これは、糖質制限食を推奨されている「江部康二」医師(京都高雄病院 理事長)の記事です。
 「「ケトン体」とは、体内のブドウ糖が枯渇した時に、肝細胞のミトコンドリアで作られる『短鎖脂肪酸』のこと!【「ケトン体」とは、体が作り出した『短鎖脂肪酸』です!】」にてお話しさせて頂きました『ケトン体』について書いてあります。

 特に「ケトン体とは脂肪酸の分解物で小さくなっています」という部分からも、『ケトン体』とは「脂肪酸を血液脳関門を通過できる大きさになるまで分解して小さくした “分子が小さい脂肪酸短鎖脂肪酸)” である」ということがお解かり頂けると思います。
 これは、体内のブドウ糖が枯渇した時に、“分子が大きい脂肪酸” を “分子が小さい脂肪酸” にまで分解して小さくして血液脳関門を通過させ、脳細胞まで “ブドウ糖の代替エネルギー源” となる脂肪酸を届けるための処置です。

 詳しくは「「ケトン体」とは、体内のブドウ糖が枯渇した時に、肝細胞のミトコンドリアで作られる『短鎖脂肪酸』のこと!【「ケトン体」とは、体が作り出した『短鎖脂肪酸』です!】」記事を参照してください。




 グリコのすぐわかる「栄養成分ナビゲーター」に誤り発見
 【「ドクター江部の糖尿病徒然日記」(江部康二医師)
より 】


13/10/24 土屋守

 グリコの(すぐわかる栄養成分ナビ)に誤り発見。
 グリコの “すぐわかる栄養成分ナビゲーション” の中に 脳の栄養は「糖質のみ」と解説してましたので、
 早速「それは間違いで、ケトン体・・ 云々」と説明し、
 「ハーパーの医学書に書かれています」と伝えました(読んだ事ないけど)。
 糖質制限食 スーパー一年生 HbA1c=5.8% 】



 こんばんは。

 土屋守さんから、グリコのすぐわかる「栄養成分ナビゲーター」についてコメントで誤りをご指摘頂きました。

 ありがとうございます。

 グリコさん、「栄養成分ナビゲーター」は便利で重宝ですが、

 「・・・ 特に脳では、血液中のブドウ糖だけがエネルギー源 ・・・

 という根本的間違いは、速やかに是正して欲しいです。

 グリコさん、そこんとこ、よろしくお願いします。


 脳は『ケトン体』をいくらでもエネルギー源として利用します。

 これは、論争の余地はかけらもない生理学的事実です。

 医学教科書の定番である「ハーパー生化学」や「ガイトン臨床生理学」にも、
 脳が『ケトン体』を利用することは明記されています。

 『ケトン体』とは「脂肪酸の分解物」で小さくなっています。

 「アセト酢酸」「アセトン」「β-ヒドロキシ酪酸」の3つを総称して『ケトン体』と言います。

 このうち「β-ヒドロキシ酪酸」はケトン基を持っていないので、正確には『ケトン体』ではなく『短鎖脂肪酸』です。

 しかし、医学界でも自然科学界でも習慣的に、「β-ヒドロキシ酪酸」を『ケトン体』と呼んできました。


 江部康二




 人体の細胞のエネルギー源、小腸と大腸は特殊
 【「ドクター江部の糖尿病徒然日記」
より 】


 こんにちは。

 細胞が活動するにはエネルギー源が必要です。
 その中で、小腸と大腸は特殊なエネルギー源を利用しています。

(A)小腸の細胞のエネルギー源はグルタミンが50~60%、ケトン体が15~20%、ブドウ糖は5~7%とごく少ない。
   グルタミンは血中に最も多く含まれている遊離アミノ酸です。
(B)大腸の細胞のエネルギー源は『短鎖脂肪酸』のみである。

 (A)(B)に関して、私は浅学にして知りませんでした。

  治療に活かす!
  栄養療法
  はじめの一歩

  清水健一郎(著) 羊土社 2011年2月


 を読んで、初めて知りました。

 臨床に即した栄養療法の本はほとんどないので、私にはとても参考になりました。


(1)赤血球
 ミトコンドリアを持っていないので、ブドウ糖が唯一のエネルギー源。

(2)脳
 ミトコンドリアを持っているが、血液脳関門のため、脂肪酸の大きさは通過できない。
 従って、ブドウ糖と大きさが小さい『ケトン体がエネルギー源。

(3)赤血球以外の細胞は全てミトコンドリアを持っているので、骨格筋、心筋、内臓などの体細胞は「ブドウ糖」『ケトン体』「脂肪酸」をエネルギー源とする。

(4)肝細胞
 肝細胞は、そのミトコンドリア内で『ケトン体を産生するが、自身は利用せずに血中に放出して他の細胞のエネルギー源に回す。従って、肝細胞は「ブドウ糖」と「脂肪酸」をエネルギー源とする。

 今まで、(1)(2)(3)(4)で人体の細胞のエネルギー源は、ほとんど説明できると思っていたので、大変勉強になりました。

 清水健一郎先生、ありがとうございました。

 また、本書をご紹介頂きました
 京都府立医科大学大学 総合医療・医学教育学教室
 京都府立医科大学大学大学院 総合医療・医学教育学教室
 助教 森浩子先生、ありがとうございました。

 なお、『ケトン体と総称される「β-ヒドロキシ酪酸」「アセト酢酸」「アセトン」の内、「β-ヒドロキシ酪酸」は “ケトン基” を持っていないので、厳密には『ケトン体ではなく、『短鎖脂肪酸』です。


 江部康二