ストレス」を増大させ、かえって癌を増やしてしまう
   酸化ストレス」を軽減すると、癌の進行を抑制する
    水素分子(H2)とは何か?
    水素分子(H2)は「悪玉活性酸素」である「ヒドロキシルラジカル」だけを消去する
    癌治療における『水素療法水素風呂水素吸引水素水)』の有効性を伝える文献の紹介
   酸化ストレスを軽減する方法(水素療法』以外の方法
    〔 食事療法セレンコエンザイムQ10アルファリポ酸メラトニン漢方薬


 以上のポイントは、癌治療において非常に重要な点であり、癌患者さんがぜひ知っておくべきことです。

 この記事は「
福田一典」医師らしく丁寧に説明されており、内容も非常に分かりやすいので、癌患者さんはぜひ、当記事をご覧になってみてください。

 なぜ「体内の酸化」が起こるのか・・、また、「体内の酸化」が進行して悪化した「酸化体質」が癌にとって如何に脅威となるか・・、そして、「体内の酸化」を還元して「酸化体質」を改善することが如何に癌治療に有効するかを、この記事から学ばれてみてください。よろしくお願いします m(__)m

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 酸化ストレスの軽減を目指したがん治療
  ~ 水素ガス吸入と抗酸化サプリメントと漢方薬の相乗効果 ~

 【「がんの漢方治療と補完・代替医療 銀座東京クリニック(福田一典医師のクリニック)」
より 】

酸化ストレスの軽減を目指したがん治療
 水素ガス吸入と抗酸化サプリメントと漢方薬の相乗効果 ~


 がんの治療法は数多く存在し、その作用機序も多様です。いわゆる標準治療と言われる手術抗がん剤治療放射線治療は「がん細胞を除去する、あるいは死滅させる」ことを目標とした治療法です。このような “がん細胞を直接攻撃する治療法” は効果が確実ですが、正常組織へのダメージによって副作用が起こるという欠点があります。

 一方、がん細胞をおとなしくさせて「がんと共存する」、あるいは「がんが自然に退縮していく」ことを目指す「体に優しいがん治療法」もあります。がん組織の血管新生を阻害して増殖を抑える治療、ナチュラルキラー細胞やT細胞などの免疫細胞の働きを活性化して がん細胞を排除する治療、抗酸化力を高めて がん細胞の悪性化を抑える治療などは、副作用が少なく、がん細胞の増殖を抑える効果が期待でき、「体に優しいがん治療」の中心になります。

 血管新生阻害作用や免疫増強作用については、そのような効果が十分に得られれば、腫瘍の増大を阻止することができます。抗酸化作用のある治療法を組み合わせることによって「酸化ストレス」を十分に軽減すれば、がんの悪化や進展を抑え、がん細胞の増殖抑制や細胞死(アポトーシス)誘導の効果が期待できます。

 酸化ストレス」を軽減する「水素ガス吸入療法」と「抗酸化性サプリメント」と「抗がん漢方薬」の併用によって、「体に優しいがん治療」が実践できます



活性酸素」と「フリーラジカル」

 酸素の働きの一つに「酸化」というものがあります。鉄釘がいつのまにか赤く錆びたり、ゴムが古くなると弾力を失ってボロボロになったりするのも「酸化の結果」です。私たちの体内でも、呼吸によって取り入れられた酸素の一部が「活性酸素」と呼ばれる「酸化力の強い分子」に変化し、細胞を酸化することによって、がんや動脈硬化など多くの病気の原因となっています。機械も錆びついてくると故障が多くなるのと同じことです。

 全ての物質は原子からできています。原子というのは「物質を構成する最小の単位」であり、原子核を中心にその周りを電気的に負(マイナス)に帯電した「電子」が回っている、という形で現されます。

 通常、「電子」は一つの軌道に2個ずつ対をなして収容されますが、原子の種類によっては、一つの軌道に「電子」が一個しか存在しないことがあります(不対電子)。このような「不対電子」を持つ原子、または、分子を「フリーラジカル遊離活性基と定義しています。

 本来、「電子」は軌道で対になっている時が「エネルギー的に最も安定した状態」になります。そのために、フリーラジカルは(対になっていないため)一般的には不安定で、他の分子から「電子」を(奪い)取って「自分は安定になろう」とします。フリーラジカルとは、「不対電子」を持っているために、非常に反応性の高まっている(電子」を奪い取りやすい状態になっている )原子や分子なのです。そして、フリーラジカルから「電子」を奪われた(奪い取られた)物質は「酸化された」ことになります(下図)。

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 私たちが呼吸によって取り込んだ酸素が(ミトコンドリアで)エネルギーを産生する過程で「スーパーオキシド・ラジカルO2-)」という活性酸素が発生します。普通の酸素分子は16個の「電子」を持っていますが、「スーパーオキシド・ラジカル」は17個の「電子」を持っており、そのうち1個が「不対電子」になり、フリーラジカルとなるのです。「スーパーオキシド・ラジカル」は体内の消去酵素(スーパーオキシド・ジスムターゼ、略して SOD)によって「過酸化水素H2O2)」に変わり、「過酸化水素」は「カタラーゼや「グルタチオン・ペルオキシダーゼという消去酵素によって「水(H2O)」と「酸素(O2)」に変換され、無毒化されます。

 しかし、「スーパーオキシド・ラジカル」や「過酸化水素」の一部は「鉄イオン」や「銅イオン」と反応して、「ヒドロキシルラジカル・OH)」が発生します。本来、鉄や銅などの遷移金属は蛋白質と結合して存在しますが、炎症が起こっている部位では、これらの遷移金属はイオンの形で存在するようになり、これら遷移金属イオンが触媒となって、大量の「ヒドロキシルラジカル」が産生されるようになるのです。

 「ヒドロキシルラジカル」も一つの「不対電子」を持っており、その酸化力は「活性酸素の中で最も強力」で、細胞を構成する全ての物質を「手当たり次第に酸化して」障害を起こします。
スーパーオキシド・ラジカル」と「ヒドロキシルラジカル」は、酸化力が100倍以上も違いますブログ管理人

 また、誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)によって炎症細胞から産生される「一酸化窒素NO)」と「スーパーオキシド・ラジカルO2-)」が反応すると、「ペルオキシナイトライト・ONOO2-)」という酸化力の強いフリーラジカルが発生します。「ペルオキシナイトライト」は、炎症疾患における組織の酸化障害や、発がん促進の原因となります(下図)。

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 「酸化する」というのは、活性酸素やフリーラジカルが、ある物質の持っている「電子」を奪い取ることを意味します。
 「酸化」の本来の定義は「電子を奪うこと」なのです(酸化する電子を奪う(奪い取る)。
 一方、ある物質が別の物質から「電子」をもらうことを「還元」と言います(還元する電子をもらう(頂く)。
 フリーラジカルというのは、言い換えれば、相手の「電子」を奪う(酸化する)性質が非常に強い性質のものです。

 DNA から「電子」が奪われると誤った遺伝情報がつくられ、がん細胞の発生につながります。DNA 以外にも、体の土台をなしている蛋白質や脂肪からも「電子」を奪い酸化して細胞の機能の障害を引き起こし、ひいては、組織や臓器の機能の低下を招いて、がんになりやすい体になるのです。

 遺伝子の本体の DNA は、活性酸素によって鎖が切れたり、遺伝情報の文字の役目の塩基と呼ばれる部分(Tの部分)がはずれたり、酸化されて変化したりします。グアニン()という塩基が酸化されて生じる 8-ヒドロキシ-2'-デオキシグアノシン(OHG)が DNA の酸化障害のマーカーとして注目されています。正常の細胞でも OHG が検出され、活性酸素が体のあらゆる部位で、たえまなく生成されていることを示しています。老化した動物は若いものより臓器の OHG の量が多いことや、組織の OHG の量が、がんが発生するリスクと相関することなどが報告されています。DNA の酸化障害の蓄積が、がんや老化と関係していることが示唆されています。

 DNA の変異は蛋白質をつくる情報にも異常を起こします。さらに、活性酸素は蛋白質自体にも酸化障害を引き起こします。蛋白質を構成しているアミノ酸の中のいくつかは、活性酸素によって酸化されてカルボニル化合物という物質に変わります。脳や目の水晶体などの蛋白質のカルボニル化合物の量は、老化によって増加することが報告されています。このような異常な蛋白質の蓄積は、蛋白質自体の機能を低下させ、結果として、細胞や組織の機能の低下を引き起こします。

 脂質が酸化された過酸化脂質は、動脈硬化の原因となります。細胞膜の脂質が活性酸素の攻撃で過酸化脂質を生じると、膜の性質が変わったり細胞の老化の原因となります。

 このように、DNA蛋白質脂質など細胞を構成する成分の活性酸素による障害の蓄積が老化を促進する原因として重要であるというのが「老化のフリーラジカル説エラー蓄積説」です。

活性酸素は、ミトコンドリアが酸素を消費してエネルギーを産生する時に、どうしても発生してしまうものです。
 ミトコンドリアの質が低下したり、ミトコンドリアに過度の負担がかかったりすると、より多くの活性酸素が発生します。
 また、準備運動をしないで急に過度の運動をしたり、過度のストレスが急にかかったり、エネルギーが急に少なくなったり、酸素が急に入ってきたり、早食いをしたり、大食いをしたりなど、急速な変化が生じた時や、心に余裕のない時に、活性酸素は生じてしまいます。活性酸素の発生率は一定ではなく、人間の行動の在り方による「ミトコンドリアの質と状況」により様々に変化するのです。
 活性酸素というのは、下図のように、「スーパーオキシド・ラジカル過酸化水素ヒドロキシルラジカル」という変化の流れがあり、これらの活性酸素を総称して「活性酸素種」と呼びます。
 世間では「活性酸素は悪い~!」とだけ思われている方もおられますが、活性酸素はすべてが悪いわけではなく、体に益成す『善玉活性酸素』と、体に害成す『悪玉活性酸素』とがあります。
 例えば、「スーパーオキシド・ラジカル」や「過酸化水素」はミトコンドリアの機能を向上させるのに役立ち、その他にも、非常に多くの良い役割を果たしています。血管をつくるためにも、精子をつくるためにも、活性酸素が必要であり、活性酸素の一種である「一酸化窒素」は、血管の拡張や神経機能にも必要です。白血球(マクロファージ好中球)は活性酸素を産生して放出し、病原菌を酸化させて殺します(活性酸素の殺菌作用)。活性酸素は「体の生命運営に欠かせないもの」であり、これらの活性酸素は『善玉活性酸素』です。
 これに対して、体にとって必要な役割がまったくなく、遺伝子、タンパク質、脂質を酸化して破壊してしまう「ヒドロキシルラジカル」や「ペルオキシナイトライト」は悪玉活性酸素』です。
 ゆえに、活性酸素と言えども、「ヒドロキシルラジカル」や「ペルオキシナイトライト」という悪玉活性酸素』だけを選択的に還元してあげれば良いのです。これに好都合なのが『水素水素分子H2)』です。
 『水素水素分子H2)』は、体に益成す『善玉活性酸素』は還元せず、「ヒドロキシルラジカル」や「ペルオキシナイトライト」という、体に害成す悪玉活性酸素』だけを選択的に還元して無毒化します。『善玉活性酸素』は温存されますので、支障を生みません。『水素水素分子H2)』って、ホントに良い奴ですねぇ!
ブログ管理人



酸化ストレス」とは

 体内では、細胞の酸素呼吸によって、絶えず活性酸素が発生しています。呼吸で取り入れた酸素の2~3%は、(ミトコンドリアにおける)エネルギー産生の過程で活性酸素になると考えられてます。炎症が起こると、炎症細胞から「活性酸素」や「一酸化窒素」などのフリーラジカルが多く発生し、また「鉄イオン」や「銅イオン」も発生するので、ヒドロキシルラジカル「ペルオキシナイトライトのような「強い酸化力を持ったフリーラジカル」が大量に産生され、細胞を構成する成分を酸化します。その他、タバコや紫外線、大気汚染、医薬品、アルコール、食品添加物、肉体的精神的ストレスなど様々な要因がフリーラジカルを発生して体を酸化しています。

 このような、体の内外から発生するフリーラジカルの害を防ぐ防御機能が体には備わっています。活性酸素を消し去る「酵素スーパーオキシドディスムターゼカタラーゼペルオキシダーゼなど)」、ビタミンCビタミンEグルタチオンなどの「抗酸化物質」が、絶えずフリーラジカルや活性酸素を掃除してくれています。また、酸化障害によって変異を受けた遺伝子は「DNA 修復酵素の働きで修復されます。
 このようなフリーラジカルによる酸化障害を防ぐ防御能が『抗酸化力』となります。

 しかし、体内での活性酸素やフリーラジカルの産生量が増えたり、体の『抗酸化力』が低下し、フリーラジカルを消去する体の能力(抗酸化力)を超える過剰な活性酸素やフリーラジカルの発生が起こると、体内の細胞や組織の酸化が進むことになります。
 このように、「体内を酸化する要因」が「体の抗酸化力」に勝った状態を『酸化ストレス』と言います。

 細胞や組織が「酸化ストレス」を受けると、細胞内の蛋白質や細胞膜の脂質や細胞核の遺伝子などにダメージが起こり、がんや動脈硬化、認知症、白内障、肌の老化など様々な病気の原因となります(下図)。

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 「酸化ストレス」というのは、「体の錆び」を増やす状態であり、この「錆び」が過剰になると、様々な疾患や老化の原因となるのです。したがって、「酸化ストレス」を軽減することは、がんや動脈硬化などの生活習慣病を始め、様々な老化性疾患の予防や軽減に役立つのです。



がん治療(抗がん剤放射線手術)は「酸化ストレス」を増大する

 抗がん剤の中には、フリーラジカルの破壊力を利用して、がん細胞の核の DNA を破壊し、がん細胞を死滅させるものが多くあります。放射線が「がん細胞を殺す」力も、放射線が「体内の水分と反応して発生する」活性酸素によるものです。

 このような放射線や抗がん剤により発生するフリーラジカルはがん細胞にだけ作用すればよいのですが、そのように都合よくはいきません。正常な細胞にもフリーラジカルによる障害が及び、DNA の変異を来たします。これが『放射線や抗がん剤は発がん剤抗がん剤や放射線は増癌剤)』という矛盾を生む理由なのです。抗がん剤治療や放射線治療の後に「新たながん二次がん二次発癌)」の発生率が高まることは、多くの研究で確かめられています。

 正常な細胞や組織が障害を受けて機能が低下すると、体の『抗酸化力』や『免疫力』や「体力」も低下します。抗がん剤や放射線治療の副作用の最も大きな原因は、これらの治療が正常細胞に「酸化ストレス」を増大させるからです。

 手術による組織や臓器の切除は炎症を引き起こし、傷が治る過程で活性酸素やフリーラジカルの産生が高まります。手術によって「体力」や「栄養状態」が低下すれば、体の『抗酸化力』も低下します。すなわち、手術も「酸化ストレス」を増大させる原因になります。

 このように、抗がん剤や放射線や手術などのがん治療は「酸化負荷」を増大し、『抗酸化力』を低下させ、その結果、「酸化ストレス」を増大させます。

 「酸化ストレス」の増大は、DNA 障害によって遺伝子変異を引き起こし、がん細胞の悪性進展を促進します。がん細胞が「酸化ストレス」を受けると、NF-κB や AP-1 という転写因子が活性化されることが知られています。転写因子というのは、遺伝子の発現をコントロールする蛋白質です。特に、NF-κB や AP-1 という転写因子は、がん細胞のアポトーシス(細胞死細胞の自殺)を抑制する蛋白質を産生して、抗がん剤や放射線治療に対する抵抗性を高め、がん細胞の増殖や悪性化を促進します。

 さらに、蛋白質や脂肪を酸化して細胞の機能を障害し、組織や臓器の機能の低下を招いて、がん細胞に対する『抵抗力』や『免疫力』を低下させます。すなわち、酸化ストレス」の増大は、がん細胞を悪化させ、さらに体の『治癒力』や『免疫力』を低下させるので、がん細胞の増殖・悪性進展や転移再発を起こしやすくするのです(下図)。

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【図】 酸化負荷 - 抗酸化力 = 酸化ストレス
◆◆ 細胞内において、フリーラジカルや活性酸素による「酸化負荷」から「抗酸化酵素」や「抗酸化物質」などによる『抗酸化力防御消去修復作用)』を差し引いたものが「酸化ストレス」となる。「酸化ストレス」は、がん細胞に対して増殖促進(プロモーター活性)と DNA 変異を引き起こし、がん細胞の悪性化を進展する。さらに、生体構成物質の障害や機能の低下は免疫監視機構を障害して、がんの転移や再発を促進する。抗がん剤や放射線や手術などのがん治療は「酸化負荷」を増大し、『抗酸化力』を低下させる欠点がある。◆◆


 抗がん剤や放射線による治療中の「抗酸化性物質」の摂取には、副作用を軽減して抗腫瘍効果を高めるという意見と、治療効果を妨げる可能性を指摘する意見が対立していて、コンセンサスが得られていません。

 抗がん剤や放射線治療に「抗酸化剤」を併用して抗腫瘍作用を高める場合は、その「抗酸化剤(anti-oxidant)」が酸化剤(pro-oxidant)として働くため、という意見もあります。一般に「抗酸化剤」は状況によっては酸化剤として作用するため、がん治療中の「抗酸化性物質」の摂取については、今後の研究結果を待つ必要があります。

 しかし、抗がん剤や放射線治療の副作用を軽減し、抗腫瘍効果を高める効果が示された「抗酸化剤(水素分子α リポ酸セレンメラトニンなど)」もあります。また、がん治療が終了した後は、がんの再発や二次がん(二次発癌)の発生の予防に、「酸化ストレス」を軽減させることが有用だと考えられています

ここは、非常に重要です。ぜひ「三大療法(抗がん剤・放射線・手術)は、体の酸化が増大して癌が悪化する『酸化治療』『酸化の上塗り療法』である!」記事を参照してくださいブログ管理人



酸化ストレス」の軽減は、がんの進展(進行)を抑制する

 抗がん剤や放射線や手術などのがん治療は「酸化負荷」を増大し、『抗酸化力』を低下させ、その結果、「酸化ストレス」を増大させます。酸化ストレス」の増大は、体の『治癒力』や『免疫力』を低下させ、がん細胞の発生や悪性進展(悪性化)を促進するので、転移や再発を引き起こしやすくします。さらに、体の老化を進行させる原因にもなります。 したがって、がん治療後は体の『抗酸化力』を高めて、「酸化ストレス」を軽減することは、再発予防に有効です。

 体の中で絶えず発生する活性酸素を消去し、酸化障害から体を守る防御システムが体には備えられています。活性酸素などのフリーラジカルを消去する物質を「ラジカル・スカベンジャーとか「抗酸化物質と呼びます。スカベンジャーとは「清掃者」という意味であり、「抗酸化物質」とはフリーラジカルに「電子」を与えることができる物質です。体内では、前述の SOD やカタラーゼなどの「消去酵素」や、さらに、ビタミンEやビタミンCなどの「抗酸化物質」が、次々に発生する活性酸素を消去していき、体内の酸化防御システムを形成しています。しかし、この酸化防止の能力は年齢とともに徐々に衰えていきます。私たち人間の酸化防止能力のピークは20歳台で、40歳を過ぎる頃から急速に衰えていくといわれています。がん年齢というのは、まさに酸化防止能力や免疫監視機構の能力が低下する時期と一致しています。

 若いうちは、発生する活性酸素を片っ端からスカベンジャーが退治してくれることで、酸化が進まないように食い止めることができますが、そのうち、スカベンジャーのパワーが追いつかなくなってくるのです。そうすると活性酸素が勢力をふるい始め、酸化が否応なしに進み、老化やがんの原因となるのです。

 アメリカの D. ハーマン博士は、老化の原因は活性酸素にあると提唱しています。体の中の様々な組織や器官が酸化されると、これらの臓器や組織の機能低下が生じます。老化とともに『免疫力』の低下や消化吸収機能の障害が起こり、体の『抵抗力』が低下します。その結果、がんが発生しやすい体になるのです。

 この考え方に従えば、逆に「活性酸素の害」を減らすことができれば、老化の進行を抑えることができ、がんに打ち勝つ『抵抗力』を高めることができることになります。慢性の炎症状態が「発がんのリスクを高める」ことは良く知られています。炎症の場では、好中球やマクロファージなどの細胞(免疫細胞)が活性化されて活性酸素や「一酸化窒素」の産生量が増加し、これらのフリーラジカルは DNA の変異や細胞増殖を引き起こして、がんの進展(進行)を促進するのです。

 多くの実験で「抗酸化剤」が変異細胞の悪性転化を抑制することが報告されています。慢性の炎症があると、がんが起こりやすくなり、また、発生したがんの進展(進行)を促進します。その理由は、炎症があるとその部分では活性酸素が多く発生して DNA 変異を起こす機会が増えることと、もう一つは、炎症によって細胞が死ぬため、それを補うために細胞増殖が起こるからです。細胞の増殖を促進する要因は発がんのプロモーターになります。したがって、慢性炎症は活性酸素の発生と細胞の分裂増殖を促進するという2点から、発がん、及び、がん細胞の増殖に関係するのです。

 「抗炎症作用」が、がんの進展予防において重要な意味を持つ、という理由はここにあります。これが漢方薬の清熱剤(抗炎症作用を持つ)が、がんの再発予防や治療において有効な理由の一つです。




「ヒドロキシラジカル」を消去する『水素分子(H2)』


 『水素原子番号元素記号)』は、物質を構成する元素としては「宇宙で最も量が多い」のですが、地球の大気中には1ppm 以下の微量しか存在しません。水素分子(H2)は最も軽く、常温では無色無臭の気体で、非常に燃えやすい特徴を持っています。水素は大気中で5%以上になると、空気中の酸素と反応して爆発します。酸素と激しく反応するということは、酸化性物質と非常に高い反応性(抗酸化作用)を持つことを意味します。

 水素は「私たちの体内」でも発生しています。すなわち、食品中の「非消化性難消化性食物繊維」を大腸内の腸内細菌が発酵する(腸内細菌が「非消化性(難消化性)食物繊維」を食べて発酵分解する)過程で水素が発生しています。
 また、水素含有ガスの吸入は潜函病の治療に使用され、人体に極めて安全性が高いことも証明されています。
潜函病は、ダイバーなどの高気圧環境下にいた人が水面に上がることによって、急激な減圧により生体内に生じた窒素気泡によって起こる病気です

残念ながら、現代の日本人は、食生活の悪さ(現代食肉食の多食過食など)や、現代医療から受け続けた被害(抗生物質は病原性を示していない細菌にも作用するため、体内の細菌を皆殺しにしてしまうほど強い薬で、抗生物質の乱用より、体内の常在菌のバランスが崩れ、腸内細菌が破壊を受けています)などの諸事情により、『水素を産生する腸内細菌』が欠如している人が多いそうですブログ管理人

 「太田成男」日本医大教授(細胞生物学)らは、2007年に、水素含有ガスが、体に最も有害な活性酸素である「ヒドロキシラジカルを効率よく除去し、脳虚血後の障害を軽減できることを報告しました(Nature Medicine 13: 688-94, 2007)。すなわち、脳の血液の流れを一時的に止め、活性酸素を大量に発生させたラット(虚血再灌流モデル)に1~4%の水素を含んだガスを吸わせると、脳のダメージが軽減することを明らかにしました。

 この研究では、水素は活性酸素のうち細胞障害作用の最も強い活性酸素(ヒドロキシラジカル)のみを消去し、細胞機能にも関与している「スーパーオキシド」や「過酸化水素」は消去しないことが示されています。また、水素は生体膜を拡散し、種々の細胞内小器官に浸透し得る(血液脳関門も容易に通過する)ので、活性酸素による酸化障害の治療法として理想的な特徴を持っています下図)。

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 パーキンソン病モデルラットを用いた実験で、パーキンソン病の発症や進行の抑制効果や、臓器移植後の臓器障害の軽減効果、急性肺障害の軽減効果など、「酸化ストレス」が関係する病態の治療剤としての有効性が報告されています。

 マウスを使った実験で、水素ガスの吸入や水素含有水の飲用によって、抗がん剤のシスプラチンの抗がん作用は弱めずに、副作用の腎臓障害や体重減少を軽減できることが報告されています。

 (水素ガスの吸入や水素含有水の飲用などの『水素療法』は酸化ストレスを軽減するので、様々な老化性疾患の予防や美容にも有効です

重複しますが、上述しましたように、活性酸素はすべてが悪いわけではなくて、体に益成す『善玉活性酸素』と、体に害成す『悪玉活性酸素』とがあります。「スーパーオキシド・ラジカル」や「過酸化水素」や「一酸化窒素」などは「体の生命運営に欠かせないもの」ですから、これらの活性酸素は『善玉活性酸素』です。
 これに対して、体にとって必要な役割がまったくなく、遺伝子、タンパク質、脂質を酸化して破壊してしまう「ヒドロキシルラジカル」や「ペルオキシナイトライト」は悪玉活性酸素』です。
 ですから、活性酸素は「ヒドロキシルラジカル」や「ペルオキシナイトライト」という悪玉活性酸素』だけを選択的に還元してあげれば良く、これに好都合であるのが『水素水素分子H2)』というわけです。
 『水素水素分子H2)』は、体に益成す『善玉活性酸素』は還元せず、「ヒドロキシルラジカル」や「ペルオキシナイトライト」という、体に害成す悪玉活性酸素』だけを選択的に還元して無毒化します。『善玉活性酸素』は温存されますので、支障を生みません。『水素水素分子H2)』っていうのは、ホント、良い奴なんですよねぇ♪
ブログ管理人



水素の「抗がん剤副作用 軽減作用」について

 シスプラチンは多くのがんに効果がある抗がん剤ですが、腎臓毒性が用量制限毒性(dose-limiting toxicity)となっており、腎臓障害が発生すると十分な量を投与できなくなります。

 シスプラチンは腎臓細胞のミトコンドリアのダメージを引き起こして活性酸素の「ヒドロキシルラジカル」の産生量を増やし、この「ヒドロキシルラジカル」によって腎臓細胞が酸化障害を受けることが腎毒性の主な原因になっています。

 一方、シスプラチンは細胞における還元型グルタチオンの産生量を減少させるので、細胞の『抗酸化力』が低下し、腎臓が酸化障害によるダメージを受けやすくなります。このように、「ヒドロキシルラジカル」を主体とする活性酸素による「酸化ストレス」の増大が、シスプラチンの副作用の原因になっています。

 「ヒドロキシルラジカル」のスカベンジャー(消去物質)は、シスプラチンの腎臓障害を軽減できることが動物実験で示されています。

 水素分子(H2)は「ヒドロキシルラジカル」を強力に消去する活性を持っています。水素分子(H2)の投与が、シスプラチンの抗腫瘍効果を弱めることなく、その腎毒性を軽減することが、マウスを使った実験で報告されています


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 Molecular hydrogen alleviates nephrotoxicity induced by an anti-cancer drug cisplatin without compromising anti-tumor activity in mice.水素分子は抗腫瘍効果を弱めることなく、抗がん剤シスプラチンによる腎臓毒性を軽減する
 
Cancer Chemother Pharmacol. 64(4):753-61. 2009

【目的】
 シスプラチンは多くのがんの治療に広く使用されている抗がん剤であるが、シスプラチンの投与は「酸化ストレス」増大による腎臓毒性によって制限されることが多い。私たちの研究グループは、水素分子(H2)が「抗酸化剤」として有効であることを報告してきた(Ohsawa et al. in Nat Med 13:688-694, 2007)。この研究では、「酸化ストレス」を軽減する効果によって、水素分子がシスプラチンの抗腫瘍効果を阻害することなく、副作用を軽減することを明らかにした。

【方法】
 マウスにシスプラチン(腹腔内に17mg/kg)を投与した後、水素を1%含有する空気の充満したケージで飼育した。
 また、水素含有ガスの吸入の代わりに、水素水(0.8mM の H2 を含む水)を自由に飲用させた。
 有効性は、「酸化ストレス」、死亡率、体重減少について評価して、対象グループと比較検討した。
 腎臓障害の程度は、腎臓の病理学的所見、血清クレアチニンと尿素窒素(BUN)の測定によって評価した。

【結果】
(1)水素の吸入は、シスプラチンによって引き起こされる死亡と体重減少を改善し、腎臓障害を軽減した
 
シスプラチンを17mg/kg 1回投与したマウス(対象群)は、シスプラチン投与2日目から死亡し始め、6日目の生存率は60%であった。一方、シスプラチン投与後1%水素含有空気の充満したケージで飼育したグループ(水素投与群)では、5日目まで生存率は100%で、9日目の生存率は80%であった。
 シスプラチン投与3日後の体重減少は、対象群が9.7%で、水素吸入群が3.5%であった。
 シスプラチン投与72時間後には、血清クレアチニンと尿素窒素は約2~4倍に上昇した。シスプラチン投与72時間後の血清クレアチニン値の平均値は、対象群が9.6mg/L に対して水素吸入群は5.7mg/L、尿素窒素(BUN)値の平均は、対象群が863mg/L に対して水素吸入群は477mg/L であり、1%水素含有空気の吸入によって腎臓障害の軽減を認めた。

(2)水素水の飲用で水素を体内に投与できる
 水素分子(H2)は水に溶解し、0.8mM の飽和濃度に達した。血中の水素濃度を測定するためには数ml の血液が必要なので、ラットを用いて、水素水の飲用で水素が血中に移行するかどうかを検討した。水素水をラット1匹(230g)当たり3.5ml を胃内にカテーテルで注入し、3分後に血中の水素濃度を測定した。血中の水素濃度は、食後投与で3.7倍、空腹時投与で7.6倍に上昇した。すなわち、水素水の飲用で、体内に水素分子(H2)を投与することができることが示された。

(3)マウスにシスプラチン投与後、水素水を自由に飲用させると、酸化ストレス、死亡率、体重減少が改善した
 腎臓における酸化ストレスの評価として、脂質の過酸化によって生じる malondialdehyde(MDA)の量を測定した。シスプラチン投与によって腎臓組織の MDA は約1.5倍に上昇したが、水素水を飲用した群では正常レベルに低下した。
 水素水の飲用は、病理学的検査で腎臓細胞のアポトーシス(細胞死細胞の自殺)の減少を認め、血清クレアチニンと BUN で評価した腎臓障害も軽減した。その効果は1%水素含有空気とほぼ同じレベルであった。

(4)水素水はシスプラチンの副作用を顕著に軽減したが、シスプラチンの抗腫瘍効果は弱めないことを、培養細胞を使った実験(in vitro)と移植腫瘍マウスを使った実験(in vivo)で確認した。

【結論】
 水素はシスプラチンの副作用を軽減するので、抗がん剤治療中の患者の QOL(生活の質)を改善する効果が期待できる。


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【注釈】
 シスプラチンは白金製剤で、細胞分裂しているがん細胞の DNA にダメージを与えて、抗がん作用を発揮します。この抗がん作用には、水素分子は何ら影響を及ぼしません。

 シスプラチンは SH(sulph-hydryl)基に親和性があるため、SH基を持っているグルタチオンGSHの枯渇を引き起こします。その結果、『抗酸化力』が低下し、活性酸素、特くに「ヒドロキシルラジカル」が蓄積して、腎臓障害を引き起こします。シスプラチンは主に腎臓から排泄されるため、腎臓に最もダメージを与えます。

 DNA にダメージを与える抗がん剤は、通常は、細胞分裂している細胞(骨髄細胞腸粘膜細胞など)にダメージを与えて、副作用を引き起こします。しかし、抗がん剤治療によって活性酸素の産生量が増えたり、『抗酸化力』が損なわれると、分裂をしていない細胞にも酸化障害によってダメージを与えます。

 多くの「抗酸化剤(ビタミンCビタミンEセレンカロテノイドメラトニンなど)」が、シスプラチンの腎臓毒性を軽減する効果があることが動物実験で確かめられています。水素分子は、これらと比較して、より高い効果が期待できます。

 その理由は、水素は「ヒドロキシルラジカル」のみを消去し、「スーパーオキシド・ラジカル」や「過酸化水素」には作用しないからです。「ヒドロキシルラジカル」は細胞傷害を引き起こす有害な活性酸素ですが、「スーパーオキシド・ラジカル」や「過酸化水素」は、正常細胞の増殖やシグナル伝達や、生体の防御機構にも重要な役割を果たしています。したがって、水素は抗がん剤による「酸化ストレス」を軽減する理想的な「抗酸化剤」と言えます。

 αリポ酸やセレンやコエンザイムQ10などの「抗酸化剤」のサプリメントの摂取に加え、水素ガスの入浴、水素水の飲用や点滴、水素ガス吸入は、抗がん剤の副作用軽減に極めて有用です



「水素ガスの吸入」が、肺組織における炎症や酸化傷害によるダメージを軽減する効果が、
  動物実験などで示されています 〔 水素ガスの吸入
水素吸引


 Hydrogen inhalation ameliorates lipopolysaccharide-induced acute lung injury in mice.
 (水素の吸入はマウスのリポポリサッカライド誘導性急性肺傷害を軽減する
 Int Immunopharmacol. 2011 Oct 19. [Epub ahead of print]


【要旨】
 急性肺障害Acute lung injuryは、重篤で死亡率の高い疾患である。「ヒドロキシルラジカルhydroxyl rdical: OH」や「パーオキシナイトライトperoxynitrite: ONOO-)」のようなフリーラジカルが、肺組織にダメージを与える原因と考えられている。本研究では、マウスの気管支内にリポポリサッカイイド(LPS)を注入して引き起こした急性肺障害に対する水素ガス吸入の効果を検討した。
注釈リポポリサッカイライドは細菌の細胞壁に含まれる脂質と多糖から構成される物質で、炎症反応を惹起する

 マウスはランダムに、次の3つのグループに分けられた。

   Sham group(生理食塩水水素ガス2%混入の空気
   Control group(LPS普通の空気
   Experiment group(LPS水素ガス2%混入の空気

 実験後、気管支、及び、肺胞内を洗浄し、洗浄液内の総蛋白濃度、炎症性サイトカインの濃度を測定した。
 さらに、病理組織学的検査や「酸化ストレス」の評価などを行った。

 その結果、LPS誘導性の肺障害によって誘起される炎症反応や「酸化ストレス」の増大の程度は水素ガスの吸入によって軽減し、マウスの生存率も改善した

 酸化障害の指標(マロンアルデヒド」と「ニトロチロシン」の濃度 )は水素ガス吸入によって低下し、好中球から産生される「ミエロペルオキシダーゼ」の活性を阻害し、「スーパーオキシド・ラジカル」を消去する消去酵素「スーパーオキシドディスムターゼSOD)」の活性は維持した。炎症性サイトカイン(TNF-αIL-1βIL-6)の発現を水素ガス吸入は低下させた。組織学的にも、水素ガスは肺組織のダメージや炎症所見を軽減した。

 以上のことから、水素ガスの吸入は、LPS で誘導される炎症や酸化障害を抑制し、急性肺障害を軽減する効果があることが示された

  同様な効果は、ラットを使った肺移植の実験でも確かめられています。



酸化ストレス」を軽減する方法

 「酸化ストレス」を軽減する方法は、「水素ガス風呂水素風呂入浴〔皮膚吸収 吸引〔呼吸吸収)」や「水素水」飲用や「点滴」の他に、以下のような「食事療法」や「サプリメント」や「漢方薬」なども有用です。


(1)食事療法
 「赤身の肉」や「動物性脂肪の多い食事」ががんの発生を促進する一番の原因は、これらの食品が『体内で活性酸素やフリーラジカルを発生させる原因になる』からです。野菜や果物ががんを予防するのは『活性酸素やフリーラジカルを消去する「抗酸化物質」を多く含む』からです。穀物も、精白したものよりも「未精白の全粒穀物玄米など)」ががん予防に推奨されている一つの原因は、精白で除去される胚芽や糠の中に『抗酸化作用のある成分が多く含まれている』からです。
 野菜や果物や豆類や全粒穀物のように、植物が含む「抗酸化成分」をまとめて摂取することは、がんや老化の予防に効果があることは、多くの研究が支持しています


(2)セレン
 体の『抗酸化力』を高めるためには、「抗酸化物質ビタミンCビタミンEポリフェノールなど)」を取り入れるだけでなく、体に備わっている「抗酸化酵素活性酸素消去酵素)」の働きを高めることも大切です。種々の微量元素が「抗酸化酵素」の活性に必須であり、その中で「セレンまたは、セレニウム)」は「過酸化水素」を「水(H2O)」と「酸素(O2)」に分解する「グルタチオン・ペルオキシダーゼ」の活性に必要です。「セレン」を補充することは、体の『抗酸化力』を高め、老化やがん予防に効果があることが明らかになっています。
 「セレン」を補充すると『抗酸化力』のみならず『免疫力』も高まって、がんの再発を遅らせる効果が報告されています。『抗酸化力』を増強するため、がんの化学療法や放射線療法の毒性を軽減し、がん治療の効果を高める効果も報告されています。
 「セレン」には『抗酸化力』増強だけでなく、がん細胞のシグナル伝達系に作用して、細胞増殖を抑え、細胞死(アポトーシス)を誘導する効果があることも、最近、報告されています。したがって、がんの治療や再発予防においては、「セレン」を補充することは有効と言えます。


(3)コエンザイムQ10(CoQ10)と アルファリポ酸(αリポ酸
 がんの再発予防が進行がんの症状改善に効果が期待できる「抗酸化物質」として「コエンザイムQ10CoQ10)」と「アルファリポ酸があります。
 「CoQ10コーキューテン)」は Coenzyme Q10 (コエンザイムQ10)、別名『ユビキノン』とも呼ばれる補酵素で、細胞内のミトコンドリア で ATP(アデノシン三リン酸生体エネルギー)と呼ばれるエネルギー物質の産生過程で働く物質です。細胞の老化の原因である活性酸素(フリーラジカル)の害を防ぎます。細胞内のミトコンドリアの中に入っていけるので、細胞の老化予防に極めて有効な物質です(詳しくは「こちら」へ)。
 「アルファリポ酸は、活性酸素や「一酸化窒素ラジカル」などのフリーラジカルを直接消去し、さらにグルタチオン、ビタミンC、ビタミンEの『抗酸化力』を再生します。グルタチオンの合成酵素である gamma-glutamylcysteine ligase の産生を高め、グルタチオン産生に必要なシステインの細胞内取り込みを促進し、グルタチオンの産生を高める効果や、フリーラジカルを発生する「鉄」や「銅」などのフリーの「金属イオン」をキレート(結合)することによって、活性酸素の産生を抑える効果があります。多くの「抗酸化物質」は親水性(水溶性)か疎水性(脂溶性)のどちらかの性質しか持ちませんが、「アルファリポ酸」は、親水性と疎水性の両方の性質を持ちます。したがって、細胞膜でも細胞質でも核でも働き、蛋白質や脂肪など全ての細胞内成分の酸化を抑制します。血液中の物質の酸化も抑制します。
 「アルファリポ酸」は「抗酸化作用」だけでなく、ミトコンドリアの TCAサイクル(クエン酸回路)を活性化することによって、がん細胞のアポトーシス(細胞死細胞の自殺)を誘導する作用も報告されています(詳しくは「こちら」へ)。
 末期のがん患者さんに、「CoQ10」や「アルファリポ酸」などの「抗酸化剤」を多く投与すると延命効果があることが報告されています


(4)メラトニン
 「メラトニンMelatonin)」は、昼と夜の周期に反応して脳の松果体から分泌され、体の日内リズムを調整しているホルモンです。米国では、不眠や時差ぼけの改善や「抗老化作用」を目的としたサプリメントとして人気があり、ドラッグストアーやコンビニで販売されています。
 「メラトニン」は『免疫力』や『抗酸化力』を高めると同時に、様々な機序での抗がん活性が報告されており、進行がんにおいて延命効果を示す臨床試験の結果も多く発表されています。
 「メラトニン」には「抗酸化作用」があり、活性酸素によるダメージから細胞を保護します。脳細胞の酸化を防ぐことにより、痴呆やアルツハイマー病やパーキンソン病を予防できるのではないかと期待されています。「メラトニン」は細胞膜や血液脳関門を容易に通過できるので、脳の神経細胞の酸化障害を防ぐことができるのです。
 「メラトニン」の「抗酸化作用」は、活性酸素だけでなく、「一酸化窒素」や「過酸化脂質」など様々なフリーラジカルを消去できることが特徴です。毒性の強い「ヒドロキシルラジカル」は「メラトニン」によって効率的に消去されます。不飽和脂肪酸の酸化によって生じる「ペルオキシラジカル」を消去する活性はビタミンEよりも高いことが知られています。「メラトニン」1分子は、4つ以上のフリーラジカルを消去できます。
 「メラトニン」はフリーラジカルを消去して自身が酸化されても、「酸化剤(pro-oxidant)」として副作用は起こらないと言われています。つまり、他の「抗酸化剤」は、フリーラジカルを消去すると、自身は酸化されて「酸化剤(プロオキシダント)」となって、他の物質を酸化するようになるのですが、「メラトニン」は酸化されても安定で、他の物質を酸化することはありません。
 さらに、グルタチオンペルオキシダーゼスーパーオキシドデスムターゼカタラーゼなどの細胞内の「抗酸化酵素」の活性を高める効果も報告されています。逆に、フリーラジカルを産生する酵素(リポギシゲナーゼ一酸化窒素合成酵素など)の産生を抑制する効果も報告されています。
 このような多方面の「抗酸化作用」によって、「メラトニン」は細胞膜の脂質や細胞内の蛋白、核内の DNA、ミトコンドリアにおける、フリーラジカルによるダメージを防ぎ、その結果、これらの細胞成分の酸化によって生じる病気(がん動脈硬化神経変性疾患など)を防ぐ効果を発揮します(メラトニン」の詳細は「こちら」へ )。


(5)漢方薬
 漢方薬の原料となる生薬は「抗酸化物質」の宝庫です。植物は光合成を行うことで生命を維持しています。日光の紫外線の刺激から発生する活性酸素から身を守ることは、植物にしてみれば至極当然のことで、その植物が貯えている物質の中に強力な「抗酸化物質」や「ラジカル消去物質」を数多く含んでいます。生薬は「抗酸化物質の宝庫」と言われますが、植物由来であるから当然のことなのです。
 生薬に含まれる「抗酸化物質」として、カロテノイドやビタミンCビタミンEなどの「天然抗酸化剤」の他、フラボノイドやタンニンなどのポリフェノールカフェー酸誘導体リグナン類サポニン類などが知られています。


水素ガス浴水素風呂)」や「水素ガス吸入水素吸引)」や「水素水」飲用や点滴に加えて、上記のような治療法を併用すると、「酸化ストレス」の増大による様々な疾患の治療に効果を高めます


 水素ガス吸入水素ガス浴(水素吸引水素風呂 1~2万円程度
 αリポ酸 セレン 5000円
 コエンザイムQ10 6300円
 メラトニン 5000円
 漢方薬(抗酸化作用免疫力増強抗がん作用
 症状や治療の状況に応じて処方は異なる
 2~3万円程度

【 費用1ヵ月分の費用の目安


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我が家が『水素療法』として「抗酸化治療器」に選びました、
  『株式会社 フラックス』製の家庭用「水素発生機」である『spa-Hスパエイチ)』につきましては、
  次の記事を参照してください。

     我が家が『水素療法』として選んだ、株式会社フラックス製の水素発生機『spa-H』について
      【『銀座東京クリニック』(福田一典 医師)の「水素吸引」セット:他・・・ 】



ガンの特効薬はミトコンドリア賦活剤」ブログの鈴森さんが分かりやすくまとめてくださっている
 「活性酸素除去装置抗酸化治療器)」の『エアナジー』&『SOE-MACエスオーイー・マック)』につきましては、
  次の記事を参照してください〔こちらは『水素療法』ではなく『一重項酸素療法』です〕。

    『エアナジー』が、癌や放射性障害を改善する!
      【活性酸素除去装置『エアナジー』&『SOE-MAC(エスオーイー・マック)』について】