この記事は、甲田光雄先生に質問形式でお話を伺っているもので、会話調なのでとにかく読みやすいです。
 甲田光雄先生がどのようにして西式の『生食療法』を甲田療法の『生菜食療法』へと発展させていったのかがよく分かります。「生菜食」や「生玄米粉」についての解説もあり、大変ためになります。
 生菜食療法の実行中に起こる「痩せる」現象、そして、宿便がすべて出たあとに太り始める「甲田カーブ」、また「生菜食で冷え症が治る」といった話もあります。ぜひ、ご覧になってみてください m(__)m




 生菜食療法とは
 【「goo ブログはじめました!」
より 】


【質問】
 生菜食療法とは、どのようなものですか。

【甲田】
 西式の生菜食療法では、1日に野菜の根と葉をそれぞれ5種類以上食べる。
 1日当たり1100~1300g、多くて1400~1500gまで食べてええことになっとります。
 しかし、食塩は一切使わない。玄米の粉も果物も使わない。非常に厳格な療法ですわ。
 
 最初、これを西先生から聞いたとき、
 西先生は「これでもって、すべて体質が変わる。宿便も出て、本当の健康体になる」と仰った。
 カロリーは1日300kcal からせいぜい400kcal ですわ。
 蛋白質は大体15g。これで「2年でも3年でも生きる」と西先生はおっしゃった。
 今まで医学部で聞いた常識と全然違う。
 しかし、疑うよりまず、嘘かほんまか自分でやって確かめてみようやないかと、生菜食を始めたわけですわ。
 
 ところがね、この西式療法は厳しいですわ。
 食塩も全然とらんでしょう。野菜のほかに何も食べない。
 2ヵ月くらいやったらグロッキーになってしまいましたわ。
 力は抜けるし、痩せてきて、とうとう37kgまで体重が落ちました。
 栄養失調みたいになってしまいまして、私も死ぬんじゃないかと思ったし、周りの者も皆、死ぬと思ったらしいですわ。
 
 患者さんにこんなことしたらえらいことになる。
 西式で100点とるより、60点でもいいから、もうちょっと楽な方法を考えなあかんと思うて、玄米の粉も食べ、塩も使おうやないかと、今の玄米生菜食を始めたのが昭和44年頃。それが成功したのが昭和49年ですわ。
 3月から始めて翌年の12月31日まで、盆も正月も1日も休まず、1年10ヵ月間やりました。
 葉っぱが500g、根っこが500gの1日1kgの野菜。葉っぱは5種類くらいをミキサーでドロドロにして、根っこは大根とニンジンと山芋を、おろして食べる。それに玄米が1日140g、塩が10gですわ。
 これなら楽に出来ます。カロリーが900kcal、蛋白質が25gです。


【質問】
 900kcal では、だんだんと体重が減って、長く続けられないのでは?

【甲田】
 そう。確かに体重はだんだんと減ってきました。
 ところが、あるときから体重が横ばいになった。しばらくすると、今度は体重が増えてきた。
 これを知ったときは、びっくりしましたなあ。これを「甲田カーブ」と言うとるわけですな。

 体重が増え始めたときは、むくんで水分が増えとるんやろなと思うたり、栄養失調になったんちゃうかと思うたけど、検査しても、全然栄養失調やない。しかも、非常に体力が出てきてね。「これは、ほんまもんや」と。
 そこで患者さんに「やってみるか」と薦めてみたところ、大抵みんなこういうカーブになってくる。
 「この甲田カーブっちゅうのは1人だけやない、誰でもやったらこうなるんや」ということが分かってきたんですわ。

 生菜食を始めると、最初はどんどん痩せてくるのは、腸の中が完全に変わってないからです。
 人によっては10kg とか15kg とか痩せてきますわ。
 半年くらいして溜まっていた宿便が全部出ると、腸内細菌叢が変わってくる。
 そうなると、同じ食事でも全然痩せないし、むしろ太ってくる。甲田カーブが出てくるわけですわ。
 だから、まずは宿便を出すこと。全部出してしまって、今度は新しい腸内環境を作り上げていく。
 この甲田カーブが出るまでに最低6ヵ月かかります。2年かかる人もおりますわな。

 そして、その過程でいろんな病気が治ってくるんですわ。重症筋無力症という難病も治るのが分かった。
 膠原病の多発性硬化症という非常にやっかいな病気も2年で完全に治った例がある。
 それで、いろいろな難病が治った記録をまとめたのが「生菜食健康法」(春秋社)「生菜少食健康法のすすめ - 生菜少食は「いのち」の綱」(創元社)という本です。


             生菜食健康法

             生菜少食健康法のすすめ - 生菜少食は「いのち」の綱




【質問】
 生野菜ばかりだと、体が冷えるのでは。

【甲田】
 ところが、冷え性は生野菜で治るんですわ。
 東洋医学では「生野菜は体を冷やす」っちゅうのが常識なのに、その生野菜で冷えが治るって、そんなバカなって、皆、半信半疑です。しかし、生野菜で冷え性が治る。これは間違いないです。
 確かに最初の6ヵ月間くらいは、ものすごく冷えて震え上がりますわ。
 だから冬は避けて、5月頃から生菜食を始めるんですな。
 すると、次の冬には寒さをあまり感じない。さらに半年もすると、不思議なことに冷えを感じなくなる。
 2年くらいたったら、冬でも裸で寝られる体になるんですわ。

 東洋医学の常識は、最初の6ヵ月間のことをいっとるんです。これは確かに正しい。けれども、すべてやない。
 生菜食をしばらくやったら、ほんま元気になります。そりゃもう、金輪際、冷えないですわ。


【質問】
 どんな人でも、玄米生菜食ができますか。

【甲田】
 うちの医院の玄米生菜食には、AとBがありますねん。
 Aは生野菜をミキサーにかけて、ドロドロの状態の野菜を食べるんですわ。
 これだと「お腹が張る」「食べにくい」という人は、カスを捨てた搾り汁がええですな。
 この、生野菜のドロドロではなくて、搾り汁を使うのが生菜食Bです。
 これなら、胃下垂とか胃腸の弱い方でもできます。

 生菜食Bでは、生の葉っぱの搾り汁1合と、ニンジンの搾り汁1合を、1日2回、計4合飲むんですわ。
 大根やニンジン、山芋のおろしは食べません。あと、蜂蜜を1日60g、玄米100~120gくらい使う。
 豆腐も200g、腹が減る人は300gでも構いません。これやったら、誰でもできますがな。
 ただし、胃腸の負担を減らすことを考えてますから、玄米と豆腐を食べるのは晩だけで、昼は青汁とニンジンジュースだけで済ませます。


【質問】
 農薬の使われた野菜を使用してもいいですか。
 
【甲田】
 本当いったら、農薬とか化学肥料を使った野菜は使わんのがええです。
 でも、あんまり神経質にならんほうがええな。ダイオキシンなんか、ちゃんと排泄されるますよって。
 家庭菜園で作るのがええですな。ベランダでケールやヨモギなんかも植えるのがお薦めですわ。


【質問】
 野菜ジュースを作るときに注意することはありますか。

【甲田】
 葉っぱに、オオバコやハコベなどの野草を使ってもいいが、野草の場合は蓚酸(シュウ酸)が多いので、西式の裸療法(着衣と裸を交互に繰り返す参照)をきちんとやらなあきません。
 ミキサーに生野菜を入れて回すときには、水を入れたら野菜が酸化しますねん。
 先にリンゴを搾ったり、ミカンやレモンの搾り汁を入れれば、全然、水なしでできます。
 青汁に、レモンやお酢などの酸のきついものを入れてあげると、ニンジンのビタミンC破壊酵素なんかが働かなくなるから、青汁にニンジンを入れても心配なくなるわな。


【質問】
 なぜ、玄米を炊かずに生で食べるのですか。

【甲田】
 炊くと脂肪や蛋白質が変性したり、酵素などが壊れ、澱粉が α 澱粉(アルファデンプン)になるからですわ。
 α 澱粉は食べたら消化酵素で分解されてブドウ糖になりますな。
 生だと β 澱粉(ベータデンプン)なので、消化酵素が働かんのです。
 消化されないまま大腸に行きますがな。大腸では腸内細菌で分解されて発酵ですわ。
 ブドウ糖にならずに『短鎖脂肪酸』になって、吸収されてエネルギーになる。
 このとき、大腸で酢酸、酪酸、プロピオン酸なんかがたくさん出て、腸壁が酸性で刺激されて便通がものすごく良くなる。
 酪酸がたくさんできると、大腸壁にできたガン細胞に入って正常細胞に引き戻す。
 だから、大腸ガンの予防になるわけですわ。


【質問】
 発芽玄米はどうですか。

【甲田】
 玄米を水に漬けると2日くらいで芽が出て発芽玄米になります。
 すると、ガンマアミノ酪酸が白米の5倍に増える。ギャバってやつですわ。
 これが増えると、脳の血流量が非常に増える。だから、脳の機能が良くなる。
 一番ええのは、この発芽玄米も生で食べる。水に漬けてあるから、やわらかくて、そのまま食べられる。
 粉にする必要がない。甘くて、とてもおいしいですわ。


【質問】
 ほかには、どんな効果が生玄米にありますか。

【甲田】
 美肌ですな。フードプロセッサーでもコーヒーミルでもええですから、玄米を粉にしてご飯代わりに食べると、1週間も経たんうちに肌の色つやが違うてきます。
 ほんま、自分で驚くほど肌がきれいになる。生菜食を続けようという気持ちになるんですわ。
 それに、飢餓感もないし、お通じも快調。ダイエットにもってこい。
 ニンニクの臭いが気になる人は、生玄米粉を食べれば、1~2時間で臭いが消えますな。
 いっぺん試してみたらええ。