この記事は「犬の癌」に関する内容ですが、動物実験というものがありますように、動物の内容であっても人間に当てはまりますから、「犬の癌」だと簡単に馬鹿にされずに、非常にためになる内容なので、ぜひご一読されてみてください。「犬の癌」も「人間の癌」も、基本的に『癌の仕組み』はほとんど同じです。
 この記事のご紹介のあとに、私の【補足】がありますのでご覧になってみてください。
 よろしくお願いします m(__)m




 癌による代謝の変化と栄養について
 【「わんずている」
より 】


 癌性悪液質

 癌になると、十分に食餌を食べているのに、どんどん体重が減少してしまうことが見られます。
 これは、癌による直接的な影響や、化学療法などの治療による影響だけではなく、癌性悪液質による随伴性症候群の一部である代謝の変化が影響しているのです。

 癌の動物では、代謝が変化していることが明らかになっています。
 癌性悪液質に陥った動物は、活力がなく、治療に対する反応も低く、重篤な全身衰弱につながり、生存期間も著しく短縮します。

 癌性悪液質による代謝性変化は、臨床的に体重が減少する前、臨床所見に異常がない時から起こっています。
 また、化学療法や放射線療法、免疫療法、外科手術などによる治療に副作用を起こしやすくなります。
 そして、癌の治療を受け、癌の除去あるいはコントロールされても、一部の患者では、代謝異常が持続します。

 癌性悪液質について理解し、代謝異常に陥らないよう、また、代謝異常を改善させるために、適切な栄養管理を行うことは、生活の質の向上にも、延命のためにも、重要です。


 炭水化物代謝

 癌の動物において、劇的な代謝障害が、炭水化物代謝に起こります。
 末梢のブドウ糖利用、肝臓の糖新生、全身のブドウ糖酸化と代謝回転に異常が認められることが実証されています。

 正常動物は、ブドウ糖を好気性代謝で利用し、その結果、大量の ATP を産生し、将来の利用に備えます。
 (クレブス回路 ・・・ 1モルの糖から38モルの ATP を産生

 癌細胞は、好んでブドウ糖をエネルギー源として利用します。そして癌患者には、乳酸アシドーシスが起こります。
 癌細胞は好気的ブドウ糖代謝に必要な酵素をもっているのですが、理由は明らかになっていませんが、腫瘍は嫌気的代謝によって優先的に糖を代謝し、最終産物として乳酸を生成します。
 そして、患者は、コリ回路によって、それによって産生された乳酸を利用できるブドウ糖に変換するために多大なエネルギーを消失します。
 こうしてたくさんのエネルギーを使って作ったブドウ糖をまた、癌が利用してしまいます。
 炭水化物を得ることで、腫瘍がエネルギーを獲得する一方、癌患者は、却って多くのエネルギーを失ってしまうのです。
 炭水化物を与えると、癌患者は、かえってエネルギーの借金を作り、乳酸濃度が上昇し、患者に負担をかける結果になってしまうのです。

 これらの異常は、悪液質の臨床徴候の認められる前からしばしば存在し、癌のイヌを化学療法や外科手術で治療して疾患を取り除いても、高乳酸血症と高インスリン血症は改善されず、代謝異常が続いてしまいます。
 最近の研究で、リンパ腫のイヌについて証明されていますが、他の腫瘍でも同じ代謝異常が起こっていると考えられています。

 輸液療法を必要とする、重篤な癌患者では、より重要なことになります。
 乳酸リンゲル液が高乳酸血症を悪化させるという報告があり、ブドウ糖や乳酸を含む輸液は一般に避けたほうがよいと言われています。


 タンパク質代謝

 癌性悪液質では、腫瘍も癌患者も、両方がタンパク質を必要とします。
 癌によって身体の筋肉量、骨格タンパク質合成が減少し、同時に骨格タンパク質分解、肝臓タンパク質合成、全身タンパク質合成が増加して窒素収支が変化します。
 腫瘍は患者を犠牲にして貯蔵エネルギーを優先的に使おうとし、新糖生からエネルギーを得るためにアミノ酸を選択的に消費します。
 タンパク質の分解と喪失が合成を上回ると、免疫反応、消化管機能、術創治癒などの重要な身体機能の多くに変化が生じます。
 25種類のアミノ酸のうち、癌のイヌではトレオニン、グルタミン、グリシン、バリン、シスチン、アルギニンの血漿中濃度が有意に低く、イソロシンとフェニルアラニンの濃度は有意に高くなっていました。

 良質で生物学的利用能の高いタンパク質は、患者に対しても、そして腫瘍に対しても有益となります。

 メチオニンとアスパラギン
 特定の腫瘍細胞は増殖のためにメチオニンを必要とします。
 メチオニンを前駆物質のホモシステインに置き換えてしまうと、腫瘍細胞は細胞周期の途中で止まってしまいます。
 化学療法薬のあるものは、細胞周期特異性があります。
 アスパラギンはリンパ腫の腫瘍細胞の増殖に必須の物質で、L-アスパラギナーゼによるイヌのリンパ腫の治療で、最高80%までの完全寛解が得られています。

 チロシンとフェニルアラニン
 チロシンとフェニルアラニンの制限は、齧歯類動物腫瘍モデルなどで黒色腫細胞の増殖を抑制することがわかっています。

 アルギニンとグルタミン
 アルギニンはイヌでは条件必須アミノ酸と考えられています。グルタミンは、最近、特定の病態生理学的状態においてのみ必須のアミノ酸であることが認知されました。

 アルギニンとグルタミンは特異的な治療的価値を持っていると考えられています。
 食餌中に、アルギニンと n-3脂肪酸を増量すると、罹患したイヌの臨床徴候やクオリティ・オブ・ライフの改善、生存期間の延長が見られました。

 グルタミンは、ヌクレオチド生合成のために不可欠な前駆物質で、腸上皮の酸化的エネルギー生産の材料として重要です。
 腸の改善、最近の転移生増殖の減少、局所免疫の改善、生存期間の延長に有効であることが示されています。

 グリシン
 一部のアミノ酸は化学療法による毒性を減少させると考えられています。
 グリシンはシスプラチン誘発の腎毒性を減少させます。


 脂質代謝

 癌性悪液質で生じる体重減少の主原因は脂肪の損失です。
 炭水化物やタンパク質と異なり、一部の腫瘍細胞はエネルギー源として脂質を利用することが困難ですが、癌患者は、脂質を酸化させてエネルギーを得ることができます。
 このことから、高炭水化物食よりも高脂肪食のほうが、癌患者にとって有益であるという仮説が立てられ、最近の研究によって、高炭水化物・低脂肪の食餌は高脂肪・低炭水化物の食事よりも乳酸・インスリン濃度を上昇させること、高脂肪食が生存期間の延長させることを示唆する結果などが得られています。

 脂肪のタイプが重要なことも示されています。
 ω-6 は、転移を助長しますが、ω-3 は、腫瘍形成と癌の転移を阻害し、免疫系に刺激を与え、乳酸レベルやインスリン濃度を下げ悪液質を改善し、治療反応を増強させると考えられます。


 エネルギー消費

 癌性悪液質は、エネルギー摂取量の低下またはエネルギー消費の変化に伴ってエネルギー収支が負になることが原因の一部になっています。
 腫瘍を持つ動物とヒトでは、健康な個体と比較してエネルギー消費とカロリー要求量が増大することが報告されています。

 一般に癌を持つイヌでも体重減少がない場合には、健康な動物の所要量よりも高くはならず、同様に最近の研究によって手術の後にも、エネルギー所要量は増加しないことが示され、合併症のないイヌでは、正常の場合と類似していることが示唆されています。


 主要栄養因子

 癌患者の栄養状態を改善することで腫瘍の成長を助長させてしまうのではないかという懸念については、この相関を示す研究データはありません。
 食餌の支持の有効性として実証されているものは、体重増加、放射線・外科手術・化学療法に対する反応性や忍容性の向上などがあり、この他示唆されている因子には、胸腺重量、免疫反応性、免疫グロブリン量、補体量、白血球の食細胞能などがあります。

 癌患者において、炭水化物、脂質および蛋白代謝の変化は、目に見える臨床的疾患や悪液質よりも先に起こり、臨床的寛解や回復を示す患者でも持続することがあります。

 一日当たりの ME 要求量は、その多くを食物脂肪でまかなうのがよいと思われます。これは悪液質で体脂肪の減少が見られること、腫瘍細胞には脂肪をよく利用できないことによります。
 食物脂肪はカロリーの50~65%、あるいは乾物量で25から40%を供給するとよいとされています。

 n-3脂肪酸が腫瘍を抑制し免疫を増強させる可能性を示す研究結果から、n-3脂肪酸を増量することが有益と思われます。
 (乾物で5.0%以上

 食事中蛋白は正常動物の維持食に用いられる蛋白質量より増量するほうが良く、ME 25~40%(乾物で30~45%)、まかなうのが良いとされています。

 癌患者における食餌中のアルギニンの最小有効量はわかっていませんが、2%以上(乾物量)を供給するのが適切といわれています。


 食餌の評価

栄養は、思いやりあるケアの頂点ですし、食欲というのは、そのまま、QOLに響きます。
 「食べてくれない」というのは、犬にとっても辛いことですが、飼い主にとっても何よりも辛いことです。

癌患者に対して、食べてくれることが大切ですから、「食べるものなら何でも」が基本なのですが、でも、もし食べるのだったら、治療効果のある療法食を選択していくことが大切になります。

癌患者のフード、摂取量と給餌法が明確にわかる給餌歴を得ることが重要です。
  フードの保証成分表で、含量を見積もることができます。

衰弱した癌患者には嗜好性の高い食物で食物摂取量を上げるため、飼い主による自家製フードを与えられることが多くなります。これらはしばしば栄養バランスが不良であったりタンパク質とエネルギーが低すぎることがあります。


 給餌法の評価

 カロリー要求量の食餌を与えられているか、食べ物を摂取し、咀嚼嚥下し、吸収しているかを確定するには、給餌法の評価が重要になります。


 給餌計画

 フード ・・・ 癌をもつイヌの患者で、生存期間が延長し、クオリティ・オブ・ライフを改善することが証明されている市販のドッグフードは、n/d、1種類のみです。


 給餌法の決定

 経口栄養 ・・・ 非経口栄養に比べ、容易、安価、より生理的なので、望ましい経路です。
 腸管内栄養補給により、消化管粘膜の厚さは改善され、腸刺激ホルモンが分泌され、IgA 産生も刺激されます。

 自発的な摂取を増加させるためには、食物の嗜好性をあげることが単純な手段です。
 時に味付けあるいは食物を温めることで香りや口触りを改善して、患者の好みそうなものを与える、快適でストレスのない環境を整えるなどの配慮をしてあげます。

 食餌を細工しても上手く行かない時には、食物を与える前にジアゼパム等の薬物療法を試みます。
 ベンゾジアゼピン化合物あるいはシプロヘプタジンの投与は一過性に食欲亢進を引き起こしますが、適切な食餌摂取量を保証するものではありません。薬物の食欲刺激作用は時間と共に失われます。
 酢酸メゲストロールはヒトの癌患者でかなりの体重増加をもたらすことが示されています。
 ビタミンB群の欠乏症は食欲不振により起こると言われています。


 経腸栄養補給手技

 一般に機能する消化管をもった成イヌで、5~7日間、食物摂取が不十分であったり、1~2週間で最低でも10%の体重減少が見られた時に対象となります。

 経鼻食道挿管法、食道痩チューブ、胃痩チューブなどによる経腸栄養補給が、適切な栄養補給を保証する上で信頼性が高く、効率的な方法です。

 外科手術の時や放射線療法に先立ち前もってチューブの設置をしておくことが最良です。

 最も重大な合併症はカテーテルまたは溶液による敗血症で、無菌操作で防ぐことができます。


 再評価

 イヌに対する癌の影響、治療と栄養管理の影響、栄養サポートの影響のモニタリングをして、現在の体重と BCS を以前のものと比較して最も評価されます。

 癌性悪液質のほうが基礎となっている悪性疾患よりも臨床的に重大である場合もあります。

 癌患者において栄養補給が極めて重要な問題となります。




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 補足

 私がこの記事の中で一番目にして頂きたいのが、やはり、「ブドウ糖の摂取が癌を育てる大きな原因となる」という医学的な事実を語る、次の「 炭水化物代謝」の部分です。

 もう一度、その部分を見てみましょう。



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 炭水化物代謝

 癌の動物において、劇的な代謝障害が、炭水化物代謝に起こります。
 末梢のブドウ糖利用、肝臓の糖新生、全身のブドウ糖酸化と代謝回転に異常が認められることが実証されています。

 正常動物は、ブドウ糖を好気性代謝で利用し、その結果、大量の ATP を産生し、将来の利用に備えます。
 (クレブス回路 ・・・ 1モルの糖から38モルの ATP を産生

 癌細胞は、好んでブドウ糖をエネルギー源として利用します。そして癌患者には、乳酸アシドーシスが起こります。
 癌細胞は好気的ブドウ糖代謝に必要な酵素をもっているのですが、理由は明らかになっていませんが、腫瘍は嫌気的代謝によって優先的に糖を代謝し、最終産物として乳酸を生成します
 そして、患者は、コリ回路によって、それによって産生された乳酸を利用できるブドウ糖に変換するために多大なエネルギーを消失します
 こうしてたくさんのエネルギーを使って作ったブドウ糖をまた、癌が利用してしまいます
 炭水化物を得ることで、腫瘍がエネルギーを獲得する一方、癌患者は、却って多くのエネルギーを失ってしまうのです
 炭水化物を与えると、癌患者は、かえってエネルギーの借金を作り、乳酸濃度が上昇し、患者に負担をかける結果になってしまうのです

 これらの異常は、悪液質の臨床徴候の認められる前からしばしば存在し、癌のイヌを化学療法や外科手術で治療して疾患を取り除いても、高乳酸血症と高インスリン血症は改善されず、代謝異常が続いてしまいます。
 最近の研究で、リンパ腫のイヌについて証明されていますが、他の腫瘍でも同じ代謝異常が起こっていると考えられています。

 輸液療法(ブドウ糖入りの栄養点滴)を必要とする、重篤な癌患者では、より重要なことになります。
 乳酸リンゲル液が高乳酸血症を悪化させるという報告があり、ブドウ糖や乳酸を含む輸液は一般に避けたほうがよいと言われています。



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 「ブドウ糖は「癌の最大のエサ」」カテゴリの記事には、この手の内容が詰まっています。
 特に、「PET検査に見る「ブドウ糖」は、キキも驚く『癌の直送便』!」や「福田一典医師の『癌の中鎖脂肪ケトン食療法』論考(1)」の記事を見て頂ければお分かりになって頂ると思いますが、上述の中の次の部分、

   癌細胞は、好んでブドウ糖をエネルギー源として利用します。
   腫瘍は嫌気的代謝によって優先的に糖を代謝し・・・。

 これはもはや、『癌の原理』として、医学的には「常識扱い」になっています。

 癌細胞は大量のブドウ糖を取り込んで消費し、最終産物として乳酸を生成する・・。
 体はその乳酸をコリ回路によって「利用できるブドウ糖」に変換するために、多大なエネルギーを消失してしまう・・。
 多大なエネルギーを使用しながらつくったそのブドウ糖を、また癌細胞が大量に取り込み消費していく・・・。
 ブドウ糖を摂取している癌患者の体の中では、「癌細胞にとって非常に有利となる」この悪循環の体内環境が引き起こされている・・・。

 つまり、これは、癌患者さんが「ブドウ糖を健常者(健康者)並みに(抑制もせずして)無制限に摂取する」ことは、“体のエネルギーを多大に浪費しながら癌細胞をますます増大させていき、癌がさらに進行していく” という「悪循環型の体内環境」に陥っていくことを意味するわけです。
 体のエネルギーを浪費しながら「癌が進行していくのに一番好都合な環境」を自分で作り上げてしまっている・・、自分で癌の進行を後押ししている・・、自分で癌の進行に加担しているわけです。

 これではほとんど、『癌の後援会』に参加しているようなものです・・・。

 毎日の食事から健常者(健康者)並みにブドウ糖を摂取している癌患者さんはご自分で癌を育てているのですから、これで「癌を治したい!」と言われてもお話しになりませんし、どうしてあげることもできません・・・。

 私が当ブログサイトで、「ブドウ糖の摂取」についてとやかく言っているのは、本当に「癌患者にとって、ブドウ糖の摂取が如何に恐ろしいことか」を知って頂きたいからです(医者は何も言ってくれませんからね・・)。

 この「ブドウ糖の摂取」さえ制してしまえば(「ブドウ糖の摂取」をキチンと抑制していけば )、癌細胞を “自ずと衰退していかざるを得ない状態” へと導くことができるのは、医学的に明らかなる事実なのです。

 どう考えても、この「ブドウ糖の摂取」を第一に重視すべきなのは言わずもがなです。

 なので、私は「ブドウ糖を断ち、ブドウ糖に代わる(ブドウ糖よりも遥かに質の高い)『短鎖脂肪酸』エネルギー型にご自分をシフトするべき!」と、癌患者さんに訴えているのです。

 そうすれば、これができた時点で癌を自然抑制でき、何もせずとも癌は衰退していきます。
 安全に(しかも高額医療費も発生せずに)癌を “自然退縮” へと仕向けていくことができるでしょう。

 ここに行き着くならば、高額医療費が発生し、大金を支払い、体を危険にさらしながら三大療法(抗がん剤放射線手術)を行って強引に癌を抑制する必要が一体どこにあるのか・・、私にはそのようにしか思えません・・・。

 癌患者のみなさん、そう思いませんか?

 当ブログサイトに来てくださる癌患者さんには、なぜ、私が「ブドウ糖の摂取」についてこうまでうるさく言っているのかを・・、その意図を深く飲み込んで頂けたら(ご理解して頂けたら)と願っています m(__)m



 また「 脂質代謝」につきましては「福田一典医師の『癌の中鎖脂肪ケトン食療法』論考(1)」に詳しいです。
 ぜひ、ご参照されてみてください。よろしくお願いします m(__)m