ハウエル式とは
 【「食べない生き方」
より 】


 エドワード・ハウエル博士は、生の食品やジュース療法を用いた難病治療法を確立し、食物酵素理論を世界で最初に提唱した酵素栄養学のパイオニアにして最高権威です。
 エドワード・ハウエル博士は、50年もの歳月をかけて酵素を研究し続け、1985年に研究の集大成として『酵素栄養学(医者も知らない酵素の力)』という著書を発表しました。


 この本は、酵素栄養学を学びたい人にとってはバイブル的な存在となっています。
 新谷弘実先生も、鶴見隆史先生も、酵素栄養学を非常に重視しています。

 人類の太古の祖先は、加熱調理をするような動物ではありませんでした。
 人類が調理に火を使うようになってから、病気が発生するようになったのです。
 これは、加熱調理された食物酵素のない食物を長い間食べ続けてきた結果です。
 人類だけが、食物の加熱調理による害を受けている唯一の動物なのです。
 病気と調理の歴史は同時に始まったと言ってもいいくらいです。
 もしも、人類が火を使わず生の食物を食べ続けていたならば、誰もが病気にならずに本来の寿命を全うした事でしょう。

 すべての生の食べ物の中には、人間が消化しやすいように、最終的には人間の体外でも分解できるように、大量の食物酵素が含まれています。
 この地球上で、加熱調理された物を食べているのは、人間と飼育動物だけです。
 野生動物が病気にならない理由は、酵素栄養学に従って生きているからです。
 自然の法則に反しているものだけが、病気という罰を受けるのです。

 エスキモーの優れた健康状態は、生食の素晴らしさを証明してくれています。
 彼らは大量の脂肪を摂っていますが、高血圧や動脈硬化などは見当たりません。
 彼らは生で食べる事によって、自分の持っている酵素を使わなくて済むのです。

 1930年頃に牛乳が加熱・低温殺菌される以前は、生牛乳・生バター療法が行われていました。
 生牛乳療法とは、古代ギリシアの医聖ヒポクラテス以来続いてきた病気の治療法の一つで、エドワード・ハウエル博士もその頃まではこの療法を使う事もあり、効果を上げていました。
 数多くの医者がこの療法を行っていましたが、牛乳が殺菌されるようになると突然姿を消しました。
 低温殺菌とは言え、60度以上の熱を加えるので、これでは牛乳中の酵素が破壊されて効果のないものになるので、生牛乳・生バター療法は姿を消してしまったのです。

 今、ヨーグルトは世界中で健康的な食品として広く普及していますが、人々はヨーグルト発祥の地となったブルガリアの農民のように健康になっていません。
 現代のヨーグルトは原料の牛乳も生ではないし、脱脂粉乳を使う事もあり、ヨーグルトの製造過程でもゼラチンなどの硬化剤を加えてから加熱溶解して、それから乳酸菌を加えて製造するという方法で作られています。
 これでは、バルカン半島の農民のように健康にはなれないでしょう。
 バルカン半島の農民たちは、生の乳酪製品を摂っていたから健康だったのです。

 エドワード・ハウエル博士は、臨床の中で患者に断食を勧める事もあったそうです。
 断食療法と生食療法は、代謝酵素の観点から見れば同じ効果だと言ってもいいでしょう。
 断食中は、消化酵素を造る必要がないので、病気治療に役立つ代謝酵素を造るのに専念できます。
 生食の場合、体は消化酵素を造るのが食物酵素の分だけ少なくて済むので、その分、病気を治すのに役立つ代謝酵素を多く造る事ができます。

 酵素とは、あらゆるすべての生物に存在する物質です。
 人間を含め、あらゆる生物は酵素がなければ一瞬たりとも生命維持できません。
 確認されているだけでも、私たちの体内には3000種類以上の酵素があると言われています。
 健康を維持するためには、酵素の摂取が重要です。

 酵素は、代謝酵素、消化酵素、食物酵素の三種類に分類できます。
 代謝酵素は「体の正常な働き」に必要なもの、
 消化酵素は「食べた物の消化」に必要なもの、
 食物酵素は「食物の消化を始めさせる」のに必要なものです。

 体内には、消化酵素、糖化酵素、発酵酵素、解糖酵素、呼吸酵素、凝結酵素など、100種類以上の酵素があり、その働きが阻害されると、様々な体の異常となって出てきます。
 体内の潜在酵素は、様々な条件で酷使されています。
 中でも最大の潜在酵素の酷使は、酵素が含まれていない加熱食品の摂取です。
 酵素の多くは、加熱によって活性を失います。
 酵素は、48℃で死んでしまうからです。

 血液中に充分な酵素がないと、白血球は活動しません。
 火を通したものばかり食べていると体の免疫力が落ちて、癌、高血圧、糖尿病、歯周病、甲状腺疾患などの病気に罹りやすくなります。
 酵素が含まれていない食品を摂ると、体で作り出した酵素を使うので、消化酵素を作り出している膵臓などに負担をかけてしまいます。これが病気の原因となるので、食品の多くを生で食べる必要があるのです。

 私たちの体内に存在する酵素は、一生で一定量しかありません。
 酵素を体外から摂取することは、体の内部酵素の温存となり、さらには健康の維持につながるのです。
 体内酵素を温存するためにも、酵素が含まれている食品を積極的に摂りたいもの。
 酵素が豊富な食品は、果物、生野菜、漬物、刺身、生肉など。
 つまり、 48℃以上の加熱がされていないものです。

 ただし、穀物や豆などの種子は例外としています。
 酵素の働きを抑制する酵素抑制物質を含んでおり、そのまま食べると害になるのです。
 玄米、大豆、小豆、インゲン、エンドウなどといった豆は、絶対に生のまま食べてはいけません。
 蜜柑の種、葡萄の種、柿の種、西瓜の種、南瓜の種、梅干しの種なども決して生のまま食べてはいけません。
 種の中にある酵素抑制物質も一緒に食べる事になり、下手をすると死んでしまう程の酵素が失われてしまうのです。

 そこで、種子は発芽させてスプラウトの状態にします。
 発芽する過程で、酵素抑制物質は消滅し、しかも酵素活性が高まり、優れた酵素食材となります。
 種は〔発芽させたり、〕発酵させたり、火を通したりすれば、酵素抑制物質が消えるので食べても大丈夫です。
 生のナッツ類や種子類を食べる際には一晩水に浸し、酵素抑制物質を除去する必要があるとされています。
 ちなみに、森の中のリスたちは、木の実を土の中に埋めて、発芽してから掘り出して食べています。

 酵素には、補酵素と呼ばれる「他の酵素の作用を高めてくれる物質」があり、赤血球を除くすべての体内細胞に含まれています。
 それらの物質の中に補酵素Q10という万能のエネルギー源を持ったものがあり、ヴィタミンEと同じように不整脈、心臓発作、鬱血性心不全など、すべての心血管系統の病気を改善するものもあります。
 心臓病の治療にはよく使われています。
 所詮、ヴィタミンやミネラルは、助酵素あるいは補酵素にすぎず、主役はあくまでも酵素なのです。