中国古典には数多くの名書がありますが、中でも「孫子」は特に有名です。
 「孫子」は、中国の春秋戦国時代の兵法家「孫武ソンブ)」によって著されたとされています。

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孫子兵法の作者 孫武(字長卿


 この「孫子」が2000年以上もの間、世界中の諸氏に愛されて続けて来たのは、その内容が戦争に特筆するだけのものではなく、政治やビジネスはおろか、人生の教訓書にも成り得るほど洗練された思想を有しているからです。

 今回は、「孫子」謀攻篇にある有名な言葉から、癌治療に対する心得を感じ取って頂けたらと思います。
 では、まずは「孫子」謀攻篇から名言をご紹介します。



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 孫子 謀攻篇

(A) 百戦百勝は、善の善なるものに非(あら)ざるなり。
    戦わずして人の兵を屈するが、善の善なるものなり。


   訳: 百回戦って百回勝っても、それは最上の勝ち方とは言えない。
      武力行使せずに敵を屈服させることこそ、最上の勝ち方である。



(B) 上兵は謀(はかりごと)を伐()ち、其の次は交わりを伐ち、
    其の次は兵を伐()ち、其の下()は城を攻むるなり。


   訳: 最上の戦い方は敵の謀略を封じることであり、
      その次は外交策略で敵の同盟関係を断ち切り孤立させ、
      その次が武力を行使することであって、城攻めは下の下である。



(C) 善く兵を用うる者は、人の兵を屈するも 戦うに非(あら)ざるなり。

   訳: 名将は武力行使せずに、敵を屈服させるものだ。


(D) 彼を知り己を知れば、百戦して殆(あや)うからず。

   訳: 敵の実情を知って、我自身をわきまえて戦えば、何度戦っても危険は無い。


(E) 彼を知らずして己を知れば、一勝一負す。
    彼を知らず己を知らざれば、戦う毎に必ず敗る。


   訳: 敵の実情を知らなければ、我をわきまえても、勝ったり負けたりの戦いにしかならない。
      敵情を知らないどころか、我自身をわきまえもしなければ、戦うたびに必ず敗れる。




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 近年の外科手術の進歩は非常に素晴らしいと思います。これは大切です。
 しかし、内科になると、現代医学は「化学医薬」と「手術」ばかりに頼り、根本的に治してくれているのでしょうか?

 (A)~(E)は、どれもよく知られている名言ですね。
 これを医学面に応用したいわけです。

 (A)~(E)までを簡単に言いますと、「戦争によって大勝利を得るのは、下の下」と言えるでしょう。
 戦争をすれば、敵も味方も多くの人が死に、多くのものを破壊して失い、たとえ勝利したとしても喜ばしいものとは言えず、如何に大勝利したとしても、そんなものは「下の下」、つまり「最悪だ」ということです。

 「戦争が当たり前、戦争に勝つことこそ栄誉である!」という戦国時代において、大勝利を「下の下」最悪だと言い、戦争そのものを否定し、極力、戦争はせずに平和を保つことに主眼を置いた「孫子」の作者「孫武」は余程の覚者であったのだと思います。

 内科の内臓病で、「化学医薬」や「手術」にしか頼れなくなっている現代医学は、まるで、この孫子の「下の下」と同じような気がします。


 (A)~(E)を医学的に置き換えてみると、



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 孫子 医学的謀攻篇

(A) 病気を治すのに、化学医薬や手術をもってして治しても、それは最上の治し方ではない。
    化学医薬や手術などは使わずに治すことが最上である。


(B) 最上の治療とは、自分で病気の根本原因を封じる(正す)ことであり、
    その次は、病院の診察を受けて医者の指導で病気の原因を知って断ち切り(悪習慣を正しくし)、
    これ以上、悪化しないようにさせる、
    その次が、化学医薬を行使すること(体に武力行使すること)であって、
    手術(城攻め)は下の下(最悪な手段)である。


(C) 名医(名将)は化学医薬・手術などは使わずに(武力行使せずに)、患者の病気を治す(敵を屈服させる)ものだ。


(D) 病気の根本原因(敵の実情)を知って、自分をよく反省して(わきまえて)治療すれば(病気と闘えば)、
    どんな病気も生命の危険にまでは至らない(何度戦っても危険は無い)。


(E) 病気の根本原因(敵の実情)を知らなければ、自分をいくら反省しても(我をわきまえても)、
    治ったり治らなかったりの治療にしかならない(勝ったり負けたりの戦いにしかならない)。
    病気の根本原因さえ知らない・・・、また知ろうともしない・・・、まったく知る気すらない・・・、
    ましてや、病気になった自分の悪しき生活習慣すら反省もせず、正そうともしなければ、病気を治せるわけがない。
    まったく・・、ま~ったく、お話になりません・・・。
   (敵情を知らないどころか、我自身をわきまえもしなければ、戦うたびに必ず敗れる)。



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 どうでしょうか?

 内科の病気は「化学医薬」や「手術」に頼らないで、早い段階で『体の持つ力』そのもので治していくべきものです。
 現代医学は、内科の「化学医薬や外科の手術による治療」を栄誉にさえ思い、誇らしげになっています。

 もし「孫子」が現代の医者であったならば、「化学医薬」や「手術」だけに頼り切ってしまっている現代医療を誇りにしていたでしょうか? おそらく、きっと「孫子」ならば、「化学医薬を飲み、手術をしなければ、生きることさえ難しくなってきている(生きられなくなってきている)」という現代の日本人の体の「弱体化」に対して、非常な危機感を抱いたはずだと私は思うのです。

 「化学医薬」や「手術」にばかり頼る現代医療を、戦争手段と同じく「下の下」と表現したと思います。
 たとえ「化学医薬」や「手術」に頼るしか手段のない時であっても、「いた仕方なし・・・」の心境であったと思います。


 (A)~(E)全体に一貫してある「化学医薬や手術を使用せずに病気を治す」方法とは、根本的には、食養(自然療法食事療法少食療法断食療法飲尿療法など)という『自己療法』にあります。ここを無視したら、体の体質は改善されようはずがありません。この意味はやはり、食養の実践によって「食養の恩恵」を受けた者にしか分からないかもしれません。私は、なるべく多くの方々に、この「食養の恩恵」が受けられるようになって頂けたらと願っています。

 まず、病院の治療だけに頼ったところが、病気が治るなんてことはほとんどありません。
 それは、多くの患者さんが病院へず~っと通い続けているのを見ても明らかです。
 現代医療はその症状を「薬の力」で抑え込み、後日、かえって悪化させてしまうところがあります。
 私の父母も食養と出会うまでは、何十年病院に通おうとも持病が治る気配は一切ありませんでした。
 父母の持病が好転していったのは、自分なりに食養を実行するようになってからでした。

 病気というものは、なるべく「化学医薬」や「手術」に頼らなくて済むような治療方法を選んだほうが良いのは言わずもがなです。そのためには、食養(食事療法少食療法断食療法飲尿療法などの自然療法)という『自己療法』を身に付けることが一番大切です。

 今の日本人は現代医療によって、もはや治らない体に仕立て上げられてしまった患者さんも多くいるそうです。
 そういう患者さんは難病難民化し、どうしたら良いものか途方に暮れている方も少なくないのです。
 これを、現代医学の生み出した「医原病」と言います。
甲田光雄医学博士は、このような難病難民となって苦しんでいた多くの患者さんを甲田療法で救ってきました。もちろん、すべての患者さんを救えていたわけではありませんが、現代医学から匙を投げられて途方に暮れて苦しんでいた多くの患者さんを救っていた実績は本当に凄いことだと思います

 現代医療には、こうした「医原病」の落とし穴が多々潜んでいる事実があります。
 現代医療に潜む落とし穴を回避していくためには、できる限り、食養(食事療法少食療法断食療法飲尿療法などの自然療法)という『自己療法』を身に付け、体を内側から改革することです。

 体を内側から改革するには「運動療法」や「呼吸法」なども有益ですが、その実行の中心基軸に置くべきは、やはり、食養(食事療法少食療法断食療法飲尿療法などの自然療法)に依ることが一番早いです。

 現代では、現代医療による化学の乱用によって、多くの方の体が狂わされてしまっている現実もあります。
 「化学医薬」や「現代食の飲食物」に含有されている化学物質・化学化合物は、細胞や遺伝子を傷つけ、腸内細菌を乱します。抗生物質の乱用は、腸内細菌を破壊してしまうこともあるのです。
抗生物質を多量に使用すると、体内の常在菌のバランスを崩してしまう場合があります。それにより常在菌が極端に減少すると、他の細菌や真菌(カビ)などが爆発的に繁殖し、病原性を示す場合もあり、さらに、生き残った菌が耐性化する耐性菌の出現も問題となっています。抗生物質を便利だと乱用すれば、思わぬ副作用の落とし穴も多数あるのです

 「化学医薬」や「手術」は改善速度が速くて便利なように見えますが、副作用や後遺症を残すことが多いものです。ましてや、現代の病気というものは、現代食による「食原病」であることが多いのですから、その病気の直接的な原因である飲食を何も正さずに、どうして病気の根本解決になるのでしょうか。病気の根本原因である飲食を改善しない限りは、病気の改善、軽快、根治には進んでいかないのです。

 「化学医薬」や「手術」を第一として安易に使用するのではなく、食養(食事療法少食療法断食療法飲尿療法などの自然療法)という『自己療法』を第一と置き、「化学医薬」や「手術」は必要に応じて致し方なく(止むを得ず)使用する、という認識の価値を、ここでご紹介させて頂きました「孫子」から何か感じられて頂けたらと思います m(__)m


 私のお薦めの「孫子」は、次の図書です。
 ぜひ、みなさんも、一度「孫子」に触れてみてください♪


             新訂 孫子(岩波文庫)

             孫子(ワイド版 岩波文庫)
             【上の「岩波文庫」のワイド版で、字が大きくて見やすいです】

             孫子(講談社 学術文庫)