「食べすぎ」るから病気になる
  【「zeranium のブログ」
より 】


 「食べすぎ」は免疫力を低下させる。

 「免疫」とは文字通り、疫、つまり病気を免れるために、体に備わった能力のことである。簡単に言えば「免疫力」とは、私たちの体の中を自由に泳ぎまわっている、「白血球」というアメーバのような単細胞生物の力のことである。白血球は30億年前に、地球上に出現した始原生命そのものではないかとも言われている。

 私たちがお腹いっぱい飲食すると、食物中の栄養素が胃腸から血液に吸収されて栄養状態がよくなる。そして、それを食べた白血球も満腹になり、その結果、外からばい菌やアレルゲンが体に侵入してきても、また体内でガン細胞が発生しても、それらを十分に食べてくれなくなる。つまりその状態が、「免疫力」が落ちていると言うのである。逆に私たちが空腹の時は血液中の栄養状態も低下しており、当然白血球も十分に栄養を摂れずに空腹になっている結果、ばい菌やアレルゲン、がん細胞を貪欲に食べて処理する能力が高まっている。つまり免疫力は増強する。

 私たち人間や動物は、病気になると食欲がなくなるのは、つまり白血球の力を強めて病気を治そうとする反応に他ならない。

 よって日ごろから腹八分にして、少し空腹を感じるくらいの状態を保つと病気にならないし、逆に腹いっぱい食べて腹十二分の状態になると、あらゆる病気にかかりやすくなると言える。6000年前のエジプトのピラミッドの碑文(英訳したもの)に、『Man lives on 1/4 of what he eats. The other 3/4 lives on his doctor.』というのがある。直訳すると、『人は食べている量の4分の1で生きている。他の4分の3は医者の糧になっている』、つまり、「食べ過ぎるから病気になる」ということを、強い皮肉を込めた言葉で私たちに教えてくれているのである。

 意外に思えるかもしれないが、「空腹感」とはお腹、つまり胃腸が空っぽになって起きる症状なのではなく、血糖が下がった時に脳の空腹中枢が感じる感覚である。「一食でも抜かすと大変なことになる」と思っている人や、健康を害するという医学者や栄養学者がいるが、それは単なる感情論に過ぎない。

 そもそも人類300万年の歴史とはほとんどが空腹の歴史であるので、人間の体は「空腹」には慣れている。逆に「満腹」に慣れていないからこそ、メタボリック・シンドロームや免疫力低下からくるアレルギー、自己免疫疾患、ガンなどの万病や奇病に悩まされているのである。空腹のときには、「飢餓ホルモン」とも呼ばれる「グレリン」が胃から分泌され、脳の中で記憶をつかさどる「海馬」の働きをよくすることがわかっている。

 米国ボルチモアにある国立老化研究所(NIA)では、回虫から猿までの動物実験を行なっており、「カロリーの摂取を抑えると、長生きする」という結論を得ているが、「摂取カロリーを60%に抑えると、寿命は50%延びる」ことがわかったという。

 NIA のマーク・マットソン博士は、マウスを、

  A群 ・・・ 好きなだけ食べさせる
  B群 ・・・ 摂取カロリーの60%を抑える
  C群 ・・・ 1日おきに好きなだけ食べさせて、翌日は断食

 に分けて実験したところ、C群が一番健康で、しかも寿命が長く、老化による脳の損傷も少なく、アルツハイマー病やパーキンソン病にかかるマウスもいなかったと発表した。そして、「断食が、酸化による脳細胞の損傷を抑え、体のあらゆる細胞の成長を促す」と結論している。

 また同研究所では、年取ったネズミの脳内ドーパミン受容体の量を測定し、その後、摂取カロリーを40%に抑えたところ、老化すると減っていくはずのドーパミン受容体の量が逆に増え、学習記憶能力が高まり、普通食のネズミに比べて、寿命が40%延びたとの実験結果を発表している。さらに、「若いマウスと老齢のマウスを低カロリー食で飼育した後、肝臓の細胞に表れる遺伝子の変化を調べた。その結果、遺伝子の変化により、老齢マウスは老化の進行が抑えられ、寿命も延びた。若いマウスはさらに長命だったということを実験で証明した。同教授らは「人間の高齢者にもすぐ適用できるだろう」と述べている。

 究極の「小食」が「断食」であるが、フランスのド・ブリーズ博士は、「断食すると皮膚の若返りが著しく、シワがとれ、シミ、そばかす、発疹、吹き出物が消えていく」と言っている。また米国カリフォルニアに断食病院を設立し、数々の難病奇病の患者を救ったハーバード・シェルトン博士も、「断食により皮膚は若々しくなり、色つやがよくなり、眼は生き生きとし、表情がよくなり、10歳から20歳若く見られるようになる。この皮膚の若返りは体全体の若返りの現れである」と述べ、断食により具体的には、以下のような若返り減少が起こるとしている。

  (1)聴力の回復
  (2)視力の回復
  (3)精神力の回復
  (4)体重減少
  (5)顔の小じわの消失
  (6)血圧の低下
  (7)心臓・循環機能の促進
  (8)前立腺肥大の解消
  (9)性的機能の若返り

 スペインの老人ホームで、1800キロカロリーの食事を毎日与えたグループと、1800キロカロリーの食事と「水だけの断食」を交互にさせたグループを比べたところ、後者の老人たちが圧倒的に長生きしたという。長寿、老化予防の秘訣は「小食」にあるようである。

 米国カリフォルニア大学バークレー校のマーク・ヘラースタイン博士は、つい最近、

  「断食すると、体内の細胞に抗ガン効果をもたらす」
  「ネズミの一日おきの断食で、体細胞の分裂する速度が確実に減少する」
  「細胞分裂自体が遅くなれば、ガン発生の危険性を減らすことができる」

 ことを実験で証明した。

 さらに「成長ホルモン」や「インスリン」など、たくさん食べると細胞の成長が促進されるようなホルモンは、細胞の分裂を促し、ガン細胞の増殖プロセスに深くかかわると述べている。

 つまり今、日本人の死因断トツ1位にあるガンは、「食べすぎ」と断言してよく、小食にすればその予防や再発の予防が可能であることをこの実験は示している

 日本でも1998年に、大阪府立大の中野教授らが、マウスの実験で「小食」がガンを抑制することを証明している。同教授らは、150匹のマウスを50匹ずつ、3つのグループに分けて飼育した。

  (1)食事制限なし
  (2)食事を80%程度制限する
  (3)食事を60%程度に制限する
    
 5週目にすべてのマウスの腹部にガン細胞を注入して、毎週、ガンの進行状態を調べた。その結果、(1)(2)のグループはガン細胞注入後2~3週間で、腹部に平均11g の腫瘍ができ、4週目にはほとんどのマウスが死亡した。(3)の「腹六分」のマウスは、腫瘍の大きさは平均7g と小さく、しかもほとんどのマウスが7週目まで生存した。また(3)のマウスは(1)の飽食マウスに比べて、免疫力に重要な役割を持つインターフェロンの量が2倍もあり、免疫細胞のT細胞の量が約2倍もあったという。

 またある量の放射線を満腹ネズミに照射したところ、100%発ガンしたのに対し、腹五分程度の空腹ネズミの場合では、わずか0.7%しか発ガンしなかったという実験結果もある。

 同じく米国エモリー大学病院のS・ハイムスフィールド博士が、平均寿命50歳で同じ程度の進行ガン患者100人を無作為に集め、A群の50人には病院の普通食を、B群の50人には特別な栄養素を十分に入れたスープを加えた高栄養食を与えたところ、A群の平均生存日数は300日、B群は75日だったという。

 こうしたさまざまな事実から考えると、私たち人間がガンになったときに食欲がなくなるのは、免疫力を上げてガンを治そう、延命しようとする反応であると考えてよい。しかしせっかくの食欲不振を一般の人はもちろんだが、医師たちまでもが信じきったように「体力をつけるために少しでも食べよ」と、ガン患者に食を強制することが多いようだが、どうしたものであろうか。


  (「食べない健康法」石原結實・著 PHP文庫 抜粋 )



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