この記事は、「炭水化物が人類を滅ぼす-糖質制限からみた生命の科学 夏井睦医師」記事の『腸内細菌による、宿主への栄養産生提供』に関する部分の抜粋です。長い記事なので、部分抜粋します。




 このような『腸内細菌が栄養を産生して宿主(人間)に提供している』という内容に触れる度に、生体にとって、腸内細菌が “如何に重要な存在であるか” を思い知ります。

 考えてみれば、現代の日本人は、現代食のような「腸内細菌を乱してダメにする食事」ばかりし、日本社会や現代医療・化学医薬による化学汚染を身に受けることで「腸内細菌の破壊」を受け、腸内細菌の健全性・正常性を失い、腸内細菌に異常が出ているために、食べているのに栄養失調になる・・、粗食を始めた途端に体が衰弱して弱ってしまう・・、というような現象が起きているのでしょう。

 マクロビオティックのような「玄米菜食の火食(玄米菜食のお料理)」は、腸内細菌の健全性・正常性がしっかりと保持されていた “昔の日本人” にこそ通用した食事法です。現代の日本人のように、“腸内細菌が乱れ、破壊を受け、その数も種類も減少している” ような人では、もはや通用しない食事療法なのです。だからこそ、マクロビオティックは今までに、問題を数々引き起こしているのです。

 現在、世間でもようやく “火食(加熱調理)をすると、ビタミンや酵素が破壊されて「ビタミン・酵素不足になる」” と広く認識されるようになってきましたが、実は、日本は昔から「煮込み文化」と言って、何でもかんでも “鉄鍋でサッと煮込んで” から食べていましたので、昔の日本人に「生食」の感覚はほとんどありませんでした。
漬物や納豆などの発酵食品は、現代と同じように生食だったでしょう

 つまり、昔の日本人の食生活は、マクロビオティックのような粗食メニューだったのです。昔の日本人はその粗食メニューで余計な病気などせずに、ちゃんと強健に生きていたのです。昔の日本人は、マクロビオティックのような粗食メニューであっても、全然大丈夫でした。

 その理由は、昔の日本人の腸内細菌が健全で、まったく正常であったからです。
 食事からビタミンや酵素をあまり摂取できなくても、腸内細菌が粗食によって健全・正常に育まれ維持されていたので、その健全で正常な腸内細菌が “宿主である人間が生きるのに必要な栄養” を産生して提供してくれていたので、食事で必須栄養素が欠如していたとしても、昔の日本人はマクロビオティックのような粗食で充分に体を養うことができたのです。

 ここは大事なので、もう一度まとめます。

 昔の日本人がマクロビオティックのような粗食メニューでも体を養えたのは、『昔の日本人が腸内細菌の数も種類も豊富で、腸内細菌の健全性・正常性を完全に保持していたため、腸内細菌が “宿主である人間が生きるのに必要な栄養” を産生して提供してくれていた』ので、粗食の食事に例え必須栄養素が欠如している面があったとしても、腸内細菌が産生して提供してくれる栄養を摂取することで、栄養失調にもならずに、ちゃんと無病息災に生きることができていたというわけです。


 これが真実であることは、現在進行の発展途上国の人々を見れば分かります。

南米の山奥に暮らすある民族は、ジャガイモを主食にして、副食には野菜を少々食べるだけ・・。
南米の長寿地域では、主食にトウモロコシ(全粒)で作ったナン(パンのようなもの)を食べ、副食は野菜や発酵食品を少々食べているだけ・・。
北欧の長寿地域は、玄麦を粉に挽いて(全粒粉で)作ったパンを主食にし、副食は野菜や発酵食品だけ・・。
フンザという長寿地域では、玄麦で作った(全粒粉の)うどんや野菜だけで長寿を保っている・・。
極めつけは、アマゾンの奥地に暮らすある民族は、大木の幹の中身(白い部分)をかき出して水に浸けることで澱粉を沈殿させ、水の底に沈殿した澱粉を採取して保存し、その澱粉を焼いてナンにして食べる主食と、副食は “巨大カブトムシの幼虫” を生で食べるだけ・・、食事はこの2種類のみ・・・。

 以上は、私が実際にNHKの放送で視た内容です。
 「ある民族」と書いていますのは、ちょっと “民族名” までは覚えていないからです(すみません・・)。
 これらの人々は、なぜこのような(玄米菜食が豪華に見えてくるくらいの)「粗食にもならない貧しい食事」で、病気ひとつせずに無病息災に暮らせる(生きることができる)のでしょうか・・・。

 その答えが『腸内細菌による、宿主への栄養産生提供』なのです。
 これらの民族は大自然の中で暮らし、日常茶飯事、自然の中で様々な細菌たち(抗原)に触れながら暮らしていることで腸内細菌が強力に育まれており、腸内細菌の健全性・正常性が完全に保持されているため、例え食事面で栄養に欠けているところがあったとしても、その健全で正常で強力なる腸内細菌がその民族の人々が生きるのに “必要な栄養” を産生して提供してくれているので、これらの地域の人々は栄養失調など起こすことなく、無病息災に当たり前顔して生きることができているわけです。やはり、人間と腸内細菌は『共生者』なのですね。
これらの民族は共通して「良質な水を飲んでいる」という点も挙げられます


 今までも、これらの民族を栄養学者が調査したことがありましたが、経口摂取している栄養がことごとく欠如しているのに、なぜこれらの民族に病人がひとりもおらず、みな揃って無病息災に生きることができているのかが、ま~ったく解からなかったのです。栄養学者たちは、ホント、お手上げ状態でした・・・。

 ところが、近年に入ってから人類の学問に『腸内細菌学』が現われ、人間と腸内細菌との関係が明らかになっていきました。それにつれて、これらの民族が “経口摂取する栄養に欠けていながら、どうして無病息災に生きることができているのか” が、医学的にだんだんと理解されるようになったのです。

 これを理解するには、ちょっと、人類の歴史的側面を見なければなりません。
 これには「長い人類の歴史的事情」が関与しています。

 人類史はずっと「飢餓との戦い」でした。現在の日本人のように、人類の中で毎日三食も安定して食べられる民族が現われたのは、長い人類史上では、ここ最近の出来事なのです。長い長い人類史の、そのほとんどが飢餓や飢えとの戦いの連続であったために、人類は「飢えている時間」のほうが遥かに長かったのですね。
 それゆえ、食事で栄養を摂取することは日常的にそれほど期待できなかったので、体は『“腸内細菌の産生してくれる栄養” に頼る生命機構を身に付けた』といわけです。これを『腸内細菌依存』と言います。

 現代の日本人のように一日三食の食事を満足に食べられるようになったからと言って、この生命機構は何も変わらず引き続き続行中ですから、現代の人間の体も、人類が過去の「飢餓との戦い」の実地から身に付けたこの生命機構の通りに働きます。
 つまり人間の体は、まずは『
腸内細菌が産生してくれた栄養』を優先的に使用し、食事から摂取した栄養(体外から摂取した栄養)は「補助栄養」として使用するのです。“腸内細菌が産生してくれた栄養” が主役であって、“経口摂取した栄養” はあくまで「補助的な栄養」なのです。


 人間の体は、食事を通して経口的に「体外から摂取した栄養」よりも、腸内細菌によって産生された(腸内細菌を通して体内で摂取した)栄養のほうを優先して使用します。経口的に「体外から摂取した栄養」が主役で使用されるのではない・・、これが「栄養摂取の真相」です。食事で栄養を経口摂取する “真の目的” は、「人間の栄養にするため」というよりも、『腸内細菌にエサを与えて健全に育てることで、人間が生きるのに必要となる栄養を、腸内細菌に産生提供してもらうため』というのが、「食事の第一目的」と言えるでしょう。

 体は、腸内細菌に産生してもらった栄養のほうが使用しやすいのです。
 なぜならば、大昔からそうしてきたからです。
 (上述のように、昔は飢餓が多く、食物が少なかったため、体は腸内細菌からの栄養提供に大きく依存していたためです

 体は『腸内細菌が産生してくれた栄養』のほうを使用することに慣れているのです。
 しかも、食事で摂取した栄養はそのままでは使用できないので、たぶん体も骨が折れるのでしょうね(笑)。
 体は使用しやすい栄養のほうを使います。

 これが『真の栄養学』です。
 日本の栄養学は「食うこと(摂取すること)」しか言えていませんが、これは『腸内細菌学』が欠如した学問だからです。
 日本の栄養学はいまだ、中途半端な学問を卒業できていないのです。
 早く『腸内細菌学』を取り入れた食学へと進化して頂きたいと願っています。


 つまり、『真の栄養学』における「栄養摂取の真相」には、

  食物  経口摂取  腸内細菌のエサとなる  腸内細菌が人間が生きるのに必要な栄養を産生  人間の栄養となる
  (食事から摂取した栄養(体外から摂取した栄養)は「補助栄養」として使用される

 という流れがあるのです。

 食事とは「体外から栄養を摂取する」のが本当の目的ではなく、『腸内に飼っている腸内細菌にエサを与え、その腸内細菌が産生してくれる栄養を得る(摂取する)ために食事を取っている』というのが『食の真相』と言えるでしょう。
 食事を通して “経口摂取した栄養” が体内で使用されるのは「補助栄養」に過ぎず、栄養摂取の主役はあくまで “腸内細菌が産生してくれた栄養” なのです。これは、日本の栄養学がまだ正式に発表できないでいる内容です。

 ここのところは、次の記事を参照されてみてください。

   大腸菌が「野菜のセルロース」を分解した時にミネラルを作り出す
   【体外から得た栄養よりも、腸内細菌が産生した栄養のほうを、体は優先して使用する:腸内細菌依存】

   人間の体は、体外から来た栄養よりも、体内で生産された栄養を優先的に使用する
    :胃腸が弱い人は、玄米クリームから始めて生玄米粉へ:根菜野菜を摩り下ろせば、酵素は5倍に増える



 このように、腸内細菌の健全性・正常性を完全に保持していた昔の日本人や、現在進行の発展途上国の民族は、以上のような理由から、例え栄養面に欠けた粗食メニューであっても、その粗食で充分に体を養えたのです。
 上述の民族と同様、昔の日本人も大自然の中で暮らし、自然と共に生きていましたから、日常茶飯事、自然の中で様々な細菌たち(抗原)と触れ合うことで腸内細菌が強力に育まれ、現代の日本のような「社会の化学汚染」がまったくなく、しかも食事が粗食だったので、昔の日本人の腸内細菌は完全に健全性・正常性が保持されていたのです。


 ところが・・、です。
 これは、現代の日本人には通用しません・・・。

 上述のように、腸内細菌が乱れ、破壊を受け、その数も種類も減少している現代の日本人が、いきなりマクロビオティックのような粗食をしたら問題が起こる人も多いでしょう。腸内細菌に問題があると、腸内細菌が産生して提供してくれるビタミン・酵素の摂取に不足が出てしまうので、もし、そういう人がマクロビオティックのような「火食(加熱調理)に傾倒している食事(ビタミン・酵素に欠如している食事)」ばかりしてしまうと、もろにビタミン・酵素に不足が出てしまい、体がだんだん衰弱していってしまう人も多いのです。腸内細菌に問題があるために、腸内細菌からの栄養提供面に不足が出ているからです。

 実は、火食(加熱調理)をすると破壊されてしまうのは、ビタミンや酵素だけではありません。
 生きた玄米や野菜の表面には『有用細菌』が付着しており、これを生で食べると、ビタミン・ミネラル・酵素などの栄養素の摂取と共に「有用細菌の摂取」にもなるのです。すると、その「有用細菌の摂取」が健康上、有益な「腸内細菌の健全な分布」を形成させることにつながります。

 それは、ここでご紹介させて頂きました夏井医師の本文中にも、「細菌は食物を介して次々と入ってきて、一部は確実に大腸に到達している」と書いてありましたね。

 次をご覧ください。

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 右上の「子供が(母親の)ウンチを食べて、お腹に “セルロース分解菌” を定着させる」とあります。
 自然界の草食動物は、子供が母親の糞を食べることで、親から腸内細菌を受け継ぐのです。母親の糞の中にはまだ生きた腸内細菌が含まれていますから、それを経口摂取することによって、自分の腸内に定着させるわけです。特に有名なのは象ですね。自然界の草食動物は今もこれを継続して、健全な腸内細菌が “親から子へと受け継がれていく” のです。
母親の糞には腸内細菌の他、栄養が豊富に含まれていますので、子供は栄養摂取のためにも母親の糞を食べるのですね

 つまり、これは夏井医師が言われていたこと、そのままに、『経口摂取した細菌は、自分の腸内細菌として定着させることができる』というシステムがあるわけです。もし病原菌であれば怖いのですが、それが『有用細菌』であれば健全で強力な「腸内細菌の分布」を形成させることができるで、これは非常に有り難いことなのです。
逆に、腸内細菌に不足が出るほうが怖いです。腸内細菌が破壊されると、人間は難病に進んでいくそうですから・・・

 ただ、これには「食べたものに有用細菌が付着している」という条件と共に、「有用細菌を生きたままの状態で摂取する必要があり、そのためには生食でなければならない」という条件が必要です。加工食品を食べても「有用細菌の摂取」にはならず、また、火食(加熱調理)をすれば “殺菌してしまう” ため、「有用細菌の摂取」にはなり得ません。

 ですから、腸内細菌を育む一助として『有用細菌』を摂取するためには、“「天然の生の食品」を『生食』する” という条件が絶対に必要なのです。ここに、『生菜食療法』が “腸内細菌を正しく育成できる” という理由があるのです。
 『生菜食』は、生玄米や生野菜の表面に付着している『有用細菌』まで摂取しますから、『生菜食』を通して『有用細菌』を摂取することで、腸内細菌を育むことができるわけです(これは、発酵食の遥か上を行くような感じですね!)。

 アメリカの動物園は、昔は動物園の動物に「加熱したエサ」ばかり与え、それで多くの動物が人間と同じような病気に罹って死んでいったそうです。しかし、動物に「生のエサ」を与えるようになってから動物が病気に罹らなくなり、動物たちは本来の寿命を迎えることができるようになったそうです。
 この実地を見ればお分かりのように、自然界の動物であっても、火食(加熱調理)ばかりしていると病気が発生してしまうのです。生食にすると、病気が消えていったのですね。

 これは何も動物に限ったことではなく、人間も同様に『生菜食』をすれば大きな効果が得られるのです。
 『生菜食』を通して、生きたビタミン・ミネラル・『有用細菌』を充分に摂取することで腸内細菌が育まれ、「免疫能力」や「代謝能力」が高まり、これらのすべてが治病の上で重要となるのです。逆に言えば、もしこれらが無ければ、治病は難しいと言えるのです。