この記事は、夏井睦医師の著書「炭水化物が人類を滅ぼす - 糖質制限からみた生命の科学」の中の、不溶性食物繊維の『セルロース』と、その『セルロース』を分解してビタミン・短鎖脂肪酸・アミノ酸などの重要な栄養を産生する『セルロース分解菌』の関係が細かく解説されている資料です。

 腸内細菌が宿主である人間に多くの栄養を産生して提供してくれていることがよく分かる内容です。人間は食事を通して体外から摂取した栄養よりも、腸内細菌によって産生された(腸内細菌を通して体内で摂取した)栄養のほうを優先して使用します。体外から摂取した栄養は「補助栄養」であるのが真相のようです。
 ですから、食事とは「体外から栄養を摂取する」のが本当の目的ではなく、『腸内に飼っている腸内細菌にエサを与え、その腸内細菌が産生する栄養を得る(摂取する)ために食事を取っている』というのが『食の真相』と言えるでしょう。これはまったく、腸内細菌 “様様” ですね!

 ここは、次の記事を参照されてください。

  ● 大腸菌が「野菜のセルロース」を分解した時にミネラルを作り出す
   【体外から得た栄養よりも、腸内細菌が産生した栄養のほうを、体は優先して使用する:腸内細菌依存】

  ● 人間の体は、体外から来た栄養よりも、体内で生産された栄養を優先的に使用する
    :胃腸が弱い人は、玄米クリームから始めて生玄米粉へ:根菜野菜を摩り下ろせば、酵素は5倍に増える


 この記事のご紹介のあとに、この記事の内容に重なる『マクロビオティックの盲点』に関する話をしています。
 ぜひ、ご一読されてみてください m(__)m
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炭水化物が人類を滅ぼす
糖質制限からみた生命の科学


夏井睦(著) 光文社  2013年刊



 (3)低栄養状態で生きる動物のナゾ (P189~203

1 食べない人々

 ここまでみてきたように、草食哺乳類は、摂取した食料に含まれるカロリーと栄養素以上のものを、消化管内の共生細菌から得て生きている。

 だから、完全草食で生きようとするなら、セルロース分解菌との共生が絶対に必要だし、それに特化した消化管も必要であり、人類の消化管では完全草食は不可能なはずだ。

 しかし、食の問題について資料を集めていくと、どうしても、「それほど食べていない / ほとんど食べていないのに、普通に生活している」人がいるという事実にぶつかってしまうのだ。

 たとえば『食べること、やめました』(マキノ出版)の著者の森美智代さんは、「1日に青汁を丼に1杯だけ」という食生活で、13年以上も健康に暮らしていらっしゃるし(ちなみに摂取する青汁の量が多いとすぐに太ってしまうそうだ)、『ほとんど食べずに生きる人』(三五館)の著者の柴田年彦さんも、1日500キロカロリーの摂取のみで1年間、健康を維持できたことをルポしている。

           食べること、やめました - 1日青汁1杯だけで元気に13年

           ほとんど食べずに生きる人 - 引き算の生き方革命


 同様に、比叡山延暦寺の千日回峰行(せんにちかいほうぎょう)も、栄養学的には自殺行為としか思えないものだ。
 千日回峰行とは、「1千日にわたり、食事は蕎麦かうどん1杯、ゴマ豆腐半丁、ジャガイモの塩蒸し2個を1日2回食べるのみ。1日30~80km を走破し、700日以後に9日間の断食・断水・断眠を行う」という凄まじい(すさまじい)荒行である。

 これは平安時代の僧の相応(そうおう)が始めたとされるが、1100年間で、達成者はわずか47名(うち3名は2回達成)という至難の修行である。

 科学的に考えると、これらの人々は絶対に死んでいるはずだし、生きていたとしても、骨と皮の寝たきり状態になってもらわないと、栄養学の専門家が困ってしまう。千日回峰行は毎日、フルマラソンの全コースを走破しているようなものだが、フルマラソンを4時間で完走するだけで2400キロカロリーが消費されるのだ。ましてや、1日80km を踏破するとなったら、必要カロリー数は2400キロカロリーどころではないはずだ。

 千日回峰行を行なう僧の運動量の消費カロリーと、食事から得られるカロリーを計算すると、500~600日で体重がゼロになってもらわないと困るし、そうでなければ生理学が崩壊してしまう。

 このような常識はずれの現象をつきつけられた時、大多数の反応は次のようなものだろうし、以前の私も同様に捉えていたと思う。

   これはごく少数の特異例にたまたま起きた例外的奇跡である。
   人が見ていないところで本当は食べているんじゃないの?
   これは超能力と同じで、手品、トリックのたぐいに決まっている。

 だが、これまでに説明してきた知識を駆使すると、不可能でもインチキでもない可能性が浮かび上がってくる。


2 肉食獣パンダがタケを食べた日

 人間が青汁だけ、あるいは極端な低栄養状態で生きているという現象を考える手がかりとして、肉食哺乳類が草食哺乳類に変化した例を取り上げてみよう。

 それがパンダだ。

 パンダがもともとは肉食だったことは、腸管の構造からほぼ確実とされている。
 しかし、何らかの原因で、本来の生息地を追われて高緯度地域に移動し(人類の祖先がパンダ本来の生息地に侵入して、パンダを追い出したという説が有力)、そこでタケやササという新たな食料に適応したとされている。高緯度地域にはエサとなる動物が少ないため、動物以外のものを食物にするしかなかったからだ。

 しかし、他の哺乳類同様、パンダはタケ(セルロース)を分解する酵素を持っていないため、以前から「タケを消化することができないのになぜ、タケだけを食べて生きていけるのか」は長らく謎とされてきた。

 その謎が解明されたのはここ数年のことだ。パンダの消化管内から、他の草食動物の腸管内に生息しているのと同じセルロース分解菌が発見され、タケ食で生きていけるメカニズムが解明されたのだ。

 ちなみに、パンダの腸管内の細菌のうち、13種は、すでに知られているセルロース分解菌であるが、7種はパンダに特有の細菌と報告されている。

 しかし、本来肉食である動物が、タケのみを食べる生活に簡単に切り替えられるのだろうか。肉食動物の腸管に、肉食動物とは無縁のセルロース分解菌が、そんなに都合よく住み着いてくれるものだろうか。

 こういうことを考える時、私たちはともすれば「進化とは数万年、数十万年かけて起こるものだ。パンダだって数万年かけてタケのみを食べる生活に適応したのだろう」と考えがちだ。

 だが、人間に追われて高緯度地域に避難したパンダにとって、今日明日、食物にありつけるかどうかは生死を分ける問題なのだ。何かを食べて栄養をとらなければ、数日後には確実に餓死するしかないのだ。数万年かけてタケ食に適応すればいい、というのは机上の空論で、獲物を見つけられない肉食パンダにとっては、数日以内にタケを食べて栄養を得なければ死が待っているのだ。

 しかし、肉しか食べていなかったパンダがタケを食べたところで、それを消化も吸収もできず、これまた死を免れることはできない。


3 細菌は地球に遍在する

 地球は細菌の王国である。成層圏から、地下10km の岩石中にまで、さらに深海底にいたるまで、細菌が存在しないところはない。ようするに、動物のあらゆる生活環境に細菌は遍在している。

 だから、野生動物がエサを食べる際に、エサには必ず細菌が付着しているし、動物はエサとともに細菌を飲み込んでいることになる。野生動物が、食物とそれに付着している1ミクロンの細菌を分離することは、原理的に不可能なのだ。

 もちろん、動物のほうも「エサと一緒に細菌を食べてしまう」問題には対策を講じている。口から入った細菌の大半は胃の胃酸で分解されるし、そこをくぐり抜けて小腸に到達しても、細菌の増殖阻止作用を持つ胆汁という強敵が待ち受けている。

 ようするに、食物に付着して細菌が侵入する危険性は想定の範囲内で、動物は最初から多重バリアを準備しているのだ。

 しかも、多重バリアを突破して大腸に到達できたとしても、大腸にはすでに、腸管常在菌がびっしりと住み着いて、高度に組織化された生態系を作っている。新参者の外来細菌が入り込もうとしても、すき間すら残っていない。

 また、腸管常在菌は互いにネットワークを作っていて、外来菌、とくに宿主に病気を起こす病原菌の侵入に対しては、一致団結してそれを排除しようとする。腸管常在菌にとっては、腸管は唯一生存できる環境だから、宿主に害をなす細菌は敵であり、彼らは必死になって人間の健康を守ろうとするのだ。

 だから、口から入ってきた細菌はほとんど排除され、体内に定着することはない。
 しかし、それでも、細菌は食物を介して次々と入ってきて、一部は確実に大腸に到達している。腸内常在菌たちが外来菌排除機能を持っていることが、なによりの証拠だ。外来菌が口から入ってこなければ、そもそも排除機能を維持する必要はないからだ。


4 草食パンダの誕生

 ここで、人間にすみかを追われ、高緯度地域にたどり着いたパンダに話を戻す。
 その地域には、これまでパンダがエサとしてきたような動物は少なく、肉食を続けることは不可能だった。何日間も絶食状態が続いたパンダはそこで、生えているタケやササを口にしたのだろう。

 もちろん、パンダはセルロースを分解できるわけではなく、タケをいくらたくさん食べても、栄養にはならない。
 だが、その他に草食動物がいるかぎり、セルロース分解菌は必ず存在する。草食動物の消化管内にいる常在菌(セルロース分解菌)で、排泄物と一緒に外に出てしまった細菌だ。

 これらの細菌は当然、タケの表面にも付着していて、パンダはタケとともに、これらの細菌も摂取する。そのうちの大部分の細菌は、胃酸で消化されてしまうだろうが、一部の菌は生きたまま、タケの破片とともにパンダの大腸に運ばれる。

 ここで、パンダの大腸に到達したセルロース分解菌の身になって考えてみよう。
 細菌は、温度や酸素濃度などが生息条件から大きく外れていなければ、水と微量の栄養分で生存・増殖できる生物である。つまり、セルロース分解菌の側からすると、パンダの大腸も、その他の草食動物の大腸も、環境的には違いはわずかだ。それこそ、タケの葉の表面に比べたら「住み慣れた環境」といっていいくらいだろう。あとはパンダがタケやササを食べてくれるのを待つだけだ。

 また、前述のように肉食動物の腸内細菌は、草食動物の腸内細菌に比べると圧倒的に数も種類も少ない。肉食動物はそもそも、腸管内共生細菌に消化や栄養素付加を委ねている部分が少なく、常在菌の数も種類も多数は必要としないからだ。これは肉食時代のパンダも同様だったと考えられる。

 おまけに、本来のすみかを追われたパンダは、エサを捕ることができず、絶食状態が続いていたから、腸内細菌は極限状態まで少なくなっていたはずだ。

 つまり、新参者のセルロース分解菌にとっては、競合相手が極端に少ない状態だ。これなら、パンダの腸管内でも、セルロース分解菌は生息域を拡大できるはずだ。

 そして、セルロース分解菌にとっても、パンダの腸管に潜り込めたのは幸運だったはずだ。何しろ彼らは「哺乳類の腸管」でしか生きていけない生物であり、自然界に放り出されたら死滅するしかないからだ。腸管常在菌は基本的に嫌気性菌であるが、腸管の外の世界は酸素でいっぱいだからだ。

 つまり、腸管以外の環境は、彼らにとって不毛の荒野であり、潜り込めさえすれば、ウマの腸管だろうが羊の腸管だろうが、パンダの腸管だろうが人間の腸管だろうが、変わりはないはずだ。競合する細菌が少なく、宿主が植物を食べてよく噛んで飲み込んでくれさえすれば、そこでコロニーを作れるチャンスがある。

 そして、肉食獣パンダの大腸に、噛み砕かれたタケとともに到達したセルロース分解菌は、それまでしてきたようにセルロースの分解を始め、短鎖脂肪酸やビタミンを分泌し始める。彼らにとっては、日常が戻ったようなものだ。

 そしてそれらは、パンダの栄養源となった。新たなすみかでも肉食の習慣を捨てようとしなかったパンダは滅び、タケやササという未知の食物を口にしたもののみが、生き延びることができたと想像される。

 もちろんタケやササだけ食べているパンダは、タンパク質(アミノ酸)をどこから調達しているのかという疑問だ残る。残念ながら、現時点でのパンダに関する研究ではこの謎を解き明かしてくれるものはなく、今後の研究を待ちたいと思う。

 いずれにしても、肉食パンダが短期間に草食パンダに変身したことは事実である。しかも、その変身は1週間程度の短い日数でなしとげられたはずだ。食を絶たれた肉食パンダが生きられるのはそのくらいが限界だからだ。この変化が現実に起きたのであれば、他の動物に起きても不思議はない。


5 1日青汁1杯の謎解き

 前述の「1日に青汁1杯」の森さんの著書によると、「腸内細菌叢を調べてみると人間離れしており、草食動物の牛のそれに近い」とある。パンダの例を見てもわかるように、森さんが、青汁(粉末化されたセルロース)だけでなく、セルロース分解菌も一緒に飲み込んだか、あるいは人間の腸管にわずかに存在するセルロース分解菌が、森さんの腸管内で優勢種となったと考えれば説明が付く。

 じっさい、人間の結腸内の腸内細菌には、セルロース分解能を持つものがわずかながらいて、粉末状にしたセルロースを服用すると、100%近い効率でセルロースを利用できる、という研究もあるようだ。

 森さんはまず最初に、病気治療のために絶食療法をされたようだ。この期間に大腸内は貧栄養状態となり、腸内常在菌の数も種類も減少する。

 そこで青汁を飲む。この時、経口的にセルロース分解菌が入るか、腸管内のセルロース分解菌が残っていれば、奇跡が起こる。粉末状のセルロースは、セルロース分解菌にとって最適の栄養源だからだ。

 おまけに、この大腸には他の細菌は少ないし、しかも彼らは貧栄養状態で青息吐息だ。そんななかで宿主は青汁のみを摂取してくれるのである。これはセルロース分解菌にとっては天国のような環境といえるだろう。

 このようにシミュレートしてみると、① 最初に絶食・断食していたこと、② その後に青汁単独食にしたことが、その後の「青汁のみ生活」を可能にしたと考えることができる。

 なかでも、前もって絶食・断食していたことが重要だったはずだ。いきなり青汁単独摂取を始めたとしても、セルロース分解菌が他の腸内細菌を圧倒して優勢種に切り替わるには時間がかかるだろうし、その切り替え時間の間は宿主(人間)は貧栄養状態であり、ほとんどの場合は宿主がダウンしてしまうからだ。しかし、事前に絶食状態にしておくと、体は糖新生と脂肪酸分解のみで維持されて、貧栄養状態でもしばらく生きられる。その間に、セルロース単独代謝系をゆっくりと完成させればいい。

 では、千日回峰行の食事の場合はどうだろうか。おそらくこの場合も、千日回峰行に入る前の食生活が鍵を握っていると思われる。つまり、行本番に入る前に、断食するか食事量を減らして貧栄養に体を慣らし、この準備期間のうちに腸内細菌の種類を切り替え、同時に栄養の吸収効率と代謝効率を高めていくわけだ。

 そして、そのような助走期間の後に、千日回峰行生活に突入するわけだが、この準備期間での切り替えに成功した者のみが行を達成できたのだろうし、行を2回達成した3名の人たちは、普段の生活ですでに切り替えが済んでいて、その延長線上で千日回峰行に挑んだと考えると納得がいく。

 もちろん、「1100年間で達成者はわずか47名」というのは、その切り替えは決して不可能ではないが、極めて困難であることを示している。だから、私たちがいきなり千日回峰行に挑戦したり、この食生活に切り替えるのは、自殺行為でしかない。

 千日回峰行に挑むなら、前もって「千日回峰行仕様」の体に切り替えておく必要があり、そのためには、日常の食生活も、事前に千日回峰行様式に切り替えておかなければいけないはずだ。

 このように、食生活が腸内細菌・腸内環境を変えている実例が、科学雑誌『ネイチャー』2010年4月7日号に掲載されている。海藻の細胞壁を分解する細菌の酵素が、日本人の大腸から見つかった、というフランス人生物学者の論文である。

 日本人は世界でもっとも海藻を食べる人種だが、おそらく、生で食べた海藻に海藻分解細菌が付着していて、それが海藻を日常的に食べる食生活のなかで排除されずに定着したという可能性が浮かび上がってくる。


6 セルロースが示す可能性

 われわれ一般人が、いきなり粉末状セルロースだけで生きていくのは難しそうだが、前もって断食や絶食を行ない、それに慣れた時点で「粉末状セルロース+セルロース分解菌」の組み合わせを経口摂取すれば、普通の人間でも生存可能かもしれない。

 多くの種類のビタミンと脂肪酸とアミノ酸を産生するセルロース分解菌を複数組み合わせれば、おそらく完璧だろう。じっさい、前述の森さんの腸内では、クリストリジウム属の細菌がセルロースを分解してアミノ酸を産生し、それを森さんが利用しているそうだ。

 この推論が正しければ、人類はセルロースの粉末を食料にできることになる。さらに、生きたままのセルロース分解菌を確実に大腸に届ける技術を確立すれば、セルロース食の可能性はさらに広がることになるだろう。

 これまで人間が直接消化も吸収もできなかったセルロースが、いきなり食料に変身することになれば、「大量のセルロースを含むために食用とは考えられてこなかった植物や微生物」が、いきなり食料として脚光を浴びるかもしれない。

 もちろんそれは、豊かな食生活とはほど遠いものかもしれないが、近い将来に確実に起こるであろう、地下水の枯渇とそれに起因する穀物生産減少を考えれば、このセルロースを中心とした食生活は、生き延びるための一つの方策になるかもしれない。






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 現代の日本人に、マクロビオティックが通用しない理由
 ~ 生菜食療法は「有用細菌」の摂取にもなり、腸内細菌を健全に育てる ~

 このような『腸内細菌が栄養を産生して宿主(人間)に提供している』という内容に触れる度に、生体にとって、腸内細菌が “如何に重要な存在であるか” を思い知ります。

 考えてみれば、現代の日本人は、現代食のような「腸内細菌を乱してダメにする食事」ばかりし、日本社会や現代医療・化学医薬による化学汚染を身に受けることで「腸内細菌の破壊」を受け、腸内細菌の健全性・正常性を失い、腸内細菌に異常が出ているために、食べているのに栄養失調になる・・、粗食を始めた途端に体が衰弱して弱ってしまう・・、というような現象が起きているのでしょう。

 マクロビオティックのような「玄米菜食の火食(玄米菜食のお料理)」は、腸内細菌の健全性・正常性がしっかりと保持されていた “昔の日本人” にこそ通用した食事法です。現代の日本人のように、“腸内細菌が乱れ、破壊を受け、その数も種類も減少している” ような人では、もはや通用しない食事療法なのです。だからこそ、マクロビオティックは今までに、問題を数々引き起こしているのです。

 現在、世間でもようやく “火食(加熱調理)をすると、ビタミンや酵素が破壊されて「ビタミン・酵素不足になる」” と広く認識されるようになってきましたが、実は、日本は昔から「煮込み文化」と言って、何でもかんでも “鉄鍋でサッと煮込んで” から食べていましたので、昔の日本人に「生食」の感覚はほとんどありませんでした。
漬物や納豆などの発酵食品は、現代と同じように生食だったでしょう

 つまり、昔の日本人の食生活は、マクロビオティックのような粗食メニューだったのです。昔の日本人はその粗食メニューで余計な病気などせずに、ちゃんと強健に生きていたのです。昔の日本人は、マクロビオティックのような粗食メニューであっても、全然大丈夫でした。

 その理由は、昔の日本人の腸内細菌が健全で、まったく正常であったからです。
 食事からビタミンや酵素をあまり摂取できなくても、腸内細菌が粗食によって健全・正常に育まれ維持されていたので、その健全で正常な腸内細菌が “宿主である人間が生きるのに必要な栄養” を産生して提供してくれていたので、食事で必須栄養素が欠如していたとしても、昔の日本人はマクロビオティックのような粗食で充分に体を養うことができたのです。

 ここは大事なので、もう一度まとめます。

 昔の日本人がマクロビオティックのような粗食メニューでも体を養えたのは、『昔の日本人が腸内細菌の数も種類も豊富で、腸内細菌の健全性・正常性を完全に保持していたため、腸内細菌が “宿主である人間が生きるのに必要な栄養” を産生して提供してくれていた』ので、粗食の食事に例え必須栄養素が欠如している面があったとしても、腸内細菌が産生して提供してくれる栄養を摂取することで、栄養失調にもならずに、ちゃんと無病息災に生きることができていたというわけです。


 これが真実であることは、現在進行の発展途上国の人々を見れば分かります。

南米の山奥に暮らすある民族は、ジャガイモを主食にして、副食には野菜を少々食べるだけ・・。
南米の長寿地域では、主食にトウモロコシ(全粒)で作ったナン(パンのようなもの)を食べ、副食は野菜や発酵食品を少々食べているだけ・・。
北欧の長寿地域は、玄麦を粉に挽いて(全粒粉で)作ったパンを主食にし、副食は野菜や発酵食品だけ・・。
フンザという長寿地域では、玄麦で作った(全粒粉の)うどんや野菜だけで長寿を保っている・・。
極めつけは、アマゾンの奥地に暮らすある民族は、大木の幹の中身(白い部分)をかき出して水に浸けることで澱粉を沈殿させ、水の底に沈殿した澱粉を採取して保存し、その澱粉を焼いてナンにして食べる主食と、副食は “巨大カブトムシの幼虫” を生で食べるだけ・・、食事はこの2種類のみ・・・。

 以上は、私が実際にNHKの放送で視た内容です。
 「ある民族」と書いていますのは、ちょっと “民族名” までは覚えていないからです(すみません・・)。
 これらの人々は、なぜこのような(玄米菜食が豪華に見えてくるくらいの)「粗食にもならない貧しい食事」で、病気ひとつせずに無病息災に暮らせる(生きることができる)のでしょうか・・・。

 その答えが『腸内細菌による、宿主への栄養産生提供』なのです。
 これらの民族は大自然の中で暮らし、日常茶飯事、自然の中で様々な細菌たち(抗原)に触れながら暮らしていることで腸内細菌が強力に育まれており、腸内細菌の健全性・正常性が完全に保持されているため、例え食事面で栄養に欠けているところがあったとしても、その健全で正常で強力なる腸内細菌がその民族の人々が生きるのに “必要な栄養” を産生して提供してくれているので、これらの地域の人々は栄養失調など起こすことなく、無病息災に当たり前顔して生きることができているわけです。やはり、人間と腸内細菌は『共生者』なのですね。
これらの民族は共通して「良質な水を飲んでいる」という点も挙げられます


 今までも、これらの民族を栄養学者が調査したことがありましたが、経口摂取している栄養がことごとく欠如しているのに、なぜこれらの民族に病人がひとりもおらず、みな揃って無病息災に生きることができているのかが、ま~ったく解からなかったのです。栄養学者たちは、ホント、お手上げ状態でした・・・。

 ところが、近年に入ってから人類の学問に『腸内細菌学』が現われ、人間と腸内細菌との関係が明らかになっていきました。それにつれて、これらの民族が “経口摂取する栄養に欠けていながら、どうして無病息災に生きることができているのか” が、医学的にだんだんと理解されるようになったのです。

 これを理解するには、ちょっと、人類の歴史的側面を見なければなりません。
 これには「長い人類の歴史的事情」が関与しています。

 人類史はずっと「飢餓との戦い」でした。現在の日本人のように、人類の中で毎日三食も安定して食べられる民族が現われたのは、長い人類史上では、ここ最近の出来事なのです。長い長い人類史の、そのほとんどが飢餓や飢えとの戦いの連続であったために、人類は「飢えている時間」のほうが遥かに長かったのですね。
 それゆえ、食事で栄養を摂取することは日常的にそれほど期待できなかったので、体は『“腸内細菌の産生してくれる栄養” に頼る生命機構を身に付けた』といわけです。これを『腸内細菌依存』と言います。

 現代の日本人のように一日三食の食事を満足に食べられるようになったからと言って、この生命機構は何も変わらず引き続き続行中ですから、現代の人間の体も、人類が過去の「飢餓との戦い」の実地から身に付けたこの生命機構の通りに働きます。
 つまり人間の体は、まずは『
腸内細菌が産生してくれた栄養』を優先的に使用し、食事から摂取した栄養(体外から摂取した栄養)は「補助栄養」として使用するのです。“腸内細菌が産生してくれた栄養” が主役であって、“経口摂取した栄養” はあくまで「補助的な栄養」なのです。


 人間の体は、食事を通して経口的に「体外から摂取した栄養」よりも、腸内細菌によって産生された(腸内細菌を通して体内で摂取した)栄養のほうを優先して使用します。経口的に「体外から摂取した栄養」が主役で使用されるのではない・・、これが「栄養摂取の真相」です。食事で栄養を経口摂取する “真の目的” は、「人間の栄養にするため」というよりも、『腸内細菌にエサを与えて健全に育てることで、人間が生きるのに必要となる栄養を、腸内細菌に産生提供してもらうため』というのが、「食事の第一目的」と言えるでしょう。

 体は、腸内細菌に産生してもらった栄養のほうが使用しやすいのです。
 なぜならば、大昔からそうしてきたからです。
 (上述のように、昔は飢餓が多く、食物が少なかったため、体は腸内細菌からの栄養提供に大きく依存していたためです

 体は『腸内細菌が産生してくれた栄養』のほうを使用することに慣れているのです。
 しかも、食事で摂取した栄養はそのままでは使用できないので、たぶん体も骨が折れるのでしょうね(笑)。
 体は使用しやすい栄養のほうを使います。

 これが『真の栄養学』です。
 日本の栄養学は「食うこと(摂取すること)」しか言えていませんが、これは『腸内細菌学』が欠如した学問だからです。
 日本の栄養学はいまだ、中途半端な学問を卒業できていないのです。
 早く『腸内細菌学』を取り入れた食学へと進化して頂きたいと願っています。


 つまり、『真の栄養学』における「栄養摂取の真相」には、

  食物  経口摂取  腸内細菌のエサとなる  腸内細菌が人間が生きるのに必要な栄養を産生  人間の栄養となる
  (食事から摂取した栄養(体外から摂取した栄養)は「補助栄養」として使用される

 という流れがあるのです。

 食事とは「体外から栄養を摂取する」のが本当の目的ではなく、『腸内に飼っている腸内細菌にエサを与え、その腸内細菌が産生してくれる栄養を得る(摂取する)ために食事を取っている』というのが『食の真相』と言えるでしょう。
 食事を通して “経口摂取した栄養” が体内で使用されるのは「補助栄養」に過ぎず、栄養摂取の主役はあくまで “腸内細菌が産生してくれた栄養” なのです。これは、日本の栄養学がまだ正式に発表できないでいる内容です。

 ここのところは、次の記事を参照されてみてください。

   大腸菌が「野菜のセルロース」を分解した時にミネラルを作り出す
   【体外から得た栄養よりも、腸内細菌が産生した栄養のほうを、体は優先して使用する:腸内細菌依存】

   人間の体は、体外から来た栄養よりも、体内で生産された栄養を優先的に使用する
    :胃腸が弱い人は、玄米クリームから始めて生玄米粉へ:根菜野菜を摩り下ろせば、酵素は5倍に増える



 このように、腸内細菌の健全性・正常性を完全に保持していた昔の日本人や、現在進行の発展途上国の民族は、以上のような理由から、例え栄養面に欠けた粗食メニューであっても、その粗食で充分に体を養えたのです。
 上述の民族と同様、昔の日本人も大自然の中で暮らし、自然と共に生きていましたから、日常茶飯事、自然の中で様々な細菌たち(抗原)と触れ合うことで腸内細菌が強力に育まれ、現代の日本のような「社会の化学汚染」がまったくなく、しかも食事が粗食だったので、昔の日本人の腸内細菌は完全に健全性・正常性が保持されていたのです。


 ところが・・、です。
 これは、現代の日本人には通用しません・・・。

 上述のように、腸内細菌が乱れ、破壊を受け、その数も種類も減少している現代の日本人が、いきなりマクロビオティックのような粗食をしたら問題が起こる人も多いでしょう。腸内細菌に問題があると、腸内細菌が産生して提供してくれるビタミン・酵素の摂取に不足が出てしまうので、もし、そういう人がマクロビオティックのような「火食(加熱調理)に傾倒している食事(ビタミン・酵素に欠如している食事)」ばかりしてしまうと、もろにビタミン・酵素に不足が出てしまい、体がだんだん衰弱していってしまう人も多いのです。腸内細菌に問題があるために、腸内細菌からの栄養提供面に不足が出ているからです。

 実は、火食(加熱調理)をすると破壊されてしまうのは、ビタミンや酵素だけではありません。
 生きた玄米や野菜の表面には『有用細菌』が付着しており、これを生で食べると、ビタミン・ミネラル・酵素などの栄養素の摂取と共に「有用細菌の摂取」にもなるのです。すると、その「有用細菌の摂取」が健康上、有益な「腸内細菌の健全な分布」を形成させることにつながります。

 それは、ここでご紹介させて頂きました夏井医師の本文中にも、「細菌は食物を介して次々と入ってきて、一部は確実に大腸に到達している」と書いてありましたね。

 次をご覧ください。

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 右上の「子供が(母親の)ウンチを食べて、お腹に “セルロース分解菌” を定着させる」とあります。
 自然界の草食動物は、子供が母親の糞を食べることで、親から腸内細菌を受け継ぐのです。母親の糞の中にはまだ生きた腸内細菌が含まれていますから、それを経口摂取することによって、自分の腸内に定着させるわけです。特に有名なのは象ですね。自然界の草食動物は今もこれを継続して、健全な腸内細菌が “親から子へと受け継がれていく” のです。
母親の糞には腸内細菌の他、栄養が豊富に含まれていますので、子供は栄養摂取のためにも母親の糞を食べるのですね

 つまり、これは夏井医師が言われていたこと、そのままに、『経口摂取した細菌は、自分の腸内細菌として定着させることができる』というシステムがあるわけです。もし病原菌であれば怖いのですが、それが『有用細菌』であれば健全で強力な「腸内細菌の分布」を形成させることができるで、これは非常に有り難いことなのです。
逆に、腸内細菌に不足が出るほうが怖いです。腸内細菌が破壊されると、人間は難病に進んでいくそうですから・・・

 ただ、これには「食べたものに有用細菌が付着している」という条件と共に、「有用細菌を生きたままの状態で摂取する必要があり、そのためには生食でなければならない」という条件が必要です。加工食品を食べても「有用細菌の摂取」にはならず、また、火食(加熱調理)をすれば “殺菌してしまう” ため、「有用細菌の摂取」にはなり得ません。

 ですから、腸内細菌を育む一助として『有用細菌』を摂取するためには、“「天然の生の食品」を『生食』する” という条件が絶対に必要なのです。ここに、『生菜食療法』が “腸内細菌を正しく育成できる” という理由があるのです。
 『生菜食』は、生玄米や生野菜の表面に付着している『有用細菌』まで摂取しますから、『生菜食』を通して『有用細菌』を摂取することで、腸内細菌を育むことができるわけです(これは、発酵食の遥か上を行くような感じですね!)。

 アメリカの動物園は、昔は動物園の動物に「加熱したエサ」ばかり与え、それで多くの動物が人間と同じような病気に罹って死んでいったそうです。しかし、動物に「生のエサ」を与えるようになってから動物が病気に罹らなくなり、動物たちは本来の寿命を迎えることができるようになったそうです。
 この実地を見ればお分かりのように、自然界の動物であっても、火食(加熱調理)ばかりしていると病気が発生してしまうのです。生食にすると、病気が消えていったのですね。

 これは何も動物に限ったことではなく、人間も同様に『生菜食』をすれば大きな効果が得られるのです。
 『生菜食』を通して、生きたビタミン・ミネラル・『有用細菌』を充分に摂取することで腸内細菌が育まれ、「免疫能力」や「代謝能力」が高まり、これらのすべてが治病の上で重要となるのです。逆に言えば、もしこれらが無ければ、治病は難しいと言えるのです。



 ここで、なぜ、現代の日本人に “マクロビオティックが通用しなくなっている” のかを考えてみましょう。

 マクロビオティックのような「玄米菜食の火食(玄米菜食のお料理)」ですと、火食(加熱調理)によってビタミンや酵素が破壊を受けるばかりでなく、同時に、(上述しましたように)生玄米や生野菜の表面に付着している『有用細菌』までが完全に殺菌されて死滅してしまうのです。腸内細菌が健全・正常・バリバリ絶好調♪であった昔の日本人ならばそれでも大丈夫でしたが、腸内細菌に問題が出ている現代の日本人では、これでは『腸内細菌の正常化』が起こりません。

 上述のように、現代の日本人は腸内細菌に問題がある・・、だから腸内細菌からの栄養提供に不足が出ている・・、それでいて、火食(加熱調理)の食事ばかりするから、食事からのビタミン・酵素・『有用細菌』の摂取にも不足してしまう・・・。
 よもや、この体の状態でですね・・、理論に傾倒し過ぎた “間違いのかなり多い” マクロビオティックを盲信して、玄米ご飯と牛蒡のきんぴら程度の粗食しか食べなかったら、そりゃ、いろいろと問題が出てきて当然ですよ!

 はっきり言って、マクロビオティックは、現代の日本人では通用しません!

 現代の日本人は、腸内細菌の数も種類も減少の一途をたどり、腸内細菌に問題が出ている人が多いです。
 これは化学物質・化学化合物が含まれている食品を多く摂取することになる現代食(しかも、肉食編重)を食べているという理由が大きな原因となっていますが、もっと大きな理由としては、自然医学から離れ、化学療法に傾倒した現代医療から受ける「人体への化学汚染の被害」が挙げられます。化学医薬や点滴に含まれる化学物質・化学化合物によっても、腸内細菌が破壊を受けることがあるのです。

 中でも、現代医療が多用する、あの「抗生物質」です。
 この抗生物質はというのはかなりの “曲者” で、便利だからと言って平気で使用していると、確実に腸内細菌を破壊します。

 ウィキペディア(抗生物質)には、このように載っています。

「抗生物質は病原性を示していない細菌にも作用するため、多量に使用すると体内の常在菌のバランスを崩してしまう場合がある。それにより、常在菌が極端に減少すると・・・」

 また、こちらの「免疫の専門サイト」(リンク)には、このように載っています。

「風邪を引いて病院に行くと、必ずと言っていいほど抗生物質を処方されます。
 実は、この抗生物質の乱用が免疫力を弱めているのです。
 抗生物質は『魔法の弾丸』とも呼ばれ、体内の細菌を皆殺しにしてしまうほど強い力を持った薬です。
 体内に侵入してきた有害細菌に対しては有効ですが、同時にビフィズス菌など体にとって有益な善玉菌まで殺してしまうため、結果的に人が本来持っている免疫力まで弱めてしまうことになるのです。」


 これは要するに、抗生物質を使用すると「悪い細菌だけでなく、腸内細菌や口腔内細菌などの体内に常在する細菌(常在菌)まで皆殺しにしてしまう」ということです。抗生物質を散々乱用してきた現代の日本人の多くの人々の腸内細菌に問題が数多く発生していて当然と言えるでしょう。現代の日本社会は、腸内細菌を破壊する要因で溢れ返っているのです。これじゃ、病人が増えるわけですよ!

 病人は腸内細菌に異常があり、ビタミン・ミネラル・酵素に不足しているという共通点があります。
 この体の状態で、マクロビオティックのような「玄米菜食の火食(玄米菜食のお料理)」でいくら病気を治そうとしたって、マクロビオティックは火食(加熱調理)ばかりでビタミン・酵素が欠けてしまっている食事ですから、昔の日本人のように腸内細菌が健全で正常であればいざ知れず、腸内細菌に問題が出ている現代の日本人ならば、一体どうなるでしょうか・・・?
 もうお分かりのように、 腸内細菌からの栄養提供が不足している中で、このようなマクロビオティックの食事をいくら摂取しても、ビタミン・酵素の不足は満足には補えないのです。

 ですから、腸内細菌に問題が発生している現代の日本人なればこそ、ビタミン・ミネラル・酵素を大量に摂取できる『生菜食療法』が一番有効します。生食ゆえに “火食の害が何もない”『生菜食』からは、生きたままのビタミン・酵素をそのまま摂取できるのです。当然、『生菜食』は『有用細菌』の摂取にもなりますから、問題が出ている腸内細菌を手入れすることもできるでしょう。現代の日本人にこそ、『生菜食』は大きく効果するのです。

 この超有効する『生菜食(植物の生食)』を “生野菜は体を冷やすからダメ~ッ!” という理由だけで軽く排除してしまっているマクロビオティックは、この時点ですでに問題大有りです。

 マクロビオティックは『生菜食(植物の生食)』を完全に否定し、火食(加熱調理)に傾倒する食事しかしない・・・、
 ここに、マクロビオティックの “根本的な問題点” があるわけです。

 ましてや、火食(加熱調理)の食事や陽性食品を摂取すれば、まるで陰性体質が陽性化して「陽性体質になれてしまう~♪」かのように勘違いしている・・、こんな食事療法では本当にお手上げなのです。


 確かに『生菜食(植物の生食)』は一時的には体を冷やしますが、その後はかえって『陰性体質を陽性体質へと転じさせる』力があるのです。

 陰性体質を陽性化して陽性体質に転じたければ、陽性食品ではなく、正しい陰性食品を摂取しなければいけません。
 その正しい陰性食品というのが、マクロビオティックが甘く見ている生野菜食、つまり『生菜食(植物の生食)』なのです。

 このことにつきましては、以前「なぜ食養生を始めると体重が減るのか、生玄米粉、ミルサー、冷え性、尊い妄想を活かして生命を守る、他・・・」にて、このようにお話させて頂いたことがあります。


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 この「体重減少の現象」の良い典型例が、私の母です。母はず~っと持病の「冷え症」がありまして、「夏に骨が痛くなる」ほどの冷えの持ち主でした。病院に通っても、陽性食品で体を温めても、何をしても母の冷え症は良くならず、悪化の一途でした。断言しますが、冷え症は陽性食品では絶対に治りません。陽性食品を摂取した時だけ一時的に体は温まりますが、その後、冷えは悪化していくだけです。

 世間には冷え症の方が非常に多いですけれども、冷え症の方が陽性食品をいくら摂取しても「冷え性が一向に良くならない」のは、「陽性食品では冷え症を治せない」からなのです。陽性食品は「摂取した時だけ体を温め、その後は、逆に体を冷やす作用がある」ので、冷え症の方が陽性食品ばかり摂取していると、冷え症はかえってどんどん酷くなっていくのですね。

 数年前、母は持病の冷え症が急速に悪化して、顔色が恐ろしく悪くなり、父が心配して昭和医大病院(超どデカイ病院です)の漢方科に連れていって、そこで漢方治療を始めました。しかし、漢方療法を始めた途端に、母の体調はさらに悪化して、体はだるく、舌は痺れ、もはやどうにもならなくなりました。その時、私が母に甲田療法の生菜食のことを話しましたら、母は真剣に「お母さん、生菜食、やるぅぅ~!!!」とお言いになられまして、私は慌てて母の食事を指導しました。

 最初、母は「生玄米粉+生菜食」を中心とした食事をしましたが、確か2~3ヵ月後くらいに「お母さん、(ブリッジタイプの)入歯に玄米の粉が入り込んでしまって、痛くて食べられないのよ・・」と言ってきたので、私は「じゃぁ~、玄米クリームにしよう♪」と伝えて、そこから母は「玄米クリーム+生菜食」を中心にした食生活に入りました。母は生菜食をしっかりと食べ続けていきました。
他には、豆腐、黒胡麻、ジャコ、卵などですが、ほとんど生菜食が中心です。今では玄米クリームよりか、浸水させた発芽玄米を生でポリポリ食べています

 それから1年間ほどで、母は長年の持病であった恐ろしいほどの冷え症がだいたい改善してしまったのです。今では、多少、腿が冷えるくらいだと言っていました。長年、病院に通っても、いくら陽性食品を食べて体を温めても良くならなかった母の酷い冷え症は、医学の冷え症の常識から外れた「生野菜食(生菜食)」で大きく改善してしまったのです。

 「陰極まって、陽に転ずいんきわまって、ようにてんず)」という東洋医学の言葉があります。『陰が極まれば、体の力が発露してきて、逆に陽に転じてしまう』という意味ですが、私の母が長年の酷い冷え症を治せたのは、この仕組みを正しく活かしたからでした。

 冷え症の方は陰性体質に偏り過ぎて「体が冷えてばかりいる状態」になっているのですが、ここで陽性食品を摂取しても、一時的に体が温まるだけで、その後はますます体が冷えていきます。これは、『この世の現象には、真逆の働きがある』という真理があるからです。

 陽性食品を摂取すると「体が一時的に温まる」のは、体に「冷やすきっかけ」を与えているのです。陽性食品を摂取して体が強制的に温まってくると、体は「体の温度が上がってしまった。サァ~、体を冷やせぇ~!」という本能が働いて、陽性方向とは真逆の「体を冷やす」作用に走るわけです。

 逆に、陰性食品を摂取して体が強制的に冷やされてくると、その「体が冷えてきた」ことに反応して、体は「体が冷えてきたぞォ~。サァ~、体を温めろォ~!」という本能が働いて、陰性方向とは真逆の「体を温める」力が体の内奥から発露してくるわけなのです。

 こういう体の力を『盛り返し力』と言います。ただ、この体の力が正しく働くのは「天然の食品」に限られます。食べ物は「天然の食品」と「人工の食品(精白食品加工食品)」がありますが、冷え症を改善して治してくれる「正しい陰性食品」とは、あくまで「生野菜」などの「天然の陰性食品」に限られます。白米や白パン、豆腐などの「人工の陰性食品」では、「陽性化の力」はまったく発現しません。「天然の陰性食品」の摂取がきっかけとなり、体に備わっている『盛り返し力』が働いて、体の「陽性化の力」が発露することで、冷え性の陰性体質が「陽性体質へと変化する(改善される)」のです。

 ここに「陰極まって、陽に転ず」の仕組みがあります。私の母が長年、陽性食品をいくら摂取しようとも冷え症が酷くなるばかりであったのは、陽性食品を摂取すると「陽性とは真逆の冷却作用」が働いたので、かえって陰性体質が深まってしまっていたからです。母の酷い冷え症を改善してくれたのは「生菜食」という、マクロビ奥様に「あんたなんか、大っ嫌いよ!」扱いされている陰性食品の王者「生野菜食」だったのですが、母は生野菜(生菜食)を毎日大量に摂取したことで、体が正しく陰性に傾き、そこで母の体がようやく「体が冷えているぞ! 体を温めろォ~!」という反応が現われて、少しずつ少しずつ、母の陰性体質が陽性化してきたのです。それで、母の酷い冷え症が改善してきたというわけです。これは、母の体が生野菜食(生菜食)によって「陰が極まった」ことで、体の「陽性化の力」が発露して、「陽に転ず陰性体質から陽性体質に変わる)」になったのですね。

 世間では、西洋医学でも、東洋医学でも、医師は「陰極まって、陽に転ず」と言いながら、冷え症の方に平気な顔して陽性食品を薦めていますが、これは何のこっちゃわけ分かっていない証拠なのです。この意味が分かっていた医師は、私の知る限り、甲田光雄医学博士だけです。甲田光雄先生は「冷え症は生野菜で治る」という本を執筆しています。


 このことは、私が生菜食者になったことがきっかけで分かったことでした。私は7年ほど前に「生の植物しかくわねぇ~ぞォ~!」というちっちゃな意気地で生菜食者になりましたが、最初の1ヵ月間は体の恐ろしい冷えに襲われました。これを私は「北極冷え」と言ったりしましたが、その恐ろしい冷えを堪えているうちに、生菜食を始めてから1ヵ月半以降は、それまでの北極冷えは嘘のように治まり、今度はかえって寒さに強い体質になってしまいました。この経験から、私は母の冷え症を治すには「生菜食」が一番効くに違いないと思っていたのです。母は冷え症が最大に酷くなった時点でようやく「生菜食」に手を出して、長年の酷い冷え症を克服したのでした。


 なぜ福地さんにこの話をさせて頂いたのかと言いますと、『この世の現象には、真逆の働きがある』という真理を何か感じて頂きたかったからです。世間で言われていることと、真相は「まったく真逆である」ことがたくさんあるのです。
 「少食減食)」も、また然り・・。体力が失われてしまうように思えて、逆に体力が付いていきます。ただ、あまりに極端ですといけませんけれども、適宜な「少食減食)」は体力を向上させてしまうものなんですね。

 それで、母はずっと「玄米クリーム(一日玄米3~5勺分)+生菜食(中皿大盛り程度)」を中心とした食生活を継続してきたのですが、今度は激痩せしてきたのです。母は隠れ肥満で、身長が158cm くらい、体重が当時58kg ありまして、下腹がそこそこ出ていました。これは宿便がある証拠です。

 母はこの食事療法を継続するにつれて、徐々に徐々に痩せていきました。一番痩せた時点で、母の体重は34kg ほどになっており、父はかなり心配していました。私は「良し良~し♪」と思いました。

 この「痩せる」現象は、甲田療法を真面目にやっていると、必ず通る現象なんですね。これは危険ではなくて、体質改善のためには「大事な現象」なのです。体が痩せきった時に、腸内の根深い宿便がようやく出てきます。この宿便が出てしまうと、その後に腸麻痺が治り、腸機能が整って元に戻り、腸の吸収率が優れてきます。そうすると、食事量は相変わらず少ないのに、今度はかえって太り始めるのです。母は34kg ほどまで痩せたあと宿便を出して、その後は同じ(上述の)食事内容で少しずつ太り始め、44kg ほどに落ち着きました。女性で身長が158cm ならば、体重は44kg であればちょうど良いと思います。母は今もスレンダー(slender)です。

 母がよく言っていたのは、「痩せはするけれど、体調がどんどん軽くなっていくし、凄く健やかな気分だった・・」ということと、太り始めた時に「(痩せていった時と)同じ食事しか食べていないのに、どんどん太っていったのが不思議だった・・」ということでした。これは甲田療法の特徴です。甲田療法は必ず痩せていきますが、痩せるほどに体調は好転して健やかになり、上述のように痩せきったところで根深い宿便が排泄され、腸機能が回復して腸の吸収率が良くなるため、今度は少ない食事量でも根こそぎ栄養吸収してしまうので太っていくわけです。そして、その頃には長年の持病がいくつも治ってしまっているのです。「生菜食の力」と「少食の力」のコラボレーションですね! こういう現象を「甲田カーブ」と言ったりします。甲田カーブは好転反応などでもよく見られる現象です。

 母のように、甲田療法を正しく実践して正しく痩せていけば、かえって心身は健やかになり、悪い体質が改善し、最後は適正体重に落ち着くのです。私が「良し良~し♪」と思ったのは、甲田療法実践者の順調な流れを母の姿に見たからでした。ただ、気は抜きませんでしたよ。食養は気を抜いてはいけませんからね♪



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 私の母が『生菜食』を始める “きっかけ” となったのは、恐ろしいほどの冷え症が悪化して、もはやどうにもならなくなった時でした。そこまで行って、母はようやく『生菜食(植物の生食)』に手を出すことができたのです。

 母の酷い冷え症は病院に通ってもまったく改善せず、いくら陽性食品を摂取しようとも体が温まるのは “陽性食品を摂取した時のみ” の話で、その後はかえって冷え症が悪化していったのです。

 母が「真夏に体が冷えきって骨が痛くなる」ほどの酷い冷え症を克服できたのは、陽性食品の摂取ではなく、上述のように、天然の “正しい陰性食品” である『生菜食(植物の生食)』を摂取したからでした。母は『生菜食(植物の生食)』の実行によって、長年の酷い冷え症を克服できたのですね。


 陰性体質者は、体の陽性力が弱っています。
 ここで、陽性食品をいくら摂取しても『使わざるは退化す』の言葉の如く、さらに陰性体質が酷くなるばかりなのです。
 天然の “正しい陰性食品” である『生菜食(植物の生食)』を摂取すると、体が正しく冷えることで『自己の生命』が正しく反応して『盛り返し力』が働き、そこでようやく「体質の陽性化」が発動します(発露してきます)。

 陽性食品ばかり摂取していると、体は自分の力で体を温める必要がなくなりますから、体は当然「体を温める努力」をしなくなり、体の陽性力はますます衰えていきます。

 人間の体の機能は「使うことによって向上する」わけですから、『使わざるは退化す』の言葉の如くに「使わなくなった機能はどんどん衰えていく」のです。
 歩かなくなれば歩けなくなり、走らなくなれば走れなくなり、筋力トレーニングをしなくなれば筋力が低下していくばかりになるのです。使わなければ、機能は向上しないのですね。使わなくなった時点で、機能は確実に低下していくのです。

 陽性食品を摂取して体をいくら温めようとも、体が温まるのはあくまで “陽性食品による作用” であって、体が「自分の力で温まろうとした」のではありません。“陽性食品の力” によって体が勝手に温まってしまうのですから、体は「自ら温まろうとする努力」をしなくても済んでしまうので、それがため、体はますます「自分の力で体を温める」ことをしなくなります。陽性食品が勝手に体を温めてくれるのですから、その必要性が無くなってしまうのです。


 例えて言えば、これは単純なんです。

 寒さに弱い人が「厚着をしたら」寒さに強くなりますか?
 とんでもない・・、余計に寒がりになっていくはずです。
 この場合はどうすれば良いのかと言いますと、みなさんもご存知なように『薄着をすれば良い』のです。
 薄着をすれば冷感刺激によって皮膚が鍛えられて丈夫になりますので、寒さに強くなっていくのです。
 ここは「目には目を、歯には歯を」で、寒がりには寒さを与えないと、寒さに強くなれないのですね。

 同様に、陰性体質には陰性食品を与えないと『盛り返し力』が働かないですから、体の陽性化など起こるはずもなく、いくら陽性食品に頼ったとしても、いつまで経っても陽性体質にはなれないわけです。

 昔から東洋医学では『陰極まって、陽に転ず』と言われてきました。
 これは上述のように『陰が極まれば、体の力が発露してきて、逆に陽に転じてしまう』という意味ですが、世の多くの先生方がこの言葉の意味を正しく理解されていません。

 『陰を極める』、そうすれば体の『盛り返し力』が働いて「体質の陽性化」が引き起こされるわけです。
 しかし、どうしてなのか、多くの先生方が「冷え症は陽性食品で~♪」となってしまうのです。
 陽性食品の摂取で『陰が極まる』とでも思っているのでしょうか・・・? (かなり疑問です・・・

 当たり前ですが、『陰を極める』ためには「陰性食品を摂取しなければならない」に決まっています。
 当然、陰性食品と言っても、そこは “正しい陰性食品” でなければならず、その “正しい陰性食品” というのは、白米だとか豆腐などの “人工的な陰性食品” ではなく、天然の “正しい陰性食品” である『生菜食(植物の生食)』のことです。

 天然の “正しい陰性食品” である『生菜食(植物の生食)』を摂取するからこそ、体が正しく『陰が極まる』ことによって、先人が伝え残してくれた『陰極まって、陽に転ず』の言葉の如くに「体質の陽性化」が引き起こされるのです。
 こういう単純なことすら(なぜか)理解できていない先生方が、残念ながら、世には非常に多いのです。


 マクロビオティックは天然自然を見失った “間違いの多い薄っぺらな食理論” ですから、長年「陰性食品を食べていると体が冷えてしまって、どんどん陰性体質になってしまう」というような爆弾発言を散々繰り返してきましたが、ここでお話しさせて頂きました視点を持てばお分かりのように、これでは完全にアウトなのです。

 これまた単純に自然界を見つめれば、すぐそこに『正当な答え』があるのです。

 自然界の草食動物は、マクロビオティックが甘く見ている『生菜食(植物の生食)』ばかりしていますが、では、その自然界の草食動物は体温が「下がりっぱなし」なのでしょうか・・? そんなに体温が低くなってしまうのでしょうか・・・?

 人間と自然界の草食動物の “肉体の生命機構” はほとんど同じです。
 違うのは「ほんのわずか」だけ・・・。
 もし、マクロビオティックの「陰性食品を食べていると体が冷えてしまって、どんどん陰性体質になってしまう」が正しいのであれば、自然界の草食動物の体温は非常に低くなっているはずです。

 しかし、実際はどうでしょう。
 次の図をご覧ください。

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 草食動物の平均体温は、次の通りです。

   41.5度
   39.0度
    やぎ39.0度
   39.0度
    うさぎ39.5度
   38.5度
   37.7度

    ヒト(人間36.0~37.0度くらい

 まァ~、何と、火食(加熱調理)ばかりしている人間(ヒト)の体温が一番低いんですね!
 『生菜食(植物の生食)』ばかりしている草食動物のみなさんは、人間(ヒト)よりも確実に体温が高いのです。

 なぜですかァ~?

 上述の通り、人間と草食動物の “肉体の生命機構” はほとんど同じです。違うのは「ほんのわずか」に過ぎません。
 もし、マクロビオティックが自信満々で言っている、この「陰性食品を食べていると体が冷えてしまって、どんどん陰性体質になってしまう」が正しい理論であるならば、太古の昔から、ず~っと『生菜食(植物の生食)』を継続している草食動物は、みなさん物の見事に体温が低くなっていて当然です。しかし、実際には「人間(ヒト)よりも体温が高い」のです。

 これはですね・・、上述しました通り、草食動物はその食性から日常的に『生菜食(植物の生食)』という “正しい陰性食品” ばかり食べているので、常に体の『盛り返し力』がガンガン働いていますから、体の陽性力が高く保たれ、高い体温を維持することができるのです。なので、人間(ヒト)よりも体温が高いわけです。

 おそらくですが、私の見解では、火食(加熱調理)をまだしていなかった太古の人類、つまり、自然界の動物と同様に生食をしていた頃の人類の体温は、今よりも高かったはずだと私は見ています。生食は体質を強くしますけれども、火食(加熱調理)は様々な弊害(火食の害)があり、体質が確実に弱くなります。人類が生食を止め、火食(加熱調理)するようになってから、長年かけて人類の体質が弱まっていき、その現われとして「体温の低下」が引き起こり、人類の体温は現在の体温まで下がってしまったのではないかと推測されるのです。これは、実際に『生菜食(植物の生食)』をやっていますと、実地的によく分かる感覚です。


 とにかく、マクロビオティックの「陰性食品を食べていると体が冷えてしまって、どんどん陰性体質になってしまう」という理論は正しくありません。天然自然に現われているこの実地を見ればあからさまです。ここを否定する人はどうかしています。

 甲田光雄先生がおっしゃられるように、『生菜食療法』は冷え症を治してしまうほど、体に陽性力を与えるのです。
 これこそ、天然自然に順ずる「本当の理論」です。

 いまだにマクロビオティックを盲信されている方は、自然界に現われてもいない理論などは、所詮「机上の空論」に過ぎないことを知ってください。早く目を覚ましましょう!

 ここは、詳しくは次の記事を参照されてください。

   甲田療法とマクロビオティックから見つめる「癌治療のための玄米菜食」
   冷え症は生野菜で治る
   なぜ食養生を始めると体重が減るのか、生玄米粉、ミルサー、冷え性、尊い妄想を活かして生命を守る、他・・・
   生で食べれば病気にならない
   【生食から見つめる食の摂理(食理)、バイオフォトン、ローフード、生菜食についての補足、他・・・】



 食物には、確かに「陽性食品」と「陰性食品」という性質があります。
 しかし、ここだけにとらわれてしまうと、本当の『食の陰陽理論』からは離れてしまうのです。
 私は “マクロビオティックの哲学における陰陽理論” を、一度、捨て去ってしまうことをお薦めします。
 はっきり言って、これは有害です。



 マクロビオティックは英語で「macrobiotic」と書きますが、これには次のような意味があります。

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 まず断言しますが、マクロビオティックの中にこれらは一切ありません。
 マクロビオティックは「幼稚な視点」で生野菜食を完全に否定し、食事のすべてを火食(加熱調理)一辺倒で固め、食物からまったく「生命を無くさせてしまった」天地自然に逸脱した食事法です。

 食物は生き物ですから、食物の中には生命が宿っています。
 しかし、その「食物の生命」は “生食をした時のみ” 完全に含まれているのです。
 医学的に言えば、『生菜食(植物の生食)』ならば、ビタミンも、酵素も、そして『有用細菌』も、生きたまま、ありのまま含まれているのです。

 しかし、マクロビオティックのような「玄米菜食の火食(玄米菜食のお料理)」ですと、これらはすべて破壊されて殺されています。この食物の中には、もはや生命はありません。単なる「抜け殻」と化しています。

 今では『酵素栄養学』が発展し、植物を生食することで(生菜食ローフード)、生の食物から「食物酵素」を摂取することの有効性が常識化しつつある中で(アメリカの医学では『酵素栄養学』は常識です)、そんな医学的見解は一切無視して、あの「桜沢如一」という人が勝手に作り上げてしまった食養理論の間違いにいまだ気づけず、世間に犠牲者を出し続けているマクロビオティックを、私はまったく理解できません。

 マクロビオティックはこれらの間違いを、いまだに何も改善しようとしていないのです。
 私には、マクロビオティック関係者には「よっぽど人材がいないのかもなァ~」としか思えないのです。

 マクロビオティックの大家である「久司道夫」氏は、厳格にマクロビオティックを実践してきた結果、結腸癌を発症し、癌の手術を受けられています。久司氏と共に長年マクロビオティックを厳格に実践してきたご夫人は、すでに癌で亡くなられているのです。マクロビオティックの大家が揃って癌になるくらいですから、マクロビオティックの食事療法では癌患者を救えなくて当然なのです。

 私はこのマクロビオティックの失態について、責める気持ちは一切ありません。
 マクロビオティックは長年、世間に、世界中に、食養生を必死に伝えてきてくれましたから、逆に私は感謝しています。

 しかし、マクロビオティックの過ちや間違いを訂正し、正しい食養理論へと大改革をせねばなりません。
 このマクロビオティックの過ちや間違いをいつまでも訂正せず、この過失を延々と継続していたら、その過ちや間違いに起因した「病んだ結果」しか生まれてきません。今後も、マクロビオティックを盲信した犠牲者が増えるだけです。

 マクロビオティック関係者が、早くマクロビオティックの過ちと盲点に気づかれて、もはや常識となりつつある『植物の生食(生菜食ローフード)』を活かした正しい食事療法へと生まれ変わってほしいと願います。


 最近も、このマクロビオティックの「間違った食事療法」の犠牲となってしまった有名な癌患者さんがいました。
 みなさんもご存じの超有名人「スティーブ・ジョブズ」です。

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スティーブ・ジョブズ


 スティーブ・ジョブズは2003年に膵臓癌と診断されました。治療可能な癌でしたが、家族や周囲からすぐに手術を受けるように忠告されたのですが彼はこれを頑なに拒否して、マクロビオティック(絶対菜食)の食事療法と民間療法などを用いて、癌の完治を図ろうとしました。医学的な治療は遅れ、それが原因して9ヵ月後の検査では癌が大きくなっていることが分かり、この時、彼は相当後悔したと言います。

 2003年の8月に癌の摘出手術を受けましたが、2010年11月以降、体調が悪化し、2011年に入ってから癌が再発しました。最新の癌治療を受けたものの、癌の進行を食い止めることはできず、癌は骨などの全身に転移して、手の施しようのない状況になりました。

 2011年10月5日、膵臓癌の転移による呼吸停止により、スティーブ・ジョブズはご夫人や親族に看取られながら、パロアルトの自宅で死去されました。56歳という若さでした。

 早期治療を行えば完治可能なタイプの膵臓癌でしたが、マクロビオティックを用いて治そうとした結果、適切な治療を受けずに癌を放置し、結果として命を落とした、と言われています。また「マクロビオティックでは癌は治らなかった」「結果的に、9ヵ月という時間を空費した」とも言われています。

 スティーブ・ジョブズが食事療法を選択したということ、その選択は間違っていません。
 今や、日本を含めた世界中の癌研究報告で「癌と食事の関係」が続々と打ち明けられています。
 食事療法を『癌治療の母体』に置くというのは、欧米の先進国ではもはや常識です。

 では、スティーブ・ジョブズは何を間違えてしまったのか・・・?
 それは「食事療法の中身」です。

 癌の食事療法と一口に言いましても、食事療法とは本当に千差万別で、世の中には様々な食事療法があるのです。
 「癌と食事の関係」が科学的に医学的に明らかとなっている今、一番重要なのは「一体、どの食事療法を選択するのか?」ということです。

 「食事療法の中身」を悟れず、適切な癌の食事療法を選択できずに、スティーブ・ジョブズが選択ミスを犯してしまった食事療法、それがマクロビオティックなのです。

 マクロビオティックのような「玄米菜食の火食(玄米菜食のお料理)」では、玄米菜食をしながら癌を育てます。
 現代食で癌を育てるのか・・、マクロビオティックのような「玄米菜食の火食(玄米菜食のお料理)」で癌を育てるのか・・・、ただ、それだけの違いです。現代食も、マクロビオティックのような「玄米菜食の火食(玄米菜食のお料理)」も、どちらも共に “癌を育ててしまう食事” です。

 ここは非常に重要です。
 ですから、私は「PET検査に見る「ブドウ糖」は、キキも驚く『癌の直送便』!【癌を治すためには、ブドウ糖から『短鎖脂肪酸』へとエネルギー源をシフトすべし! 癌の食事療法の要点】」にて、癌治療に必要な「食事療法の中身」の要点をお話しさせて頂きました。癌患者さんには、私がこの記事にぶち込んだ “大事な意味” を理解できるまで読み込まれてほしいというのが、私の率直なる願いです。

 私はこれに付随する資料として、福田一典医師が提唱されておられる「癌の『中鎖脂肪ケトン食療法』」をご紹介させて頂きました。これは「中鎖脂肪ケトン食療法(福田一典 医師)」カテゴリと共に参照されてみてください。この内容をご覧になるだけでも、非常に勉強になるはずです。



 私はマクロビオティックを責める気持ちは一切ありませんが、しかし、マクロビオティック関係者にもそろそろ真面な人材が現われて、マクロビオティックの間違いと盲点を反省して大改革を成し、早く正しい食事法へと躍進して頂きたいと願っております。私のような若僧が生意気かもしれませんが、この記事をご覧になって頂いただけでも、私のこの願いはご理解して頂けるはずだと信じています。

 マクロビオティックはあまりにも有名になり過ぎてしまい、多くの方がそのネームのデカさだけで盲信しています。
 マクロビオティックを信じ込んでしまう方は、ほとんどの方が自分の頭で考えることをしないようです。
 自分の頭で考え、しっかりと食養を見つめていくならば、この記事に書いてある内容くらいは理解できないといけません。

 特に食養を指導している先生方にもなれば、この内容は必須と思われてください。
 この内容も知らないで、食養の指導者はまず務まりません。
 知らぬ間に過ちを犯していることでしょう・・(過ちを犯している自分にすら気づけずに・・・)。

 これは何も、若僧が生意気を言いたいわけでは決してなくて、これ以上、もう犠牲者を出してほしくないだけなのです。
 今までに一体どれほどの癌患者さんが、このマクロビオティックをはじめとする「玄米菜食の火食(玄米菜食のお料理)」で癌治療に失敗されて癌で亡くなられていかれたかしれないのです。

 もう、間違った食事療法で犠牲者を出してはならない・・、私はそう思うばかりです・・・。